2022年4月24日(日)両国国技館にて開催される、格闘技とLIVEが融合したLDHの『POUND STORM』が、「ABEMA PPV ONLINE LIVE」にて、同日15時より独占生配信が決定した。
同大会は、格闘技の試合がメインの3部構成となっており、第1部では、世界で通じる格闘家を生み出すためのビッグ・プロジェクトLDH『FIGHTER BATTLE AUDITION 2』の最終選考を兼ねた計5試合を実施。第2部では、今後の飛躍が期待される若手のサバイバルマッチ3試合を行う。さらに、第3部では前回開催された『FIGHTER BATTLE AUDITION』にて、LDH所属選手としての契約を勝ち取り、プロデビューから快進撃を続ける中村倫也と宇佐美正パトリック(ともにEXFIGHT /LDH martial arts)が強敵と相対する2試合が行われる。
そのメインカードといえる第3部で、国際戦に挑む中村倫也に本誌で話を聞いた。
中村は、レスリングU-23世界選手権フリースタイル61kg級優勝、『格闘DREMERS』での試合を含め、MMA3戦を全試合フィニッシュ勝利中。今回、MMA23勝6敗1分のアリアンドロ・カエタノ(ブラジル)と対戦する。
34歳のカエタノは、2012年のMMAデビュー直後こそ2連敗も、2013年から2017年まで怒涛の15連勝をマーク。「Jungle Fight」や「Shooto Brasil」で活躍し、現在ブラジルの「SFT」で3連勝中で、近い将来のUFCほか北米メジャーとの契約が有力視されている強豪だ。
カエタノは、2018年11月に後のUFCファイターのアンダーソン・ドス・サントスと判定まで持ち込んでおり、スイッチもする左右の思い切りのいい打撃を武器に、ギロチンチョークなど極めも強い。プロ2戦の中村の現在の対海外勢との力を測るのに十分過ぎる相手といえる。
『POUND STORM』旗揚げの大事なメインカードで、「勝てば、世界」が目の前に開けるも、危険なこの“ガチ”マッチアップは、数多の対戦候補の中から「一番強い選手を」という本人、高谷裕之プロデューサーの希望により決定したという。
カード発表時に「キャリアの差を熱量で埋めて、両国を爆発させたい」と意気込みを語った中村との会見後の一問一答は以下の通りだ。
まだ試合でパンチをもらったことがないんです
──『POUND STORM』での対戦相手が発表されました。MMA23勝6敗1分のブラジルのアリアンドロ・カエタノ。15連勝もマークしており、近い将来のUFCとの契約が有力視されている強豪だと聞きます。動画も少し見ましたが、手足が長く、寝技のなかに荒々しさもある。何より戦績が中村選手の15倍という……。
「寝技は特にギロチンが得意で、打撃は、もうテイクダウンディフェンスはほぼ無いので、その分、自信を持って打撃を雑に荒々しく出してくる。その一発一発もちゃんと威力がある。ちょっと日本人にはいないタイプかなとは思います。でも……そんなのはレスリングの世界でも“よーいドン”で、違う骨格のやつと組み合って、組み伏せる、ということをずっとやってきたので」
──体格もフィジカルも強い相手と、世界で戦ってきたから心配していないと。
「そうですね。前半は苦戦するのは想定内なので、後半で巻き返すような戦い方になるのかな、とは勝手に思っています」
──国際戦であのリーチで相手が振ってきたときにどうなるか、気になるところです。
「実は……まだ試合でパンチをもらったことがなくて」
──! 被弾せずに迎撃したり、先に当ててしまっているから……。
「オープンフィンガーグローブで殴られたとき、自分がどうなっちゃうのかなという興味もあります。退かない自信は全然ありますから、心配はしていないですけど」
──被弾しても退かずに対応できる動きとハートが試されそうな、貴重な経験ができる場になるかもしれません。
「そうですね。メインを任された訳ですから負けるわけにいかねえぞと」
──カエタノは時折スイッチしています。右利きサウスポーなのかなと感じる動きも。
「サウスポーになられたほうがちょっと面倒くさいなと。前手がうるさいので」
──その圧力の中で、自分らしい試合ができそうですか。
「はい、もちろんです。そこは向こうもビックリするんじゃないですかね」
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日常でも距離感を歩きながら測っている
──プロデビューの論田愛空隆戦では左ハイKO。1月の野尻定由戦では、開始早々の跳び蹴りを見切って、左フックで迎撃KOでした。プロ2戦目であれほど“見えている”ことに驚きしかありません。
「試合になった瞬間から、全部身体に任せているというか、そういう動きが出るように作り上げてきました。それは、試合前から日常でも、モノとの距離感を歩きながら測ったりとか」
──日常で!? そんなことを考えながら生活しているのですか。
「街を歩いているときでも、身体を使っている筋肉のラインとか、今日ちょっと疲労が溜まってるから外側を使っちゃうなとか考えながらも、見えているものとの距離感を考えて、ふと気になったときに、“これをどのくらいで触れる? あ、これくらいか”と感覚を研ぎ澄ます仕上げ方をしてきたので、それも生きてきているのかなと」
──気が休まらなくないですか?
「気は休まらないです(笑)。でも、そこもストレスだなと感じたら1回止めるので。そのバランス感覚、自分の声を聞くのは以前から得意なんです」
──レスリング時代から養っていた?
「散々、死ぬほど組んできたので“触れる・触れない”ことはもう……」
──ピュアレスリングとはまた違った、カエタノのパンチを振って金網まで押し込んで崩す動きについてはどう感じていますか。
「組んでもいけるんじゃないかなと思っています。見た感じでは全然問題ないと。僕もMMAでたくさん試合を経験できているわけではないので『大したことないです』とか言っていいのかと口ごもりますけど……この選手のスピード感とか、パワー感はこれくらいだろうなという、その目測の経験値はあります。こういう選手と組んで、これくらいだろうと。あとは相手の得意としているパターンを見つけ出して、そこにハメさせない。やっと僕らしい試合ができるんじゃないかなと思っていますね」
──23勝の相手に、そう思えるのは、26歳の中村倫也選手がレスリング時代から、MMAを含めた「戦い」を考えてきたからなのではと思います。まだ、自分らしい試合はできてないと?
「まだ全然できてないです。ただ“生き物”としてあそこに立っていただけで」
──トップアスリートのMMA進出が目立ちます。練習仲間の宇佐美選手、そして河名マスト選手も頭角を表してきました。
「刺激になりますね。マストはほとんど僕がMMAの世界に引き入れたようなものなので、厳しい道の中で藻掻きながら、夢へ進んでいるのを見ると、本当に嬉しくて。前戦(EXFIGHT−4)は久々に人の試合で泣きました」
──デビュー戦で苦杯を舐めた河名選手が、自分の勝ちパターンを作りつつあります。
「もう本当に八隅孝平さんの指導を信じてひたむきにやっていて、一日ずつ強くなっていくので、気が付いたら手がつけられない存在に、MMAでも同じようになっていくんだな、というのが見えた試合でした」
──そういう中でご自身はどんな姿を次の試合で見せたいと思っていますか。
「転向してまだ2年ですけど、ここまでMMAの完成度を上げられるんだぜ、というところを見せたいですね。僕の小さい頃からの夢であり、幼少期の自分との約束でもある『世界一の格闘家になる』ということを実現させるために。この舞台で僕が試合して勝つ姿を、小さいときの自分が見たら、本当に嬉しいと思うんです。物心ついたときからキツいことばかりでしたが、この夢があるから耐えてこられたと報われる。それは次への活力になる。“次”にたどり着くまではその喜びに相応しい努力をして、しっかり見せていきたいと思っています」
──メインイベントで全てが肩にかかってきそうです。プレッシャーは無いですか?
「プレッシャーがかかったほうが、僕は強いと思っているので問題ありません」
──「次」の舞台であるUFCには、最短でいつ立ちたいですか。
「相手がUFCにほんとうに近い選手と聞いてるので、勝って“ここに俺がいるよ”と言いたいですね。なんなら、今年行ってやろうかと思っています」
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POUND STORM
2022年4月24日(日)両国国技館開場14:00 / 開演15:00「ABEMA PPV ONLINE LIVE」生配信
(C)AbemaTV, Inc./POUNDSTORM
▼バンタム級 5分3R中村倫也(EXFIGHT /LDH martial arts)アリアンドロ・カエタノ(ブラジル)
▼ライト級 5分3R宇佐美正パトリック(EXFIGHT /LDH martial arts)大尊伸光(フリー)
▼フェザー級 5分3R山本健斗デリカット(総合格闘技道場コブラ会)河名マスト(ロータス世田谷)
▼ライト級グンターカルンダ(Tri.H studio)エフェヴィガ雄志(TRIBE TOKYO MM)
※以下は、4月16日(土)放送の『格闘DREAMERS』最終回で出場選手5名が決定し、5試合が追加される。その他、1試合を含む全10試合を予定。
▼ライト級マックス・ザ・ボディ(BRAVE)DREAMERS
▼ミドル級岩﨑大河(空道大道塾 パラエストラ東京)DREAMERS
▼フェザー級狩野 優(TRIBE TOKYO M.M.A)DREAMERS
▼フェザー級スソン(KRAZY BEE)DREAMERS
▼バンタム級海飛(和術慧舟會HEARTS)DREAMERS
▼出演アーティストPKCZ®(EXILE MAKIDAI.DJ DARUMA.ALAN SHIRAHAMA)EXILE SHOKICHI GENERATIONS from EXILE TRIBE THERAMPAGE from EXILE TRIBEMIYAVI
主催:POUND STORM PROJECT企画・制作:LDH JAPAN / LDH martialarts