MMA
インタビュー

【RIZIN】武田光司と対戦する元UFC・現Bellatorのスパイク・カーライル「コージは現代のサムライ、相応しい死を私が届けてやる」=『RIZIN.35』

2022/04/17 13:04
 2022年4月17日(日)『RIZIN.35』東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ大会の第5試合のライト級で、興味深い国際戦が組まれている。  ライト級(71kg)5分3Rで、元DEEP同級王者の武田光司(BRAVE)が、元UFC・現Bellatorのスパイク・カーライル(米国)と対戦する。  カーライルは空手を2年間、レスリングを4年間、ブラジリアン柔術を11年間学び、日本のPRIDEに憧れ、18歳の時にMMAファイターになることを決意。アマチュアで20戦近く経験をし、2017年9月にプロデビュー。2020年にUFCの切符を手にするまでに8勝1敗の好成績を残した。UFCデビュー戦ではアーロン・クルーズを相手に1R1分25秒でTKO勝利を奪ったが、その後自身のキャリア初の連敗を喫し、UFCからリリースされてしまう。しかし2021年からはLFA、Ballys FightNight、CageWarriors130で全てKO/一本勝ちで3連勝を飾り、Bellatorとの契約をつかんだ。  2021年12月の前戦では同じくUFC経験者のダン・モレットを相手にチョークを決めて一本勝ちし、4連続KO・一本勝利で4連勝を飾っている。UFCで残り5秒でマウントポジションを解き、背中を向けて歩き出した例の事件のことも含め、本誌独占インタビューとして、“日本おたく”のカーライルに聞いた(※前日に『RIZIN TRIGGER 3rd』開催)。 子供の頃は刃牙、いまの自分は範馬勇次郎かな ──まずは、日本初参戦の気持ちをお聞かせください。 「アメイジングだよ!」 ──現在の練習環境は? 「オレンジカウンティで練習していて、トレーニングラボのマーク・ムニョス、キングスMMAアナハイムのベニール・ダリウシュ(UFC世界ライト級ランキング4位)と練習してきた。ハファエル・コルデイロのジムは姉妹ジムでよく練習にも行くけど、今回のために特にアドバイスはもらってないよ」 ──日本のファンにどんな試合を見せたいですか。 「ほんとうにニッポンで試合をするのは15歳からの夢で、PRIDEから愛していて、いつか日本で試合をしたいと思っていました。選手だけじゃなく、日本のファンには僕のキャラクターも知ってもらいたい。僕はただのファイターではなく、エンターテイナーだと思っている。日本のアニメが大好きで、音や光や音楽やプロダクションも大好きで、生涯のキャリアを通じて、日本MMAに適用するようになるためにファイターをやってきたつもりなので、ぜひそこを見てもらいたい」 ──ご自身ではどんなキャラクターだと? 「強いていえば……ワイルドな原始人っぽいキャラクターだ。当然、時と場所を選んで現代人のふりをすることはできるけど(笑)、どちらかというとネアンデルタール人っぽいと思っていて、ちょっとユニークでクレイジーなキャラクターだと思っている」 ──ユニークといえば……2020年5月のUFCでビリー・クアランティーロと対戦したときに、1Rにあなたがマウント&パウンドで攻勢になりながら、残り5秒ほどで攻撃を止め、相手から背を向けて歩き出してしまって、クアランティーロに背後から顔面パンチをもらってしまいました。いったいあれは……? 「(苦笑しながら)あれは……“奢り”という悪魔に心を奪われ、あの時は無敵のような感覚でいたんだ。それを神様に罰せられた状況だよ」 ──ちなみに好きな日本のアニメとは? 「その質問は難しすぎる(笑)。ありすぎて挙げるのに困る。『グラップラー刃牙』が好きだ。幼少時代の刃牙のような頭の写真もありますし、最近は歳をとった刃牙──範馬勇次郎かもしれない(笑)。あとは『はじめの一歩』です。この作品にインスパイアされてボクシングを真剣にやろうと思った、そのきっかけとなった作品さ。『ベルセルク』も好きです。ガッツサマ!」 ──入場パフォーマンスも派手なものに? 「自分が大好きなアニメのキャラクターが登場する。予想を裏切ることが好きなので、そこは期待していてほしいね。少しだけヒントを言うと……『赤毛の子供には魂が無い』と言われることがあって、だから今回、誰かの魂を獲りに行く必要があると考えているよ」 ──対戦相手の武田光司選手の印象を教えてください。 「コージは現代のサムライだと思っていて、それにふさわしい死を私が届けてあげようと思う。身長も同じくらいでサウスポー構えのレスリングスタイル。自分はこのような相手を過去に試合をしているので、何も驚くことはないし、彼に勝つすべての技術を持っています。コージをフィニッシュする最初の男になるよ」 ──試合展開をどう考えていますか。 「試合を見てのお楽しみさ。作戦はここでは言わない。試合を見ないと分からない。ただ言えることは、試合がどんな状況になっても僕が勝利する術は持っている」 ──この試合は「日米ど根性ファイト対決」とも呼ばれています。そんな展開になっても上回る自信はありますか。 「当然そんな(ど根性は)必要のない試合になるのが理想的だけど、そういう展開でも負けない」 ──武田選手の投げに対してはどんな印象を持っていますか。 「おそらくあの体勢に持っていかれることはないと思うけど、彼の得意とするスープレックス、キムラロック、アームバーに関しては対策を何度も練習してきている。その状態からの防御やカウンター攻撃なども十分に練習してきたから問題ないよ」 ──リングMMAでRIZINルール、そして武田選手のグレコローマンスタイルのレスリング力をどう評価していますか。 「グレコローマンスタイルはこのルールに非常に合っていて、コージはそれに素晴らしく適応できるバックボーンを持っている。グラウンドでのヒザ蹴りもやれるし、上半身の力で相手を抑えてがぶってスプロールした状態からのヒザがある。リングだからロープ間の隙間があるからクラッチも取りやすくなる。RIZINルールに特化していいように使えるバックグラウンドといえるね。  とはいえ僕もグレコローマンのワールドチャンピオンたちと練習してきて対策はばっちりだし、僕も上半身を使った組みは得意だからね。ヒョードルの試合から学び、高いところから落ちる受け身の対策をいっぱいしてきたよ(笑 ※ケビン・ランデルマン戦)なんてね(笑)。まあそういう状況になっても問題ないよ。もちろんサッカーキックなど、RIZINルールにも適応するし早くやってみたい。このルールセットは自分に働くと確信しているよ」 ──2021年12月に、今回ジョニー・ケースのセコンドについているダン・モレットに一本勝ちして、その後、RIZINからオファーが来た気持ちと今後の予定を教えてください。 「夢がかなったよ。シンゴから『RIZIN.35に出て』とオファーがあったとき、午前2時か3時頃だったんだけど、すぐに対戦相手を調べて“絶対にやる”と思ったよ。そこから1週間くらい興奮してよく眠れなかったよ。願わくば、引き続き参戦して、RIZINチャンピオンになって、Bellatorのチャンピオンにもなって、155ポンド(70.3kg)のキングになりたいと思います」 ──ちなみに……『グラップラー刃牙』で言うと、2人はどのキャラクターになりますか。 「自分はその時の機嫌次第で刃牙か勇次郎(笑)。コージにちょうどいいキャラクターは誰だろうって思ってるんだけど、そうだな……ビスケット・オリバと言いたいところだけれど、ちょっと体格的に、いくらコージが“ブラック・ヘラクレス”と言われているとはいえちょっと小すぎるな(笑)」 ──実は、いまは武田選手は美白を目指しています(笑)。 「え? 白くなってきてるの? まじか(笑)。でも、まあ美白を目指しても俺より白くなることはないし(笑)」
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