2年8カ月ぶりの復帰戦に臨む征矢
2022年4月16日(土)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ『SPASHAN presents RIZIN TRIGGER 3rd』に出場する、全選手の個別インタビューが14日(木)都内にて行われた。
第5試合の57kg契約5分3Rで中務修良(NOMAD)と対戦する征矢貴(パラエストラ松戸)がインタビューに答えた。征矢は難病であるクローン病との闘病を続けながら、2019年6月の『RIZIN.16』で2年ぶりの試合に臨み、川原波輝を相手に1R KOによる復活勝利。その2カ月後には村元友太郎も2R TKOに降すなど連勝を飾ったが、病気が再発。今回の試合まで2年8カ月の時間を要した。
ひとつのミスが命取りになる
「現在は追い込み機関で怪我無く体調も崩れることなく終えて、あとは計量だけって感じなのでひとまずホッとしています」
――所属以外で出稽古は?
「基本的にはないんですが、僕は高校生の時からマナベボクシングジムというジムで打撃を教えていただいているので、そことパラエストラで練習していました」
――マナベジムでは赤岩俊選手(元日本スーパーライト級ランカー)とも一緒に練習した?
「休んでいる間は練習していなかったんですが、赤岩選手とは昔から練習をやっていました。先日ランキング入りを決める試合をして、もちろん刺激をもらっています」
――約2年8カ月ぶりの試合、写真撮影などのスケジュールもこなしていよいよ試合が来たなという実感は?
「いよいよだな、と。休んでいる間はセコンドで見たりはしていたので、自分が写真を撮っていただいたりサインを書いたりする側になって実感はかなり沸いています」
「ボクシングとレスリングがバックボーンにある中でも特にレスリングが上手な選手だと思っています。寝技も極めがある選手なので、ひとつのミスが命取りになると思います」
――フライ級はかなりメンバーが揃ってきた。今後フライ級でどうしていきたいか?
「今はその後のことは考えてないです。この試合に集中しています。終わってから後のことは考えようと思っています」
――どんな試合展開のイメージ?
「相手も打撃が出来るので打撃の攻防から向こうはテイクダウンを狙ったりとか、寝技、下になったら足関節を狙ってきたりすると僕は思っているので、そこをどう対処して打撃を当てられるかという試合になると予想しています」
――改めてですがクローン病とは?
「口から肛門までの人間の消化器官のどこかに原因不明の炎症が起きる病気です。その中でも大腸や小腸の末端の部分に炎症が起きることが多くて、僕は大腸にその炎症が起きてしまった」
――立ち上がれないほどの痛みがあると。
「そうですね。僕自身、症状は人によるんですが炎症が起きると簡単に言うと大腸が膨らむので食事の通り道がかなり狭くなってしまうので、大腸が動いた時に食事が通らないことが起こるので。狭窄というんですが、その時はとんでもなくお腹が痛くて、御飯が食べられないです」
――今回の試合へ向けて体調管理が大変だったことは?
「試合へ向けてというか、日常生活を送るうえで去年入院して退院してからは基本的なことですが早寝早起き。11時には寝て、睡眠を第一に考えて。食事も徹底して小麦とか乳製品とかアレルギーに反応するようなものはとらずに試合へ向けて気を付けてきました」
――グルテンフリーにした?
「そうですね。パンだったり麺だったり世の中には美味しいものが溢れているんですけれど、そこは僕が信頼している先生が小麦製品が合っていないんじゃないかということで。腸に負担がかかるとのことで。もちろん一口食べたからと言って症状が一気に変わるということはないんですけれど、自分の中で100%徹底してやってダメだったら諦めがつくというか。だから1年間とらずに生活しています。お米はとっています」
「今は何も感じてないというのが正直なところ。それは試合が終わった後に何か自分自身感じるものだと思います」
――今回はフライ級の57kg。通常体重が落ちている中で力が出せそうな手応えは?
「減量するのも久しぶりですし。昔は通常体重もかなり多くて、ハイパーダイエット・ハイパーリカバリーというのが流行った時期もあってそういう減量をしていました。でも体調面を考えるとそういうのよりも通常体重を抑えてやった方が体にもいいですし、試した結果、力は落ちている感じは一切ないです」
――漢方で一度寛解したということで、今も続けている?
「今は飲んでないです。体調がちょっと怪しいなって思ったら漢方も飲むんですが、今は普段の生活と食事ですね。あの時に漢方でよくなったから今回も漢方でよくなるかなっていうのもあったんですけれど、人間の体調って常々変わって行くので、その時のベストを探して今はやっている感じですね」
――減量とか体重管理も大変だったのでは?
「クローン病の症状が出てしまうと腸に炎症が起きてしまい狭窄が起きてしまうので、今は全くないです」