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インタビュー

【K-1】大和哲也が運命の再戦「大蔵選手に負けた時は、本当に絶望的だった。自分はこれで終わりなのかなという気がした」

2022/08/17 17:08
 2022年9月11日(日)横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~よこはまつり~』にて、K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ3分3R延長1RでKrush同級王者・佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)の挑戦を受ける王者・大和哲也(大和ジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。  大和は2005年7月プロデビューの33歳。キックボクシングでNJKFライト級王座、WMCインターコンチネンタル同級王座、WBCムエタイ日本同級王座、WBCムエタイ日本スーパーライト級王座、WBCムエタイ・インターナショナル同級王座を次々と獲得。2014年11月にはサゲッダーオをTKOに破り、同日にタイトルマッチを行った梅野源治と共に日本人初のWBCムエタイ世界王者(スーパーライト級)となった。2010年にK-1 WORLD MAX -63kg日本トーナメントで全試合KO優勝を果たし、その後はムエタイルールでの試合に専念していたが、2017年4月から新生K-1に参戦。トップクラスには苦戦が続いたが、2022年4月に山崎秀晃を初回KOして第6代王座に就いた。戦績は43勝(32KO)20敗1分。 自分の人生のターニングポイントをくれた選手だと思っています ──大和選手の前回の試合は、今年4月『K’FESTA.5』代々木第一体育館大会での、山崎秀晃選手とのK-1スーパー・ライト級のタイトルマッチでした。改めて振り返ってみていかがでしたか? 「一撃必倒らしい試合が出来たかなと思います」 ──反響も大きかったんじゃないですか? 「大きいどころか無茶苦茶大きいですね」 ──そういう中で今回、山崎選手のジムの後輩である佐々木大蔵選手からタイトル挑戦のアピールがあったわけですけど、どう受け取ったんですか? 「横浜アリーナ大会に出ることは決まっていましたし、いずれは大蔵選手とやりたかったので、そういうお話が来た時点でベストなタイミングだなと思いましたね。記者会見で中村拓己K-1プロデューサーもコメントしていましたが、全て必然なのでこのタイミングも必然だと思います。だから、よっしゃーって感じですね」 ──佐々木選手とは2020年12月のK-1両国国技館大会で対戦していますね。改めてファイターとしてはどのような印象をお持ちですか? 「巧い選手ですし、ベテランの戦い方が出来て、かつ熱い戦い方も出来るっていう、何でも出来るファイターだっていう印象です。トータル的に何でも出来るテクニシャンですよね」 ──佐々木選手は大和選手と2回戦えることを「光栄だ」とおっしゃっていました。そういう選手を迎え撃つことに関してはどのような心境ですか? 「大蔵選手は元々強い選手だって知ってましたし、尊敬する選手ですので、自分も2度やれるのは光栄だなと思いますね」 ──2019年8月のK-1エディオンアリーナ大阪大会で近藤拳成選手に勝ってから、昨年12月のK-1エディオンアリーナ大阪大会で大野祐志郎選手にKO勝利するまで、かなり長い間勝利から遠ざかっていました。現在は先日のタイトルマッチを含めて2連続KO勝利中ですけど、K-1のリングで最後に負けたのが佐々木選手でしたね。 「大蔵選手に両国で負けた時は、本当に絶望的だったんですよね。本当に自分はこれで終わりなのかなという気がしたし、それぐらい自分はあの敗戦で落ちるところまで落ちたんだという心境だったんですよ。でも、だからこそこうして這い上がってこれたし、そういう意味では自分の人生のターニングポイントをくれた選手だと思っています。なので、本当に最高の感謝を持って、最高の恩返しをしたいと思っていますし、それは格闘家なので試合で見せるしかないと思っています」 ──先日、武尊選手が休養宣言をしたことで、K-1の次代を担う若い選手への期待も大きいんですが、その中で前回の山崎選手とのタイトルマッチもそうですけど、今回の佐々木選手とのタイトルマッチもベテラン同士で感情移入しやすい特別な試合だと思うんですよ。それについてはどう思われていますか? 「確かにK-1も若い世代が目立っていますけど、僕らみたいな年代の選手もまだまだ活躍出来るっていう姿を見せたいですし、その走りなんじゃないですか、前回の僕のKOが。これからも前回と同じようにそれを見せ続けたいなと思います」 ──そこを踏まえて今回はどんな試合を見せたいですか? 「大蔵選手に敗戦というあの経験を受け入れられたから、また自分は生まれ変われて今があるので、試合を通じて最高の恩返しをしたいと思います。僕はマーベルの映画が好きなんですけど、“リベンジ”と“アベンジ”って、意味が違うんですよ。“リベンジ”って復讐心から来るやり返しらしいんですけど、“アベンジ”は正義心から来るやり返し。僕は別に大蔵選手にリベンジという気持ちはないので、アベンジャーズのような気持ちと最高の感謝の気持ちを持って戦いたいと思っています」 [nextpage] 王者=大和哲也じゃなくて、“大和哲也が王者”という意識 ──12年前のK-1 WORLD MAX時代にトーナメントで優勝しましたが、今回K-1王者になったことで、改めてK-1のベルトについてはどのような想いがありますか? 「自分はK-1の世界チャンピオンになりたいと思ってやってきて、そのベルトを獲ることが出来たと。ただ、自分としてはチャンピオンになることで終わりじゃなくて、チャンピオンになったことである意味発言権を得られたわけですし、自分の試合を通じて、自分の人間性をファイターとして見せて、いろんな人に元気やエネルギー、パワーを伝えたいなと思っているんですよ。今はやっとベルトを巻いて、K-1の舞台での発言権を得たところです。まだまだ自分のことを見せるべき人たちはたくさんいると思うし、そういう運命を含めて、今回きっちりと勝利を収め、さらに声高らかに自分の伝えたい想いを発信していきたいなと思っていますね」 ──ベルトを獲ったその先にもやりたいことがたくさんあるということですね。 「だから、前回大蔵選手にああいう形で負けたことで、自分にはやるべきことがあるなというか、自分の運命を再確認出来たところはありますね。あの負け続けた期間があって、またこのようにベルトを巻いてチャンピオンになった。我ながらこんなドラマチックなことはないと思うし、そんな自分にしか出来ない魅せ方があると思うんですよ。しかも、今回の横浜大会は9.11ですよ。2001年にアメリカで同時多発テロが起きた日ですよね。その日に僕は“アベンジ”の気持ちと感謝を胸に、最高の試合をして、リングから世界平和をしっかりと唱えたいと思っています」 ──具体的な次の目標はあるんですか? 「K-1で負けている選手たちにベルトを懸けて恩返しをして、勝ち星を掴み取りたいなと。今はそれが一番大きいですね。今回はいきなりその1人である大蔵選手とやれるので、また自分は持っているなと思っています」 ──ベルトを持ってアベンジロードを突き進むと。 「いいですね! アベンジロードです」 ──今、持っているとおっしゃいましたけど、やるべきことをやっていると必然が転がってくる感じですか? 「いや、イメージ的には、起こったことは起こるべくして起こったっていう感じですね。だから僕が勝てなかった2年4カ月間という期間も、起こるべくして起こったことなんですよ。あの時期も手を抜いてたわけじゃなくて必死にやっていたんですけど、何か歯車が合ってない感覚があった。でも、それから復帰戦に勝って、ベルトを巻くことが出来たわけですよ。それは歯車は合ってないように見えたけど、実は合っていて今に繋がっていると思うんですよね。だから起こることは全て起こるべくして起こっていると捉える。そのことを僕は必然と言っています」 ──起こったことを受け入れるということですね。そういう中で今回の試合はどんなことをテーマに戦いますか? 「さっきも言った通り、やっぱり恩返しですね。僕に強くなるきっかけを与えてくれた大蔵選手に最高の恩返しをして、K-1という最高のリングでまた『We are all one.Fight for peace』っていう言葉を、世界に向かって声高らかに宣言したいですね」 ──分かりました。格闘技人生で初めてK-1のベルトを巻いての試合になると思います。そこは意識していますか? 「確かに今の僕はK-1王者なんですけど、王者らしい試合をしようとは全く思ってないんですよ。王者=大和哲也じゃなくて、“大和哲也が王者”という意識なんですよね。僕が僕らしい試合をすればそれが王者たる試合になると思うので、そこらへんは意識してないです。だから、また最高の準備をして、最高の大和哲也の一瞬で決める試合を、一撃必倒の試合をお届けしたいと思っています」
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