キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】中島弘貴「お客さんは『普通の試合』を見たいわけじゃない。『凄い試合』をするつもりでいます」

2022/10/13 19:10
 2022年10月16日(日)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2022 vol.6』にて、クンタップ・チャロンチャイ(タイ/BTC GYM)とKNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級3分3R延長1Rで対戦する中島弘貴(LARA TOKYO)のインタビューが主催者を通じて届いた。  中島はシュートボクシング、RISE、全日本キックボクシング連盟、Krushと渡り歩き、強打とヒザ蹴りを武器に無敗のまま「Krush 70kg Tournament 2009」で優勝。2010年3月には「K-1 WORLD MAX 2010 ~-70kkg日本トーナメント」で準優勝。K-1でアルバート・クラウス、戦極でブアカーオらと対戦し、2012年には欧州最大のキックボクシング団体(当時)であったIT'S SHOWTIMEの日本王座として制定されたSTJ 70kg MAXの初代王者にも輝いている。2015年4月には第3代Krushスーパー・ウェルター級王座を獲得。  2021年5月にKNOCK OUT初参戦を果たすと初回KO勝ち、10月大会では平塚洋二郎にも勝利を収め、今年1月大会では曽根修平に初回KO勝ち。4月大会はカンボジア王者のコーンリーチを2RでKOに沈め、7月大会では漁鬼と延長戦に及ぶ激闘の末にKO勝ちで5連勝。戦績は30勝(18KO)16敗。 タイ人との試合はブアカーオ以来2度目 ──今回の対戦相手はクンタップ選手です。彼も長く日本にいて多くの試合をしていますが、昔から知っていますか? 「僕、2010年12月に『戦極 Soul of Fight』でブアカーオ選手と試合する前に、ちょっとだけクンタップ選手と練習したことがあるんですよ。マススパーをお願いして」 ──そうなんですか! 「それ以前は、リアルタイムで試合を見たりはなかったんですけどね」 ──国内にいる70kgのタイ人という意味では貴重ですもんね。その時のこととかって、覚えてますか? 「どっしりとしたムエタイスタイルで、ミドルが強かったかなというぐらいですね。12年も前なんであんまり覚えていないし、まさか試合をすることになるとも思ってなかったので(笑)」 (写真)2010年12月の『戦極 Soul of Fight』でブアカーオ(左)と対戦している中島──そうですよね。ちょうどブアカーオ戦のことも伺いたかったんですが、これまでのキャリアでタイ人との対戦って、その試合だけですか? 「そうですね。2014年にタイで『THAI FIGHT』に出た時も、相手はカンボジア人だったので。その時は判定で負けちゃったんですけど」 ──では、『KNOCK OUT』でサッシス選手、コーンリーチ選手とも対戦しているので、カンボジア人とは計3回当たっているんですね。タイ人は1回なのに。これだけのキャリアと試合数でタイ人と1回だけというのも、かなり珍しいですね。 「まあヒジなしと、70kgという階級もあるとは思うんですけど、確かにタイ人とは縁がなかったですね」 ──ちなみに2010年のブアカーオ戦は、今振り返るとどうですか? 「うーん、それもかなり前ですからね(笑)。倒さないと勝てないなと思ったんですけど、うまく逃げ切られたみたいな感じでしたね。捕まえきれなくて、仕留められなかったという」 ──そういうのを踏まえて、中島選手から見たムエタイってどういうものですか? 「のらりくらりとして、技術で戦ってるんだなという感じはします。だから、進んでやりたいという感じではないですね。やる時があればやりますけど」 ──その「やる時」が来たわけじゃないですか。生涯2人目のタイ人との対戦の時が。今回はどう戦いますか? 「もちろんKOは狙います。結果的に判定になってしまうこともあるかもしれないですけど、『凄い試合』をするつもりでいます。やっぱり会場のお客さんは『普通の試合』を見たいわけじゃないですし、勝ち方だけでなくそこまでも『凄い試合』、裏切らない試合をしようと思ってますね」 ──「凄い試合」という意味では、7月大会での漁鬼戦も凄かったですよね。 「いや、あれは『勝って兜の緒を締めよ』じゃないですけど、終わった後は負けたような気分でした。その前のコーンリーチ戦から、自分の動きに雑なところがあって、あの試合でもそれが出てしまってました。いい意味で言えば、そこに気づけたからよかったとも言えますけど」 ──そのせいで、漁鬼選手に頑張られてしまった、という感じでしょうか? 「そうですね、本来なら延長までいかなくても勝てた、勝たなきゃいけなかった試合だと思います」 ──では、あの試合の後に兜の緒を締めて、練習で取り組んだことというのは? 「雑なところを見直して、練習でしっかり動きを確認しました。例えば自分の打ち終わりとか、そういう部分ですね。あとは試合までの気持ちの持っていき方も、ちょっと見直しました」 ──コーンリーチ選手も漁鬼選手も、キャリアや実績で言えば中島選手の方が上でしたよね。そのあたりも関係していましたか? 「いや、相手どうこうじゃないんですよ。最終的に自分の問題なので、相手が誰であろうとそこは変わらないです。コーンリーチもカンボジアでタイトルを獲ってましたし、漁鬼選手も強い選手とは思っていたので」 ──では、クンタップ選手がベテランで、ここしばらくは実戦から遠ざかっていることも関係ない? 「というよりは、実績もすごくありますし、タイ人ならではの技術もあると思いますし。それに、あの年齢まで試合をしているというのも、ファイターの気持ちがあるからだと思うので、ナメてかかることはできないですね」 ──前回延長までいった分、今回は速攻で倒したいとか、そういう気持ちは? 「試合になってリングで向かい合ってみないと分からないし、KOを狙うのはもちろんなんですけど、ただ殴り合えばいいわけじゃなくて、駆け引きが面白い試合になるかなと思ってるんですよ。その上でシンプルにKOまでいければいいかなと。自分もテクニカルな面は持ってると思っているので」 ──中島選手というと、一般的には「豪腕でなぎ倒してKO勝ち」というイメージがあるかと思います。それに対して、「いやいや、技術もあるんだよ」という気持ちもある? 「けっこう、目線でフェイントをかけたり、相手が息を吸ってるか吐いてるかを打ったりはしてるんですよ。そういうのはあるんですけど、やっぱり周りからは『ただ殴って勝ってる』みたいに思われてる感じはしますね」 ──では、実はそういう細かいテクニックも見てほしい? 「いや、見てほしいというわけでもないですけど、『俺も持ってるんだぞ』という気持ちはありますね。KOで倒すまでに、いろいろ技術は使ってるので。まあただ、7月の試合は『ただ殴ってるだけ』みたいになっちゃったところがあるので、何とも言えないですけど」 ──それもあって今回は、しっかり技術を使った上でKO勝ちすると。 「そうですね。もし相手がタイ人らしくのらりくらりとした感じで来ても、それはそれで捕まえる技術もあるので。特にタイ人はいくら俺が振り回しても、それでうまく倒すことはできないと思うんですよ。最後はスカッと勝つところをお客さんに見てもらうために、必要な技術を使ってそこに持っていきたいと思います」 ──そういう細かい部分も見てもらえるともっといいですよね。では最後に、今回の試合で特に注目してほしいポイントはどこでしょう? 「今さら中途半端な試合をするつもりはないので、勝ち方にもこだわりたいと思ってます。その勝ち方を見てほしいです」
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