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【Bellator】パトリシオ・ピットブルが再戦で王座奪還 “兄弟世界王者”に! AJ・マッキーは連勝「18」でストップ、ライトヘビー級王座戦&WGP決勝ネムコフvs.アンダーソンはまさかの「ノーコンテスト」、超新星ピコが6連勝!

2022/04/16 11:04
Bellator 277: McKee vs. Pitbull 2」速報 2022年4月15日(日本時間16日)・米国カリフォルニア州サンノゼSAPセンター(※U-NEXT生配信) ▼Bellator世界フェザー級選手権試合 5分5R×AJ・マッキー(米国)王者・18勝無敗 144.4ポンド[判定0-3] ※46-49, 47-48×2○パトリシオ・ピットブル・フレイレ(ブラジル)挑戦者・32勝5敗 144.6ポンド※パトリシオが新王者に  メインイベントは「Bellator世界フェザー級選手権試合」(5分5R)。王者 AJ・マッキー(米国)が144.4ポンド(65.49kg)、挑戦者パトリシオ・ピットブル・フレイレ(ブラジル)が144.6ポンド(65.58kg)で計量をパス。  両者は再戦。2021年8月の前戦では、フェザー級WGP決勝及びタイトルマッチとして、王者パトリシオにマッキーが挑戦。マッキーが左ハイキックを効かせて左右ラッシュでダウンを奪い、立ち際にギロチンチョークを極めて1R1分57秒、一本勝ち。WGP優勝と共に新王者に輝いている。  今回の再戦に向け、マッキーは残り3試合契約があること。現時点で、3試合後の契約更新に応じていないことなどを語っている。  先に入場の挑戦者パトリシオはブラジル国旗とともに国歌で入場。続いて王者のマッキーは、OTジェナシスのライブでルイ・ヴィトンのガウンをまとい花道を進むと、札束の雨を降らす。  1R、サウスポー構えのマッキーはいきなり走り込んで右の横蹴り! 後退しながらも中央に押し戻すオーソドックス構えのパトリシオ。  マッキーの蹴りに右を狙う。マッキーは右の前足で関節蹴りを狙い、左ミドルも。ブロックするパトリシオは、右ストレートで飛び込み、右インローも。  マッキーは右前手を上下に、左ボディストレート狙い。左ストレートを突き、左ミドルもヒット。その蹴り足を掴むパトリシオは、慎重な出だし。  マッキーの左の後ろ廻し蹴りは空振り。右インローをヒット。さらにワンツーの左から右で飛び込む。  さばくマッキーにパトリシオは、右インローと左アウトローを前足に2発。さらに右インローも。残り10秒の表拍子木に手を下げたマッキーにパトリシオは左右で詰める。  2R、右の前手を触覚のように出すマッキー。パトリシオは、右ロー。左ローを前足に。マッキーの左ロングフックをかわすパトリシオ。マッキーのダブルレッグを切る!  右インローを当てるパトリシオ。左ローも。マッキーも右ローを返すが、その蹴り足をパトリシオは掴む。左ローのパトリシオは左右で詰めるが深追いはせず。マッキーの後ろ蹴りを詰めて掴んでスタンドバックのパトリシオ。そこにヒップアタックでガードにするマッキー。上のパトリシオはつきあわず。  スタンド。ヒザで飛び込むマッキーにパトリシオは右ストレートを当てる。左ミドルをヒットするマッキー。しかしパトリシオは左ローを当て、ガード上に左を突く。右ボディで飛び込むパトリシオ。マッキーのダブルレッグを切り、右ボディを入れる。  3R、左ローを打つパトリシオ。マッキーは後ろ蹴りも浅い。右ローのマッキー。長い左はバックステップでかわすパトリシオは左ロー。マッキーの左の入りに右を当てたパトリシオ! 一瞬ヒザを落としたマッキーがダブルレッグテイクダウン! 金網に頭が詰まるパトリシオは下から腰に足を当てて立つが、足首を掴んで再び倒すマッキー!  金網使い立つパトリシオはクローズドに引き込んでのギロチンチョーク! 頭を横にズラしたパトリシオはギロチンを絞め上げ! 首を抜くマッキー。  足を効かせるパトリシオをかついでパスし背中に乗りリアネイキドチョークを狙いゴング。  4R、慎重なチャンピオンシップラウンドの立ち上がり。レベルチェンジのフェイントはパトリシオに。踏み込んでの左ミドルはマッキー! パトリシオは右インローを返す。圧力をかけるパトリシオはどこで残りの体力を使うか。マッキーのワンツーの左が伸びる。  左ローをこつこつ突くパトリシオ。左ストレートを当てるマッキーは左ボディストレートも。右ストレートで飛び込み、右ボディも突くパトリシオ。右ヒジの仕草を見せるマッキー。  左ミドルのマッキーにパトリシオは右ハイ! ブロックするマッキーは遠間からダブルレッグへ。足を後方に投げてスプロールする。  最終R、右ジャブから入るマッキー。右の前蹴りを見せて早々にシングルレッグへ! ダブルレッグに切り替え、尻を着かせると、左で小手に巻いてヒザ立ちにまで戻すパトリシオ。  立ち上がりにボディロックテイクダウンはマッキー! しかし手首を持って立ち上がるパトリシオ。左ストレートを突くマッキー。じりじり詰めるパトリシオ。ワンツーもスピードに欠ける。  右ミドルハイをブロック上に当てる。左を3発突くマッキー。組んで来るが切るパトリシオは詰めるが、下がりながらも左ハイはマッキー。  右を返すパトリシオに、左右を連打するマッキー。右で入るパトリシオに右ヒザをカウンターで刺すマッキー。ワンツーでアゴが上がるマッキー。  パトリシオの最後の左右の前進に、マッキーはダブルレッグテイクダウン! すぐに金網で立つパトリシオはヒジを狙うがゴング。両者手を上げる。  判定は3-0(49-46, 48-47×2)でパトリシオが勝利。マッキーは信じられない、という表情で口を開き、パトリシオは歓喜のガッツポーズを見せた。  パトリシオはローから崩し、ニアダウンを奪い、ニアフィニッシュのギロチンが評価されたか。後半はテイクダウンから巻き返したマッキーを5Rの判定でモノにした。マッキーの連勝は「18」でストップ。  3度目の王座奪還に成功したパトリシオは「マッキーは強かった。タフだった。戦略を練って戦った。今回はチャレンジャーとして戦い、ベルトを獲った。家に持って帰るよ。俺たちがワールドブラザーズチャンピオンだ!」と、現Bellator世界ライト級王者のパトリッキー・フレイレとともに巻いた、兄弟世界王者のベルトを誇らしげに掲げた。 【OFFICIAL SCORE SHEET】 Derek ClearyAJ 47-48 Patricio1R 9-102R 9-103R 10-94R 9-105R 10-9 Ron McCarthyAJ 47-48 Patricio1R 9-102R 9-103R 9-104R 10-95R 10-9 Michael BellAJ 46-49 Patricio1R 9-102R 9-103R 9-104R 9-105R 10-9 [nextpage] ▼Bellator世界ライトヘビー級選手権試合&ワールドGP決勝 5分5R-ワジム・ネムコフ(ロシア)王者・15勝2敗 204.4ポンド[3R 4分53秒 ノーコンテスト] ※アクシデントによるバッティング-コーリー・アンダーソン(米国)挑戦者・16勝5敗 205ポンド※ネムコフは王座防衛、GP優勝者は無しに。両者は再戦へ  イリー・プロハースカらとRIZIN三銃士として活躍した王者ネムコフは、2020年8月に、ライアン・ベイダーを相手に見事な右ハイでダウンを奪い、Bellatorライトヘビー級新王者に。GP1回戦でフィル・デイヴィスとの再戦で5R判定勝ち。初防衛に成功するとともに準決勝へ進出。  準決勝では、アンソニー・ジョンソンの代役出場のジュリウス・アングリカスに4Rにキムラロックで一本勝ち。2度目の王座防衛に成功するとともに決勝進出を果たしている。  オッズでも王者ネムコフと競るアンダーソンは、ウィスコンシン大時代はレスリングのNCAAディビジョン3で準優勝。2度のオールアメリカンに輝いている。大学を卒業後、ベン・アスクレンと共に、オリンピックレスリングチームのトライアウトを受けるためにトレーニングを始め、アスクレンから代わりにMMAを勧められた。  2020年2月に後のUFC王者ヤン・ブラホヴィッチとの再戦で敗れ1勝1敗。試合後、UFCとの契約が残っていたがリリースを要求し、UFCを離脱。Bellatorに移籍している。UFCでは現UFC世界王者グローバー・テイシェイラにも判定勝ちしているアンダーソンは、2020年11月のサークルケージ初陣で、メルヴィン・マヌーフをグラウンドのヒジ打ちで2R TKO。  2021年4月のBellatorライトヘビー級ワールドGP1回戦でドブレジャン・ヤシムラドフと再戦し、パウンドで3RTKO勝ち。GP準決勝でランキング1位のライアン・ベイダーと対戦し、右フックでダウンを奪いパウンドで開始51秒のTKO勝ち。決勝進出を果たしている。  1R、ともにオーソドックス構え。先に左ハイで牽制するネムコフ。右ローを当てる。そこに左を突くアンダーソン。さらにネムコフの右カーフにバランスを崩す。  右ストレートのネムコフに左フックを振るアンダーソン。左ジャブの刺し合いはネムコフ。右ミドルもヒットする。右を振って左で差して押し込むネムコフ。しかし自ら離れる。  右から左のネムコフの打ち終わりにカウンターのダブルレッグはアンダーソン。しかしネムコフは身体を伸ばされながらも足を交互に着地し切る。  左ジャブを突くネムコフ。アンダーソンは右を服が遠い。ネムコフはシングルレッグも深追いせず。アンダーソンは左右を突いて押し込み。ゴング。ネムコフは鼻横をカットする。 2R、ネムコフの左ジャブの打ち終わりに左右で詰めて右で差すアンダーソン。しかし、差し上げるネムコフにアンダーソンは反対の右足にシングルレッグテイクダウン! 足を手繰るネムコフの左足の踵を掴んでコントロール。右でパウンドする。  ガードにするネムコフに脇差しパス狙い、ネムコフは腰を切り腕十字を狙うが防ぐアンダーソン。マウントを狙うが、その際でネムコフは上体を起こし立ち上がる。  3R、左ジャブで間合いを取るネムコフ。アンダーソンはヒザを触りつつ右を振る。かわすネムコフ。しかし追うアンダーソンはダブルレッグから頭を脇に出してテイクダウン! 「UAS」コールの中、片足を抜き、ドミネート狙い。  そこからダブルレッグテイクダウン狙いもそこにノーアームギロチンはネムコフ! ポジションを入れ替え上を取ろうとするが、その際を制したのはアンダーソン。下から腕十字を狙うネムコフの足をかつぎパス! サイドからヒジ連打!  アンダーソンは左ヒジで頭から飛び込むが、その方向にネムコフも頭を動かしバッティングに。ネムコフは左瞼を縦にカットし、流血。両者バッティングをアピール、レフェリーが間に入った。  正式なジャッジは、バッティングによるノーコンテスト。王座はネムコフが保持。GP決勝は「優勝は無し」となった。  2Rにテイクダウンを奪って以降のアンダーソンは攻勢だったため、アクシデントのバッティングのノーコンテストに不満気な表情で、それでもネムコフとグローブタッチ。セコンドのヒョードルともハグをかわした(※後日、両者は再戦になることが発表されている)。 [nextpage] ▼第12試合 150ポンド(68kg)契約 5分3R○アーロン・ピコ(米国)149.4ポンド[3R 0分55秒 TKO] ※右ストレート、左ボディ→パウンド×アドリ・エドワーズ(米国)149.6ポンド  フェザー級4位のピコ。当初はジェレミー・ケネディと対戦予定だったが、直前でケネディが欠場。Bellator初参戦でMMA9勝1敗のエドワーズと対戦に。  1R、オーソから左を振ってシングルレッグでテイクダウンはピコ。フルガードにするエドワーズの首を手前に引き付けるレスラーの極めに、首を抜き、下から足を手繰るエドワーズに足を抜いて離れる。  右ストレートを当てると、亀になるエドワーズは立ち上がる。  すぐに詰めて右アッパー、すぐにシングルレッグと打撃とテイクダウンが連動しているピコ。ハーフからニーシールドのガードのエドワーズの立ち上がりに、右フック、左ボディを突く。  さらにシングルレッグテイクダウン。みたび亀から立ち上がるエドワーズに左ボディ。さらにニータップでテイクダウンを奪う。  2R、エドワーズのパンチに左ハイを合わせてこかせたピコ。すぐに立ち上がるエドワーズに右バックフィスト。さらに左ボディを効かせてシングルレッグテイクダウン。  インバッテッドガードから亀になるエドワーズにがぶるピコ。立ち上がるエドワーズに左ボディ。ワンツー、左ボディ、アッパーと畳みかける。  右から左ボディ、左アッパーとラッシュ。ガードを固めたエドワーズにダブルレッグテイクダウン! インサイドガードからヒジ! スクランブルするエドワーズに右足をかけるピコ。  エドワーズが立ちあがると右縦ヒジ! さらに左フック、右ストレートで金網に釘づけ。ダブルレッグテイクダウン。左の強いパウンドでゴング。  3R、右の前蹴り、ハイキックは空振りのエドワーズ。ならばと左ローも、すぐにピコは右カーフキックを蹴り返す。左ジャブから右ストレートを効かせたピコ!  さらに左ボディでエドワーズを蹲らせると、右のパウンドで畳みかけ、レフェリーを呼び込んだ。  Bellator純粋培養で、デビュー戦こそ黒星も、その後4連勝。ヘンリー・コラレスとアダムボリッチの強豪に2連敗後、今回で6連勝をマークしたピコは「グレッグ・ジャクソンコーチのもとで練習してきた。短期間で試合を受けたエドワーズに感謝したい。Bellator、面倒を見てやってくれ」と語った。 [nextpage] ▼第11試合 ヘビー級 5分3R○リントン・ヴァッセル(英国)239.6ポンド[1R 4分21秒 TKO] ※パウンド×ティム・ジョンソン(米国)260ポンド  ヴァッセルは右ミドル。サウスポー構えのジョンソンは左を振り、差して金網まで押し込む。右ミドル、右ローのヴァッセルの頭が下がったところに、左アッパーからクリンチボクシングの連打はジョンソン!  さらにがぶりからヴァッセルを引き落としパウンドすると、立ち上がるヴァッセルは足がもつれて倒れ込む。  さらに亀になり右のパウンド連打を受けるヴァッセルだが、下から右足を手繰り上を取り返したヴァッセルが大逆転のパウンドアウト! 試合後、タイトルマッチをアピールした。 [nextpage] 【プレリミナリー】 ▼第10試合 ウェルター級 5分3R○タイソン・ミラー(米国)170.4ポンド[1R 終了時 TKO]×ハーラン・グレイシー(ブラジル)170ポンド  ハーランはシングルレッグからダブルレッグテイクダウンも立ち上がるミラー。ハーランはディープハーフから足を抱えて立ち上がり。引き込みに。  亀になりパウンドを受けるハーランは、インバーテッド気味にガードからヒザ十字狙いもヒザを伸ばせない。下のままパウンドを受けてゴング。ダメージが心配される。1R終了後、ハーランは目の動きをドクターにチェックを受け、ドクターストップ。 [nextpage] ▼第9試合 ヘビー級 5分3R○タイレル・フォーチュン(米国)258ポンド[1R 1分38秒 TKO] ※×ラキン・クリーブランド(米国)238ポンド [nextpage] ▼第8試合 ライトヘビー級 5分3R○ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ(トルクメニスタン)205.4ポンド[2R 4分04秒 TKO] ×ハファエル・カルバーリョ(ブラジル)206ポンド [nextpage] ▼第7試合 バンタム級 5分3R○ボビー・セロニオ三世(米国)135.8ポンド[2R 2分14秒 KO]×ケイロブ・ラミレス(米国)135.7ポンド [nextpage] ▼第6試合 フェザー級 5分3R○ガストン・ボラノス(米国)144.4ポンド[1R 4分59秒  KO] ※右フック→パウンド×ダニエル・コーリー(ペルー)144.8ポンド [nextpage] ▼第5試合 ウェルター級 ○カイル・クラッチマー(米国)170.5ポンド[判定3-0] ※29-28, 30-27×2×マイケル・ロンバード(米国)170.3ポンド [nextpage] ▼第4試合 フライ級 5分3R○エドウィン・デ・ロス・サントス(米国)124.8ポンド[判定3-0] ※30-27×3×アルベルト・メンデス(米国)124.5ポンド [nextpage] ▼第3試合 フェザー級 5分3R○ロゲリオ・ルナ(米国)145ポンド[3R 4分48秒 TKO]×ソクラテス・ヘルナンデス(米国)145.4ポンド [nextpage] ▼第2試合 フェザー級 5分3R○レアード・アンダーソン(米国)145ポンド[1R 2分44秒 リアネイキドチョーク]×JT・ドナルドソン(米国)144.6ポンド [nextpage] ▼第1試合 ライトヘビー級 5分3R○テオ・ヘイグ(米国)203.4ポンド[1R 2分08秒 リアネイキドチョーク]×アラン・ベンソン(米国)201.5ポンド
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