2022年12月3日(土)エディオンアリーナ大阪『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』の第一弾対戦カード発表記者会見が、10月14日(金)都内にて行われた。
今大会では8選手による「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」が行われることが決定。ワンデートーナメントで初代王座を争う日本人4選手と外国人4選手、そのトーナメント組み合わせが発表された。
1回戦第1試合では池田幸司(ReBORN経堂)とアンビ・エンスエ・アボモ(赤道ギニア/Pure Impact)が対戦。
池田は幼稚園で空手を始め、中学からは陸上部にも所属。一時は空手の練習から足が遠のき、大学入学後に「飲んだくれて遊んでいた」日々を過ごしていたが、一念発起してReBORN経堂に入門。アマチュアでは無敗を誇り、2019年にはK-1カレッジ優勝。同年10月にKrushでプロデビューしたが大学卒業後、一度は就職したものの、K-1ファイターの道を諦めきれずに退職。2020年10月の第6代Krushバンタム級王座決定トーナメント1回戦では吉岡ビギンと延長までもつれる接戦を演じた。2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では1回戦で黒田斗真にKO負けを喫したが、その後は連勝して2022年3月に壬生狼一輝を判定で破り王座に就いた。7月には野田蒼をKOして初防衛に成功している。戦績は8勝(4KO)3敗。
アボモは身長165㎝の28歳、FOKBMT-57kgカタルーニャ王者で戦績は19勝(8KO)4敗。スペインを中心にヨーロッパで試合を行い、「身体つきがゴツくて身体能力が高い。テクニカルで技術がある。池田選手とは技の攻防でかみ合う相手になると思っている」(中村拓己K-1プロデューサー)という選手。
池田は「1回戦の相手、いかつすぎませんか?(苦笑)。53kgで黒人選手なんて見たことないのでビビっちゃっているんですけれどしっかり倒して勝ちます」と、意外な選手の登場に少々戸惑い気味。
アボモからは「K-1で試合が決まって興奮した。池田はレベルが高くていいヤツそうだが、俺のパンチでマットに沈めてやる。K-1王者の称号を手に入れたい」とのコメントが寄せられた。
1回戦第2試合では、石井一成(ウォー・ワンチャイプロモーション) とオスカル・ボルケス(エクアドル/Team Promebox)が対戦。
石井はジュニアキック出身で、アマチュアでは14冠王を達成。タイを主戦場に6連続KO勝利を飾り、2017年2月にはTrue4Uフライ級タイトルを高校生で獲得。2017年6月からは『KNOCK OUT』に参戦し、2018年12月、トーナメントを制してKING OF KNOCK OUT初代フライ級王座に就いた。WPMF世界フライ級王座、IBFムエタイ世界フライ級王座、BOMスーパーフライ級王座も保持し、那須川天心に対して“西の神童”と呼ばれている。
そのキャリアのほとんどをムエタイルールで戦ってきたが、7月に『RISE』参戦。「DEAD or ALIVE 2021 -53kgトーナメント」に出場したが、1回戦で大崎一貴に敗れた。今年1月の『NO KICK NO LIFE』で花岡竜にまさかの敗北を喫したが、8月には『K-1』に初参戦を果たし、藤田和希をKOして初陣を飾る。9月にはラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級1位のデットペットをKOしてWBCムエタイ世界スーパーフライ級王座に就いた。戦績は38勝(20KO)12敗2分。
ボルケスは165㎝の29歳、戦績は8勝(5KO)無敗。WKAの世界バンタム級(-54kg)と全米同級王座に就いた。「南米とアメリカの大会で試合をしている。スタイルはボクシングと空手をミックスしたようなスタイル。MMAも年1回のペースで試合をしている。戦い方が変則的で変わった選手。その中で倒す一発を持っている。石井選手がやったことないタイプだと思うので、トーナメントならではのカードになったと思います」(中村P)。
石井は「こんなに早くトーナメントを開いていただきありがとうございます。僕が格闘技を始めたきっかけで夢であるK-1世界王者になる日がやっときました。18年間の想いをここにぶつけて、僕が作っていくと言ったんですがバンタム級のスタートとして絶対に勝ちに行きます」と、自分が世界王者となってK-1バンタム級を引っ張っていくと宣言。
ボルケスからは「K-1という立ち技格闘技の最高峰で戦えることになって嬉しい。石井はこの階級で世界トップクラスだが、自分がバンタム級はスピード・フィジカル・テクニックのどれをとっても最高だと言うところを見せてその中で王者なりたい」とのコメントを寄せた。
1回戦第3試合は、黒田斗真(K-1ジム心斎橋チームレパード)とヨーシラー・チョー.ハーパヤック(タイ/チョー.ハーパヤックジム)が対戦。
黒田は小学3年生で少林寺拳法を学び、その後キックボクシングを始める。しかし次第にドロップアウトし、格闘技から離れていた時期もあったが、兄・勇斗からの『お前と一緒に格闘技をやりたい』という手紙をきっかけに再び格闘技の道へ。2020年の第6代Krushバンタム級王座決定トーナメントでは準決勝で吉岡ビギンに敗れたが、2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では1回戦で池田幸司をKO、準決勝で松本日向からダウンを奪っての判定勝ち、決勝は壬生狼をKOして圧倒的な強さで優勝を果たした。12月には壬生狼との再戦で延長戦の末に判定勝ち。6月の『THE MATCH 2022』ではRISEの風音に延長戦の末に判定負けした。戦績は8勝(4KO)3敗1分。
ヨーシラーは169㎝の21歳で、戦績は51勝(13KO)9敗3分。黒田と同じサウスポー。オムノーイスタジアム認定バンタム級王者。層の厚いムエタイ軽量級において現在16連勝中・約3年間負けなしという快進撃を続けている。ムエタイ界では一昨年あたりから注目を集め、毎月のように試合を行っているという人気選手になっており、3チャンネルTVマッチのトーナメントで優勝した経験もある。昨年までは3チャンネルのTVマッチを中心に戦っていたが、今年は業界3番手のプロモーターであるパランマイ系を中心に試合をしており、ますます注目を集める存在。
「蹴り技主体の選手ですがアグレッシブで荒々しくパンチで仕留めに行くこともする。試合を見てもアグレッシブでK-1ルールで戦っても強いなと思う。最近K-1でムエタイが強さを見せているが、軽量級はさらに強いと思うのでその選手が黒田選手と1回戦で戦うのは面白いと思います」(中村P)
強敵を迎え撃つ黒田は「まず大阪でトーナメントを開いてもらえることを嬉しく思います。5月のTHE MATCHに出場させてもらいましたが、負けてしまったので今回は挽回するチャンス。このトーナメントで負けたら全てを失うと思うので、何が何でも死ぬ気でこのベルトを獲りに行こうと思っています」との決意を語った。
ヨーシラーは「K-1のベルトを巻くチャンスが巡ってきたことを嬉しく思う。黒田はK-1のトーナメントで優勝しているそうだが、自分の相手ではないと思う。最近K-1でもムエタイが活躍しているが、バンタム級でもムエタイがナンバーワンであることを証明したい」と自信満々のコメントを寄せた。
そして1回戦第4試合では、壬生狼一輝(力道場静岡)とサンベル・ババヤン(アルメニア/Black Bull)が対戦する。
壬生狼は幼稚園から日本拳法を学び、のちにキックボクシングに転向。地元・福岡と九州の大会でキャリアを積み、高校在学中にプロデビュー。九州のキックボクシングイベント「大和」のバンタム級王座も獲得した。高校卒業時に福岡を離れ、力道場静岡に入門。ジムの2階で寝泊まりしながら練習漬けの日々を過ごす。2020年8月にKrush-EXで勝利を収めると、同年11月のK-1福岡大会で元Krushバンタム級王者・晃貴を、2021年1月のKrushでは松本日向を撃破。3月には吉岡ビギンをも破り第7代Krushバンタム級王座を獲得した。しかし、2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では決勝へ進出するも黒田斗真にKO負けで初黒星。12月の黒田との再戦では延長戦で判定負け、2022年3月の初防衛戦では池田幸司に判定負けと連敗。8月に峯大樹に勝利して連敗を脱出した。戦績は13勝(2KO)3敗。
ババヤンは身長160㎝の26歳。戦績は27勝(12KO)5敗。OMKE 54kgスペイン王者、WKN の53.5kgではスペイン、カタルーニャ、世界と3つの王座に就いた。2019年6月の初来日では「K-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント」に出場し、1回戦で晃貴からハイキックでダウンを奪って準決勝へ進出している(玖村将史に判定負け)。今回はベストウェイトでの参戦となった。
壬生狼は一樹の腹違いの兄だというグレート・ミブとなって登場し、肩には赤いマフラー、そして両頬には「寛至」の文字。「おい、こんなところに“ババ”がおるぞ。ババに対抗できるのは会長しかおらんやろ。今から会長を召喚させるから待っとけ」と何やら怪しい呪文を唱えながら召喚の儀式。
そして「元気があればムスコも大きくなる。このバンタム級トーナメント、どうなるものか。危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ、行けばわかるさ。ありがとう!」と壬生狼劇場を繰り広げた。
<発表対戦カード>
▼K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント1回戦(1)3分3R延長1R池田幸司(ReBORN経堂)アンビ・エンスエ・アボモ(赤道ギニア/Pure Impact)
▼K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント1回戦(2)3分3R延長1R石井一成(ウォー・ワンチャイプロモーション) オスカル・ボルケス(エクアドル/Team Promebox)
▼K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント1回戦(3)3分3R延長1R黒田斗真(K-1ジム心斎橋チームレパード)ヨーシラー・チョー.ハーパヤック(タイ/チョー.ハーパヤックジム)
▼K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント1回戦(4)3分3R延長1R壬生狼一輝(力道場静岡)サンベル・ババヤン(アルメニア/Black Bull)
▼K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント準決勝(1)3分3R延長1R1回戦(1)勝者1回戦(2)勝者
▼K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント準決勝(2)3分3R延長1R一回戦(3)勝者一回戦(4)勝者
▼K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント決勝 3分3R延長1R準決勝(1)勝者準決勝(2)勝者
▼K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R延長1R野田蒼(月心会チーム侍)峯大樹(若獅子会館)
▼スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス)ワン・ジュングァン(中国/天津阿福ファイトクラブ/CFP)
▼スーパー・ファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R椿原龍矢(月心会チーム侍)兼田将暉(RKS顕修塾)
▼K-1フェザー級 3分3R延長1R斗麗(WIZARDキックボクシングジム)玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス)
▼K-1フェザー級 3分3R延長1R新美貴士(名古屋JKファクトリー)國枝悠太(Never mind)
▼K-1ライト級 3分3R延長1R与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)エークピカート・モー.クルンテープトンブリー(タイ/志村道場)
▼K-1ライト級 3分3R延長1R篠原悠人(DURGA)弘輝(WORLD TREE GYM)