RISE 1582022年5月29日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第10試合)第3代 ウェルター級(-67.5kg)王座決定戦 3分5R無制限延長R〇中野椋太(誠至会/同級1位、S1世界ウェルター級王者)KO 2R 1分39秒 ※右フック×稲井良弥(TARGET/同級3位、第4代DEEP☆KICK-70kg王者)※中野が新王座に就く。
中野は2018年12月にNJKFウェルター級王者になったパンチを得意とするアグレッシブファイター。RISE初参戦となった2019年7月、憂也に初回KOで勝利。10月には65kg級のS1ジャパントーナメントで優勝。RISE2度目の参戦となった2020年2月にはスーパーライト級王者・山田洸誓に判定負けを喫するが、11月のRISEでは山口裕人から左フックでダウンを奪って勝利した。2021年7月にはWBCムエタイ日本ウェルター級王座を獲得、11月のRISEではNKBウェルター級王者・蛇鬼将矢をTKOに降す。今年3月の第3代ウェルター級(-67.5kg)王座決定トーナメント準決勝では中島将志に判定勝ちして今回にコマを進めた。20勝(9KO)6敗。
稲井は2021年11月、籔中謙佑を初回KOで破り、6勝(5KO)無敗でDEEP☆KICK-70kg王座に就いた。今年2月のトーナメント準決勝ではKROSS×OVER認定王者で5勝(3KO)無敗の都木航佑に判定勝ちし、今回無敗のまま王座獲りに臨む。
1Rが始まると同時に前へ出た稲井はいきなり中野の顔面へ右をお見舞いする。中野は落ち着いて右カーフと得意の左フック。右カーフからの左フックを徹底する中野は左フックをクリーンヒットさせ、さらに左で稲井をグラつかせる。稲井は右カーフを蹴られると左右フックで前へ出るが、中野はブロックしながら右カーフを狙い撃ち。稲井は左足の動きが鈍る。前へ出る稲井だが、右フックを空振りしたところに中野の左フックをもらってダウンを喫する。
2R、いきなり打ち合いに出る稲井。中野の左フック、右ストレートをもらいながらも左右フックを打つ。中野の左フックをもらってコーナーで連打を浴びる稲井は右フック2発で大きくバランスを崩してスタンディングダウンをとられる。
さらに左フック、右カーフでたたみかける中野。左フック、右フック。打ち合う稲井に右カーフを蹴る。そして右カーフからの左フックで稲井の身体が泳いだところで最後は右フック。コーナーに稲井が倒れ込み、ここでレフェリーがストップした。
ベルトを巻いた中野だが、中央部が外れるというアクシデント。笑顔の中野はマイクを持つと「とりあえずチャンピオンになることは通過点だったので、ベルトすらビックリして壊れました。ベルトすらKOです(笑)。RISEで唯一無二の王者になるのでこれから注目してください」とアピールした。
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▼セミファイナル RISE QUEENアトム級(-46kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R〇宮﨑小雪(TRY HARD GYM/王者)判定3-0 ※50-47、50-46、50-46×小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/挑戦者・同級1位)※宮崎が初防衛に成功。
宮﨑は“宮﨑姉妹”の妹で、小学3年生から空手を学び、2019年8月のKAMINARIMON全日本女子トーナメントで優勝。アマチュア戦績10戦10勝(3KO)無敗の戦績を引っ提げ、16歳で2019年11月にプロデビュー。新人離れしたテクニックを見せて関係者から高い評価を受け、2021年1月「アトム級NEXT QUEENトーナメント 2021」で優勝。3月にはRISE QUEENアトム級王者・紅絹に挑戦し、判定2-0で破り第2代王座に就くと、9月に伊藤紗弥から延長戦で勝利、今年2月には百花にも判定勝ち。戦績は6勝1敗1分。
小林は強烈なパンチを武器に持つ21歳。フルコンタクト空手出身で、正道会館第38回全日本空手道選手権大会2019軽量級優勝など主に関西圏の大会で多くのタイトルを獲得してきた。2020年10月に宮﨑小雪にプロ初黒星を付けられるも、2021年1月の『アトム級NEXT QUEENトーナメント』1回戦で奥脇奈々を得意のパンチでKO。決勝戦では宮﨑小雪へのリベンジを狙うも判定負け。4月には平岡琴と観客が拍手喝采の激闘を演じ、判定2-0で勝利した。7月には百花にもダウンを奪って判定勝ちし、2022年1月には祥子JSKにKO勝ち。戦績を5勝(2KO)2敗1分とした。
両者はこれまで2度対戦し、いずれも宮﨑が判定勝ちしている。3度目の対戦を制するのは宮﨑のテクニックか、小林のパワーか。
1R、小林はサウスポーの宮崎に対して左回りしながら右の三日月と左カーフを蹴る。宮崎はじりじりと詰めていき左ストレートを顔面とボディへ、小林が打って来ると右フックを合わせに行く。小林は右オーバーハンドも宮崎がすぐに左を打ち返す。
2R、宮崎は小林が右を伸ばしてくると左ローを蹴る。小林の右をかわして左ストレート、右ミドル、左ローを蹴る宮崎は不敵な笑みを浮かべる。
3R、宮崎は小林の右をブロックしてすぐに左ストレート、さらに小林が前へ出てくるタイミングで左ローを内・外へ蹴る。小林も終盤前へ出て攻めるが宮崎の距離で試合は進む。
4R、さらにステップのスピードを上げた宮崎。左インローを蹴り、左ストレート。小林も右ストレートをねじ込むが宮崎に左インローを蹴られる。右ボディを狙う小林に宮崎は回り込みながらの左インロー、左ミドル。前蹴り、左インロー、右フックと小林が入ってくるところで潰しに行く宮崎。
5R、小林は強引に入り込んで右ボディ、左福を打つ。宮崎は変わらず入ってくるところへ右フックを引っ掛けて回り、左インローを蹴る。左ストレートのカウンターも。左ミドル、左ストレートの宮崎に小林は強引に突っ込むが先手を取られる。ヒザ蹴り、前蹴り、バックブローも繰り出す宮崎。
判定は3-0で宮崎が初防衛に成功。相手に1ポイントも与えず、ジャッジ2名が4ポイント差をつける圧勝だった。
宮崎はマイクを持つと「応援してくださる全ての皆様、いつもありがとうございます。凄い不安とかプレッシャーとか見えない敵に打ち勝つのが難しくて不安だったんですけれど、いろいろな人が助けてくれて勝利することが出来ました。私は小6の時にお母さんが病気で亡くなっているんですけれど、明日が来ない人はいないと思います。周りにいる人を大切して全力で生きて欲しいです。私の試合を通して勇気とか希望とか明日から頑張ろうと思ってくれる人がいたら私は幸せです」と涙ながらに語った。
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▼第8試合 ミドル級(-70kg) 3分3R延長1R〇憂也(魁塾/同級3位、第2代DEEP☆KICK-65kg王者)KO 2R 0分52秒 ※3ノックダウン×J(TSK Japan/WMCインターコンチネンタル・ミドル級王者、第2代BOMミドル級王者)
憂也は2010年にK-1甲子園で準優勝、同年にDEEP☆KICKでプロデビューを果たすと、様々なリングで活躍。2013年12月には第2代DEEP☆KICK-65kg王者となった。RIZINには2度出場して、全て1RでKO勝利。右ストレートに破壊力を持ち、3試合連続で初回KO勝ちを収めて臨んだ2020年12月の『RISE』では緑川からダウンを奪って延長戦で勝利を奪う番狂わせを起こした。しかし、2021年2月のRISEでは“ブラックパンサー”ベイノアに延長戦の末に判定で惜敗。7月の『NO KICK NO LIFE』では緑川と再戦してドロー、11月のねぎ魔神には判定勝ちを収めた。戦績は26勝(12KO)13敗3分。
JはBOMの常連ファイターで、WMC日本スーパーウェルター級王座、ルンピニージャパン同級王座、WMCインターコンチネンタル・ミドル級王座を獲得。パンチ、ヒジを得意とし、4月にはBOMミドル級王座決定トーナメントで松島勲也を延長戦の末に判定で振り切ったが、決勝戦で喜多村誠に判定負け。しかし12月の喜多村との再戦では判定3-0で勝利しタイトル奪取&リベンジに成功した。
1R、憂也は強い右ローを蹴ってジャブを突く。そしてボディから顔面へのコンビネーション。さらに左三日月も突き刺す。Jは右前蹴りで応戦するが、憂也のボディ、左ミドルをもらう。終盤、ジャブから左ボディを強打した憂也はもう一度左ボディ。憂也のパワフルな攻撃が目立った。
2Rが始まってすぐ、右フックをヒットさせた憂也は左右の連打でガードを固めるJをめった打ちにし、ダウンを奪う。続いtえ飛びヒザ蹴りで2度目のダウンを追加。最後は右フックでグラついたところでレフェリーがストップ。憂也が攻撃力の高さを見せつける快勝を収めた。
憂也はマイクを持つと「ちょっと実力の差を見せつけられたんじゃないでしょうか。RISEの70kgを僕が引っ張っていくので注目しておいてください。コロナで王者のイ・ソンヒョン選手が来れませんでしたが、来れるようになったら挑戦者決定戦でもして挑戦させてください」とアピール。さらに「THE MATCH、RISEチーム全勝で頑張ってください」とエールを送った。
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▼第7試合 ライト級(-63kg) 3分3R延長1R〇木村“ケルベロス”颯太(心将塾/同級11位、第3代DEEP☆KICK -65kg王者)判定3-0 ※30-26×2、30-25×麻火佑太郎(PHOENIX/スーパーライト級6位)
木村は「ウルトラマンに憧れ、戦いごっこの延長でキックを始めた」という個性派。ここ数年キックから離れた時期もあったが、同門の山畑雄摩の活躍に刺激され復帰を決意したという。2021年11月のDEEP☆KICKではトーナメントを制してDEEP☆KICK-65kg王座に就くと、今年2月の『RISE FIGHT CLUB』に参戦。記者会見で山口侑馬に額を押し付けて挑発すると、試合では山口に判定勝ちして名を上げた。戦績は8勝(2KO)3敗1分。
麻火は元TENKAICHI Gライト級王者。K-1甲子園-60kgベスト4、KAMINARIMON×新空手最強決定戦-63kg優勝、全日本格斗打撃選手権大会優勝などの実績を持つ。かつては本名の清水佑太郎の名前でRISEに参戦していた事がある。KNOCK OUTとREBELSでキャリアを積み、2021年2月のREBELSでは紀州のマルちゃんを初回KOに沈めたが、5月大会では古村匡平と接戦を演じるも判定2-0で敗れた。9月のKNOCK OUTでは大谷翔司にKOで敗れるも、今年2月のRISEではチャッピー吉沼から勝利。今回は適正階級のライト級での出場となる。戦績は10勝(1KO)7敗。
1R、じりじりと前に出る木村にサウスポーの麻火はサイドキックで距離をとる。麻火の左ミドルには木村が右ストレートを合わせる。木村の右ミドルへすぐに左ボディストレートを返す麻火。蹴りで距離をとって戦う麻火に距離を詰められない木村という展開。
2R、右カーフを蹴る麻火に木村は右ストレートを狙う。麻火は左三日月も多用し、木村のボディへ突き刺していく。左ミドルを蹴った麻火に木村が右ストレートをヒットさせ、バランスを崩した麻火へさらにもう一発右ストレートで麻火はダウン。その後も麻火のパンチをかわして右ストレートを打ち込む木村。右ストレートを次々と被弾して麻火はコーナーに詰まる。
3R、左ストレート、右フックで攻めようとする麻火だが、木村はよく見てかわしての右ストレート。麻火は掛け蹴りでヒットを奪うが前に出てパンチを当てようとしたところで左アッパーでダウンを奪われる。麻火の蹴りに右ストレートを合わせ、左カーフを蹴る木村に麻火は掛け蹴りで応戦。麻火はカウンターの左ストレートをヒットさせるも木村の右ストレートをもらってグラつく。ボディを打つ麻火へ的確に右を合わせに行く木村。
判定は3-0で木村。右ストレートの威力を見せつけて大差の勝利を収めた。
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▼第6試合 スーパーライト級(-65kg) 3分3R延長1R〇チャッピー吉沼(フリー/同級7位)判定3-0 ※29-28、30-28×2×稲石竜弥(Team OJ/ライト級9位、第2代Bigbangライト級王者)
吉沼は1年ぶりのRISE復帰となった2月の『RISE 155』より、リングネームを突如チャッピー吉沼に変更。公式計量と会見には顔面を白塗りのロックスタイルで登場し、語尾に「ベイべ」と付けて周囲を困惑させていた。試合は判定で麻火佑太郎に負けてしまったもののかなりのインパクトを残している。戦績は9勝(3KO)7敗1分。
対する稲石は第2代Bigbangライト級王座、第19代MA日本ライト級王座、第13代APKFスーパーフェザー級王座に輝いた三冠王だが、計量時に履くセクシーパンツがお馴染みで、入場時には某アニメキャラクターのイノシシのお面を被って登場し、試合も超変則で“変態”と呼ばれる。最近の試合ではオープンフィンガーマッチにも挑戦し、FIGHT CLUBに参戦。MMAファイターのユウトと引き分けている。戦績は26勝(6KO)16敗2分。
稲石は「みんな応援よろしく!」と叫んでから試合開始。1R、サウスポーの吉沼は左ミドルと左ストレート&右フック、稲石は踏み込むと同時に変なフォームから左のパンチを入れる。稲石が入り込んでくるところに右フックを合わせてダウンを奪う吉沼。稲石はダウンを感じさせず前へ出て左のパンチを出し、バックハンドブローを空振りするとそのまま回転して左ミドル。
2R、吉沼は左ストレート、稲石は右ストレートでボディを打つ。稲石は変則的な動きからいきなり左を打ち、右へつなげる。稲石の軌道が読みづらいパンチが当たり始め、吉沼は鼻から出血。吉沼はジャブで立て直そうとするが稲石は変則的な動きで入り込んでパンチを当てる。
3Rも飛び込んで左フックを打つ稲石。吉沼は飛びヒザ蹴りで応戦。前に出ると同時に左を打つ稲石は、左フックの大振りもヒットさせる。バッティングで稲石が左目上から流血し、ドクターチェック。再開後、前に出る吉沼が攻めの姿勢を見せるが稲石はバックハンドブロー。いきなり飛び込んでくる稲石に吉沼は手を焼く。
判定は3-0でダウンを奪った吉沼が、4戦目にしてRISEでの初白星を飾った。
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▼第5試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R〇松井大樹(MEIBUKAI/King of Rookie 2021 -55kg級優勝)判定3-0 ※30-29×2、30-28×HAYATO(CRAZY WOLF)
松井は幼少期から空手を学び、アマチュアキックボクシングでも21戦無敗、ISKAアマチュアキックボクシング世界大会でも優勝を果たし、昨年9月のRISE横浜大会でプロデビュー。河津伸太郎に判定勝利でデビュー戦を白星で飾ると、同年に「Stand up」で開催された新人王トーナメントで優勝を果たした。今年2月には『RIZIN TRIGGER 2nd』にも出場し判定勝利。現在4戦全勝中だ。
HAYATOは士道館世界大会でグローブ空手と士道館空手の二部門を制した世界二冠王で、現在は関西を拠点に活躍中の20歳。昨年11月のDEEP☆KICKで元RKSライト級王者のYU-YAを秒殺KOし、満を持してのRISE初参戦となった今年の1月の戸井田大輝戦ではカーフキックを効かせるものの、貰いながらも前に出る戸井田にヒットを奪われ判定負けを喫している。
1R、長身(177cm)のHAYATOは左ミドルの強打で先制、松井(162cm)は潜り込んで左右のフック。松井が左ミドルを蹴るとHAYATOが右ストレートを伸ばす。HAYATOのジャブに右クロスを合わせる松井。
2Rになると入り込む場面が増える松井は左フックで飛び込んでの連打。HAYATOも右ストレートを伸ばし、飛びヒザ蹴りを発射するが松井が距離を詰めての右ストレート。
3R、松井の右ローにバックハンドブローを合わせるHAYATO。松井は入り込んでのワンツー、右ロー。HAYATOも強い右ローを蹴り、右ストレート。どんどん前に出る松井は左ボディからの右フック、HAYATOも右ストレート&左ミドルで応戦。前に出る松井が右ストレートからの連打で詰めたところで試合終了。
判定3-0でアグレッシブに攻めた松井が判定勝ちした。
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▼第4試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R〇山科直史(極真会館/全日本高校生空手道選手権大会優勝)TKO 2R 2分01秒 ※レフェリーストップ×松永 隆(新宿レフティージム)
▼第3試合 バンタム級(-55kg) 3分3R〇伊東龍也(HAYATO GYM/Stand upアマチュアAクラストーナメント?55kg級優勝)TKO 3R 1分40秒 ※レフェリーストップ×羅司(=らいぜ/TEAM TEPPEN/2021年RISE Nova全日本大会-60kg級優勝)
▼第2試合 フライ級(-51.5kg) 3分3R×酒寄珠璃(ドージョー☆シャカリキ/第284回新空手道交流大会K-2トーナメント軽軽量級優勝)判定0-3 ※27-29×3〇平山龍馬(サクシードジム team EXCEED)
▼第1試合 -44kg契約 3分3R〇西原朱花(TEAM TEPPEN)判定3-0 ※30-29、29-28、30-28×風羽(龍生塾ファントム道場)