2022年6月25日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催された『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~RING OF VENUS~』の一夜明け会見が、26日(日)都内にて行われた。
第17試合(メインイベント)のK-1 WORLD GP女子フライ級タイトルマッチ3分3R延長1Rで、WLC女子バンタム級王者スーリ・マンフレディ(フランス)を3R1分28秒、左ハイキックでKOして王座防衛に成功したKANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)が会見に出席。前夜の試合を振り返った。
「KOで、最高の形で大会を締められてほっとしています。K-1 RING OF VENUSという大会を代々木第二で開催できたのはK-1の方が作ってくれた最高の舞台だと思うので作ってくれたことに感謝したいです」
一夜明けての心境は「今までで一番プレッシャーがあった試合で成長にもつながりました。自分の中では終わってもう次に向かっています。次に何をしていけばいいのかなって考えています」と、すでに次のことに目が向いているという。
「自分の試合に関してはたくさんメッセージをいただいて、反響が大きくて。凄くいいスタートが切れたと思いますね。大会としてはまだまだ。プロとしてお金を払ってチケットを買って来てくれるのは需要なことで、高いチケットを買ってきてくれるのに値する試合が全て出来たかと言ったら出来ていないと思いますし、これがK-1女子のスタートだと思うので、会場を小さくするのではなく代々木第二を女子で満員にしていけるくらい盛り上げていくのがこれからの目標だと思っています」と、大会全体に関してはまだこれからだとした。
タフな相手であることは覚悟していたが、「めちゃくちゃタフで初めて攻撃を1Rで効かされました。インターバルが終わって自分のコーナーへ戻った時に自分が2回ダウンを取ったことは忘れていて、自分がダウンを取られたと思っていたくらいでした。ダウンを取るにつれて相手の攻撃力が増してきたんですよ。凄い攻撃力があって。最後まで倒しに来てくれてその結果こういう形になったのだと思います」と、マンフレディのタフさと気持ちの強さがあったからこそ、いい試合が出来たとする。
元々得意とするハイキックか右オーバーハンドで倒すことは決めていたと言い、「大宮司さん(シルバーウルフ代表)と相手の分析をするにつれて一番入る、自分の出来ることはオーバーハンドとハイキックのカウンターだと。その練習を毎日していました。試合前にも最後に確認して、直前にハイキックかオーバーハンドで倒せると思いました」と、自分の武器を信じた結果だとした。
解説の魔裟斗が「ここでハイキック」と言った直後に決まったことが話題となっており、「予言されたと思いました(笑)。凄いなと思いましたね。最後ハイキックで終われたのは、自分の武器で終わらせられたのは成長、自信につながったと思っています。予言者が現れたと思いました」と笑った。
入場の時に笑っていたのはなぜかと聞かれると「入場した時の記憶はなくて。いつもリングインすると無の状態になるんですが、今回は会場に入った時くらいからあまり記憶がないんです。試合中もセコンドの声しか聞こえていなくて。凄いゾーンに入っていました。それだけ集中していましたね」と、過去最高に試合に集中できていたという。
『THE MATCH』で武尊が敗れたこともプレッシャーとして感じた、とも。
「大会の6日前、ドームの空気を吸いに行こうと思って生で見させてもらって凄いエネルギーもらったし、K-1で一番大きな存在が負けてしまったのはショックを受けました。エネルギーを奪われたというか。それがあったからこそ力に全部変えられました。直前で(後輩の菅原)美優ちゃんが負けちゃって、入場する直前に隣で大号泣していました。でも、その場から離れずに声を聞こうと。それも全部エネルギーに変えようと思いました。プレッシャーは凄いあって、アップが終わってからも気持ち悪かったんですが、そのおかげで凄い集中が出来ました」と、負の状況も全て自分のエネルギーにしようと考えていたと明かす。
「何が何でも、自分が倒されてもいいからKOで締めようと決めていたので、どんな状況でも倒しに行こうという気持ちで戦いました」と、KO決着で試合を終えるのは絶対条件だと心に決めていた、とも。
また、試合後にはいずれ戦いたい相手として現在『ONE』で活躍中のアネッサ・メクセンの名を出したが「世界トーナメント(2019年12月)の前にプーケットへ練習で行った時にスパーでボコボコにされて。身長170cmで同じ階級でこんな強いヤツがいるんだって思って。そこから最強をリアルに追及してますし、同じ階級で自分より強いと思う選手がいるってことは最強ではない。K-1王者として世界で一番強いのを証明したい」と、“最強”になるためには避けては通れない相手だとした。
そして「昨日は会場、ABEMA、GAORAで見てくれてありがとうございました。K-1女子のスタートは昨日だと思うので、ここからK-1の舞台を目指してくる女子選手が増えてくると思うので、現役である以上はその先頭を切って自分は走っていきたいと思う」と、これからもK-1女子の先頭を突っ走っていきたいと宣言した。