2年半前の対戦は「あれはサトシじゃない」というほど現在の自分に自信を持つサトシ
2022年4月17日(日)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ『湘南美容クリニック presents RIZIN.35』に出場する選手の個別インタビューが、15日(金)都内にて行われた。
第10試合のRIZINライト級(71kg)タイトルマッチ 5分3Rで、ジョニー・ケース(米国)の挑戦を受ける王者ホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)がインタビューに答えた。両者は2019年10月に「RIZINライト級トーナメント」の1回戦で対戦してサトシがTKOで敗れており、サトシにとってはリベンジマッチにもなる。
RIZINのイメージを上げるためにも自分がリーダーとして引っ張って行きたい
「元気ね。この試合やりたかったから」
――対戦相手の印象は?
「世界のトップ選手だから強い人です」
――どんな試合展開を予想している?
「いろいろなプランを練習したけれど、実際の試合になるとどう変わるか分かりません。でも面白い試合をみんなに見せたい。前とは違うサトシを見せたいですね」
――前回の対戦とサトシ選手が変わった部分は?
「全部が違うね。あの時はRIZINで戦う準備が出来ていなかった。このトーナメントで勝つのはと難しいと思っていました。それが今は凄く自信とか気持ちとかが変わったね」
「一番変わったのはメンタルだね。トーナメントの時は勝つことが出来ないなって思ってしまったから。そんな気持ちで試合をやるのは許せない、そういうことを考えるのは絶対にダメ。今の私の気持ちは全然違う。誰とでもやるし、誰にでも勝つ気持ちがあります」
――リベンジマッチになるが、この試合の意味はどう考えている?
「この試合を早くやりたかった。彼に負けたあの試合のことを考えると私は恥ずかしい。あれはサトシじゃない。だから早くリベンジがしたいです」
――ケース選手は立ち技の打撃が出来ない限りサトシ選手は自分に勝てないと言っていた。
「2年前のサトシとは違うんですよ(笑)。今は自分から打撃に行く気持ちがあるから大丈夫」
――ケース選手はボクシングもやっていて打撃の実力がアップしているかもしれない。それでも打撃でも戦う?
「ボクシングとMMAはちょっと違います。グローブの大きさも違うし、投げもあるし、いろいろ違う」
――今回はストライキングが大事になってくると思うが、そのスパーリングは誰とどのように?
「もちろん鈴木博昭のBELLWOOD FIGHT TEAMでたくさん教わりました。スパーリングは身体とスタイルが似ているから、クレベルとたくさんしました。他にも生徒たちみんながいろいろ手伝ってくれましたね」
――スパーリングでクレベルをKOした?
「そんなにひどいことはしないね(笑)。優しいから大丈夫。スパーリングの時はコントロールも出来ます」
――ケース選手はしばらく試合をやっていなかったが、これは自分にとってプラスになる?
「彼のことは分からない。でも練習は続けているだろうし、ボクシングの試合も2回やっているからそんなに変わらないと思います」
――ケース選手の2年4カ月のブランクはどう捉える?
「得意な部分とかはそんなに変わらないと思いますね。もちろん新しい技を作っているとは思うけれど、そんなにスタイルは大きく変わらない。彼のボクシングの試合を見たけれど、そんなに変わっていないと思ったから」
――ケース選手はサトシ選手の柔術は自分のレスリング力で抑えられるとも言っていた。
「それはその通りでジョニー・ケースは打撃だけの選手じゃないですね。彼はレスリングも強い。それは私も知っています。でもよく研究して彼の弱いポイントは分かっているから、レスリングは気にしていません。私もいろいろと新しい技も作っているから、試合では問題ないです」
――ケース選手もそうだがレスリングに自信を持っている選手が多くいて、柔術を下に見るようなことがあるがどう思うか。
「世間の人たちが柔術について狭い考えを持っていると思います。背中に回らないとダメだとか。自分はどんなポジションでもやれる自信があるし、下にいても上にいてもスタンディングでも極められる自信があります」
――ケース選手はベンソン・ヘンダーソンと練習をしていて、ジョン・クラウチ(ホイス・グレイシーの弟子で柔術黒帯)から「柔術に秘密の技はない」と言われたとのこと。サトシ選手の技もみんなが知っている技ですが極められる自信はある?
「もちろん問題ない。柔術に秘密はない。私は生徒たちにもよく言うんです。たくさん練習するから強くなれるんだと。でもたくさん練習するから、同じ技でもポイントとかスペースとかプレッシャーが違う。防ぎ方は同じで誰もが知っているけれど、それでも防げない。私とクレベルは三角絞めが得意だとみんな知っているけれど、今までもみんな三角絞めでやられているからね」
――勝った時にいつも家族をリングの上に上げたり、奥さんを紹介しているが、ファミリーのイメージを押し出している? それにはハードコアなファンだけでなく、格闘技を見たことがないような人たちを会場に連れて来るような意図もある?
「私は家族を大事に思っているし、私もクレベルもそうだけれど“俺たち強いだろ、見ろよ”というような態度ではなく、家族を大切に考えているんだ。ボンサイ柔術は一人のスターだけじゃなく、みんなが輝くべき選手だと思っています」
――この試合後の目標は?
「この試合が終わったらバーベキューを食べたいです(笑)。格闘家としてのプランはもっと強い人、もっと勝つことが難しい相手とやりたい。Bellatorの選手とかね」
――勝ったら日本代表としてBellatorと戦いたいと言うが、日本の選手は目の前に集中していて先のことは考えないという人が多い。それはそれだけ自信があるからなのか?
「私が2年前に負けたのは自信がなかったから。でも今は自信があるから、世界中の誰と戦っても問題ない。選手にとって自信は凄く大事です」
――王者としての責任はどのように感じている?
「それに値するリーダーになりたいと思っています。RIZINのイメージを上げるためにも自分がリーダーとして引っ張って行きたい。そういう責任を感じています」