オースティン(右)と初の国際戦で激闘を展開した☆SAHO☆
2022年6月25日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館にて開催された『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~RING OF VENUS~』。K-1初の女子単独大会として注目を浴びた同大会を、大会終了後に中村拓己K-1プロデューサーが総括した。
「今回、初のK-1女子大会を代々木第二で開催することができました。いろいろタイミングが合って、この時期に代々木第二で女子大会をやることになって、一番の理由は女子選手たちが僕たちのイベントでも増えてきて、そろそろ女子たちの大会もやりたいなっていうときに、代々木第二が取れて。僕たちのK-1にとって代々木第二は旗揚げの場所だったんで、何か新しいことをスタートさせるんだったら、代々木第二がいいなっていうところで、女子大会を開催させていただきました。
大会を終えて率直な心境としては、このタイミングで代々木第二で女子大会をやったことにすごく意味があったなと思います。その一方で、あらためて女子だけの試合を組んでイベントをやってみて『K-1を観たな!』って感想を持つ試合もあれば、そこまで魅せられなかった選手・試合もあって、よくも悪くもいまのK-1の女子の現状がわかった大会だったんじゃないかなと思います」
「その中で最後を締めたKANA選手、ハイキックでしっかり倒して防衛するのはさすがだなと思いました。本人、いつもK-1の女子を背負という言葉を使うんですけど、本気でK-1の女子を背負う覚悟を持って戦ってる選手だなとあらためて感じさせられました。あとアトム級(王座決定トーナメント)はパヤーフォン選手の優勝はインパクトあったかなと思います。
2014年11月にK-1が再スタートしたときに、ゲーオがトーナメントで優勝して、K-1の新しい歴史をスタートさせたんですけど、今度はパヤーフォン選手がアトム級の初代チャンピオンになって。最後にゲーオたちと写真撮影してましたけど、7年前の旗揚げ戦のときのことを思い出すなと思って見てました。パヤーフォン選手はムエタイの選手で、K-1のルールに100\%じゃないと思うんですけど、ちょっとずつアジャストさせてる中で、ベルトを獲って。まだ若くて伸びシロのある選手なんで、K-1という大会の中でどう強くなっていくのかなっていうのを感じました。
あと、トーナメント全体でいえば、日本の菅原選手、MIO選手、松谷選手。パヤーフォン選手がベルトを獲った姿を目にしたことも含め、もっともっとここから切磋琢磨して、ベルトを目指していくっていう。ここからどう、自分たちを強くしていくか、いろいろ感じたトーナメントだったと思うので、そういうところも期待したいなと思います。
あとは日本vs世界に関しても、結果的に海外勢が勝ち越すかたちになって。コロナがあって外国人選手を海外から招聘することが難しい中でK-1のイベントをやってきたんですけど、この女子大会から外国人選手を呼んできて、あらためて世界の強豪、外国人選手の強さ、巧さ、独特のものがあるなと思いました。こういった選手たちと戦っていく中で、日本人選手たちも強くしていかなきゃいけないな思いましたし、K-1という競技やルールをもっともっと洗練されたものにしていきたいなというふうに思いました。
試合的には☆SAHO☆選手とオースティン選手、あれは本当に気持ちと気持ちがぶつかって、これぞK-1だなっていう。K-1らしい試合ができたんじゃないかなと思います。本人も海外勢と戦ってわかったことがあると思うので、またこれからみなさん、復活劇というところもご注目いただけたらなと思います」
初開催を終えて課題も多く見つかったという中村プロデューサー。女子大会の今後については次のように語った。
「そのほかの試合に関しては、僕らもテーマのあるカードを女子の中で組めるようになってきました。正直、今回1回目が終わって、女子大会をどうするか考えようと思ってるところです。今回の大会の結果、もろもろ踏まえて今後の女子の大会や試合は考えていきたいなと思っています。
(2回大会の開催もあるというような評価?)そうですね。今日の大会を観て、結果だったり内容を含めて、今回と同じ規模でやるべきなのか、それとも変えるべきなのか、そういったところを僕らもこのあと話し合いながら、次の展開っていうのは考えていきたいなと思います。
(これから通常のK-1でも、女子にも外国人を当てていく?)そうですね。やっぱり“ワールドグランプリ”なんで、マッチメイクと選手によっては、女子選手も外国人選手をぶつけていくと思いますし。実際、パヤーフォン選手がチャンピオンになった以上、アトム級の選手たちはパヤーフォンのベルトを狙うことになっていくと思うので。
初めて日本に呼んで、こんな強い選手いるんだなっていう選手たちもいるので、そういう選手たちと日本人選手たちが戦っていく。そういった選手たちが立ち技のK-1で戦うのが、K-1の醍醐味だと思うので、今後もそこはやっていきたいなと思います。
(KANA選手が対戦希望に上げた選手については?)僕も今日、リングで初めて聞いたんですけど、やっぱり選手がこういった選手と戦いたいという気持ちを持つことは、全然いいことだと思いますし。今日の今日のことなんで、じゃあどうするこうするっていうのは全然ないんですけど、何か自分たちでできることがあるなら、考えていきたいですし。それはこのあとでKANA選手と話していきたいなと思います」
また、女子の中で未来が見えた試合や選手はいたかと聞かれると「池内紀子選手とARINA選手の試合、あとは☆SAHO☆選手ですね。その試合は印象に残りましたね。☆SAHO☆選手は僕らのイベントの中ではまだ2試合なんですけど、凄く印象に残る選手で。K-1っぽさを凄く感じるんですよね。☆SAHO☆選手はフライ級=52kgを背負っていく一人になっていくと思いますし。くしくも池内選手とARINA選手も同じ階級なんですけど、二人も若くて今回、無敗対決の試合を組んだんですけど、これからいいライバルになっていくんじゃないかなっていうのは観ていて感じましたね」と、3選手の名前をあげていた。