大怪我から奇跡的な再起を果たす岩尾(右)の気持ちに小倉がその拳で応える
2022年8月27日(土)東京・後楽園ホール『Krush.140』の対戦カード第一弾発表の記者会見が、7月7日(木)都内にて行われた。
スーパー・バンタム級3分3R延長1Rで、小倉尚也(スクランブル渋谷)vs.岩尾力(POWER OF DREAM)が決定。
小倉は2017年からK-1 JAPAN GROUPに参戦しているファイターで、パンチを武器に16勝(8KO)10敗2分の戦績。2021年は第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメントに出場し、優勝候補の呼び声も高かったが、1回戦で内田晶に敗戦。2022年3月に約7カ月ぶりの再起戦を晃貴と戦ったが判定で敗れて連敗中。
岩尾は2014年7月にK-1 JAPAN GROUPに参戦すると、亀本勇翔、西京春馬に勝利したが2015年5月に朝久泰央に敗れた。その試合を最後にWINDY SUPER FIGHT、蹴拳、Bigbangなどに出場しており、今回は約7年ぶりのKrush出場となる。
「POWER OF DREAMの岩尾力です。4年半ぶりぐらいの試合で、デビュー戦の気持ちで挑めるので凄く楽しみです。注目してください。4年半ぶりなので、自分のことを憶えているファンの方もいると思うんですけれど、今はPOWER OF DREAMが有名な選手が増えちゃって、自分のことを忘れてたファンの方もいっぱいいると思うので、ここから挽回していこうかなと思っています」と、復帰の挨拶をした岩尾。
小倉は「岩尾選手、かなり久しぶりの試合なんですけれど、Bigbangではタイトルマッチも経験しているので、自分としては格上ぐらいの気持ちで挑もうと思っていますので、アツい試合になると思います。いま連敗中で、3月の試合は盛り上がる試合が出来たんですけれど、今回は勝ちに徹しられたらなと思っていますので、そこらへんの必死さも見てもらいたいと思います」と、連敗脱出を期す。
「勝ちに徹する」というのは判定勝ちを狙うという意味ではなく、「判定狙いで勝てるタイプではないので、そこはアレなんですけれど、1回KOするだけで評価が変わるのがKrushのリングだと思っていますので、Krushらしい試合が出来ればなと。その中で連敗中なので勝ちにも行けたらなと思っています」と、あくまでもKOを狙うが勝つことも考えたいと説明。
互いの印象を聞くと、岩尾は「小倉選手は僕も何度か動画を見させてもらって、凄く前に出てくるタイプの選手で。4年半ぶりの復帰戦にしては凄くいい相手を当ててくれたので、やりがいのある相手で凄く楽しみです」、小倉は「今、やりがいのあると評価していただいたので、僕もそれに応えられるような準備は出来ればなと思っています。岩尾選手も多分いろいろ大変なことがあって、SNSで見させてもらったんですけれど、いろいろな気持ちがあると思うので、僕もそれに応えられる熱い試合が出来ればなと思っています」とそれぞれ語った。
ここで、小倉が言う「大変なこと」とは何があったのかを中村拓己K-1プロデューサーに促された岩尾本人が説明した。
「4年半前にバイクでデカい事故をしてしまい、病院の先生にも復帰は難しいってことを伝えられて、その時期は凄く悩んでいて」と、大事故に遭って重傷を負ったのだという。
「でも、やっぱり自分の中では格闘技しかないと思ってたし、戦うことしかないと思ってたので、自分の人生は。なので、必死に手術を何回も繰り返して、何回もやって、先生にも『この傷じゃダメだ』って何度も言われたんですけれど、頑張ってリハビリもたくさんして、ジムの会長にもお願いして、やっとここまでたどり着いたので、しっかりいい試合を見せられると思うのでよろしくお願いします」と、再起不能とまで医者から宣告されても諦めず、手術を繰り返してリハビリに必死に取り組み、周りも説得して4年半の月日をかけて復帰まで漕ぎ着けたのだと打ち明けた。
それでも岩尾は「4年半ぶりの試合だし、デビュー戦のつもりで小倉尚也選手を倒しにいくので、55kgの階級をちょっと荒らしに行こうと思っているので注目してください」と、ここから巻き返していくと宣言。
小倉は「さっきの岩尾選手の話を聞いて、自分もリスペクトを持って臨まなきゃなと思いました。きっと自分らはアツい試合になってしまうと思いますので、そこらへんは期待していただければと思います。よろしくお願いします」と、様々な想いをぶつけ合うアツい試合になると予告した。