「ナメてくるだろう中島選手をKOします」」
沖縄在住で『KNOCK OUT』には初参戦となる漁鬼は、中島のキャリアと実績を恐れてはいないという。広島のBEASTと沖縄のTENKAICHI、2つのイベントのベルトを持つ彼の自信は、後楽園のリング上でも発揮されるか?
──『KNOCK OUT』初参戦で中島弘貴選手との対戦となりました。オファーを聞いた時はどう思いましたか?
「相手がどうこうじゃなくて、地方の選手が後楽園ホールとかで試合が組まれるのはけっこう珍しいので、後楽園ホールで試合ができるのがうれしかったですね。それと、せっかく組んでもらえたので、あとは結果を残すだけだなと思いました。チャンスはもらったので、あとは結果だけだという感じで」
──これまで10戦されてますが、沖縄が多いんですよね?
「沖縄では5戦して4勝1分で、負けてないんですよ。それ以外は広島で2勝1敗。あと中国と香港で1試合ずつやって2敗ですね。全部で6勝3敗1分です。広島は最初の試合は負けて、その後にBEASTというイベントの王座決定トーナメントで2勝して優勝し、チャンピオンになりました」
──海外での経験もあるんですね。後楽園ホールにはずっと出たかった?
「そうですね。地方の選手だと、なかなかその存在を関東の人に知ってもらうのが難しいので、決まった時はうれしかったです」
──ただ『KNOCK OUT』、それからその前身の『REBELS』の頃から、中村広輝選手が活躍していたりと、沖縄の選手は縁があります。
「でも沖縄の選手はもっと数が多いんですよ。中村選手など東京で試合をした選手は、チャンスをもらって結果を出したわけですよね。でももっともっと、知られてない選手もいるんです。やっと自分にもそのチャンスが巡ってきたから、結果を残すだけだなと。中島選手の名前も聞いたことはあったので、後楽園ホールという上に中島選手が相手ということで、モチベーションは上がりますね」
──中島選手はK-1 MAXなどでも活躍していた、キャリア豊富な選手ですが、それほど意識はしていなかった?
「1回、僕が香港で試合した時に、同じイベントに出たことがあるんですよ。その時に、見たことあったので「どういう選手なのかな」と調べたことがあるぐらいですね。だからしっかり注目して見たことはないです」
──では試合が決まって、改めての印象はいかがですか?
「テクニックもパワーもあってKO勝ちも多い選手ですけど、絶対勝てない相手ではないかなと思ってますね。キャリアもあるし、会場のお客さんは中島選手が勝つと思ってる人が多いと思うんですけど、自分が勝てると思ってるので」
「今まではスピードのある選手がけっこう苦手だったんですけど、中島選手はどちらかというとパワーとテクニックで、スピードはそんなにないかなあと。だからうまく噛み合うかなと思ってます。相性がいいのかなと」
──自分はどう攻めたいですか?
「せっかく試合を組んでもらってるし、地方の選手だから東京でまた試合が組まれるために、アグレッシブで盛り上がる試合をして、勝つだけじゃなくてKO勝ちをしたいと思います。判定までいかない、どっちかが倒れる試合をしたいです」
──会場のお客さんは漁鬼選手のことを初めて見る人も多いと思います。そんな人たちには、どういうタイプと説明しますか?
「沖縄や広島で試合をした時は、手数が多くて打ち合いになって、「面白かった」と言われることが多いです。アグレッシブさには注目してほしいですね。得意なのはカウンターです。中島選手はパワーがあると思うので、そのパワーを生かしてカウンターを狙いたいです」
──その自信の中には、2冠王のプライドもありますか?
「そうですね。コロナでなかなか試合が組まれない中で、広島のBEASTという大会からオファーをいただいて、そこでチャンピオンになったので、沖縄のTENKAICHIと合わせて2本のベルトを持っています。僕が負けたらそのイベントの価値も下がってしまうし、ここで中島選手に勝てばBEASTにもTENKAICHIにも恩返しができると思ってます」
──一方、中島選手は海人選手が持つKNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級のベルトを目指しています。その中島選手に勝つと、いろいろひっくり返ることになると思います。
「それは楽しみですね。モチベーションが上がります。ただ、僕はもともとウェルター級でやっていて、2本のベルトもウェルター級なんです。だから、同じ日に渡部太基選手と良太郎選手の試合もあるし、今回勝てたらその試合で勝った方とやらせてもらいたいです。
──渡部選手もウェルター級のベルトを欲しがってますから、そこに入っていくことも可能かもしれません。そのためにもここで勝って名前を上げないとですね。
「ウェルター級で他にどんな選手が上がっているのかとかも正直分からないので、まず本当に中島選手に勝つしかないですね。その後にウェルター級で王座決定トーナメントが開催される時には、そこに入れるように」
──ところでリングネームなんですが、これはどういう由来なんですか?
「本名が違う字で「りょうき」と読むので、それに当て字をしただけなんですけど、プロデビューする時に廣虎さん(ワイルドシーサー那覇支部長)がつけてくれたものなんですよ。その時は長くプロでやる気もなかったんですけど、思ったより長くプロでやり続けてて、変えるタイミングを失って(笑)」
──あ、そういうことでしたか。別に本業が漁師さんというわけではないんですね(笑)。
「廣虎さんは世界チャンピオンだったので、言うこと聞かないといけないと思って(笑)」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「たぶん中島選手は僕のことをナメて弱いと思って倒しにくるでしょうから、逆にKOしようと思ってます。そのKOを見てほしいです。