キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】中島弘貴「KOするのが仕事」、初参戦の漁鬼「どっちかが倒れる試合をしたい」

2022/07/20 22:07
 2022年7月23日(土)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT vol.4』にて、BLACKルール・スーパーウェルター級(-70.0kg)3分3R延長1Rで対戦する中島弘貴(LARA TOKYO)と漁鬼(=りょうき/SHINE沖縄)のインタビューが主催者を通じて届いた。 「一度見たら忘れられないKOシーンをお見せします!」  中島との話は試合のことだけでなく、対戦が噂されていた日菜太の病気発覚→欠場の件から、自身のコンディションのことにも及んだ。そこで分かった、中島の衝撃的事実とは? ──今回の対戦相手は沖縄の漁鬼選手に決定しました。 「試合映像を何試合か見たんですけど、パンチで前に出てくるファイタータイプの選手だなと思いました。パンチは持っているので、そこは警戒したいと思います」 ──その相手に対して、どういうテーマで臨もうと思っていますか? 「圧倒したいですね。一方的に、何もさせないで終わらせたいです。練習も、そのために一つひとつやる意味を見出しながら考えてやっているので、いい感じでいけると思います次の試合についてはそれぐらいですかね。あとはいつもの試合と同じで、KO目指して戦うだけですね。 ──さて、6月に予定されていた代々木大会の時点から、日菜太選手とお互いに「やろう」という流れになっていました。が、代々木大会が延期になり、日菜太選手は頸椎の病気ということが発覚しました。そのことについて思うことは? 「長いこと同じ階級でやっていて、K-1 MAXのトーナメントにも同じ時に出ていたので、残念だなと思います。試合ができなかったことは仕方ないですが、残念ですね。早く回復してほしいです」 ──長く選手生活を続けていると、もちろんダメージが溜まるということもあるでしょうし、ケガや病気もつきものですよね。 「何より試合をしたいのにできないというのが一番つらいですよね。長くやっていると、ある程度仕方ない部分もありますけど」 ──中島選手は、年齢的な衰えやダメージ、古傷なんかもないというお話でしたよね? 「そうですね。僕は何もなくて、メチャメチャ元気です。なので、できる限りやるしかないと思ってます」 ──これまでのキャリアでは、けっこうな激闘もあったじゃないですか。しかも長年戦っていて何もないというのは、何か秘訣があるんですか? 「いやー…何かあるんですかね? 自分では全然分からないんですけど(笑)」 ──そうですか(笑)。 「ただ最近は、以前よりは自分のコンディションとかを確認しながら練習するようにはなりました。みんなやってることかもしれないですけどね(笑)。20代前半の頃よりは疲れが溜まりやすくなってるかなーというのはあるので、ちょっとコンディションを意識しながらやるようにはなりましたね。あと、量より質を心がけるようにはなりました」 ──ベテラン選手だと、公表はしていなくてもあちこちにケガや不調を抱えていて、騙し騙しやっているということもよく聞いたりします。 「そういうの、ありますよね。でも僕は本当に何にもないんですよ(笑)。別に隠してるとかでもなく、本当になくて」 ――それはそれですごいですよね(笑)。 「丈夫でよかったと思ってます(笑)。 ──50戦近くやってて故障が何もないということは、これから先も…。 「はい、まだまだやれます。ケガもないので、いけるところまでいくしかないですよね」 ──気持ちの面ではどうですか? 波があったりはしない? 「あー、そういうのも全然ないですね。『KNOCK OUT』に出る前は少し休んでたんですけど、そこから考えてやるようになって、むしろメンタルのコンディションも上がってきてる気がします」 ──練習に向かうのにモチベーションを奮い立たせる必要があったりもしないですか。 「そういうのはないですね。練習はむしろ、さっきも言ったように質を重視するようになって、以前よりも集中してやるようになりました。練習の時間になったら誰ともしゃべらないでやってますね。練習の時点から自分との勝負ができてるかというのを意識していてそれができているかどうかというのは、お客さんにも必ず伝わると思うので。そういうところから意識してやっています」 ──では、今は自分との勝負が毎日しっかりできていると。 「はい。毎日確認しながらやってます」 ──先日の7月5日に誕生日を迎えられましたよね。一つ年を重ねて、何か意識することってありましたか」 「全然ないっす(笑)。すみません(笑)」 ──いえいえ(笑)。 「自分でも、あんまり年齢を重ねているって感じもしないですね。その意味でも変わらないかもしれないです」 ──それはいいことだと思いますよ。老け込むよりは全然。ケガや病気を気持ちでカバーしないといけないとかでもないですもんね。 「そういうのもないですからね。元気です(笑)」 ──子供の頃から健康優良児だったんですか? 「そうですね…中耳炎とかはかかったことありますけど。そのぐらいですね。格闘技をやる前は野球をやってましたけど、ケガとかもなくて」 ──中耳炎だけ! ホントに健康優良児が34歳になったということですか(笑)。 「そうなっちゃったっぽいですね(笑)。子供の頃からスポーツも得意だったし、病気もほとんどしてないし、そのまま来ちゃいました(笑)」 ──その丈夫な体から生まれた強さを、次の試合にもぶつけるということですね。その試合では、どこに注目してもらいたいですか? 「KOがマストというか、KOすることが仕事だと思っているので、一度見たら忘れられないようなKOシーンを見せようかなと思ってます。そこに注目してほしいですね」 [nextpage] 「ナメてくるだろう中島選手をKOします」」  沖縄在住で『KNOCK OUT』には初参戦となる漁鬼は、中島のキャリアと実績を恐れてはいないという。広島のBEASTと沖縄のTENKAICHI、2つのイベントのベルトを持つ彼の自信は、後楽園のリング上でも発揮されるか? ──『KNOCK OUT』初参戦で中島弘貴選手との対戦となりました。オファーを聞いた時はどう思いましたか? 「相手がどうこうじゃなくて、地方の選手が後楽園ホールとかで試合が組まれるのはけっこう珍しいので、後楽園ホールで試合ができるのがうれしかったですね。それと、せっかく組んでもらえたので、あとは結果を残すだけだなと思いました。チャンスはもらったので、あとは結果だけだという感じで」 ──これまで10戦されてますが、沖縄が多いんですよね? 「沖縄では5戦して4勝1分で、負けてないんですよ。それ以外は広島で2勝1敗。あと中国と香港で1試合ずつやって2敗ですね。全部で6勝3敗1分です。広島は最初の試合は負けて、その後にBEASTというイベントの王座決定トーナメントで2勝して優勝し、チャンピオンになりました」──海外での経験もあるんですね。後楽園ホールにはずっと出たかった? 「そうですね。地方の選手だと、なかなかその存在を関東の人に知ってもらうのが難しいので、決まった時はうれしかったです」 ──ただ『KNOCK OUT』、それからその前身の『REBELS』の頃から、中村広輝選手が活躍していたりと、沖縄の選手は縁があります。 「でも沖縄の選手はもっと数が多いんですよ。中村選手など東京で試合をした選手は、チャンスをもらって結果を出したわけですよね。でももっともっと、知られてない選手もいるんです。やっと自分にもそのチャンスが巡ってきたから、結果を残すだけだなと。中島選手の名前も聞いたことはあったので、後楽園ホールという上に中島選手が相手ということで、モチベーションは上がりますね」 ──中島選手はK-1 MAXなどでも活躍していた、キャリア豊富な選手ですが、それほど意識はしていなかった? 「1回、僕が香港で試合した時に、同じイベントに出たことがあるんですよ。その時に、見たことあったので「どういう選手なのかな」と調べたことがあるぐらいですね。だからしっかり注目して見たことはないです」 ──では試合が決まって、改めての印象はいかがですか? 「テクニックもパワーもあってKO勝ちも多い選手ですけど、絶対勝てない相手ではないかなと思ってますね。キャリアもあるし、会場のお客さんは中島選手が勝つと思ってる人が多いと思うんですけど、自分が勝てると思ってるので」 ──勝てると思うのはどういう部分でしょう? 「今まではスピードのある選手がけっこう苦手だったんですけど、中島選手はどちらかというとパワーとテクニックで、スピードはそんなにないかなあと。だからうまく噛み合うかなと思ってます。相性がいいのかなと」 ──自分はどう攻めたいですか? 「せっかく試合を組んでもらってるし、地方の選手だから東京でまた試合が組まれるために、アグレッシブで盛り上がる試合をして、勝つだけじゃなくてKO勝ちをしたいと思います。判定までいかない、どっちかが倒れる試合をしたいです」 ──会場のお客さんは漁鬼選手のことを初めて見る人も多いと思います。そんな人たちには、どういうタイプと説明しますか? 「沖縄や広島で試合をした時は、手数が多くて打ち合いになって、「面白かった」と言われることが多いです。アグレッシブさには注目してほしいですね。得意なのはカウンターです。中島選手はパワーがあると思うので、そのパワーを生かしてカウンターを狙いたいです」 ──その自信の中には、2冠王のプライドもありますか? 「そうですね。コロナでなかなか試合が組まれない中で、広島のBEASTという大会からオファーをいただいて、そこでチャンピオンになったので、沖縄のTENKAICHIと合わせて2本のベルトを持っています。僕が負けたらそのイベントの価値も下がってしまうし、ここで中島選手に勝てばBEASTにもTENKAICHIにも恩返しができると思ってます」 ──一方、中島選手は海人選手が持つKNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級のベルトを目指しています。その中島選手に勝つと、いろいろひっくり返ることになると思います。 「それは楽しみですね。モチベーションが上がります。ただ、僕はもともとウェルター級でやっていて、2本のベルトもウェルター級なんです。だから、同じ日に渡部太基選手と良太郎選手の試合もあるし、今回勝てたらその試合で勝った方とやらせてもらいたいです。 ──渡部選手もウェルター級のベルトを欲しがってますから、そこに入っていくことも可能かもしれません。そのためにもここで勝って名前を上げないとですね。 「ウェルター級で他にどんな選手が上がっているのかとかも正直分からないので、まず本当に中島選手に勝つしかないですね。その後にウェルター級で王座決定トーナメントが開催される時には、そこに入れるように」 ──ところでリングネームなんですが、これはどういう由来なんですか? 「本名が違う字で「りょうき」と読むので、それに当て字をしただけなんですけど、プロデビューする時に廣虎さん(ワイルドシーサー那覇支部長)がつけてくれたものなんですよ。その時は長くプロでやる気もなかったんですけど、思ったより長くプロでやり続けてて、変えるタイミングを失って(笑)」 ──あ、そういうことでしたか。別に本業が漁師さんというわけではないんですね(笑)。 「廣虎さんは世界チャンピオンだったので、言うこと聞かないといけないと思って(笑)」 ──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう? 「たぶん中島選手は僕のことをナメて弱いと思って倒しにくるでしょうから、逆にKOしようと思ってます。そのKOを見てほしいです。
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