2022年6月24日(日本時間25日)、米国ジョージア州アトランタのオーバータイム・エリート・アリーナにて、「PFL 5: 2022 Regular Season」が開催された。
フェザー級では、プレーオフ進出を賭けて、工藤諒司(日本)がアレハンドロ・フローレス(メキシコ)と対戦した。
PFLには日本選手として、2018年ライト級の川名雄生、2019年ヘビー級の石井慧に続き3人目の参戦となるMMA10勝3敗1分けの工藤は、4月に強豪ブレンダン・ラウネーン(英国)と対戦。1Rにダウンを奪うも、3Rにラウネーンとのバッティングにより、テクニカル判定で接戦を落としている。
ポイント制のPFLで、現在無得点の工藤がトップ4入りするにはフィニッシュが絶対条件で、短い時間で勝つほど、プレーオフ進出の可能性が高まる。
寄せ書き入りの日の丸を背に入場した工藤。コーナーマンとして長南亮TRIBE TOKYO MMA代表、マネージメントのシュウ・ヒラタ氏がつく。
放送で工藤は「次の試合では早い時間で決着がつくんじゃないかと思っています。僕が仕留めるつもりで戦おうと思っているからです」と語る姿が映し出される。
対するフローレスは、MMA21勝3敗。2021年8月にPFLデビューし、カール・ディートン3世にスプリット判定勝ちすると、2022年4月にシーズン参加を決め、リーグ戦初戦でサバ・ボラギに判定勝ち、3Pを獲得している。メキシカンハットをかぶって入場。工藤とは3インチのリーチ差がある。
▼フェザー級 5分3R〇工藤諒司(日本)[1R 2分52秒 KO] ※右オーバーハンド×アレハンドロ・フローレス(メキシコ)
1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブをダブルで突き、軌道の異なる左フックも見せた工藤。
工藤の前手に右手を合わせて、右前蹴りで間合いを外すフローレス。長南代表からの「30秒経過」の声に、右ローを当てる工藤。ワンツーで詰めて左まで繋ぐと、ステップバックでかわすフローレス。
今度はフローレスが遠間から左ジャブを突いて押し返すと、工藤は左インロー。ローレンスの左ローと、左関節蹴りをかわす。
遠間を保つフローレスに、左フックを右手のガード上から叩いて前に出る工藤は、下がりながらサークリングするフローレスを追い、フローレスが突く前手が下がったところに踏み込んでの右ストレート!
そのまま組んで押し込むと、金網背に左で差すフローレスが、工藤の頭を叩く。それが後頭部だとアピールする工藤も左四つで押し込みヒザを腹に突く。
内無双から投げを防ぎ、左四つのまま体を入れ替えようとするフローレスだが、ここで譲らない工藤が押し込み、互いに四つの激しい攻防の末、いったん離れる。
スタンドで左インローを当てる工藤。詰め返してきたフローレスが左の前蹴りを空振り、さらに右ボディストレートを振ると、それをかわした工藤は、左ジャブで前進。バックステップするフローレスが金網に詰まったところで、左から右フック! そこに伸び上がり右のヒザ蹴りと右スーパーマンパンチを狙ったフローレスは、工藤の右をアゴに浴び、その場で糸が切れた人形のようにヒザが折れ、ダウン!
座り込むように倒れたフローレスに工藤は右のパウンドから左の返しの2発も、同時にレフェリーが間に入り、ストップ。工藤は両手を上げてガッツポーズし、「グワッ」と咆哮した。
コーナーから日の丸を受け取り、ケージのなかで高々と掲げる工藤。見事なKO勝利に、ケージインしたレイ・セフォー代表ともがっちり握手。気を取り戻したフローレスが立ち上がるとともハグをかわした。
1R 2分52秒でのKO勝利で、6Pを獲得した工藤は、プレーオフ進出決定のコールを受けた。
準決勝で、工藤はバッバ・ジェンキンス(18勝5敗・写真下)との対戦が決定。ジェンキンスは4月にカイル・バチニアック(米国)、今大会でヘイナウド・エクソン(ブラジル)をいずれも判定で下しているテイクダウン&コントロールの猛者だ。
また、クリス・ウェード(米国)とブレンダン・ラウネーン(英国) が準決勝で対戦する。
[nextpage]
PFL 5: 2022 Regular Season フェザー級結果
▼フェザー級 5分3R〇クリス・ウェード(米国)[1R 1分10秒 TKO]×カイル・バチニアック(米国)
▼フェザー級 5分3R〇バッバ・ジェンキンス(米国)[判定3-0] ※30-27×3×ヘイナウド・エクソン(ブラジル)
▼フェザー級 5分3R〇ランス・パーマー(米国)[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×シェイモン・モラエス(ブラジル)
▼フェザー級 5分3R〇ブレンダン・ラウネーン(英国) [判定3-0] ※30-27, 29-28×2 アゴ・フスキッチ(米国)