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【K-1】武尊「自分と向き合える時間を作りたい」復帰については「まだ僕にはいろいろな可能性があると思っている」「最後、勝つ姿を見せてから終わりたい」

2022/06/27 19:06
 2022年6月19日(日)東京ドーム『THE MATCH 2022』のメインイベントで、那須川天心(TARGET/Cygames/RISE世界フェザー級王者)と“世紀の決戦”を行い判定5-0で敗れた武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者)が、27日(月)都内にて単独会見を行った。  登壇した武尊は最初に約22分間、独白した。その後は記者からの質問に答えている。  休養後の復帰について、どのリング、どのジャンルを考えているのかを聞かれると「この1週間だけじゃなくて昔からずっと考えていたことだったんですけれど、僕も新しい目標というか、目標がないと試合をする意味もないと思っているし、何か活動するにあたって何も目標がない状態ならやめた方がいいと思っていて。この数日も悩んだんですけれど、1週間経って僕の心の中でひとつ目標が出来て。まだ何も形になっていないし、まだ何も進んでいない話なので、ここではまだ言いたくないんですけれど、目標はひとつ考えていることがあるので、それに向けてもまず心と身体をしっかり治したいと思っています。身体を治すのにも目標が必要だと思ったので、それを目標にしてここからしっかり治していきたいと思っています」と、新たな目標があるとした。  休養については「期間は決めてないし、トレーニングは変わらず出来るところはやろうと思っていて。なのでずっと表舞台から姿を消すわけではないと思うし、やれることは練習も仕事もやっていきたいと思うんですけれど。いったん海外の方へ行って、いい意味で自分と向き合える時間を作りたいので、なるべく言い方は悪いかもしれないですけれど人と関わらない生活というか、自分と向き合える時間を作るために一回海外に行って療養しようと思っています」と海外へ行く予定だと明かす。  那須川天心との試合の感想を求められると「もう終わったことなので、僕は本当にあの時の僕の身体と心で出来る100%を出したので悔いはないし、内容もあまりもう振り返ることはやめようかなと思っていて。あれが僕の100%かなと思っています」とだけ答えた。  改めて那須川天心への想いを聞かれると「天心選手がいたから苦しかったこともたくさんあったし、たくさんあったんですけれど、天心選手がいなかったら僕はこの年まで格闘技をやれていないと思うし、どこかで満足するか燃え尽きるかしてモチベーションを保つことも出来なかったと思うし、約10年負けないで勝ち続けてこれたのも天心選手という存在がいたからモチベーションを落とさず強さを維持できたと思うので、何て言うんですかね…言葉では現わせないですけれども、同じ時代にこの戦いの世界にいてくれて感謝しかないですね」との想いを口にする。  今回の決断にあたり誰かと相談したかとの問いには「怪我の部分に関しては(渡辺)雅和(KREST代表)さんとずっと話していて、今回だけじゃなくて2~3年前からですかね、腰だったり膝だったり、練習でも使えなくなった時期があったし、今回の試合前に特に雅和さんとか一緒に練習している人たちだったり、病院の先生だったりと相談して、このままだと生活に支障が出てしまうような怪我でもあったので、決心したのは試合2週間くらい前に1回歩けないくらいの状態になったことがあって、右の蹴りが一切蹴れない状態で最後は2週間くらい過ごして。その時にこれは治さないと自分のやりたい戦いも出来なくなるし、あとは体調に関しても生活に支障が出てしまうような状態になった時に格闘家としてだけでなく、人として普通の生活が送れなくなるのはよくないなと思ったし。それは自分のだめだけじゃなく周りにいる人たちにも迷惑をかけてしまうことになるし。試合前に夜中に病院へ運ばれたこともあったりして、自分だけの話だけではないなと思った時に決心しました」と、自分で決心したと説明。 『THE MATCH』でかつてのK-1の世界を武尊と那須川の2人で作り上げたことには「小さい頃から見ていた大好きな格闘技の舞台というのを、その舞台で試合できるのは嬉しいことだったし、あれはひとつの文化だと思っていて。それをまた今の時代に格闘技の素晴らしい部分をたくさんの人に見てもらえたのは嬉しかったですね」と振り返る。  機会があれば那須川と2人で話をしてみたいかと問われると、「いや、まだないです。それは多分、お互い引退してからじゃないかな。天心選手はこれからもボクシングで活躍していくと思うし、同じ格闘技界にいる間は仲良くは出来ないかなと思っています」とする。  リング上で2人が交わした言葉の中に、武尊の今後について話した言葉があったと那須川は発言していたが、そこから変わりはあったかとの質問には「根本的な部分では変わっていないですけれど、あの時に伝えたいことっていうのは天心選手への想いの部分だったので、そこの部分に関しては変わっていないですね」との返答。  負けたことで敗北ということについての考え方は変わったかと聞かれると「今回の試合で一番学んだんことはそこの部分で。毎日負けることが怖くてこの10年間ずっと恐怖と戦ってきたなと思って。格闘技大好きだし、試合も大好きなので試合の時は笑って楽しんでいるんですけれど、それ以外の時間って苦しさと恐怖しかなかったなと思って。それって心から格闘技を楽しめていなかったと思うし。その苦しさとか恐怖に支配されていた自分というのが、それがあったから強くなれた部分があるから無駄ではなかったと思いますけれど、今回こうやって約10年ぶりに負けて、その時に知れたことっていうのは僕の中で凄い大切なものに気付けたし、もちろん負けるのは悔しいし、負けた自分は許せない。だけど自分の歪んでいた部分だったり、負けに対してのネガティブな気持ちというのはちょっと変わったかなと思いました。なのでこれでひとつ強くなれたんじゃないかなって。負けると言う自分の中で価値観がいい意味で変わったので、そこでの恐怖がなくなった分、もっと思い切り戦えるんじゃないかなと思うし、多分これから僕はもっと強くなれるんじゃないかなって確信しました」と語った。  那須川天心との戦いは『THE MATCH』で終わったのか、それとも今後も別の形で続くのか。その質問には次のように答えた。 「この試合をやる時に、この試合はもう1度だけで2回やる必要はないって僕は言っていて。だからこそ意味があると思うし。悔しいから試合の日に家に帰った時には試合を見ながら対策を考えて何がダメだったのか、何が弱かったからダメだったのかをずっと朝まで考えていたんですけれど、天心選手はボクシングに行って階級もまたここから変わっていくと思うし、まだ100%僕も気持ちが固まっているわけではないので断言はしたくないんですけれど、天心選手との戦いだけじゃなくて、直接的な戦いだけじゃない戦いもあると思うので、そういう意味でも新しい目標というのを僕の中でひとつ思っていることがあって。そういう意味での戦いで言ったら一生続いていくんじゃないかなと思っています」  どういう形であれ復帰することで年齢に不安はないかと聞かれると「年齢的なのは今のこの時代って、魔裟斗さんもよく言われるんですが30超えても全然身体能力カバーできるし、もっと上げて行けるし、むしろコンディションを全部整えたらこの数年よりもっといいパフォーマンスだったり動きだったりが出来ていくと思う。僕ってメンタル、気持ちで戦うファイターなのでそこの部分が壊れていたら何もできないと言うか。なので全て心も身体もつながっていると思っているし、そういう部分で全部しっかり治したら全然年齢とか関係なく何でも出来るんじゃないかなって思っています」ときっぱり答えた。  噂でUFCへの挑戦というものもあると聞いたが、と問われると「本当に今は何も答えられないし、1週間経って気持ちも毎日揺れ動いていて、毎日考えていることも変わるし、ひとつ決心はしたんですけれどまだ明確に何ってことは考えないようにしているし。心の中で一個目標を作ろうと思ったこともあったので。UFCだけじゃなくてまだ僕にはいろいろな可能性があると思っているので、1回心と身体を最高の状態にしてまた改めてその時に会見させていただこうと思うので、その時にはまたみんながワクワクして心躍らせてくれるような、格闘技界がまたもう1回最高に盛り上がるようなお話しが出来たらいいなと思っています」と、今はこれというものは答えられないとした。  そしてファンへのメッセージを求められると「本当にまさにその通りというか、負けた時のみんなからの言葉だったりSNSのメッセージだったり、そういう言葉がなかったら僕は何の後悔もなくきっぱり辞めるって選択肢を取っていたと思うし。綺麗事じゃなくそういう人たちの言葉ってこんなに響くもんなんだなってこの1週間実感して。負けたら存在価値もなくなると僕は思っちゃっていたので、そんな僕に対してまだ試合を見たいと言ってくれる人がたくさんいたし、辞めないで欲しいって言葉を何万人の人に言葉として伝えてもらえて、その言葉のおかげで前向きな意味で身体を治す決心がついたというか。なので本当に僕に言葉をかけてくれた人たちもそうだし、心の中で思ってくれている人たちの気持ちも僕には届いているので、そういった人たちに感謝したいと思います。僕のわがままですけれど、最後、勝つ姿を見せてから終わりたいなと思っています」と、感謝の気持ちを“勝利”という形で返したいと語った。
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