普通に戦って自分の試合ができれば「持っていく」ことができる
カード発表会見では、浅倉に対し「全部自分が持っていく」と語った。「彼女はもう、充分いい思いをした」という言葉には、「この数年間、いつか自分の番がくると思ってやってきたので、やっと来たな」という、待ち望んだ正当な評価のときを迎える思いがある。
「試合内容で全部持っていくというよりは……(※北岡から再び「普通に勝つ」の声に苦笑しながら)まあ、普通に戦って自分の試合ができればそれで“持っていくことができる”と思う。試合の技術や動きを見てもらえれば(自分の実力は)わかるので(※北岡から「わかるやつにはわかる」の声に笑顔)“ここを見てください”というのは無いですね。試合を見てください」と、自信をのぞかせる。
カルペディエム三田や東中野のトイカツ道場、ムーブメントトレーニングも継続、そしてマスタージャパンの女子練習にも参加している。それはすなわち3度対戦した黒部三奈と練習を再開していることになる。
限られる女子MMA選手との練習。同階級のライバルとも練習し、試合で拳を交えることは当たり前。そうすることで、日本の女子MMAファイターたちは切磋琢磨し、鎬を削ってきた。
マモル塾で得たムエタイ首相撲と柔道の足技の融合は、浜崎朱加に崩され、大島沙緒里にもこかされた浅倉にとって脅威となるが、SARAMIは「打撃を特に強化してということはないです。いつも通り、打撃も寝技もフィジカルも強化したトータルで作っています」とMMAとして「普通に」強化してきた一環だとする。
一部では、「柔道vs.レスリング」の勝負とも言われるが、その局面での勝負もあるものの、その先があるのがMMAだ。
「相手がどうというのにはあまり興味がない。関係がない。(柔道vs.レスリングになる?)自分もあまり柔道・柔道していないので、あまり気にしていないです」というSARAMIは、「何をぶつけるか、というよりその瞬間、自分の持っているものを出すだけで、特にRIZINだからだとか、今までの……ということは抜きにして、その1試合に集中するという感じです」と語る。