延長戦にもつれた決着は、ダウサコンの判定勝ち。皇治は苦笑いを浮かべた(C)HEAT
HEAT 50
2022年5月7日(土)名古屋国際会議場イベントホール
▼メインイベント HEATキック特別ルール 61kg契約 3分3R
×皇治(TEAM ONE/元HEATキック・ライト級王者、ISKA K-1ルール世界ライト級王者)
[延長R 判定0-3] ※9-10×3
〇ダウサコン・BANG BANG GYM(タイ/ウィラサクレックフェアテックスジム)元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級3位&元WPMF世界スーパー・バンタム級王者)
※本戦の判定は30-29、29-30、29-29。特別ルールはキャッチしての攻撃は禁止。
皇治は2013年12月からHEATに参戦し、HEATキックルール初代ライト級王者となり、2度の防衛に成功。2017年2月にはISKA K-1ルール世界ライト級王座決定戦を行い、念願だった世界タイトルを手に。
この活躍をきっかけに2016年2月にKrushに参戦(その前にも2度出場している)すると、K-1にレギュラー参戦して現在はRIZINに出場とメジャー舞台へ駆け上がっていった。今回はその恩返しとして「ファイトマネー無し」での出場を決意した。
ダウサコンは元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級3位&元WPMF世界スーパー・バンタム級王者で、2017年~2018年にREBELSへ4度参戦した、強打が武器のムエタイ戦士。2018年4月27日に小笠原瑛作にKOで敗れWPMF王座を失った。
最近では、ジャパンキック協会の2020年8月大会のメインに登場して、同団体のトップである馬渡亮太と引き分け、12月のREBELSでは栗秋祥梧から判定勝ちしている。2021年はK-1に初参戦したが玖村将史にKOで敗れた。戦績は90勝(8KO)49敗5分。通常55~56kgで試合をしているが61kgでも問題ないと自信を見せる。
皇治がタイ人ムエタイ選手と対戦するのは、51戦目にして初。試合前には榊原信行RIZIN CEOから花束が贈呈された。試合開始前から場内に鳴り響く皇治コール。
1R、皇治はジャブをしっかり突いていき、右ローを蹴っていく。ダウサコンが左ミドルを蹴るとすかさず右ローを蹴り返す皇治。入り込んで左右ボディを叩くと、前へ出てプレッシャーをかけていく。ダウサコンがケージを背にすると左ボディ。皇治のジャブが伸びる。
ダウサコンが左ミドルを蹴ると間合いを詰めてコンビネーションを3発までつなぐ。いつになく積極的に自分から前へ出てプレッシャーをかけ、コンビネーションパンチを放つ皇治。ダウサコンは前蹴りで突き放す。
ボクシングを指導する内山高志によれば、皇治は前へ出て自分から攻めていくスタイルの方が強いという。
2Rも前に出てジャブからコンビネーションをつないでいく皇治。ダウサコンは右ミドルから右ストレート。皇治の左フックをもらったダウサコンが下がると皇治はアッパーを交えてコンビネーションパンチを回転させる。
距離を詰める皇治は左ボディから左右フック、ダウサコンはケージを背負うが左フックを返す。怯まない皇治は左右ボディ、左ミドル、さらに前へ出て右ボディ、左ミドルから右ヒザ。
ダウサコンも左ミドルを返していく。ラウンドが終了すると空振りも目立った皇治は首をかしげて苦笑い。
3R、左の前蹴りを顔面にヒットさせる皇治は右ミドルから前へ出る。ダウサコンは前蹴り、ジャブから右ハイ。ダウサコンはジャブを多用してミドル&前蹴りでも皇治を突き放しにかかる。皇治はジャブをヒットさせるが、続くストレートやフックはダウサコンの堅いブロックの上から。ならばと左右ボディを叩く皇治。
またもダウサコンをケージに詰めて右フックを強打、さらに右アッパー、左ボディと攻める。ダウサコンはジャブを出しながら下がり、左ミドルと右ロー。前に出る皇治が左フック、右ヒザ。ダウサコンもパンチを繰り出すが皇治は顔で受けて前へ出る。
試合終了と同時に抱き合う両者。かなりの疲労が両者に見える。しかし、判定は三者三様でドロー。延長戦へ突入する。
皇治はパンチから右ローへつなぎ、左右フック。ダウサコンも左右フックをすぐに返すが、皇治が前へ出て左ボディから左フック。ダウサコンの右ロー、ヒザ蹴りで下がる皇治。ダウサコンのワンツーにヒザを返す皇治にダウサコンはさらにヒザ連打で畳みかける。
残り1分、ダウサコンはつかみにいき、皇治は大きな右フック、組みに来るダウサコンに左フック。皇治はさらにボディを叩くが、顔面へのパンチはほぼブロックされている。終盤ダウサコンは手がほとんど出なくなったがヒザを突き刺し、最後は足を止めて皇治と打ち合った。
判定は3-0でローキックでダメージを与えたダウサコンが勝利。皇治は苦笑いを浮かべて判定の結果を聞き、勝者ダウサコンを称えてケージから降りていった。
(写真)勝者のダウサコンを笑顔で称えた皇治(C)皇治チャンネル