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【RIZIN】スーパーアトム級WGPは伊澤がラーラにギロチン一本勝ち! 浜崎がアギラーに涙の勝利、パク・シウが浅倉に完勝、RENAがダウン奪う勝利。神龍が所に判定勝ちも悔し涙、武田がケースに投げ勝ち、元谷が太田を完封!

2022/07/31 13:07
 2022年7月31日(日)『RIZIN.37』がさいたまスーパーアリーナにて開催された。なお、前日計量は全選手がパスも、第11試合でフェリペ“キングハンター”マソーニ(ブラジル)と対戦予定だった三浦孝太(BRAVE)がコロナ陽性により欠場、試合は中止となっている。全14試合。 RIZIN.37 2022年7月31日(日)さいたまスーパーアリーナ12:30開場 14:00開始(予定) ▼第15試合 RIZINスーパーアトム級(49kg)ワールドGP1回戦 5分3R〇伊澤星花(日本・フリー)=48.50kg[1R 3分47秒 ギロチンチョーク]×ラーラ・フォントーラ(ブラジル・Constrictor Team)=48.55kg  2021年10月のパク・シウ戦以来となる国際戦に臨む伊澤は、東京学芸大学教職大学院生で24歳。小学生から柔道とレスリングを始め、レスリングでは2012年ジュニアクイーンズカップ52kg級準優勝、2012年沼尻直杯全国中学生選手権女子57kg級で優勝。柔道は高校2年生の時にインターハイ3位と全国選手権5位に入賞。2019年東京学生柔道体重別選手権女子52kg級では準々決勝まで進出している。さらに女子相撲にも出場し、2019年の全日本選手権で準優勝と、組み技のハイブリッドガールだ。  2020年10月のDEEP JEWELSでプロMMAデビューし、54.5kg契約でARAMIに判定勝ち。12月の2戦目でDEEP JEWELSストロー級(-52.2kg)王者・本野美樹といきなり対戦し、判定勝ちで番狂わせを起こした。  2021年6月にはタイトルマッチでの再戦で本野を1R3分32秒、腕十字で破りデビューから3戦、わずか8カ月で第4代DEEP JEWELSストロー級王者となっている。2021年10月にはパク・シウに苦戦の末判定勝ち。2021年大晦日の浜崎朱加戦で番狂わせの勝利を収めると、今年4月の再戦でも勝利してRIZINスーパーアトム級王座を奪取した。  フォントーラは、エリオ・グレイシー直系の弟子アタイジ・ジュニオールの茶帯。HERO'SやUFCで活躍中のハニー・ヤヒーラらフランシスコ・トリナルドと同門のフォントーラは、アタイジの女子生徒では初の茶帯となる。  2022年1月にアンディ・ウィンをストレートアームバーで下し、PAWFC女子ストロー級(52.2kg)王者に輝いたばかり。プロ7勝中5つの一本勝ちを誇り、すべてアームバーでの勝利。うち4勝を伊澤も得意とする腕十字固めで極めている。  サウスポー構えで引き込むことも少なくない寝技師のフォントーラに対し、伊澤はスタンドで優位に立ち、バックを取られない投げでグラウンドでもトップを取りたいところだ。  1R、いきなりパンチから組みつきクローズドガードで引き込んだフォントーラ。両腕が三角の中に入っている伊澤。下からフォントーラは伊澤の右手首をつかみ、右手で細かいパウンド。  中腰でヒザをつけて首を抜いた伊澤は、フォントーラの立ち際に首を抱え、ノーアームギロチンチョーク! 首を抱えハーフからパスのプレッシャーをかけて、マウントから絞め上げ、最後は下になりしっかりクローズドガードに入れてから、最後は4の字ロックで組んで、絞め上げ、フォントーラからタップを奪った。王者・伊澤が一本勝ちで準決勝進出を決めた。  メインで一本勝ちした伊澤は、跳びはねて歓喜してから、座り込んで涙。  リング上のマイクでは、泣きじゃくりながら「RIZINスーパーアトム級、DEEP JEWELSストロー級チャンピオンの伊澤星花です。いい勝ち方できたんですけど、練習がすごいキツくて、めっちゃ頑張って……いい勝ち方ができて良かったです。勝てたのも、セコンドの横田代表や、風我やCOROさんのおかげです。弟の風我もDEEPのフライ級GPが決まってますので、2人で優勝を目指します。背中にYouTubeのQRコードがあるので、登録をお願いします。最後ビシッと極められて良かったです。この調子でチャンピオンになります」と優勝宣言した。 [nextpage] ▼第14試合 RIZINスーパーアトム級(49kg)ワールドGP1回戦 5分3R〇浜崎朱加(日本・AACC)=48.85kg[判定3-0]×ジェシカ・アギラー(米国・ATT)=48.35kg  浜崎はONEに移籍したハム・ソヒ戦のスプリット判定負け以降、2020年8月に前澤智にキムラロックで一本勝ち、大晦日の「RIZIN女子スーパーアトム級王座決定戦」で山本美憂をネックシザースで極めて戴冠を果たすと、2021年3月に浅倉カンナをスプリット判定で降して初防衛。  2021年9月の前戦では、PANCRASE王者の藤野恵実と約8年9カ月ぶりに再戦し、3-0の判定勝ちを収めて4連勝していたが、2021年大晦日にノンタイトル戦で伊澤に敗れて日本人相手に初黒星。続く今年4月の再戦でも伊澤に敗れRIZINスーパーアトム級王座を失った。  MMA23勝5敗。浜崎同様に女子MMA界の生き字引といっていい存在のアギラーは、浜崎より2年早い2006年にMMAデビュー。2009年11月から2014年11月までは14勝1敗の驚異の戦績を誇り、なかでも2012年5月と2013年10月には師匠である藤井恵を2度判定で退けている。  WSOF女子ストロー級王座を2度防衛後、2015年からUFCに参戦。2018年7月にジョディ・エスキベルに判定勝ちも、前王者ジャン・ウェイリーに一本負け後、マリナ・ロドリゲスにも判定負けでリリース。2020年11月の前戦「XFC43」で元UFCのダニエル・テイラーにスプリット判定負け以来、1年8カ月ぶりの試合となる。  両者は2011年3月11日の『JEWELS 12th RING』で対戦予定だったが、当日14:46に発生した東日本大震災の影響で試合が中止となっていた。  1R、先に中央に飛び出た浜崎はサウスポー構え。オーソドックス構えのアギラーは右オーバーハンドを見せる。さらに、アギラーの右の打ち終わりにダブルレッグでテイクダウンを奪う浜崎!  序盤から自らテイクダウンに入った浜崎。ハーフガードのアギラーに背中を着かせて細かいパウンドも、アギラーは肩を押さえて防御。  体を離す浜崎に立ち上がるアギラー。左ストレートを突く浜崎。アギラーも右を伸ばす。さらに左ローの浜崎。  アギラーの左右の連打もさばき、前蹴り、さらに左三日月蹴り! 腹を押さえて下がるアギラーに浜崎は左右連打! 倒れるように引き込むアギラーはフルガードから腕十字を狙いゴング。  2R、右ローを打つ浜崎。さらに左の前蹴り。素早いダブルレッグテイクダウン! クローズドガードのアギラーは下から両手首を掴みハイガードの四角で挟み、右パウンド。体を離す浜崎に下から蹴り上げを見せる。  上の浜崎は右ロー。アギラーの立ち上がり際にも左を入れる。スタンドで頭を振ってワンツーを突くアギラー。その右に左前蹴りを突く浜崎。右カーフも。  アギラーから組みに行くと左で差す。そこに小手を巻いて内股狙いも。それを残すアギラーは離れ際に右! ボディストレートを突くアギラーに左ヒザを狙う浜崎はダブルレッグも、ここは切るアギラー。右ストレートを当てる。  3R、詰める浜崎。アギラーはジャブ、右ストレートをカウンターで狙う。蹴りはほぼないアギラー。ダブルレッグに入る浜崎はテイクダウン! ハーフから左で枕に巻き、肩をアゴに当てて寝かせて右でパウンドする。  マウントに移行し、寝かせたまま右のパウンドの浜崎。アギラーも下から右をこつこつ突く。最後に浜崎は上体を離してパウンド連打、マウントから腕十字も狙うが、ゴング。  判定は3-0で浜崎が勝利。「アギラー選手が相手ということで、変なプレッシャーを感じて……(涙)、無事に勝ててホッとしまています。支えてくれた練習や仲間に感謝したいです。勝って泣くのは久しぶりで、すみません。誰とやるのか分かりませんが、準決勝は頑張ります」と語った。 [nextpage] ▼第13試合 フライ級(57kg)5分3R×所 英男(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)=56.70kg[判定0-3]〇神龍 誠(神龍ワールドジム)=57.00kg  44歳の所は、2020年大晦日に61kg契約で太田忍に2R 腕十字で一本勝ちして以来の試合。  7連勝中、21歳の神龍は、2022年5月にDEEP同級暫定王者の藤田大和に3R ニンジャチョークで一本勝ち。統一王者になっている。  2013年10月の「VTJ 3rd」で126ポンド(57.2kg)で、ウィル・カンプザーノと対戦した所は、スプリット判定負け。試合後、所陣営は修斗コミッション及びVTJに判定結果について抗議するも、結果は覆らず、この試合後にカンプザーノはUFCと契約している。  また、2015年3月にはBellatorに参戦。L.C.デイビスとバンタム級で対戦し、目まぐるしく攻守が入れ替わる激闘の末、これも所がスプリット判定負け。「対世界」で行く手を阻まれた経験を持つ。フライ級でUFC出場を目指している神龍と戦うことは、所にとって、叶わなかった夢に決着をつけるような試合になる。  UFC出場を目指す22歳の神龍にとっては、ビッグネームに勝利しUFCにアピールするか。44歳の所はかつて掴みかけUFCに繋がるはずだった、やり残したフライ級に落とし前をつけるか。  1R、サウスポー構えの神龍。オーソドックス構えの所。大きな左を振る神龍。かわす所。神龍は右ハイもこれもかわす所は飛び込んで右もそこに神龍はダブルレッグテイクダウン! ここでガードからすぐに腕十字を狙い。足関節に繋ぐ所。  右ヒザ裏に腕を入れて足を伸ばそうとするが、そこにアメリカーナを合わせにいく神龍。キムラで回してスイープする神龍はパウンド! 所はガードに入れようとするが、右足を抜いている神龍。  ハーフガードで抱きつく所にヒジ、鉄槌を落とす神龍。そこに潜り足関節を狙しスイープする所、蹴り上げも突く。足関節のトランジッションでポジションを奪い返したい所だが、足を抜いて上をキープする神龍。下の所はラバーガード狙いもゴング。  2R、左フックから組んでアームロックを狙う所。しかし回らない神龍に、下でガードポジションの所。上から回転しての蹴りを狙う神龍は、足をさばいてサイドに。  しかし所は、足を戻してフルガードに戻すと跳ね上げてスイープ狙いから足関節狙い。そこにキムラをカウンターで狙う神龍、さらにハンマーロックも、後ろ手で組んで回させない所は外してトラックポジションからヒザ十字へ! 横回転して極めようとするが、そこについていき足を抜いて抑え込む神龍。  ハーフガードで右脇下に頭を突っ込もうとする神龍だが、そこから動けず膠着する。所も無理に立つことで背中を譲ることなくガードからの仕掛けを使う。  3R前に親指を挙げる所。右ハイを狙う所。さらにワンツーから左ヒザも右ストレートを合わせた神龍!   ダウンする所をすぐに抑え込む神龍。ハーフから首に足をかけようとする所だが、神龍は首を上から抱えて抑え込み。細かい左パウンドを打つと、所も下からこつこつ返す。  所に背中を着かせる神龍。右腕をオーバーフックから腕十字を狙う所だが、頭の足を外して正対する神龍は中央にステイ。下からアームロック狙いの所に、後ろ手に対角の所のリストを掴む神龍は右手で鉄槌!  上半身を上げて仕掛ける所だが、腰を抱く神龍はインサイドガードからパウンド。所は立ち上がるが、ボディロックした神龍は投げ。しかしすぐに立とうとする所に神龍は後方への投げも投げ切れず。ゴング。  鉄槌で右目を腫らせた所。判定は3-0で神龍が勝利。神龍はリングを降りて悔し涙か。所は両手を合わせて四方に挨拶し、リングを降りた。 [nextpage] ▼第12試合 ライト級(72kg契約)5分3R×ジョニー・ケース(米国)=72.00kg[判定0-3]〇武田光司(BRAVE)=71.90kg  ケースは前回の試合で約2年4カ月ぶりの来日を果たしたが、王者・サトシに1R 腕ひしぎ三角固めで一本負け。2019年12月のトフィック・ムサエフ戦以降、ボクシングに参戦していたこともあり、今回の武田戦でMMAでの試合勘を取り戻せるか。  対する武田は、DEEPで大原樹理に2連勝後、RIZINで川名雄生、久米鷹介に勝利も、矢地祐介に判定負け。“ブラックパンサー”ベイノアには一本勝ちも、前戦でカーライルに2R ギロチンチョークを極められ、試合後に海外修行を経験。ハワイのユナイテッドMMAで、元ONE同級王者のクリスチャン・リーらと練習を積んできた。  1R、サウスポー構えの武田に、ケースは左右足を入れ替え右ハイから。オーソドックス構えで右ストレートをを突く。武田も前手の左フックをヒット。  ケースは右ハイで牽制する。武田の入りの右ストレートを狙うケース。右のダブルに武田も右を狙い、まだ深追いしない。  左フックから右ストレートはケース。間合いを保つケースは右ハイ。武田の左オーバーハンドを前手で制するが、それがアイポークとなり中断、再開。 「注意」後、再開。右ジャブを当てる武田。ケースは長い左右を突くが、凌ぐ武田。ケースは右ハイまで繋ぐが武田もブロッキング。右ハイを手でブロックする武田は左を差し、ケースも右を相打ち。さらに右の蹴りを突く。  2R、1Rは組みに行かなかった武田。オーソドックス構えからワンツーを突くケース。打ち終わりに右を突く武田はケースの頭が下がったところにスタンドがぶりからヒザを狙うが、離れるケース。  右ハイをかすめるケース。左ジャブを突くケースについに右で差して組んだ武田。しかしここも突き放すケース。互いの左右の交錯に笑顔を浮かべる武田は前に。  右で差してクラッチを組むと、脇を潜りボディロックしそり投げ! ロープを掴むケースだが、引っこ抜く武田。ケースの立ち際にサッカーキックも! さらに詰めてスタンドバックに付く武田に、際でロープを掴むケース。  そこで正対しスイッチを狙った瞬間に潰して上になった武田はニーシールドのケースに鉄槌! 2R終了時点で雄たけびを上げる。  3R開始前に、2Rの攻防でロープ掴みで「警告」が宣告される。ハグした両者。左で前に出る武田に右ストレートを当てるケース! さらに互いに右を突くが武田もアゴを引いて受ける。  詰めて回るケースになおも走って追う武田は右を差してコーナーに押し込み、ついにダッグアンダーで脇を潜り、スタンドバックに。上半身をロープ外に出すケース。座り込んで投げを防ぎ、スイッチ狙い。  バックに付き続ける武田はコーナーから剥がして投げ! ロープに手をひっかけるケースに崩れた投げ。なおもバックにつく武田に、ロープを利用とするケースに、中央からスタンドバックを指示するレフェリー。  ジャーマンスープレックスで投げる武田はなおも組んで前転しようとするケースを逃がさず。最後にみたび投げてゴング。武田はマットに大の字になった。  判定は3-0で武田が勝利。米国修行も経て、金星を挙げた武田は、「オイ、勝ったぞ、オイ! やってみないと分かんないっすよね。下馬評で負けと言われて、全部出してやろうと。試合前にDEEPの佐伯(繁代表から肩をポンと叩かれ『死ぬなよ』と言われて(笑)。まだ死んでないすよね。ユナイテッドMMAでも練習をしてきて、まだ強くなるので、僕のこと、応援、よろしくお願いします」と力強く語った。 [nextpage] 【中止】▼第11試合 RIZIN MMA特別ルール フェザー級(66kg)3分3R三浦孝太(BRAVE)=65.40kgフェリペ“キングハンター”マソーニ(ブラジル)=65.90kg※三浦がコロナ陽性により欠場、試合は中止に [nextpage] ▼第10試合 RIZINスーパーアトム級(49kg)ワールドGP1回戦 5分3R×浅倉カンナ(日本・パラエストラ松戸)=48.85kg[判定0-3]〇パク・シウ(韓国・KRAZY BEE)=48.95kg  レスリングベースの浅倉は2019年8月からアリーシャ・ザペテラ、ジェイミー・ヒンショー、古瀬美月、 あいを相手に4連勝も、2021年3月の浜崎朱加との王座戦でスプリット判定負けで戴冠ならず。  続く2021年10月の大島沙緒里戦でもスプリット判定負けで2連敗。崖っぷちに立たされたが、2022年4月にSARAMIに判定勝ち。今回のGP出場を決めた。  対するパク・シウは、2019年6月に浅倉が敗れた山本美憂と同門のKRAZY BEEで練習中。テコンドーをベースにキックボクシングでも活躍。  2019年12月に青野ひかる、大島沙緒里、にっせーに勝利も、2021年6月のアトム級GP準決勝での大島との再戦で腕十字による一本負け。10月に伊澤星花に判定負けで2連敗も、打撃で伊澤を最も苦しめた相手となった。  2021年12月にはRIZINでRENAに判定勝ちし、2022年4月には古賀愛蘭にも判定勝ちで2連勝中。日本在住外国人として、GP制覇を狙う。  1R、サウスポー構えの浅倉に、オーソドックス構えもパク。左ミドルを見せる浅倉に、右の前蹴りを腹に突くパク。浅倉の左の蹴りをさばく。  右ミドルを当てるパク。浅倉の左ロングフックが頬をかすめる。右インローはチェックする浅倉。右ローの蹴り返しに、パクは右を当てて詰めると右ボディストレート! 右の蹴りの打ち終わりに浅倉はダブルレッグも切るパク。  すぐに右ハイキックを狙うパクだが、バランスを崩しすぐに立つ、詰める浅倉の右に前手がアイポークとなり、中断。再開。  浅倉のダブルレッグに、差し上げてロープ下にスプロールするパク。切られた浅倉はもう一度アタックもパクは切る。  浅倉は左の前蹴り。パクも右前蹴りでサウスポー構えにスイッチし、オーソに戻し、左ロー。さらに左ボディストレートを出入り。コーナーに詰まりシングルレッグも、差し上げるパクは突き放す。  2R、前足がぶつかり合う喧嘩四つ。浅倉はレベルチェンジしながら前に出るが、かわすパクは右ロー! 浅倉の左足が赤く腫れる。浅倉はその前足で踏み込んでダブルレッグもすぐに差し上げるパク。  コーナーに詰めてアゴ下に頭をつけて細かいパンチをつく。  ブレーク。すぐにシングルレッグに入る浅倉だが、パクは両足を飛ばしてスプロール。頭を剥がすが、すぐに浅倉は再アタック。シングルレッグを回して引き出そうとするが、パクは正対して脇差しコーナーに押し付けてアゴ下に頭を入れてヒジ&ヒザ。さらに右脇をカチ上げて小外がけでテイクダウン!  サイドを奪いヒザも、浅倉は脇を差して立ち上がり。しかしその頭を左脇で抱えたパクはスタンドで左ヒザを突く。  3R、右前蹴りを腹につくパク。シングルレッグに入る浅倉に逆に差し上げてシングルレッグで詰めてコーナーに押し込むぱく。  リストコントロールして頭をつけて押し込、際でヒジ! 浅倉はその際で右を差すが、再び小外&右差しでテイクダウン! 浅倉の立ち際に後ろ三角絞め、さらに腕十字に移行。  またいで凌ぐ浅倉に、下から蹴り上げのパクに、突き放される浅倉。コーナーに詰めるパクは、左右ラッシュから右! さらに右アッパー。止められてもおかしくないラッシュ。そこにダブルレッグに入る浅倉だが、両足を触らせないパク。立ち上がる浅倉に、右ハイを当てるパク。浅倉は左口もとを腫らす。  遠間からのタックルを切るパクは右ストレート! さらに後ろ蹴りに後退。なおも浅倉はダブルレッグに入るが、切ったパクはその際で右ハイ! 浅倉が後方にダウンしたところでゴング。  驚異的な強さを見せたパクが、判定3-0で勝利。最後は練習仲間でもあった浅倉に駆け寄り、握手を交わした。  山本美憂がセコンドにつくパクは、リング上でマイクを持ち、日本語で「来てくださってありがとうございます。パク・シウはこれからです。これからもっと練習して強くなります。応援よろしくお願いします」と力強く挨拶。ベスト4進出を決めた。 [nextpage] ▼第9試合 RIZINスーパーアトム級(49kg)ワールドGP1回戦 5分3R〇RENA(日本・SHOOTBOXING/シーザージム)=48.85kg[判定3-0]×アナスタシア・スヴェッキスカ(ウクライナ・SC BORETS/SUBHUNTER)=48.85kg 2019年6月のBellatorでのリンジー・ヴァンザント戦での一本負けから、RIZINでアレキサンドラ・アルヴァーレ、ヴァンザントにリヴェンジ、富松恵美、山本美憂も下し、4連勝をマークしたRENAだが、2021年大晦日にパク・シウの打撃と組みを織り交ぜたMMAに判定3-0負け。  対戦相手のアナスタシア・スヴェッキスカ(ウクライナ・SC BORETS/SUBHUNTER)は、プロ戦績は2勝無敗ながら、アマチュアの世界大会・2019年IMMAF女子ストロー級(52.2kg)で優勝するなど9勝1敗の戦績を誇る。グラップリングでもADCCキエフ大会で2階級で優勝を果たしている。  169cmの長身から繰り出す、精度の高い打撃に加え、長い手足を駆使した寝技も得意としており、層の厚いIMMAFで勝ち上がるだけの実力を備えている。  1R、ともにオーソドックス構え。RENAとスヴェッキスカはローの交換から。スヴェッキスカは長いコンパスから右ローを打ち下ろし、ワンツーからローまで繋ぐ。  右ローを返すRENA。さらに右フックで飛び込むが、そこで組んでスタンドバックにつこうとするスヴェッキスカは首相撲。  しかしスヴェッキスカの右に右を当てたREANは、ダウンを奪うと、すかさず立ち際に右サッカーキック!  鉄槌を落とすがスヴェッキスカの仕掛けにいったん体を離し、あらためてインサイドガードの中に入って行く。スヴェッキスカはハイガード。下からヒジも。立って離れたRENA。スタンドに戻り、左三日月蹴りも当てるRENA。パンチで出るが、スヴェッキスカも打ち返し凌ぐ。ゴング。  2R、右の前蹴りを見せるスヴェッキスカ。さらに右アウトサイドロー。そこに左右をまとめるRENAは左! さらに右カーフを返す。  詰めるRENAの首相撲に右ヒジを合わせるスヴェッキスカ。さらに左三日月蹴り! RENAが頭を下げての入りに右を狙う。右カーフを当てるスヴェッキスカ。左右で詰める左は相打ち! しかし前に出るのはRENA。  ボディロックからスタンドバックを狙うが、正対するスヴェッキスカ。頭を下げて左右を振って詰めるRENA。首相撲はブレーク。左前手で飛び込むRENA。スヴェッキスカは右ロー。RENAはボディを返す。  3R、右ローを当てるスヴェッキスカ。RENAも右ローを返す。互いに前足の潰し合いから、打ち合いにも応じるRENA。スヴェッキスカは首相撲ヒザもヒジ狙いで離れる。  右ローをこつこつ突くRENA。右回りのスヴェッキスカ。追うRENAは左フック! スヴェッキスカも右ローを返す。さらに左インロー。RENAの右を警戒し、右回りのスヴェッキスカ。いったん止まり、左フックを当てる!   細かく左を当てて、右ローも当てるスヴェッキスカ。前蹴りで詰めるRENAに右回りのスヴェッキスカはインロー。さらに詰めるが、スヴェッキスカは間合いを崩さない。  RENAはフィニッシュを狙うとスヴェッキスカの右ローに右ストレートを合わせてゴング。  試合後、スヴェッキスカはウクライナ国旗を背にジャッジを待つが、判定は1Rにダウンを奪ったRENAが勝利。勝者はスヴェッキスカが持つウクライナの国旗をともに手に取り、リング上で掲げた。  準決勝進出をいち早く決めたRENAは、「いろいろ言いたかったですけど、このトーナメントで優勝するにはまだまだ実力が足りないのでもっと頑張ります。ウクライナから来たスヴェッキスカ選手めちゃくちゃ強かったです。ありがとうございました。1、2、3、シュート!」と挨拶。打撃を磨いたシーザー武志会長と握手し、リングを後にした。 [nextpage] ▼第8試合 120kg契約 5分3R×関根“シュレック”秀樹(ボンサイブルテリア)=117.25kg[1R 0分53秒 TKO] ※左ストレート→パウンド〇スダリオ剛(フリー)=117.60kg  関根は、山梨学院柔道部出身。卒業後、静岡県警で機動隊や暴力団担当の刑事を務め、ボンサイブルテリアジムでブラジリアン柔術を習得。2009年にMMAデビュー後、7連勝で2016年12月に『ONE Championship』に参戦。世界ヘビー級王者ブランドン・ベラとの試合に向け、43歳にして警察官という安定した職を捨て、プロ格闘家に転向した。柔術、グラップリングでも実績を残しながら、プロレスのリングでも活躍。全日本、ハードヒット、リアルジャパンといったリングでも人気を博している。2020年2月にはRIZINのリングにも上がりロッキー・マルティネスにTKO負けを喫したが、2021年大晦日にシビサイ頌真を2RでTKO、今年4月にはスダリオの双子の弟・貴賢神にもTKO勝ちと連勝の波に乗る。  元大相撲の貴ノ富士ことスダリオは父が日本人、母がフィリピン人のハーフ。現在MMA3連勝中でキックボクシング経験も活かし、2020年9月のRIZINでプロレスラーのディラン・ジェイムスを1R 終了時ドクターストップによるTKOで下すと、大晦日にミノワマンを1R、カーフキックでTKO。続く2021年3月の「RIZIN.27」では同じくプロレスラーの宮本和志に1R KOで勝利したものの、レフェリーの試合停止指示に従わず攻撃を続けたため、レッドカード(ファイトマネー25%相当の罰金)が出されている。6月の東京ドーム大会ではシビサイ頌真に挑むも、3Rにリアネイキドチョークで敗れ初黒星を喫した。10月にSAINTを初回KOして復活勝利をあげ、今回はそれ以来約9カ月ぶりの試合となる。  1R、最初はオーソドックス構えから入るスダリオは、サウスポー構えに変えて圧力をかける。オーソドックス構えの関根。スダリオはオーソドックス構えから再びサウスポー構えに変えると、右前手を伸ばして、右でガードを固めた関根の入りに、コンパクトなカウンターの左ストレート!   スダリオはダウンした関根にパウンドも、レフェリーの飛び込みを横目に、最後の鉄槌一撃を振り下ろさず。ファイターとしての成長も見せて、勝利を掴んだ。  試合後、スダリオは「今日はやっとシュレック選手と出来たので、次は日本人じゃなく、外国人とお願いします。本日はありがとうございました」と語った。 [nextpage] ▼第7試合 バンタム級(61kg)5分3R〇元谷友貴(フリー)=60.85kg[判定3-0]×太田 忍(パラエストラ柏)=60.95kg  RIZIN旗揚げ時から参戦し、バンタム級の実力者として堀口恭司と判定まで持ち込み、祖根寿麻、ジャスティン・スコギンズ、岡田遼、金太郎、アラン“ヒロ”ヤマニハらに勝利している元谷。  対する太田は、2016年リオ五輪グレコローマン59kg級銀メダリストからMMAに転身。2020年大晦日の初戦こそ所英男に2R 腕十字で敗れたものの、パラエストラ柏に移籍後は、久保優太に判定勝ち、祖根寿麻に2R TKO勝ちで、レスリングの強さをMMAに活かしたスタイルが形となりつつある。プロ4戦目にして、プロ41戦目のRIZINバンタム級最前線の元谷と対戦することになった。  1R、中央を取り、先に右ローを当てる元谷。 太田は走ってダブルレッグテイクダウンを決めるが、跳ね上げて立つ元谷の首をがぶる太田。  首を抱えたままグラウンドに寝かせる太田。ハーフガードの元谷は首を抜いて立つと、その離れ際に太田は右フックを狙う。  スタンドで詰める元谷のヒザ蹴りを掴む太田が組んでコーナーまでドライブ。その腹を右手で叩く元谷。  両脇を差すのは投げられ危険なため、深くは差さない元谷。左を振って、さらにヒザ! 下がる太田は右を振り、右ハイも突くが、軸がぶれる。  太田の右オーバーハンドをブロックする元谷。右前蹴りで前に出るが、ここで組む太田。元谷はコーナー背に右で脇差しひざ蹴り。ここでシングルレッグで崩す太田は抑え込み。腰を抱く太田に元谷は下からヒジ。足を戻してガードに。太田のジャンピングフットスタンプを避けてシングルレッグに入りゴング。  2R、踏み込んでの右ローを当てる元谷。太田のシングルレッグを切るが、太田はなpもシングルレッグに。そこにニンジャチョークを狙う元谷! すぐに抜く太田は、コーナーに詰めて肩パンチ。  さらにシングルレッグに移行も脇を差し上げる元谷がヒザ。さらに右ストレートを当てて、ラッシュ! ヒザも。後退する太田に詰めて、シングルレッグを潰してパウンド! しかし下から足を持ち上げ立ち上がる太田。  コーナーまで押し込む太田だが、体を入れ替える元谷が左右から前蹴り! 太田は距離を取る。右ローを効かせる元谷。さらに回る太田を詰めて、ボディ打ち、右ミドル。その蹴り足をつかんでスタンドバックに回る太田は背後からヒザ。しかし元谷はアームロックのクラッチから正対しゴング。  3R前に、1Rに元谷に後頭部への打撃があり「注意」後、ゴング。すぐにダブルレッグに入る太田。スプロールする元谷だが、ロープ外に身体が出る。  スタンド再開。詰める太田に、左腕でギロチンチョークに入る元谷! 首と身体を回して首を抜く太田に、ついていく元谷は、太田のシングルレッグに下になるもキムラでスイープして上に!   亀になる太田にパウンドをまとめる。立ち上がる太田。右フックを当てる元谷。太田のシングルレッグを切り、サッカーキックを狙う。太田の右オーバーハンドに右ヒザもカウンターで当てる元谷。  太田のシングルレッグを差し上げて、ヒジ!さらに太田の右に、カウンターの右! 詰める元谷は左ヒザも、そこに太田も右を返すが、返しの左は無い。最後に詰める元谷は左右を振って太田をコーナーまで下がらせてゴング。  判定は3-0で元谷が勝利しサバイブ。バンタム級の門番として新鋭の大きな壁となる、MMAの引き出しの多さを見せた。 [nextpage] ▼第6試合 フェザー級(66kg)5分3R〇中原由貴(マッハ道場)=67.35kg[判定3-0]×関 鉄矢(SONIC SQUAD)=68.00kg  マッハ道場の中原は、MMA15勝5敗。柔道ベースながら打撃も得意とするストライカー。GRACHAN、GLADIATORを経て2015年からPANCRASEに参戦。ユータ&ロックにスプリット判定負けも、以降7連勝を含む9勝2敗でONEに移籍。2019年2月エミリオ・ウルティア戦の3R TKO勝ちでデビューを果たすと、同年5月にはゲイリー・トノンと対戦し一本負け。その後、コロナ禍で試合から遠ざかったもの、2021年3月に14戦無敗のルスラン・エミベックを1Rに左ストレートからのカウンターの右フックでダウンを奪い、パウンドアウト。さらに4月大会にも連戦し、モンゴルのシネチャツガ・ゼルトセトセグを組みで圧倒も、足関節に反則の顔面蹴り上げを食らい反則勝ち。不完全燃焼に終わっていた。 当初は佐々木憂流迦との対戦が決まっていたが、コロナのため欠場。代わって、佐々木の練習仲間でもある関と対戦することに。 関は、ボクシング仕込みの打撃を武器に、第4代ZSTフェザー級王者に。2020年8月にRIZIN初参戦。実力者・神田コウヤを2R TKOに降すと、2021年3月の名古屋大会で堀江圭功と3Rの激闘の末、TKO負け。再起戦となった9月のDEEPでDJ.taikiにも判定で敗れ、連敗を喫したが、背水の陣で臨んだ12月のDEEPで3連勝中だった山本歩夢を後ろ三角から腕十字で極めて再起。さらに5月の『LANDMARK vol.3』で原口央に判定勝ちし、2連勝をマークしている。6月9日の「ROAD TO UFC」の5日前に欠場したバラジンの代役としてキ・ウォンビン戦のオファーが届いたが、パスポートが期限切れで出場ならず(階級下の鹿志村仁之介が出場)。今回も欠場の代役として緊急参戦となる。  1R、サウスポー構えの中原はジャブから左ストレートで前に。かわすオーソドックス構えの関は右ハイで押し返す。左ストレートを腹に突く中原。  関の入りに中原は落ち着いて左で迎撃する。右の蹴りからごちゃ混ぜで前に出る関。中原は関の入りに下がりながら右・左。  関は跳びヒザから詰めて組むが、コーナー背に突き離す中原。関のバックフィストもかわし、詰めて左ボディストレート! さらに左ボディから右と繋ぐが慎重に。ワンツーの左を突く中原。  2R、右アウトローを当てる中原。徐々に詰めると、右ボディから左顔面と巧みに散らして入る。右フックの関だが単発。右から左も、その打ち終わりを中原の右を被弾する。右インローを当てる関。  近づくもいい形で組めない関に、左ボディを当てて、右から左にずれてのストレートを打ち込む。  互いに手数が減るなか、右インローの関。しかしパンチの入りには中原に左右をまとめられる。左ボディストレートを当てる中原。  関は右ストレートをヒット! 間合いを巧みに作る中原は、右前手から牽制するが、関は左インロー。  3R、シングルレッグに入る関。切る中原に詰める関。右の相打ちのタイミングも、左ボディを散らす中原に、関は打ち合いに持ち込めず。さらに中原は右から左ボディ!  詰める中原にジャブ、ストレートで関は鼻血。右を被弾した関は、肩で息をする。さらに中原の左ボディストレートに、身体が少しくの字に曲がる関。中原は関の組みを外すが、関はなおもダブルレッグ。  すぐに切る中原だが、関はようやく右で差してコーナーに押し込むが、逆に体を入れ替えクラッチを組む中原。関も体を入れ替え、ブレーク。  残り30秒切ったところで、中原も関と打ち合いに応じて左右。しかし中原は被弾せずに左を当てて仕留めに。関は足をもつらせながらも倒れず。ゴング後に緊急参戦の関は大の字になった。  判定は中原が3-0で勝利。ONEから移籍初のRIZINで白星を挙げた。 [nextpage] ▼第5試合 80.0kg契約 5分3R×マルコス・ヨシオ・ソウザ(ボンサイ柔術)=79.60kg[2R 3分02秒 KO] ※右ストレート〇阿部大治(フリー)=79.90kg  MMA9勝2敗のマルキーニョスことヨシオ・ソウザは、2019年10月に中村K太郎に敗れるも、2020年2月の前戦RIZIN浜松大会でファルコ・ネトに1R TKO勝ち。  DEEPウェルター級王者の阿部は、2021年10月のRIZINではライト級でアキラに敗れたものの、2022年3月にウェルター級でストラッサー起一に判定勝ちで再起を遂げている。  1R、マルキーニョスことマルコス・ヨシオ・ソウザと、阿部もともにオーソドックス構え。先に右ストレートを突く阿部。マルキーニョスも右を振ってボディロックすると、コーナー背に凌ぐ阿部はキムラ狙いから正対し離れる。  左右から左ボディストレートの阿部。しかしマルキーニョスも力を使いシングルレッグから持ち上げ、阿部の立ち際にバック!  両足をかけて引き込むと、正対しようとする阿部の首を狙い、背後からパウンド連打。マウントに移行も、その際でリバーサルした阿部は正対して立ち上がり!  スタンド再開に。右を振るマルキーニョス。阿部は左ジャブをヒット! マルキーニョスは軸がぶれながら右を振る。阿部の前進にシングルレッグからバック投げ! すぐさまバックも残り10秒の拍子木。ゴング。  2R、力を使ったマルキーニョスのスタミナはいかに。阿部の打撃を掻い潜り、シングルレッグから立ち際に右のパンチを当てて、ボディロックから投げも、右で小手に巻いて上を取る阿部。立ち上がり際にサッカーキックを打つ。ブロックするマルキーニョス。  阿部はスタンド勝負。マルキーニョスのシングルレッグを切る阿部。しかしマルキーニョスも右を強振。ダブルレッグで前に出るが右で小手に巻く、阿部が上に。  ディープハーフガードのマルキーニョスは腹の下に顔を置き、正対しガードも。立つ阿部にブレーク。  スタンド再開。左ジャブを突いた阿部。互いの右を突くなか、カウンターの右を当てた阿部! 後方に崩れたマルキーニョスに阿部がフットスタンプに入ったところでレフェリーが間に入った。  勝利した阿部は、セコンドの五味隆典の名セリフを引用し、「真夏に判定だめだよ、KOじゃなきゃ」とマイクで語ると、「この階級も俺が先頭に立って引っ張っていくので、ベルトよろしくお願いします」とウェルター王座の制定を望んだ。 [nextpage] ▼第4試合 フェザー級(66.0kg)5分3R〇ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)=65.80kg[判定3-0]×山本空良(パワーオブドリームジム)=65.90kg  山本は、元UFC-Jミドル級王者の山本喧一の次男で21歳。2021年11月のRIZINデビュー戦では鈴木千裕に判定負けも、21年2月のRIZIN TRIGGER 2ndでは、新居すぐるにTKO勝ち。連戦となった3月のRIZIN.34では父と同じU系の中村大介に真っ向勝負を挑み、判定勝ちを収めた。7月の沖縄大会では強豪カイル・アグォンから殊勲の勝利を収めてRIZIN3連勝。ケラモフと対戦予定だった白川陸斗(トライフォース赤坂)が、練習中に腕の上腕二頭筋腱断裂をしドクターストップ。急遽、山本が代打出場することになった。 ケラモフはトフィック・ムサエフと同門のファイター。ムサエフ同様に、体幹の優れたフィジカルと豪快な打撃を武器とし、これまでに14勝3敗の好成績を残す。加えてここ10戦は2015年1月から2019年11月まで約4年にわたり、土付かずの10連勝。2020年2月のRIZIN.21に初参戦すると、カイル・アグォンに3-0で判定勝利を収めるも2021年6月の斎藤裕戦では判定2-1で敗れた。  1R、ともにオーソドックス構え。山本の左の蹴りを掴んで崩して支え釣り込み足でテイクダウンを奪うケラモフ!  「下になることは怖くない」という山本はクローズドガードから三角絞め狙い。それを外したケラモフ腕十字も。体を離したケラモフはスタンドに。  左関節蹴り、ミドルは山本。詰めるケラモフに右ミドルもこの蹴り足を掴んで倒すケラモフ。左でオーバーフックしてハーフから下から拳を突く山本。足を戻してフルガードにする山本。左足を引き寄せ、潜りから腕十字狙い! 両脇の下から足を差して、足関節を狙うが、上のケラモフもヒジを落とす。顔面が前に出ると、強い鉄槌もマットを叩く。  2R、左右で前に出るケラモフをさばいてコーナーを出る山本。下を触り、右オーバーハンドを振るケラモフ。かわす山本だがコーナーに詰まるも、ケラモフに組ませず。右の後ろ廻し蹴りのケラモフ。かわす山本に左ミドルはケラモフ。  タイミングよくブロックしてシングルレッグに入る山本だが、差し上げるケラモフに、離れ際のフックを狙うのは山本。互いに前蹴り、右オーバーハンドで前に来たケラモフにその場跳びのヒザ蹴りは山本。  近づくと首を抱えて引き込みに。クローズドガードで足を上げて仕掛ける山本。上のケラモフの振りかぶりも打たせない。スペースが出来るとヒジを押し付けるケラモフ。山本は四角に組み、パウンドに横三角絞めを狙うが、首を外したケラモフは立ち際にサッカーキック。それをかわした立つ山本はスタンドに。ゴング。  3R、右目が塞がりつつある山本。ケラモフの後ろ廻し蹴りはかわすも、山本のバックヒジがかすめるが、ケラモフはそこに右ストレートを合わせる。バランスを崩し腰を落とす山本は両脇を差して立ち上がるとスタンドバックに回るが、すぐに正対するケラモフが跳びヒザ。 「大振りでバテるから」という山本喧一会長の声だが、山本もなかなか入れない。詰めるケラモフに体を入れ替えて回るが、ケラモフはシングルレッグテイクダウン! 下のケラモフはすぐに腕を手繰るが、いったん体を離すけらもはインサイドガードに。  残り1分半。クローズドガードに入れる山本に、ヒジを打ち込むケラモフ。山本は四角に固めてから腰を切り腕十字狙い。しれをかつごうとするケラモフに、ヒザ十字、ヒールフック狙いも。そこで草刈で上になるケラモフ。しかし山本もすぐにヒールフック狙いから足を抜くケラモフにトランジッションで上に。しかしタイムアップでゴング。  判定は3-0のフルマークでケラモフが勝利。花道で「アゼルバイジャン!」と叫び、フェザー級王座戦線に名乗りを挙げた。ガードワークを見せた連戦の山本だが、盤石のケラモフは崩せず。  試合後、ケラモフは会見で「(山本のサブミッションに)やりにくさは無かった。グラップラーと知っていたから、準備はしてきた。グラウンドでも完全に有利に試合を運んだと思う。チャンピオンベルトを獲ることが一番の目標。10月に勝利すれば、3勝、そこでコンテンダーになる」と語った。 [nextpage] ▼第3試合 キックボクシングルール 58kg契約 3分3R〇龍聖(TRY HARD GYM/KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者)=57.90kg[3R 1分23秒 TKO] ※左右ボディ→右ヒザ蹴り×魁志(Vigor Kickboxing Gym)=57.95kg  龍聖は小学1年生でキックボクシングを始め、HIROYAの指導を受けアマチュアで多くの経験を積んで2019年4月にプロデビュー(KO勝ち)。“HIROYAが送り込む刺客”として同年8月のREBELSに初参戦し、強打で2R53秒KO勝ち。その後もKOで連勝し、2020年12月のREBELSでは聖域統一フェザー級王者・光太郎ZLSに1Rわずか51秒でハイキックによるKO勝ち。6戦6勝全KO勝ちのパーフェクトレコードを更新していたが、2021年3月大会で大脇武に判定勝ち。無敗記録は更新したものの初めてKOを逃してしまった。8月大会では井上竜太を1R2分でTKOに仕留め、10月にはKNOCK OUT-BLACKフェザー級王座決定戦で銀次を判定3-0に破り初代王座に就いた。2022年4月には初の国際戦でメディ・ジライフィ(スペイン)にも勝利し、10戦10勝(7KO)と無敗記録を更新している。 K-1創始者である石井和義館長が「あの子は経験を積めば。潜在的な力、体幹も含めて全て持っています。オーラも出ているし。本人も引っ張っていくと自覚しているし、楽しみですね。素質はありますね。ハートも強いし、生意気だし(笑)。これから経験を積んで世界に羽ばたく選手になるんじゃないかな。まだ若いですしね」と、ニュースターになると太鼓判を押している逸材だ。 以前から、師匠HIROYAも出場していたRIZINへの参戦を熱望していた龍聖は「RIZINキックを担う存在であるところを見せたいと思います」と、早くもエース宣言。那須川天心キックボクシング引退後の座を狙う。  対する魁志は7歳から15歳までグローブ空手を習い、高校3年間はサッカーに専念。大学生の時にキックボクシングを始め、アマチュアキックボクシング大会『TOP RUN』関西一般-60kg 第10代王者になりプロへ。2018年8月の『NJKF WEST Young Fight 4th』でプロデビューし、1Rに得意のハイキックでダウンを奪い、フルマークの判定勝利。戦績5勝1敗。  1R、ともにオーソドックス構え。先に左前蹴りでセンターを取る龍聖。魁志のジャブローの打ち返しをブロッキングして、右ストレート、右跳びヒザも。ブロックする魁志も頭を上げると、跳びヒザからワンツーの龍聖は右ストレートで魁志のアゴを上げさせる。  硬くなり強打を狙う龍聖に、手数を多くまとめて離れる魁志。龍聖は右ハイ。しかし魁志も左のカウンターを当てる。  2R、左ローから入る龍聖。さらに左ボディも突くが、魁志も右ストレートを突いて前に。続く左をかわした龍聖。さらに詰めて左ハイ、右跳びヒザを突き上げ前に。龍聖はさらに左ボディでガードを下げさせ、右を打ち込んできた魁志に、右ヒザでダウンを奪う!  立った魁志になおも詰める龍聖は左ボディを効かせてこかし。その投げに注意が入る。ジャブを突くも下がらされる魁志。龍聖の左ヒザがボディに入り、中断も再開。  3R、右ミドルを突いた魁志。龍聖も右ミドルで前に出ると、コーナーから出た魁志を追い、ジャブを出さずに右ストレートで飛び込んでくる魁志をさばく。  しかし慌てず、じりじりと詰めて左ボディを突く龍聖は、なおも左ボディ、右ボディと繋げて最後に右ヒザを突き上げ、KOした。  これで11戦11勝(8KO)をマークした「KNOCKOUT王者の龍聖です。キックいらないというバカMMAファンの皆さんに認めてもらおうと、絶対にKOと力んでしょっぱい試合になってしまいました。また見てください」と挨拶した。 [nextpage] ▼第2試合 キックボクシングルール 63kg契約 3分3R〇笠原弘希(シーザージム/第3代SB日本ライト級王者)=62.95kg[判定3-0] ※29-28, 30-27, 30-26×石月祐作(KAGAYAKI/RISEスーパーフェザー級2位)=62.70kg  笠原はSB次期エース候補として期待され、2018年9月、SB日本フェザー級王座決定戦で元貴を下して王座を獲得。2019年6月大会では前SB日本スーパーバンタム級王者・内藤大樹との接戦を制し、9月のSB日本スーパーフェザー級タイトルマッチでは王者・深田一樹を2RKOで下して二階級制覇を達成した。2020年2月には前口太尊にTKO勝ち。2021年2月にはKNOCK OUTーREDスーパーライト級王者スアレックに2RでTKO勝ちし、周囲をあっと驚かせた。  12月大会ではKNOCK OUT-REDライト級王者・重森陽太にジャーマンスープレックスを決めて“これぞシュートボクサー!”といえる勝ちっぷりを見せると、今年初戦の2月大会では「無法島GP 初代KNOCK OUT 64kgトーナメント」優勝者でもある西岡蓮太が保持するSB日本ライト級タイトルに挑戦し、必殺の左ボディブローで見事に2RKO勝ちでタイトル奪取。SB史上初の三階級制覇を達成した。前戦となった6月のバズーカ巧樹との一戦では、3Rにヒジ打ちによるカットでTKO勝ちしている。弟の笠原友希は今年3月のRIZINに出場しており、遅れる形で待望のRIZIN初参戦となった。戦績は27勝(12KO)4敗。 対する石月は2020年8月に自身と所属ジム初のタイトル獲得となるDBS日本ムエタイスーパーフェザー級王座を奪取。10月にはKROSS×OVER同級王座も判定勝利で獲得。二冠王となって、昨年2月に約1年4カ月ぶりにRISE参戦を果たすと竹内皇貴を2RKOで葬り、6月にはINNOVATIONスーパーフェザー級王者・櫻井健から強打で2度のダウンを奪って大差の判定勝ち。10月のRISEスーパーフェザー級暫定王者決定戦では一馬と打ち合いを繰り広げた末に5RTKO負けで惜しくもタイトル奪取を逃した。前戦となった今年4月の常陸飛雄馬との一戦では1RKO負けを喫し、今回が再起戦となる。戦績は12勝(7KO)4敗。  1R、ともにオーソドックス構え。先に中央を取りワンツースリーを突く石月。笠原は左前手のフック、右の打ち下ろし。さらに右クロスを当てて前に。石月も右を返すと、笠原は左インローもい入れてジャブから前蹴りで前進。ワンツー左ボディと上下に散らして、コーナーに詰めて左フック! さらに左ボディを突くと、石月もコーナーを出る。  体格で勝る笠原は前に出るが、押し返してきた石月にカウンターの右! ダウンを奪うとコーナーに詰めて左右ラッシュ! 釘付けになる石月だが凌ぐ。  2R、ガード固めて石月の左右を受けて左の蹴り、さらに離れ際の右ハイ、左ヒザと蹴り技を多用してきた笠原。 左ハイを放つがブロッキングの石月も右を返すと、そこにワンツーとすぐに返す笠原。  右ストレートの打ち合いは笠原。しかし下がらない石月は左ボディ。そこに左フックを顔面に突く笠原。互いにボディ打ちから顔面と散らして、左ヒザを着くのは笠原! 徐々に石月が後退する。さらに左ミドルでコーナーに詰める。  3R、左フックを上下に突く石月。ガード固めた笠原は自身のターンで左フックを振るが、そこに石月もカウンターの左。さらに右のカウンンター狙いも石月は手数を止めずラッシュ。さらに声を上げながらコツコツと左ボディを突いて前に。  笠原も来いと顔を振って前に。ノーガードで受けると左右を返して、左ボディ! 動きが止まった石月をプッシュして前に出るが、石月も応戦。右の相打ちからの左ヒザ、ボディに石月が後退。さらに笠原は左前蹴り、左ハイを入れてゴング。  判定は3-0(29-28, 30-27, 30-26)で笠原が勝利した。 [nextpage] ▼第1試合 62kg契約 3分3R〇YUSHI(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)=61.55kg[2R 0分43秒 リアネイキドチョーク]×覇留樹(宴UNIVERSE)=61.75kg  YUSHIはボディビル経験もあるといい、アマチュアキック8戦7勝1敗。最強ホストを決める地下格闘技『宴』の元軽量級王者で、2021年RIZIN大晦日での三浦孝太戦がMMAデビュー戦となった。その試合では1R3分ちょうど、三浦のサッカーキックでTKO負けを喫したが、そのアグレッシブなファイトスタイルと入場シーンで一躍話題に。BRAVE GYMや朝倉未来との練習を積んで臨んだ2戦目では、ZENKIに2RでTKO勝ち。プロ初勝利をあげた。 覇留樹はサッカー少年で、そのルックスで芸能事務所に入ると映画やCM、雑誌に出演し、更に東京ボーイズコレクションでグランプリ獲得という経歴を持つ。先輩の影響で格闘技を始めると、地元大阪のFESTA、東京の宴にキックボクシングルールで参戦し、これまでに15戦12勝(7KO)3敗。2017年に宴-UTAGE-60㎏、18年には同-70㎏の2階級王者となった。同じくホスト出身のYUSHIを相手にMMAデビュー戦に挑む。  1R、先に中央を取るYUSHIは、オーソドックス構え。サウスポー構えの覇留樹は遠間に立つ。右ストレート、右のダブルで詰めるYUSHIは右インローも。さらに右ストレートで覇留樹を崩すと、そのままあっさりマウントを奪い、リアネイキドチョークへ。身体を伸ばして背後からパウンドもゴング。  2R、左インローの覇留樹に右を当てて崩したYUSHIは、すぐに足をさばきサイドからヒジ。覇留樹の立ち際にリアネイキドチョークを極めた。  YUSHIはマイクを持つと「年末、三浦孝太くんに負けてむちゃくちゃ悔しくて、前回の試合と今回の試合と一緒に勝ちを分かち合おうと思って、同じ大会に出る予定だったんですけど、出れなくなってしまって本当に悲しいです。まだ若いんでもっと上を目指して万全の状態でまた一緒の試合に出ような」とマイクでメッセージを送った。
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