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インタビュー

【RIZIN】隠れた寝技の攻防、亡き恩人に捧げる勝利──ヤマニハ「『次の試合はお前が勝つ』と言われていました」×河村泰博「完全に対策されていた」

2022/11/07 15:11
 2022年11月6日(日)に愛知・ドルフィンズアリーナで開催された『RIZIN LANDMARK 4 in NAGOYA』のバンタム級(61.0kg・5分3R)で、アラン“ヒロ”ヤマニハ(ボンサイ柔術)と、Fighting NEXUS同級王者の河村泰博(和術慧舟会AKZA)が対戦した。  ボンサイ柔術のヤマニハと、渡部修斗に競り勝った須藤拓真に8月のNEXUSで一本勝ちしている河村の戦は、ヤマニハの剛の寝技に対し、打撃を効かせた河村が寝技でもカウンターを狙っていたことを試合後に明かしている。  また、ヤマニハは地元での「兄のような存在」であるTSジムのトーマス・スタンリー会長の急逝を胸に戦っていたこと、そして、河村は翌11月7日(月)にNEXUS初の後楽園ホール大会で解説を務めることも語っている。 アラン ヒロ ヤマニハ「サトシ、クレベルに続いて必ず自分もベルトを」 ──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか。 「ミッション完了というように感じています。この試合ではたくさん間違いを犯してしまいましたけどそれを改善していきたいと思います」 ──間違いとは具体的にどういったところだったか教えていただけますか? 「格闘家というのは常に完璧でなければいけないんですね。たとえば柔術はすこし小さなスペースを相手に与えることで自分が極めることができなかったり、打撃ではガードを少し間違えただけで、致命的な一発をもらってしまうこともあるので。今は自分はそれに向けてパーフェクトな状態に向けて、頑張って、この階級でファンを喜ばせたいと思っています」 ──実際に対戦した河村選手のイメージは試合前と違ったところはありましたか。 「自分が想像していたよりもかなりフレキシブルな選手でした。三角(絞め)を極めそうになったときも、彼がもう少し体が固かったら極まっていたと思います。でもそれで少し間違えてしまったところがあると思います」 ──ニアフィニッシュの場面で極め切れなかったのはご自身が仰っているようなミスなのか、河村選手が狙って別のことをしようとしてきたことを感じたのでしょうか。 「言い訳ではないのですが、この試合前に怪我をしてしまい、怪我は治ってるのですが、試合のタイミングというのを少し自分で、失ってしまいました。それが極められなかった理由かと思いますが、今後それを絶対に改善していきたいと思います」 ──とはいえ、ポジションをかなり制していてパウンドアウトするという選択肢もあったかと思いますが、極めることににこだわっていたように見えました。 「そうですね。グラウンドの状態で、パウンドに行くか、極めるかどちらか選択するときがあります。先ほども言ったとおり、そういうタイミングを自分は間違えてしまったと思うので、今から戻って練習したいと思います」 ──今回、ご自身の住む名古屋で勝利したことの感想を教えてください。 「嬉しく思っています。名古屋でずっと試合をしていませんでしたので。自分の暮らす街で、娘が学校に通い、娘の友達もたくさんいる街で勝てたことをとても嬉しく思っています」 ──勝利後の弓を射るポーズは娘さんのためにしたのですか? 「娘と奥さんのためにしました」 ──2週間前にトーマス会長(TSジム)が亡くなられる悲しい事実をどう受け止めてケージに入られましたか。 「トーマスさんは自分をすごく助けてくれていた人でした。警備会社を経営していて、彼のもとで働いていました。夜仕事をし、昼に格闘技をする環境を作ってくれた、兄のような存在だと思っています。2週間前に亡くなって、とても寂しい気持ちでいました。彼が亡くなったのは、朝元気だったのに夜亡くなった状態でしたので、最後に彼にかけらえた言葉は『次の試合はお前だ、お前が勝つ』と言われました。それを心に刻んで、今日の入場曲も、彼のためにの『See You Again』(ウィズ・カリファ)という曲にしました」 ──今回勝利しましたが、今後の展望、目標をお聞かせいただけますか。 「ボンサイ柔術で、サトシ選手もチャンピオンベルトを持っていて今度はクレベル選手も持ち、自分だけが持っていません。それに向けて、頑張りたいと思います。いつか必ず自分の腰にチャンピオンベルトが巻かれると思っています。夢を強く願えば必ず実現するものだと思っています」 [nextpage] 河村泰博「諦めずにまたやっていきたい」 ──試合後の率直な感想をお聞かせください。 「『RIZIN全然余裕』じゃなかったです。全然余裕じゃなかった」 ──何度か極められそうな危うい場面は抜けられる自信がありましたか? 「細かい話になっちゃいますけど、寝技でのカウンターを狙っていたのであそこ(ポジション)までは取らせて返そうとしていました。だから取られないだろうとは思っていたのですけど、そこから上手く自分の仕掛けには繋げられなかったっていうのがありましたね」 ──途中までは狙い通りの展開ではあったのでしょうか? 「狙い通りではなかったです。寝技で完全に後手になってしまっていたと思います」 ──途中、スタンドで河村選手が一発当てて相手をぐらつかせました。手応えはありましたか? 「煽りで言っていたか分からないですが、僕はほとんど寝技勝負してきて打撃であんな効かせたことがあんまり無くて(苦笑)、ただ、打撃はすごい練習していたんですけど、ちょっとそこで決める技が無かったな、て。いまの段階の僕の技ではあそこで倒しきれなかったというのがありましたね」 ──対戦を終えてヤマニハ選手の印象は、試合前と違うところはありましたか。 「もっとすごい振り回してくるのかと思っていたのですけど、結構冷静に待たれていたので、そこはイメージと違いました。でも寝技は強かったです」 ──「寝技でカウンターを狙っていた」ということですが、相手につかせて自ら前転し、自分の体勢を作ろうかというときに、ヤマニハ選手がすごくうまく腰をコントールしていて動かすことができなかったのかなと思いました。その辺りはどうでしょうか。 「仰る通りで、カウンターの寝技を狙っていたのとギロチンチョークとか全部、細かいところで狙っていたんですけど、全部うまく初期の対処をされて(潰されて)いたなと思っていて。そこでちょっと僕が別の展開とかに持っていければ良かったのですけど、そこがちょっとできていなかったと思います。対処がすごい素晴らしかったと思います」 ──レッスルアップ(下からの立ち上がり)から狙う姿勢もすごく見えていたのですが、ギロチンを狙うのか、がぶりなのか中途半端なように見受けました。 「あれはですね、得意なポジションでギロチンチョークを狙っていたのですが、ヤマニハ選手に完全に、首の位置だったり肩の位置でうまく対処されて、完全に対策されていたなって、試合中にも思いました」 ──VTJで佐藤将光選手にも負け、大きなチャンスをふたつ逃しました。どう巻き返していきますか? 「大きいチャンスを1年に1回ずつ負けてしまっているのですけれども、まだ僕、全然、格闘技大好きなので、辞めるつもりもないですし。全然まだまだ新しいトレーニングとか今どんどん採り入れていて。本当に打撃とかも今まで本当に出来なかったのですけど、今日もいい場面を作れたりとかもあるので、諦めずにまたやっていきたいな思います」 ──今回、初参戦のRIZINの舞台はどんな印象だったでしょうか。 「そうですね……、僕『RIZIN余裕』とか強気な発言してたんですけど、僕ずっとPRIDEとか見てて、こういう舞台すごい憧れていたので、単純に呼んでいただけて試合して、すごい嬉しい気持ちなんですけど、でも“思い出づくり”で来ていたわけではなかったので悔しいですし、こういう大きい舞台に立てて楽しかったなという、気持ちが今ふたつあります」 ──今後の展望をお聞かせいただけますか。 「負けてしまったので、また自分の団体のFighting Nexusだったり、どこかで頑張ったり、またRIZIN呼ばれるのであればそこで頑張って、また初めからやり直していきたいのと、あとは、いい場面もあったと思うので、自分を信じるというような練習もしていきたいと思います」 ──ところで明日はお仕事ですか? 「明日はお休みをいただいていまして、ただ、明日(7日)僕がチャンピオンのFighting Nexus後楽園大会で解説をやることになっていまして、そちらの仕事があるので、また東京に戻って、明日は解説をやります」 ──髪も営業職の仕事のために染め直すのですよね。 「そうですね、月曜の夜くらいに直そうと思います」
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