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【K-1】無差別級トーナメントはサッタリが優勝、大和哲也が山崎秀晃を秒殺KOで王座奪取、野杁正明と安保瑠輝也がKO共演

2022/04/03 14:04
K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~K’FESTA.5~2022年4月3日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館 ▼第20試合 K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント決勝戦 3分3R延長1R×谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第1回・3回真正会全日本空手道選手権大会重量級優勝)KO 3R 0分17秒 ※右ストレート○ムハマード・サッタリ(イラン/TEAM OTA/ICF/第2代Krushクルーザー級王者)※サッタリがトーナメント優勝。  無差別級トーナメントの決勝戦は、1回戦でANIMAL☆KOJIに判定勝ち、準決勝で加藤久輝を破って決勝進出した谷川と、1回戦でK-JeeをKO、準決勝で優勝候補本命の京太郎に判定勝ちしたサッタリで争われることとなった。  1R、谷川が左ロー、左ハイで先制。サッタリは左へ回り込みながらジャブを出し、左フックにつなぐ。谷川は左インロー、右カーフ。サッタリはじりじりと近付いて矢のようなワンツーを繰り出し、ロープに詰めると一気にパンチをまとめて右フックでダウンを奪う。さらに右ショートアッパー、左右ストレート、右フックで谷川を追い込んだ。  2R、谷川は顔面前蹴り、右ロー、左ミドルと蹴りを出す。サッタリはガードを固めて飛び込んでのパンチコンビネーション。谷川は外廻し蹴り。サッタリが飛び込んでのワンツーから左ボディにつなぐ。ジャブを出しながら左へ回り込むサッタリ。谷川は右ローを蹴っていく。サッタリが右アッパーを打つと、谷川が離れ際に右カーフ。谷川に流れが向いてきたかに思えたが、サッタリが狙いすました鋭いワンツーでダウンを奪う。  3Rが始まってすぐ、サッタリの左フックのフェイントからの右ストレートが炸裂して谷川がダウン。ここでレフェリーがストップし、出場8選手の中で最も軽量(85.20kg)だったサッタリの優勝が決まった。  サッタリには1994・1995・1998年K-1 WORLD GP王者のピーター・アーツから王者の証=ウイニングローレル(旧K-1のヘビー級トーナメントでも優勝者に贈られた王冠)が贈られた。アーツは「今夜の試合楽しませてもらいました」とコメント。  サッタリは「天心と武尊のイベントに私も出ます。OK?」と中村拓己K-1プロデューサーにマイクを渡し、中村Pは困りながらも「OK?」と疑問符付きで答えるとサッタリは「やったーっ!」とガッツポーズ。そして「自分自身にも頑張ったとほめたいと思います。次は6月の試合へ向けて準備したいです。次はベルトが欲しいです。タイトルを用意してください」と、K-1のタイトルが欲しいとアピールした。 [nextpage] ▼第19試合 K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ 3分3R延長1R×山崎秀晃(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/王者)KO 1R 0分50秒 ※左フック ○大和哲也(大和ジム/挑戦者)※大和が第6代王座に就く。山崎は初防衛に失敗。  山崎は伝統派空手からキックボクシングに転向し、2009年12月にKrushデビュー。強打と多彩な蹴り技で白星を重ね、Krushでライト級とスーパー・ライト級で2階級制覇を達成。その後はK-1で活躍していたが今年1月に古巣のKrushへ4年2カ月ぶりに参戦し、堀井翼をKO。3月のK-1では寺島輝もKOし、4連勝3連続KO勝ちで安保瑠輝也に挑み、初回KO勝ちで王座を奪取した。前戦は2021年3月に不可思を1R1分10秒でKOしている。戦績は34勝(19KO)8敗1分。  大和は2005年7月プロデビューの33歳。キックボクシングでNJKFライト級王座、WMCインターコンチネンタル同級王座、WBCムエタイ日本同級王座、WBCムエタイ日本スーパーライト級王座、WBCムエタイ・インターナショナル同級王座を次々と獲得。2014年11月にはサゲッダーオをTKOに破り、同日にタイトルマッチを行った梅野源治と共に日本人初のWBCムエタイ世界王者(スーパーライト級)となった。2010年にK-1 WORLD MAX -63kg日本トーナメントで全試合KO優勝を果たし、その後はムエタイルールでの試合に専念していたが、2016年末から新生K-1に参戦。前戦は2021年12月に大野祐志郎に勝利し、K-1での戦績を6勝4敗とした。戦績は42勝(31KO)20敗1分。  両者は2013年9月にエキシビションマッチを行っているが、公式試合での対戦は初。  1R、両者フットワークを使い、山崎はさっそく掛け蹴りを繰り出す。圧力をかけて前に出る山崎が右フックを叩き込み、コーナーへ下がった大和へもう一度右フック。そこから左フックを返そうとしたところへ大和が必殺の左フック。  これが完全に決まり、山崎は豪快にダウン。一発で大和のKO勝ちとなり、大和はコーナーへ昇って勝利の雄叫び。2010年に今回と同じ代々木第一にてK-1 WORLD MAXのトーナメントで全試合KO優勝してから12年、再びK-1の頂点に立った。  大和はマイクを持つと「第6代K-1スーパー・ライト級王者の大和哲也です。12年前、僕はここで過酷なトーナメントを制して、旧K-1が消滅して世界王者の夢を諦めたんですが、新生K-1が復活してくれたことで再び夢をもってやってこれました。今、夢を叶えて信じられないんです。大変な時期ですが、We are all one、Fight for peaceです。魔裟斗さんに憧れて中3の僕がキックボクシングを始めて行動したことで今につながっています。これから世の中はきっとよくなります。K-1最高、K-1ファン愛しています。格闘技最高、格闘技ファン愛しています」と様々な想いを語った。 [nextpage] ▼第18試合 K-1ウェルター級 3分3R延長1R○野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)KO 2R 1分47秒 ※左アッパー×加藤虎於奈(TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO)  野杁は空手からキックボクシングに転向し、2009年にK-1甲子園初となる高校1年生王者になり、“怪物”と呼ばれるようになった。圧倒的なテクニックと類まれなるセンスでプロ転向後すぐにトップクラス入りし、WBCムエタイ日本スーパー・ライト級王座、第2代Krushウェルター級王座、NDC -66kg王座などを獲得。2017年6月には日本人選手として初めてゲーオ・ウィラサクレックに勝利し、第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者となった。翌年にはウェルター級に転向し、ジョーダン・ピケオーには敗れたもののその後は連勝。2021年9月の「第2代ウェルター級王座決定トーナメント」を全試合KOで制して王者となり、2021年のMVPを獲得した。戦績は46勝(22KO)10敗。  加藤はレオナ・ペタスの弟で、2017年12月にKrushでプロデビュー。左右どちらにも構え、豊富な運動量で動き回る独特な戦い方で戦績は6勝(3KO)3敗。2021年1月に山際和希を判定で破り、第8代Krushウェルター級王者となったが、4月の初防衛戦で松岡力に判定で敗れ王座を失った。  当初、両者は「第2代ウェルター級王座決定トーナメント」の1回戦で対戦することが決まっていたが、加藤が感染症拡大防止のため一定の待機期間を設ける必要のある選手に該当することが判明したため欠場。今回改めてスーパーファイトとして行われることに。  1R、野杁が左ボディから左右フックをコンビネーションを繰り出すと加藤は右ハイを返す。野杁はいつものように顔面を両腕でガッチリとブロックし、加藤の前足に右ロー、右ヒザ、さらに左三日月を蹴る。そのまま細かい連打でコーナーへ詰めると、野杁はサウスポー構えでの左三日月蹴りからのワンツーでダウンを奪う。再開後、組み付いてきた加藤を投げ捨てるようにした野杁。  2R、加藤は左右の連打から左右ミドルと繰り出すが、野杁のヒザ蹴りで動きが止まる。両者頭をくっつけたような状態でやりあうが、この距離は野杁が得意とする距離。野杁が左ショートフックを連打、右ショットアッパーを何度も突き上げる。離れると野杁が左右フック、加藤もパンチを返すが、そこへ野杁が左ボディ、続けて左アッパー。  この連続パンチに加藤は崩れ落ち、野杁のKO勝ちとなった。  野杁はマイクを持つと「1Rで倒そうかなと思ったんですが試したい技があったので2Rまでかかってしまいました。皆さんが聞きたいのは6月のことだと思いますが、僕はずっと対戦表明してくれていた相手、海人選手はずっと僕の名前を言ってくれているけれど僕は誰とでもやるので、決まったら会場へ来てください。あと僕の前に試合やってましたけれど、僕にトーナメントであんな無様な姿で負けて日本人最後の砦とか勘違いしているんじゃないぞと。僕のことを目指していると言っていますが、僕はこんなところで止まってる必要はないし、僕は世界で戦っていきたいので日本人はどうでもいいです」と言い放った。 [nextpage] ▼第17試合 スーパーファイト K-1ウェルター級 3分3R延長1R○安保瑠輝也(CLUB es/team ALL-WIN)KO 1R 2分17秒 ※左ボディブロー×プライチュンポン・ソー.シーソムポン(タイ/GTジム)  安保は2019年6月、ゲーオ・ウィラサクレックを延長戦の末に判定で破り、第4代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座に就いた。12月にはゲーオとの再戦で延長戦の末に判定勝ちして防衛に成功。2020年3月にはわずか3カ月のスパンで2度目の防衛戦に臨み、不可思を判定に下している。しかし、9月の3度目の防衛戦で山崎秀晃に初回KOで敗れて王座を失った。2021年7月大会からウェルター級に階級を上げ、幸輝を1Rわずか53秒でKOすると、9月の「K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント」で決勝へ進出したが、野杁正明にKOで敗れた。12月には海斗を1RでKOして再起。戦績は23勝(13KO)5敗。 プライチュンポンは『MAX MUAYTHAI』や中国で試合をしていた重量級ムエタイ戦士で、2019年11月の『KNOCK OUT』に初来日。日本ミドル級トップクラスの元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者T-98に勝利を収めた。その後は2019年12月の『BOM』でガオナー・PKセンチャイムエタイジムとのタイ人対決では判定負けを喫している。2021年3月にはK-1に参戦し、野杁正明と対戦するも判定負け。今年1月の『NO KICK NO LIFE』ではヒジありルールで緑川創に判定負けしている。戦績は61勝(21KO)38敗2分。 1R、ジャブと前蹴りでしっかり距離を取りながら右ハイ、左横蹴りを蹴る安保。サウスポーのプライチュンポンは距離を詰めて左ストレート、左ヒザ蹴り。プライチュンポンが左フックを叩きつけると、安保も右フックを返す。  安保がバックハンドブローからの右フック。矢継ぎ早にパンチを繰り出す安保は右アッパーでグラつかせると嵐のような連打、最後は右アッパーでダウンを奪う。立ち上がったプライチュンポンに安保は飛びヒザ蹴りからラッシュをかけ、コーナーでの左右フック連打からの左ボディでプライチュンポンはダウン。安保のKO勝ちとなった。プライチュンポンは担架に乗せられて退場。  豪快なKO勝ちを飾った安保は「6月も楽しそうなことがあるけれど、俺はK-1内で野杁チャンピオンに勝つことしか考えてないので、王者が倒せなかった相手を倒したので挑戦者は俺しかいないでしょう。王者のクビを刈ります」と、野杁正明へ宣戦布告した。 [nextpage] ▼第16試合 K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R×村越優汰(湘南格闘クラブ)KO 1R 1分42秒 ※飛びヒザ蹴り○朝久裕貴(朝久道場)  村越は2011年4月にプロデビュー。2014年7月には第5代RISEバンタム級王座を獲得。K-1には2017年12月から参戦し、2018年6月の第2代K-1フェザー級王座決定トーナメントで優勝して王座に就く。2019年3月に卜部弘嵩の挑戦を退け初防衛に成功すると8月にスーパー・フェザー級転向のため王座を返上。11月には武尊に敗れるも武尊を苦しめた。2020年3月にレオナ・ペタスに敗れて連敗を喫したが、12月の両国大会で山本直樹からダウンを奪って再起。2021年3月には芦澤竜誠、9月には西元也史も判定で破っている。戦績は31勝(11KO)9敗。  朝久は父であり、朝久道場の朝久篤館長のもとで5歳から空手を学び、10歳の時にキックボクシングの練習を始めた。2015年からKrushに参戦し、無尽蔵のスタミナから繰り出すパンチ&蹴りのラッシュで小澤海斗や佐野天馬から勝利を収めている2016年からは中国の格闘技イベント『武林風』に定期参戦し、中国でも活躍。2018年3月には武林風WLF -60kg級王座決定トーナメントで優勝を果たした。2020年11月にはK-1で大岩龍矢に判定3-0の完勝を収め、2021年9月にはMOMOTAROを1Rでマットに沈めた。戦績は22勝(7KO)7敗。  1R、朝久の左ハイが頭部をかすめるようにヒットし、村越がダウン。村越はミドルと思ったか右足を上げてディフェンスの体勢をとっていた。  立ち上がった村越へ朝久が連打でラッシュ、ブロックを固めて耐える村越へ情け容赦ない連打を打ち込む朝久。最後は体を丸めた村越へ右飛びヒザ蹴りを見舞い、実力者・村越を相手に圧巻の速攻KO勝ちを飾った。  マイクを持った朝久は「対戦相手が村越選手ということで、第一線で戦ってきた相手だからこそ僕も強くなることが出来ました。これからも頑張ります。60kg最強は僕です」と宣言した。ゲスト解説のゆうちゃみは「きゃぱい」を連呼し「今日一番カッコいい」と朝久を絶賛した。 [nextpage] ▼第15試合 スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R×江川優生(POWER OF DREAM/第3代K-1 WORLD GPフェザー級王者)判定0-3 ※29-30×2、28-30○大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第4代Bigbangライト級王者)  江川は2013年10月に高校生でプロデビュー。高いボクシングスキルを武器に連勝を重ね、2019年1月にKrushフェザー級王座を奪取。6月には初防衛を果たし、11月の第3代K-1フェザー級王座決定トーナメントでは3試合連続初回KOで王座に就いた。「K-1 AWARDS 2019」ではMVPにも輝いている。  怪我のため12月の武尊とのエキシビションマッチ以来試合から遠ざかり、2020年9月のK-1で椿原龍矢とノンタイトルマッチで復帰戦を行ったが、まさかの判定負け。2021年3月、王座を懸けての再戦でも延長R判定で敗れて王座を失った。戦績は14勝(10KO)5敗1分。今回からスーパー・フェザー級に階級を上げて再起を誓う。  大岩は幼少期に空手を学び、中学・高校時代はラグビーで活躍して愛知県代表にも選ばれたアスリート。大学在学中にキックボクシングを始め、卒業後にプロデビュー。重いパンチを武器にスタウロス・エグザコスティディスと芦澤竜誠に勝利。しかし、2020年7月にKrushスーパー・フェザー級王者レオナ・ペタス、11月のK-1福岡大会で朝久裕貴にも敗れて連敗。2021年3月のKrushで山本直樹にKO勝ちして再起を果たすと、11月の『Super Bigbang』で琢磨に勝利し、第4代Bigbangライト級(-61.23kg)王座に就いた。戦績は20勝(7KO)8敗。  当初、両者は2021年7月の福岡大会で対戦が決まっていたが、感染症拡大防止のため、一定の待機期間を設ける必要のある選手に該当することが判明したため同大会を欠場。今回、仕切り直しでの対決となる。  1R、両者ともガードを高く上げて向かい合う。大岩は右ローと左インロー、江川はワンツーから右ボディ。大岩は右ボディストレートを返す。じりじりと詰める大岩に江川は右カーフを蹴っていく。江川は左右に動いて大岩に詰めさせず、左ボディを打つ。大岩が右フックを強打すると江川も右フックを強打して意地を見せる。江川のワンツーをブロックした大岩が右ストレートを返し、江川が一瞬後退。最後の10秒は両者笑みを浮かべて打ち合った。  2R、両者の右が交錯した後、江川がボディへの連打を決める。大岩が右ボディストレート、そして右フックを叩きつける。江川は連打を返すが大岩は下がらず右ローを蹴り、右を思い切り叩きつける。大岩が連打で詰めての右カーフ。大岩の右の連打に江川はブロックしているも受けっぱなしに。江川も打ち返すが大岩は下がらず右の強打を繰り出して江川を下がらせる。パワー差が現れたラウンドに。  3R、江川がワンツーで前へ出る。大岩はヒザ蹴りを繰り出すが江川は下がらず右ローを蹴り、3連打を放つ。大岩もしっかりとガード。大岩が左右ボディを打ち、右ストレートを放つ。江川は“来い”とカモンゼスチャー。残り30秒、大岩が左右フックを叩きつけて前に出る。江川はロープを背負って打ち合うが、大岩の回転力が優ったか。  判定は3-0で大岩が勝利。江川にスーパー・フェザー級の洗礼を浴びせた。 [nextpage] ▼第14試合 スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R○軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス)延長R 判定3-0 ※10-9×3×斗麗(WIZARDキックボクシングジム)※本戦の判定は29-30、30-30、29-29。  1R、ステップを使いながら左右に構えを変える斗麗は左右ミドルと前蹴り。軍司は距離を詰めて左右フックと左右ボディで斗麗にロープを背負わせた。  2Rになるとさらにギアを上げた斗麗。サウスポーに構えて右へ動きながら左ミドルを蹴る。軍司が前へ出てローからパンチに行こうとすると、斗麗はステップでそれをかわす。距離を詰めてフックを打つ軍司。  3Rも距離を詰めに行く軍司だが、斗麗は左ボディで迎え撃つ。さらに前蹴りで先手を取り、ヒザ蹴りも打つ。そのヒザ蹴りがローブローとなり、再開後、ジャブでけん制して軍司を近付けさせない斗麗。軍司は強引に距離を詰めて右ストレートを打つが斗麗はステップでかわす。ヒザ蹴りにいった斗麗の頭が軍司に当たり、バッティングに。再開後、左右フックで攻める軍司はヒザ蹴りも繰り出し、これで斗麗の手が止まりクリンチが増える。しかし、体勢を立て直した斗麗が左フック。さらに前に出てくる軍司にジャブを打つ。  本戦の判定はジャッジ1名が斗麗を支持したがドロー。延長戦へ突入する。軍司が入ってくるところに左ミドル、左ストレートで迎え撃つ斗麗に、軍司は強引に入り込んで左右フック。軍司は左ローを蹴るが、斗麗がストレート。軍司はここで左ボディからパンチでボディを攻めていく。これに下がる斗麗。軍司の細かい左右フックがヒットし、さらに下がった斗麗へ軍司が左右ストレートで襲い掛かる。斗麗は完全に動きが止まり、最後は軍司が右ストレート、左フックをヒット。  本戦では斗麗のテクニックに危ない場面もあった軍司だが、延長戦の最後1分で斗麗の足を止めることに成功して逆転勝利。「ちょっと狙いすぎちゃってダメダメな試合で。斗麗選手強かったです。今回は僕の負けだと思っているので修正して強くなるのでもっと強い相手お願いします。もっと強くなって帰って来ます」とマイクで語った。 [nextpage] ▼第13試合 スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R○椿原龍矢(月心会チーム侍)判定3-0 ※30-29×2、30-28×新美貴士(名古屋JKファクトリー)  1R、ロープ伝いに動く椿原はどんどん前へ出て来る新美を右ストレートで押し返す。  2Rになると椿原はよりステップを刻み、前に出てくる新美を左手で押し戻し、右ストレートや右フックで迎え撃つ。新美は前へ出てローを蹴る。椿原がステップで動きながらパンチを当てていくと、新美はガードで手が出せない。  3Rもさらに前へ出てくる新美に椿原は左フック、右ストレート。ステップで動く椿原が左右に構えを変えながらジャブ、ストレート、フック。新美はステップに追いつかなければ行けない分、後手に回る。それでも前へ出て前蹴りから右ストレートを打つ新美。椿原は右オーバーハンドと右ストレートを打ち分ける。ガードを固める新美のブロックの上からでも構わずパンチを叩きつけ、右フック、右アッパーをヒットさせた椿原。  判定は3-0で椿原が勝利。その姿をYA-MAN、鈴木真彦、原口健飛らRISE勢がリングサイドで見つめていた。 [nextpage] ▼第12試合 K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント準決勝第2試合 3分3R延長1R×京太郎(チーム未完/元プロボクシングOPBF東洋太平洋ヘビー級王者)判定0-2 ※29-29、28-30×2○ムハマード・サッタリ(イラン/TEAM OTA/ICF/第2代Krushクルーザー級王者)※サッタリが決勝戦へ進出。  1回戦で坂本に2RでKO勝ちした京太郎と、K-Jeeを初回KOしたサッタリが準決勝を争う。  1R、サッタリがジャブからの右ローで先手をとる。さらに左フックからの後ろ廻し蹴りを繰り出すが、京太郎はかわす。圧力をかけるサッタリは右ボディストレートを突き刺すと右ハイキック。蹴りからパンチのコンビネーションをスピーディーに繰り出すサッタリに、京太郎はガードを固めて様子を見る。残り1分が過ぎると京太郎が前に出始め、右カーフを蹴る。サッタリの後ろ廻し蹴りが京太郎の顔をかすめ、ヒヤッとする場面も。  2R、サッタリがダッキングした京太郎に右ストレート。京太郎は1R序盤と同じようにガードを固めて様子を見る。サッタリは右ロー、左ミドル、左ハイ。京太郎は右カーフを蹴るが、手数はかなり少ない。京太郎がパンチを出そうとするとサッタリの鋭い右ハイが襲う。京太郎はサッタリの左フックをダッキングでかわす。  3R、サッタリは前に出ると同時のジャブを2発。前に出てくる京太郎にはボディを打つ。ジャブを多用して左へ回り込んでいくサッタリは、追ってくる京太郎に右フック。京太郎はそのジャブに右を合わせに行く。両者右カーフの蹴り合い。コーナーへ詰めた京太郎が左フックを打つとサッタリは右フックからの左フックでヒットを奪う。前に出る京太郎と下がって回り込むサッタリ。勝利を確信したか、サッタリは流し気味。そこへ京太郎が右フックを打ってサッタリがバランスを崩す。  最後は追い込んだ京太郎だったが、サッタリが判定2-0で勝利。大本命を破っての決勝進出となった。 [nextpage] ▼第11試合 K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント準決勝第1試合 3分3R延長1R○谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第1回・3回真正会全日本空手道選手権大会重量級優勝)KO 1R 2分20秒 ※右ハイキック×加藤久輝(West A/ALIVE)※谷川が決勝戦へ進出。  1回戦でANIMAL☆KOJIに判定勝ちした谷川と、実方にKO勝ちした石井慧の準決勝となる予定だったが、石井が肋骨骨折の疑いでドクターストップ。リザーブファイトで愛鷹亮にKO勝ちした加藤が本戦進出となった。  1R、サウスポーの加藤は左前蹴り、左ミドルと離れた距離。谷川もみぎおr-で。hぢアリフックでダウンを奪う。右ハイを蹴る谷川はみぎみかぢきも。加藤はいきなり飛び込んでの左ストレートでアタックを繰り返す。  加藤のペースで進む中、谷川が右ストレートを空振りして加藤の右肩に置いたまま右ハイキック。これが見事に加藤を捉え、加藤がダウン。どう見ても立ち上がることが出来ない強烈なダウンにレフェリーは即座にストップ。谷川が豪快KO勝ちで決勝進出を決めた。 [nextpage] ▼第10試合 スーパーファイト K-1ライト級 3分3R延長1R○ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)KO 1R 2分13秒 ※飛びヒザ蹴り×鈴木翔也(OGUNI-GYM)  ゴンナパーはタイで100戦以上のキャリアを積み、2010年から日本を主戦場に。日本人キラーとして名を馳せ、2016年9月からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2018年4月に佐々木大蔵を下して第5代Krushライト級王座に就き、同年9月に大沢文也、2020年1月に横山巧、6月には篠原悠人の挑戦を退け3度の防衛に成功した。そして12月のK-1で林健太を破り、第4代K-1 WORLD GPライト級王座に君臨。2021年3月大会では南雲大輝に2RでKO勝ちしたが、7月の初防衛戦で朝久泰央に判定2-1で敗れ王座を失った。12月には西京佑馬に判定勝ちで再起を飾っている。戦績は110勝(23KO)30敗3分。  鈴木はスーパーフェザー級に続いてライト級を制したNJKFの二階級制覇王者で、戦績は28勝(8KO)18敗1分。2021年6月大会では吉田凜太朗に判定勝ちで2度目の防衛に成功しているが、2022年9月には健太に敗れた。今年2月にKrushに初参戦を果たすと、弘輝に合計3度のダウンを奪われKO負け寸前になるも大逆転KO勝利を収めた。  1R、ゴンナパーは左足を上げ、左ミドルをブロックしようと右足を上げた鈴木へ左ストレートを叩き込んでダウンを奪う。何ごともなくポーカーフェイスで立ち上がる鈴木だったが、ロープへ追い詰めたゴンナパーは両手で鈴木を抑えるようにして左の飛びヒザでKOした。 [nextpage] ▼第9試合 スーパーファイト -75kg契約 3分3R延長1R○松倉信太郎(team VASILEUS)判定3-0 ※30-27×3×ジュリオ・セザール・モリ(ブラジル/ブラジリアンタイ/team Mori)  松倉はK-1甲子園70kg日本一トーナメントでの優勝を経てK-1、Krushを主戦場にキャリアを重ねた。2018年に戦場を『RISE』に移し、『RIZIN』にも参戦。2019年7月にイ・ソンヒョンとRISEミドル級王座を争うも、5R判定負けで王座戴冠を逃した。2020年9月の『スックワンキントーン』ではWPMF世界スーパーミドル級王座を獲得。12月にT-98を判定3-0で降し、2021年3月にトーナメントを制してKNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王座に就いた。10月にはK-1クルーザー級トーナメントに出場した武来安をKOしている。今回は2017年2月以来のK-1 JAPAN GROUP復帰となった。  モリはブラジル・サンパウロ出身の日系ブラジル人ファイターで、ダニロ・ザノリニが代表を務めるブラジリアンタイに所属。日本国内の重量級戦線で活躍し、S-BATTLEヘビー級王者にも輝く。2021年3月のK-1初参戦では神保克哉に敗れたものの、11月のKrushではブハリ亜輝留を右フック一撃でマットに沈めた。戦績は10勝(7KO)6敗。  1R、松倉は右カーフを強く蹴り、左ミドル、右フックへとつなぐ。モリはジャブを突いての右ロー。早くも右カーフが効いた様子のモリは、距離を詰めて右アッパーと左のショートを打っていく。しかし、離れると松倉がジャブと右カーフ。モリは大きくバランスを崩し始める。  2R、インターバルでセコンドの武尊からアドバイスを聞いた松倉。モリが前に出てくるところへ右カーフを蹴る松倉にモリはストレートのような左ジャブ。この左に苦しむ松倉だが、右クロスでヒットを奪う。モリの右ハイに松倉だがカーフの軸足蹴りを返すとモリは転倒。松倉はさらに右カーフで追い込み、モリはロープを背負う。  3Rが始まってすぐ、松倉がワンツー連打からの右カーフキックでダウンを奪う。サウスポーになったモリは左ストレート、右アッパーで反撃するが、松倉は右カーフを蹴りつつ右ミドル、右フックと攻めていく。モリの右アッパー、松倉の右フックの応酬となり、松倉が右フックを連打で叩き込んたところで試合終了。  タフなモリをKOすることは出来なかった松倉だが、フルマークの判定勝ちでK-1復帰初戦を飾った松倉は、マイクを持つと「倒すってデカいこと言ったのにしょっぱい試合をしてすいませんでした。5年半ぶりにK-1に戻ってこれたし、今日で8連勝を飾ることが出来ました。僕はK-1にスーパー・ミドル級を作って王者になります」とアピールした。 [nextpage] ▼第8試合 スーパーファイト -61kg契約 3分3R延長1R○“狂拳”竹内裕二(菅原道場)KO 2R 2分29秒 ※右ストレート×SATORU成合(K-1ジム総本部チームペガサス)  竹内は1983年8月13日生まれの38歳。2004年6月にプロデビューし、第8代MA日本スーパー・フェザー級王座・第2代WMAF世界スーパー・フェザー級王座を獲得。2009年5月のKrush初参戦では当時“-60kg最強”と言われた山本真弘を左フックでKOし、一躍その名を轟かせる。その後は"狂拳"の名の通り、Krushを中心に衝撃的な試合を連発。2011年4月の初代Krush-60kg(現スーパー・フェザー級)王座決定トーナメント準決勝では野杁正明とダブルダウンノックダウンのあと、左フックで野杁をマットに沈める格闘技史に残る名勝負を演じた。2016年9月のK-1代々木大会を最後にリングから離れていたが、今回約5年7カ月ぶりに復帰する。戦績は27勝(13KO)13敗2分1無効試合。  迎え撃つ成合は2019年12月に元Krush王者・島野浩太朗に敗れはしたものの、場内熱狂の打ち合いを展開して名を挙げた。2020年11月のK-1福岡大会ではベテランの山本真弘から勝利を奪い、2021年3月のKrushでは西元也史に2RでKO負け。7月のK-1では山本直樹に敗れたが3Rにはガムシャラな打ち合いを展開した。前戦は10月に「第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」の1回戦で中島千博にTKO負けを喫している。戦績は4勝(3KO)6敗。  1R、前に出てボディを攻めていく竹内。成合が下がると“来いよ”とカモンゼスチャー。竹内は低いか前から潜り込むようにボディを左右で打って行き、成合の右ストレートはスリッピングアウェーでかわす。成合の右クロスで動きが止まった竹内に成合は手数を増やして左右フック、逆にボディを打つ。  2R、成合が前に出るところへ竹内が右フックを合わせ、ダウンを奪う。ここぞとばかりに竹内は左右フックと左右ボディ。成合も守りに入らず打ち合う。成合も左右のボディを叩きつける。竹内は右アッパーを連打し、飛び込んでの左フックをクリーンヒット。さらにワンツー、成合の左ミドルに合わせた右ストレートで成合が後方へ倒れ、竹内が見事なKO勝ち。竹内は勝利の雄叫びを何度もあげた。  KOで復活した竹内はマイクを持つと「いいとこ入った。久々にマイクで喋れる。やったね。明日、フィットネスジムオープンさせるのでよかったら遊びに来てください。6月も出させてください。俺はどっちでもいいです。じゃあ」と、明日オープンする自分のジムをちゃっかりアピールした。 [nextpage] ▼第7試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R×林 健太(FLYSKY GYM)TKO 3R 0分19秒 ※レフェリーストップ○鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス)  第7試合も山崎秀晃が持つベルトを虎視眈々と狙う二選手によるスーパーファイト。林健太は「僕はパンチャー。キッカーが苦手だと思われがちですが、今回はキックを練習してきたので、鈴木選手にはびっくりしないように気をつけて欲しいですね」とキックによる勝利宣言。  それを受けた鈴木勇人は「『キックでびっくりと』言っていますが、恐らく自分のキックで(林が)びっくりすると思います」と、蹴り合い勝負を受けて立つ構えだ。  1R、前に出るのは鈴木。サウスポーから左ミドル&左ローを繰り出していき、林はコーナーに詰まるがジャブで脱出。林は右ローを蹴っていき、鈴木は左ストレート。鈴木の左ミドルに軸足蹴りを返す林。鈴木はたびたび転倒。林は右ボディからの右フックをヒットさせ、鈴木のパンチをかわして右を打ち込んでいく。さらに左右のロー。林がパンチを当てていくラウンドに。   2R、林は左へ回り込みながらのジャブ、鈴木はどんどん前へ距離を詰めていって左ミドルから左ストレート、そして左ヒザ。怒涛の連打で林が後退。しかし、この猛攻に耐えた林が右ローを蹴っていくと鈴木の身体が揺らぎ、右アッパー、身g/トレーtおで鈴木を追い込む。それでも左ストレートで反撃する鈴木。林のパンチをもらいながらも一歩も退かない鈴木が、足を止めての打ち合いで左フックをヒットさせて逆転のダウンを奪う。深刻なダメージだった林だったが、ゴングに救われた。  3R、前に出る鈴木が左ストレートからコーナーへ追い詰めて、左右フックの連打で体を丸めた林のアゴをヒザで突き上げる。そこでレフェリーがストップ。鈴木が番狂わせの勝利を収めた。  マイクを持った鈴木は「本当にこの試合前怖くて。だけど勝ててほっとしています。チームの仲間いつもありがとう。負けてばかりの自分を応援してくれる皆様ありがとうございました。このスーパー・ライト級を自分がかき回していきます。これから注目してください」と、嬉し泣きしながら語った。 [nextpage] ▼第6試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R○不可思(クロスポイント吉祥寺)TKO 3R 2分15秒 ※コーナーからのタオル投入×小嶋瑠久(PURGE TOKYO)  スーパー・ライト級戦線での浮上を目指す不可思と小嶋瑠久がスーパーファイトで激突。本大会で行われる同級のタイトルマッチを踏まえ、不可思は「またタイトルに絡めるように、しっかり結果を出してから言いたいことを言っていきたい」と王座再挑戦に意欲。小嶋もまた「圧倒的な試合を見せて、山崎選手がビビるような圧をかけたい」と王座挑戦に繋がる結果を目指す。  1R、不可思は前に出てくる小嶋に下がりながらの右ロー。小嶋は左フックから右ストレートを伸ばすが不可思はかわす。不可思もワンツーを繰り出し、小嶋は左右フックと打ち合いも。小嶋はどんどんパンチを繰り出していくが、不可思は上体の動きでかわしながら右ローを蹴る。小嶋の右フックに右フックを合わせた不可思は、下がる小嶋にラッシュをかける。小嶋も立ち止まって左右フックで打ち合い、不可思も上体を大きく左右に振りながらのフック。離れるとワンツー。  2R、小嶋がワンツーの連打から左フックで不可思を追い詰める。さらに左ボディ。不可思も打ち合うが小嶋の回転力が上回る。不可思も左右ストレートの連打を繰り出すが小嶋の左フックがヒット。不可思は左ボディを叩いてヒザ蹴り、そのまま前に出てワンツーを叩き込む。すぐに小嶋がワンツーと左フックで押し戻し、不可思は右ローで対抗。激しい打ち合いのラウンドとなった。  3R、離れて右ロー、飛び込んで右ストレートと距離を上手く使う不可思。それでも小嶋は前へ出て距離を詰め左右フックを繰り出していく。しかし、不用意に左を出そうとしたところへ不可思が右のオーバーハンド。これがモロに決まり小嶋がダウン。一気にラッシュして右ローと左右のストレートで攻撃をまとめる不可思に小嶋は棒立ち。小嶋のコーナーからタオルが舞い、不可思のTKO勝ちとなった。  不可思はマイクを持つと「ドロドロでも何でもいいので今日は勝ちたいって感じで、ドロドロですいませんでした。俺はここから這い上がってK-1のベルトを絶対に獲るので見ていてください」と宣言すると、スペシャルラウンドセレブのデヴィ夫人と一緒に写真に収まった。 [nextpage] ▼第5試合 K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント1回戦第4試合 3分3R延長1R×K-Jee(K-1ジム福岡チームBiginning/第2代K-1 WORLD GPクルーザー級王者)KO 1R 1分28秒 ※左フック○ムハマード・サッタリ(イラン/TEAM OTA/ICF/第2代Krushクルーザー級王者)※サッタリが準決勝へ進出。  K-Jeeは福岡を拠点としてデビュー当初はスーパー・ウェルター級で試合をしていたが、2016年からヘビー級に転向。クルーザー級が新設されると再度転向して2019年には初代Krushクルーザー級王座決定トーナメントで3試合ともKOして初代王座に就いた(同王座は返上)。2020年12月の福岡大会でK-1同級王者カリミアンに挑戦し、1R1分54秒の速攻勝負でTKO勝ち。第2代王座に就いたが、今年3月の再戦でカリミアンに王座奪還を許した。7月には愛鷹亮との倒し倒されの激闘をKOで制している。戦績は21勝(18KO)11敗。  サッタリはWAKOアマチュアムエタイ世界ミドル級王者、ムエタイ・プレジデントカップ2012優勝、ムエタイ・アジアンビーチゲーム2014優勝、ムエタイ・アジアインドア&マーシャルアーツ2017優勝などの実績を持ち、プロ戦績は17勝(10KO)無敗。2020年10月のKrushに初参戦を果たすと谷川聖哉を右フックでKO、今年3月のK-1では加藤久輝をもヒザ蹴りでKOした。7月の第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメントでもRUIと谷川を初回KOに沈め、圧倒的な強さで王座に就いている。2021年12月にはANIMAL☆KOJIを1Rわずか30秒でKOし初防衛にも成功した。  1R、序盤からスピードのあるサッタリが後ろ廻し蹴りなどで場内を沸かせ、K-Jeeの左フックをかわして右フックからの左フック。ダウンしたK-Jeeは立ち上がることが出来ず、サッタリが無傷で準決勝へコマを進めた。 [nextpage] ▼第4試合 K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント1回戦第3試合 3分3R延長1R○京太郎(チーム未完/元プロボクシングOPBF東洋太平洋ヘビー級王者)KO 2R 2分11秒 ※2ノックダウン×坂本英則(修実館/初代KROSS×OVERヘビー級王者)※京太郎が準決勝へ進出。  京太郎は2006年5月にJ-NETWORKでキックボクサーとしてプロデビュー。2007年12月にK-1 JAPANの強豪・中迫強をKOする大番狂わせを起こし、2008年4月にK-1本戦初出場。マイティ・モーから勝利を収め、20086がつにはK-1 JAPAN GPで準優勝。2009年3月、第2代K-1ヘビー級王者決定トーナメントでメルヴィン・マヌーフ、グーカン・サキを破り日本人初のK-1ヘビー級王座に就くと、2010年4月の初防衛戦ではピーター・アーツをKOした。  K-1活動休止後はボクシングに転向し、2013年7月に56年ぶりに復活した日本ヘビー級王座に就いたほか、日本人初のWBC世界ヘビー級ランキング入り、2017年1月にはOPBF東洋太平洋ヘビー級王座を獲得。同年5月にはWBOアジア太平洋ヘビー級王座も獲得した。2020年11月にK-1への復帰を発表し、2021年3月に第2代Bigbangヘビー級王者・実方宏介を2Rに右フックでKO。しかし、復帰2戦目となった9月大会ではシナ・カリミアンに延長戦の末に判定2-1で惜敗。戦績は19勝(10KO)6敗。  坂本は2014年のJ-NETWORKヘビー級新人王トーナメントで準優勝し、2017年8月には初のタイトルマッチに挑むもTKO負け。2019年5月にJ-NETWORKヘビー級王座決定戦で遊笑に反則勝ちし、同王座に就いた。2019年7月には初代KROSS×OVER認定KICKヘビー級王者となり二冠王に。同王座は2021年3月の初防衛戦で工藤勇樹に敗れて失ったが、11月には『Super Bigbang』で実方から判定勝ちを収めた。戦績は15勝(6KO)7敗1分。  1R、坂本は前足へ左右ロー、ジャブでけん制する。京太郎は右カーフを蹴りつつ坂本の蹴りにパンチを合わせに行く。ハンドスピードで優る京太郎は左右の連打で右ストレートをヒットさせる。坂本は離れると再び右ローを蹴り、京太郎は右を合わせに行く。左ミドルも蹴る京太郎。  2R、京太郎がワンツー、左フックで前に出て右ローも蹴る。坂本は巨体で宙に舞い胴廻し回転蹴り。これをかわした京太郎は接近して左フックと左ボディの連打からの右フックでダウンを奪う。さらに距離を詰めて連打、坂本は胴廻し回転蹴り。きゅお太郎が左右フックと左ボディで追い詰め、左右ボディでコーナーへ釘付けに。それでも耐えていた坂本だったが最後は京太郎の右フックでマットに沈んだ。 [nextpage] ▼第3試合 K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント1回戦第2試合 3分3R延長1R○石井 慧(クロアチア/チーム・クロコップ/第5代HEAT総合ルールヘビー級王者)KO 2R 1分02秒 ※2ノックダウン×実方宏介(真樹ジムAICHI/第2代Bigbangヘビー級王者)  石井は北京オリンピック柔道男子100kg超級金メダリストで、MMA戦績25勝13敗1分。第5代HEAT総合ルールヘビー級王者。9月のK-1に電撃参戦すると、初のK-1ルールで愛鷹亮と延長戦にもつれ込む接戦の末に判定勝ち。12月大会にも参戦してRUIから判定勝ちを収めて連勝でトーナメントに臨む。  実方はBigbangを主戦場とし、2019年12月にBigbangヘビー級王座を獲得。2020年2月には『RIZIN』に出場し、キックルールでMMAファイターでもある酒井リョウに初回KO勝ちしている。2020年11月の『Super Bigbang』では達磨石川を1Rわずか31秒でKO。しかし2021年3月のK-1でボクシングから復帰した京太郎に2R25秒、KO負けを喫した。7月大会では丸山公豊を鮮やかなハイキックでKOしている。戦績は13勝(10KO)9敗。体重は126.6kg。  1R、石井の左フックに後退する実方。さらに圧力を強める石井が左フックをヒットさせる。実方は右ハイを返す。  2Rも前に出る石井が右へ動くと同時の右フックでダウンを奪う。右テンカオで対抗する実方だが、石井が左フックのカウンター。見事なKO勝ちを飾った石井だが、右テンカオをもらった左の脇腹をおさえて苦悶の表情。勝ち名乗りを受ける間も脇腹を抑えて痛みに耐えており、準決勝に不安を残した。その後、石井にドクターストップがかかり、石井の棄権が決まった。 [nextpage] ▼第2試合 K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント1回戦第1試合 3分3R延長1R×ANIMAL☆KOJI(LEGION TOP TEAM/ALIVE/DEEPフューチャーキングトーナメント2017ミドル級優勝)判定0-3 ※29-30×3○谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第1回・3回真正会全日本空手道選手権大会重量級優勝)※谷川が準決勝へ進出。  KOJIはMMAファイターとして2017年のDEEPフューチャーキングトーナメントでミドル級優勝。2020年2月の『ONE Warrior Series』にも出場している。MMAでの戦績は6勝9敗。2020年12月のK-1福岡大会に初参戦すると、K-JeeとKrush王座を争ったRUIを2RでKO。2021年3月には愛鷹亮にも判定勝ちし、その実績が評価されて12月にマハムード・サッタリの持つKrushクルーザー級王座へ挑戦したが、初回KO負け。戦績は3勝(1KO)1敗。  谷川は2016年正道会館第14回ウェイト制全日本空手道選手権大会重量級準優勝、第1回&第3回真正会全日本空手道選手権大会重量級優勝の実績を持ち、極真会館にも挑戦して2016年第33回全日本ウェイト制空手道選手権大会重量級4位、2016年第48回全日本空手道選手権大会7位入賞の成績を収めた。2017年5月にキックボクシングでプロデビューし、2020年3月よりK-1 JAPAN GROUPに参戦。2021年3月にはRUIを判定で破り、7月の第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメントでは決勝へ進出するもサッタリにKO負けで王座戴冠ならず。12月には工藤勇樹をKOして再起を飾った。戦績は7勝(3KO)5敗1分。  1R、谷川は右ロー、左ミドルと蹴りを使い、KOJIは左右フックを奮っていいきなり前へ出る。KOJIが左フックで入ってくるところには右クロスを合わせる。右ハイをかすめた谷川は右ローと右カーフを連打、KOJIは一旦離れる。  2Rも谷川は右ローを狙い撃ち。KOJIは左右のパンチを振るって前へ出るが、谷川がバックステップでかわしていく。谷川はさらに右カーフ連打。KOJIは思い切り右フックを繰り出すが、谷川は右でカウンターを取りに行く。谷川の右ローでKOJIは大きくバランスを崩した。  3R、左右フックを振るって前へ出るKOJIだが、ローのダメージで足がついてこない。そこへ容赦なく右ローを蹴る谷川。左ハイキックも蹴る。谷川はジャブを突いてKOJIをけん制し、KOJIが入ってくるとワンツーを返す。谷川が危なげなく判定勝ちで準決勝に一番乗りした。 [nextpage] ▼第1試合 K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント・リザーブファイト 3分3R延長1R○加藤久輝(West A/ALIVE)KO 3R 1分05秒 ※左フック×愛鷹 亮(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)※加藤がリザーバーになる。  加藤はハンドボール出身で日本代表も経験。2009年から大道塾で空道を始め、2010~2014年全日本体力別重量級5連覇と2010・2012・2013全日本無差別優勝を達成。2013年からはMMAに参戦し、HEAT、Bellator、RIZINで活躍。2018年6月からはK-1にも参戦し、2連勝で2019年3月にK-1 WORLD GPクルーザー級王者シナ・カリミアンに挑戦したが判定負け。再起戦でK-JeeにKO勝ちするも、2020年3月のタイトルマッチでの再戦では王者K-JeeにKO負け。9月には延長戦の末に新鋭の杉本仁に判定負け、2021年3月はサッタリ・ウィラサクレックにKO負けを喫し、3連敗中。戦績は6勝(5KO)4敗。  愛鷹は中学・高校時代は柔道を学び、高校卒業後は静岡県警に就職して機動隊員になった。しかしプロ格闘家になる夢を諦められずに除隊、キックボクシングを始めて2016年12月にBigbangヘビー級王座を獲得。2017年8月にKrushに初参戦すると同年11月からはK-1にも参戦。2019年8月にK-1初代クルーザー級王者シナ・カリミアンとノンタイルマッチで対戦すると、カリミアンを右フックでマットに沈める“ジャイアントキリング”を起こして一気に注目を集めた。2020年3月にタイトルマッチでの再戦が実現したが、判定で敗れタイトル奪取ならず。その後、6月に両眼網膜剥離で手術。2021年3月に復帰戦を行うもANIMAL☆KOJIに判定で敗れ、7月のK-1福岡大会では1Rに2度のダウンを奪うもK-Jeeに逆転KO負け、9月には石井慧にも判定で敗れ4連敗中。戦績は22勝(10KO)11敗。  1R、愛鷹の右ローに左ストレートを合わせるサウスポーの加藤。離れた距離から真っ直ぐに左ストレートを伸ばしていき、左ローで奥足を蹴る加藤に愛鷹は右フックを振るう。加藤の左フックに大きくバランスを崩した愛鷹に加藤がラッシュを仕掛けた。  2Rが始まると同時に加藤はスーパーマンパンチ。加藤は右へ回り込んでの左ハイ、左ミドル。愛鷹が近寄ると左フック、左ロー、ヒザ蹴りで愛鷹を入らせない。攻撃しては右へ回り込む加藤に愛鷹のフックは空を切る。疲れが見える加藤だがジャブと回り込みを多用して愛鷹に攻めさせなかった。  3R、愛鷹は強引に入り込もうとするが勝とうが左ストレートで止める。それでも前進する愛鷹に加藤は左ストレート、愛鷹が右フックを空振りしてバランスを崩したところへ左フックを打ち込み愛鷹は大の字に。加藤がKO勝ちで連敗をストップした。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト K-1無差別級 3分3R×RUI(K-1ジム福岡チームbeginning)KO 1R 2分50秒 ※右ストレート○星龍之介(POWER OF DREAM)  RUIは193cmの長身を誇るサウスポーで2017年からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2019年の初代Krushクルーザー級王座決定トーナメントでは1回戦で愛鷹亮を3R2分31秒、顔面ヒザ蹴りでKO粉砕。5月の準決勝では植村真弥を判定3-0で破り、決勝へ勝ち上がったが元同門のK-JeeにKOで敗れた。その後、2020年1月に中平卓見をKOしたが、11月K-1福岡大会でANIMAL☆KOJIにKO負け。K-1ジム福岡に移籍して臨んだ今年3月の試合では谷川に敗れて連敗中。戦績は13勝(5KO)10敗1分。  星は極真会館のトップ選手として活躍し、第12回全世界空手道選手権大会では6位に入賞している。今回がプロデビュー戦。  1R、サウスポーのRUIに対し、星は構えを左右に変えながらローを蹴っていく。RUIは前蹴り、左ミドルで距離を取り、星が近付いてくると左ストレートと左ヒザで迎え撃つ。星は顔面のガードをガッチリと高めに固め、じりじりと前へ出る。ヒザをもらいながらも連打でRUIをコーナーに詰める星。  星はRUIにロープを背負わせると右ストレート、RUIはヒザ蹴りを返すがそこへ星がワンツー。星にプッシュされて倒れたRUIはダウン。10カウントが数えられ、星がデビュー戦でいきなりRUIをKOで破った。
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