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レポート

【UFC】コヴィントンがマスヴィダルに5R判定勝ち、RDAがモイカノに判定勝ち、ミッチェルがバルボーザ降し6連勝! ウマル・ヌルマゴメドフが14連勝、ウクライナのモロズは一本勝ち=『UFC 272』

2022/03/06 11:03
 2022年3月5日(日本時間6日)、米国ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナにて『UFC 272: Covington vs. Masvidal』が開催された。 『UFC 272: Covington vs. Masvidal』 2022年3月5日(日本時間6日)米国ネバダ州ラスベガス T-モバイル・アリーナ 【メインイベント】 ▼ウェルター級 5分5R〇コルビー・コビントン(米国)170.5lbs/77.34kg 17勝3敗(UFC12勝3敗)[判定3-0] ※49-46, 50-44, 50-45×ホルヘ・マスヴィダル(米国)170.5lbs/77.34kg 35勝16敗(UFC12勝9敗)  メインイベントは、ウェルター級1位のコルビー・コヴィントン(米国)と、同級6位のホルヘ・マスヴィダル(米国)による、かつてのアメリカン・トップチーム(ATT)盟友同士による因縁の一戦。  元チームメイトの親友も、今や犬猿の仲のコヴィントンとマスヴィダル。ノンタイトル戦ながらメインイベントとなった。コヴィントンは現在は同じフロリダで、MMA MASTERSに所属する。  NCAAディビジョン1のオールアメリカンレスラーでもあるコヴィントンは元UFC世界ウェルター級暫定王者。2021年11月に王者カマル・ウスマンに2度目の王座挑戦も判定負けで王座奪還ならず。  対するマスヴィダルは、ストリートファイト出身。2021年7月に跳び膝蹴りでUFC史上最速KOの“5秒”を記録。2021年4月に王者ウスマンに2度目の王座挑戦も、2R KO負けを喫した。  1R、ともにオーソドックス構え。いきなり右跳びヒザで牽制するマスヴィダル。避けるコヴィントンはワンツーで右を伸ばす。右ローを返すマスヴィダル。  コヴィントンは右を打つと、アイポークをアピールするマスヴィダルに構わずコヴィントンはダブルレッグへ。左右に崩してスタンドバックを奪うと、背後から引き込んでいったんマスヴィダルに尻を着かせるが、座るマスヴィダルが金網を使い立ち際に、右足をかけてリアネイキドチョークを狙うコヴィントン。  首を防御するマスヴィダルに、金網際に体を寄せてマウントを狙うコヴィントン。しかし、その際で立ち上がるマスヴィダルは圧力をかけると右ロー。サウスポー構えになってのコヴィントンの左の蹴りに右ローを蹴り返す。  2R、リプレーを見て試合前にハーブ・ディーンレフェリーからアイポークの警告を受けるコヴィントン。再開。左ハイを打つコヴィントンは尻餅。すぐに立つと、マスヴィダルは右ロー。しかし圧力をかけるコヴィントンはワンツー。バックステップえかわすマスヴィダルは右の前蹴りで間合いを取る。  右を伸ばしてダブルレッグで金網まで押し込むコヴィントン。そこにヒジを落とすマスヴィダル。コヴィントンの左ヒザ蹴りがローブローに。中断後、コヴィントンに注意で再開。  右から左を当てたコヴィントンは跳んで詰めると、体を入れ替えたマスヴィダルが右! ブロックするコヴィントンにニータップのフェイントから右ストレートを伸ばす。  しかし、左右で押し返してきたコヴィントンが蹴りでバランスを崩すが、足を手繰り金網まで押し込んだコヴィントンがバック狙い。ここも立ち上がるマスヴィダル。なおもダブルレッグに入るコヴィントンを差し上げるマスヴィダルは切って離れる。サウスポー構えから左を突くコヴィントンはオーソに戻して、左を当てて前に。  3R、先に詰めるコヴィントン。スイッチして左ジャブ、オーソに戻して右ジャブで前に。1分30秒過ぎにダブルレッグテイクダウンを奪うと、インサイドから右ヒジ! 左パウンド! 両脇を差して抱きつくマスヴィダル。だが、剥がすコヴィントンはハーフから右に回って金網際にパスガード。サイドを奪うとキムラ狙い。さらに亀になって立とうとするマスヴィダルのバック狙い。  フェイスロックにたまらずスイッチで正対するマスヴィダルだが、そこでバックを奪うコヴィントン。亀のマスヴィダルは手首を両手でつかんで立ち上がり、右クロスを打ち込んだところでゴング。  4R、サウスポー構えのコヴィントン。右前手を伸ばして組みは切るマスヴィダルだが、詰めるコヴィントンは金網に詰めたら徹底してテイクダウントライ。差し上げるマスヴィダルに近距離から左右を突いて組みに。「ショーツを掴んでいる」とアピール。  離れてもすぐに詰めて左右を振るコヴィントンに、金網に釘付けになるマスヴィダル! コヴィントンの左の打ち終わりに、右フックを当てたマスヴィダル! 一瞬動きが止まるコヴィントンに詰めるが、追い足は効かず、疲労を見たかコヴィントンが左右で前に。マスヴィダルは、マスヴィダルの大きな右の打ち返しを警戒し、後ろ回し蹴りもかわす。  5R、大歓声のなか、最終ラウンドで中央に走りこんだのはコヴィントン。左右を振ってシングルレッグを両手で持ち上げてテイクダウン! この際でバックを取らさず上を取るコヴィントンは、なおも金網背に片ヒザ立ちのマスヴィダルに片足をかけてリアネイキドチョーク狙い。  立つマスヴィダルははスタンドバックにつくコヴィントンに右回転ヒジ。しかしかわすマスヴィダルがボディロックテイクダウン。亀になるマスヴィダルをバックからコントロール。背後から細かくパウンド。下のマスヴィダルはシングルレッグで片足を手繰り立とうとするが、そこでバックにつこうとするコヴィントン。金網背に座って正対しようとるマスヴィダル。  そこに首を狙いながら崩して寝かそうとするコヴィントンは休まずパウンドし、マスヴィダルの蹴り上げもいなしてブザー。マスヴィダルは突っかかろうとするが、時遅し。  判定は3-0(49-46, 50-44, 50-45)でコヴィントンが大差で勝利。  試合後、コヴィントンは、「ジョー、またこのインタビューに戻ってくれて嬉しいよ。米国のために戦っている米軍のみんなに感謝する。ダスティン・ポイエーどこにいる? マイアミのストリートのゴミ掃除(マスヴィダル)の後は、ルイジアナのゴミ屑野郎、掃除する番だ。この●取られ野郎、すぐに出て来い!」と、突如、マスヴィダルのチームメイトでかつての同僚、元UFC世界ライト級暫定王者ダスティン・ポイエーを挑発した。  敗者マスヴィダルは、「何もサプライズは無い。レスリングが出来なかった。周囲に感謝するよ。子供たちにもすまない。(作戦は?)殴ること。(右を当てたが?)あそこでもう1発出せれば……足が動かなかった」と、チャンピオンシップラウンドの4Rに右を当てると、詰められなかったことを悔やんだ。 [nextpage] 【セミメインイベント】 ▼キャッチウェイト(160パウンド)5分5R〇ハファエル・ドス・アンジョス(ブラジル)160lbs/72.57kg 31勝13敗(UFC20勝11敗)[判定3-0] ※49-45, 49-44, 50-44×ヘナート・モイカノ(ブラジル)160lbs/72.57kg 16勝5敗(UFC8勝5敗)  当初は元UFC世界ライト級王者のドスアンジョスがハファエル・フィジエフと対戦予定も、フィジエフのビザ問題で今大会に延期。米国入りしたフィジエフが新型コロナウイルスの陽性反応で欠場。2月にアレクサンダー・ヘルナンデスにリアネイキドチョークで一本勝ちしたばかりのヘナト・モイカノと、160ポンド契約の5分5Rで戦うこととなった。ドスアンジョスの前戦は、イスラム・マカチェフの欠場により緊急出場のポール・フェルダーにスプリット判定勝ち。  1R、サウスポー構えのドスアンジョス。オーソドックス構えのモイカノは右を振って詰めてすぐにスタンドバックで背中に乗ろうとするが、左手で制したドスアンジョス。  打ち合いの中で抜群のタイミングで左のニータップでテイクダウン! しかしモイカノもすぐに立ち上がる。左ハイを当てるドスアンジョス。ブロックするモイカノのワンツーにカウンターのダブルレッグテイクダウン! 左で差して背中を着かせると、ヒジ打ち。さらに振りかぶっての右も。休まずパウンドするドスアンジョス。右で差して上体を立てるモイカノを剥がして寝かせるドスアンジョス。そのままブザー。  2R、左インローを当てるドスアンジョス。足を掴みに行くが、ここは切るモイカノ。左右の攻防中に、シングルレッグに入るモイカノだが切るドスアンジョス。  左ストレートで詰めるドスアンジョスに右を返すモイカノ! ドスアンジョスは詰めて組むがここは正対し突き放すモイカノ。  サウスポー構えから左の蹴りを当て、左ストレートを当てて、相手が右を返したタイミングでダブルレッグテイクダウンはドスアンジョス! ケージ際に右でパスし、ニアサイドの金網を使わせない。ならばと腰を切りフルガードに戻すモイカノは下のままブザー。  3R、右ジャブを振り、モイカノの打ち返しはかわすドスアンジョス。モイカノは足を触りに行くが、突き放すドスアンジョス。右アッパーを当てるモイカノだが、ドスアンジョスも左ミドルを返す!  ドスアンジョスの左右にノーガードでスウェイするモイカノだが、ドスアンジョスは左ハイ! ダウンしたモイカノにドスアンジョスは怒涛のパウンドも、フルガードに戻すモイカノ。右で脇差し、左にパスするドスアンジョスは強烈な左ヒジ! ハーフガードのモイカノに肩固めを狙いブザー。  4R、目にドクターチェックが入るモイカノ。再開。ガードを固めワンツーを突く。しかし、そこに早々にカウンターのテイクダウンはドスアンジョス。背中を着かされフルガードに入れるモイカノに、左で脇差し、右に片足を抜くドスアンジョス。モイカノは左で脇差し上体を立てるが、剥がして寝かせるドスアンジョス。ハーフガードの中から右ヒジを落とす。  出血するモイカノは足を戻し、立ち上がったところでサークリンもステップに力無く。ブザーも。継続可能か?  5R、左目まぶたが大きく腫れ上がるモイカノ。ドクターチェックも試合続行に。右のバックフィストで前に出るモイカノ。かわすドスアンジョス。右ハイのモイカノ。ブロックするドスアンジョスは、左ハイ。そこにモイカノは打ち返し。そのタイミングでダブルレッグテイクダウンはドスアンジョス!  下になるモイカノは蹴り上げから立ち上がると、右を当て、ドスアンジョスのダブルレッグを切ってバック狙い。ここはバックを取らせないドスアンジョスは右から左フックをヒット! 顔面を真っ赤に染めて戦うモイカノ。ワンツーの右でドスアンジョスを下がらせる。さらに右から左で前に。ドスアンジョスも最後に打ち合いに応じ左を当てると、左ミドル! しかし、詰めるモイカノが左右を当てて前に出て、ドスアンジョスダブルレッグを切ったところでブザー。  出血を拭き取ろうとするジャッジ陣を突き放すモイカノ。判定は3-0(49-45, 49-44, 50-44)の大差でドスアンジョスが勝利。  試合後、「神に感謝する、短い期間に試合を受けてくれたモイカノにも。彼は逃げなかった。私の前から逃げた選手は多かったのに。彼も大変だっけど、私も大変だった。ムエタイ選手を想定していたから。王座戦? 前回から試合間隔が空いたけど、戦えることが分かった。フランキー・エドガーとか、ランキングを上げていくよ。メインのマスヴィダルが勝つことを応援するよ」と語り、セコンドのアンドレ・ペデネイラスから祝福を受けた。 [nextpage] 【メインカード】 ▼フェザー級 5分3R〇ブライス・ミッチェル(米国)145.5lbs/66.00kg 15勝0敗(UFC6勝0敗)※UFC6連勝[判定3-0] ※30-25, 30-26, 30-27×エドソン・バルボーザ(ブラジル)145.5lbs/66.00kg 22勝11敗(UFC16勝11敗)  フェザー級0位のバルボーザ、11位のミッチェル。  ストライカーのバルボーザは、2019年にライト級からフェザー級に転向。2020年5月にダン・イゲにスプリット判定負けも、2020年10月にマクワン・アミルカーニに判定勝ち後、2021年5月にシェーン・バルゴスに右フックでKO勝ちで2連勝。2021年8月の前戦はギガ・チカゼに3RKO負けした。  柔術黒帯でレスラーでもあるミッチェルは、公式戦14勝無敗。2018年2月の「The Ultimate Fighter Season 27」では非公式でブラッド・カトナにリアネイキドチョークで一本負けも、以降、UFCで5連勝中だ。2020年10月の前戦ではアンドレ・フィリに判定勝ちしている。  1R、サウスポー構えのミッチェル、オーソドックス構えのバルボーザ。圧力をかけるミッチェルに下がりながら右ミドルのバルボーザ。しかし前に出るミッチェルは、ワンツーの右、さらに左を当ててダウンを奪うと、シングルレッグからハイクロッチでテイクダウン!  下のオリヴェイラの片足を腿に乗せて支点を無くして寝かせると、クローズドガードで背中を着いたバルボーザに右ヒジ!上体を蹴って押してスペースを作って立ち上がるバルボーザ。右の後ろ回し蹴りも見せる。  2R、右を差して、右ローを打ったバルボーザ。そこにカウンターのダブルレッグテイクダウンはミッチェル! 中央で寝かせるミッチェルにバルボーザはクローズドガード。ミッチェルはインサイドからヒジを打つ。  左目尻から出血をするバルボーザ。ケージ際に移動し押し込むと、腰を潰してパス狙い。バルボーザは左でオーバーフックしてスイープ狙いも、この際もついていくミッチェルはニアマウントからハーフで抑え込みパウンド。残り10秒で足を持ちながら中腰でパウンド。  3R、ワンツーで前に出るバルボーザ。ミッチェルは左ハイでバランスを崩し下になるが、バルボーザは立たせる。サウスポー構えから右手を伸ばしダブルレッグテイクダウン! ここも背中を着かせるミッチェル。バルボーザは足を上げて三角絞め狙いも、持ち上げスラムするミッチェル。  パウンドに出血が多くなるバルボーザ。ミッチェルはついにマウントを奪うと、ハーフに戻すバルボーザを左で腰を抱き、右でこつこつパウンドしブザー。両者はひざまづいて言葉をかわした。  判定は3-0(30-25, 30-26, 30-27)でミッチェルが勝利。神に感謝します。常に自分を信用し続けてくれた。ここまで来れたのは皆さんのお陰です。私はMMAに向けて生きている。人を傷つけることが得意なわけじゃない。人を助けることも。病に苦しむ子供たちに寄付したい」と語った。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇ケビン・ホランド(米国)170lbs/77.11kg 22勝7敗(UFC9勝4敗)[2R 0分38秒 TKO]×アレックス・オリベイラ(ブラジル)170lbs/77.11kg 22勝12敗(UFC11勝10敗)  ミドル級14位のホランドはウェルター級初戦。2020年12月にホナウド・ジャカレイに勝利後、デレク・ブルンソン、マーヴィン・ヴェトトーリにいずれも判定負けしている。2021年10月の前戦カイル・ドーカス戦はバッティング後のパンチでKOされ、ノーコンテストとなっている。  対するカウボーイのオリヴェイラは、現在3連敗中。UFC初戦のシャフカト・ラフモノフにギロチンチョークで一本負け、ランディ・ブラウンにリアネイキドチョークで一本負け、2021年10月の前戦ではニコ・プライスに判定負け。  1R、ともにオーソドックス構え。圧力をかけるオリヴェイラに、ホランドは長いリーチのジャブ。ローで崩されるも足関節狙いへ。足を抜くオリヴェイラ。  長い右を当てるホランド、右を返すオリヴェイラ! ホランドは右の高い前蹴りも見せる。右カーフキックを当てるホランド。しかし、オリヴェイラも右ローを当てて組んで脇を潜りスタンドバックから崩しへ! スクランブルするホランドに両足をかけてリアネイキドチョーク狙いも、たすきのままでホランドは親指を立てて「大丈夫」とサイン。  左足を上げて前に詰めたホランドは左をテンプルに当てて、右でアゴを打ち抜き、ダウンを奪うとパウンド連打! レフェリーが間に入った。  2R 0分38秒、ウェルター級デビュー戦を勝利で飾ったホランドは、「抑え込まれて足関節もあったし、少し動きは良くなかったけど疲れることはなかったよ。軽い? みんなとは逆で体重を増やしていたから。好きなだけ食べていた(笑)。今後? まだ分からないけど、1人カウボーイを倒したから、もう1人のカウボーイとやってもいいかもしれないね」と、会場観戦していたドナルド・セローニ戦も示唆。  また、今後の階級については「みんなが臨むならもっと階級を変えていってもいい」と冗談まじりに語っている。 [nextpage] ▼ヘビー級 5分3R〇セルゲイ・スピバック(モルドヴァ)243.5lbs/110.45kg 14勝3敗(UFC5勝3敗)[1R 2分16秒 TKO] ※払い腰→パウンド×グレッグ・ハーディ(米国)266lbs/120.66kg 7勝5敗(UFC4勝5敗)  ウクライナの「WWFC」で連勝してきた27歳のスピバックは全試合フィニッシュ勝利でUFCと契約。UFC4勝3敗。2021年9月の前戦はトム・アスピナルに1RKO負けで今回が再起戦となる。  NFLから転向したハーディは33歳。強いフィジカルを誇るが、UFC2連敗中。2021年7月の前戦ではタイ・ツィバサに1R KO負け。  1R、ともにオーソドックス構え。左を伸ばすハーディ、スピバックは組んで体落としでテイクダウン! 左でパウンドし、立ち上がるハーディをボディロックから足払いテイクダウン! マウントを奪い、鉄槌・パウンド! しばらく見ていたレフェリーが間に入った。起き上がったハーディは意識が飛んでいたか、マット上で暴れてから我にかえった。  1R 2分16秒 TKO勝ちしたスピバックは、「最高の気分です。ハーディはとても大きな相手、KOパワーも持っている。でも6カ月間、しっかり準備をしてきました。1Rは動き回ろうと。彼のミスを突こうと思った。バックを奪ってパウンドしようと思っていた。次? いつも言っている通り、自分は相手を選んだりしない。早く次の試合をしたいです」と語った。 [nextpage] 【プレリム】UFC YouTube公式チャンネル、UFC FIGHT PASS ▼ライト級 5分3R〇ジェイリン・ターナー(米国)156lbs/70.76kg ※4連勝[2R 0分46秒 TKO] ※右フック→パウンド×ジェイミー・ムラーキー(豪州)155.5lbs/70.53kg [nextpage] ▼女子ストロー級 5分3R〇マリナ・ロドリゲス(ブラジル)116lbs/52.62kg[判定2-1] ※29-28, 28-29, 29-28×ヤン・シャオナン(中国)116lbs/52.62kg [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3R〇ニコラエ・ネグメレアヌ(ルーマニア)205.5lbs/93.21kg[判定2-1] ※27-29, 29-27, 29-27×ケネディ・エンジーチュクー(ナイジェリア)206lbs/93.44kg [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇マリナ・モロズ(ウクライナ)125.5lbs/56.93kg[2R 3分27秒 肩固め]×マリヤ・アガポバ(カザフスタン)126lbs/57.15kg  2022年2月24日にロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始し、ロシア軍とウクライナ軍の戦闘が続くなか、3月5日に米国ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催された『UFC 272: Covington vs. Masvidal』にて、ウクライナの女子ファイター、マリナ・モロズが一本勝ちした。  試合前の各国メディアのインタビューで、「ウクライナに手を出さないで」と訴えていたモロズ。 “アイアン・レディ”の異名を持つモロズは、ウクライナでボクシングとキックボクシングの「マスター・オブ・スポーツ」の称号を得て、ウクライナ ボクシング代表チームメンバーから、MMA転向を果たした。現在は堀口恭司と同じ、フロリダのアメリカントップチーム(ATT)で練習を続けている。 「私は自分の国を愛しています。ウクライナに手を出さないで」と語るモロズは、母国について、「ウクライナにとって大変な時期です。私は自分の国、大統領、ウクライナの全軍を応援したいし、戦争はしたくないと言いたい。今は家族のことが心配です。故郷の状況があまりにひどく、父は家で手榴弾を作っています」と、不安を隠さなかった。  MMA10勝3敗(UFC5勝3敗)のモロズは5日、カザフスタンのマリヤ・アガポバ(10勝2敗・UFC2勝1敗)と女子フライ級で対戦。  2019年にサビナ・マゾ、2020年にマイラ・ブエノ・シルバに判定勝ちし、2連勝中のモロズは、同じくマゾに一本勝ちしている元チームメイトのアガポバとのフライ級サバイバルマッチに向け、「私はウクライナの人々が強いことを示し、オクタゴンの中で私の旗を掲げて戦います」と語っている。  アガポヴァに続き、場内の歓声に後押しされたモロズ。  1R、ともにオーソドックス構え。右で差して金網に押し込むモロズ、金網背に耐えるアガポヴァは上からヒジも、小外がけから崩してテイクダウン奪うモロズがバックテイク! シングルバックから左腕を喉元にかけてパームトゥパームで絞るが、正対したアガポヴァ。  下のモロズは腕十字へ。うつ伏せになりかけながらもヒジを抜いたアガポヴァが上に。モロズの立ち際の背中に乗り、4の字ロックも背負って立つモロズ。着地したアガポヴァをモロズがテイクダウン狙いでブザー。  2R、左右で前に出るモロズ。左で差してヒザ蹴り。さらに右で差して小外&ボディロックテイクダウン! 手を着くアガポヴァの右手を引き寄せ潰して、さらに左手をリストコントロール。肩固め狙い! バックマウントで脇下からパウンド。さらに脇をさした右腕を引き寄せて仰向けにさせるとハーフから肩固め! 最後は右足を抜いてパスして極めて、アガポヴァからタップを奪った。モロズは2年ぶりの復帰戦でUFCデビュー戦以来の一本勝ちでの3連勝。  2R 3分27秒、一本勝ちしたモロズは、ウクライナ国旗を手に、ジョー・ローガンから差し出されたマイクを思わず両手で引き寄せ、「すみません」とマイクを戻して、「どうぞ」と促されコメント。  モロズは「スポンサーやチームや家族、何より対戦相手にも感謝したい。みんな知っているかもしれないけど、いま母国は戦火にさらされています。こうしている間にも家族は危険にさらされたままです。  母国が辛い状況に心を痛めているし、心配だし、家族がこんなひどい状況にあるから、たくさんの応援のメッセージをくれてありがとう。私はいまにも泣きそうです。だって、私の国は戦争しているんです。みんなほんとうにありがとう」と涙声でマイクで観客に語りかけた。  ローガンから「こんな信じがたい状況で君がここに立って試合をしていることは称賛に値するし、君のMMAもそうだ。それはただ戦ったという以上のものでしょう」と勇気を讃えられると、「この2年間は怪我や、新型コロナウイルスもあって、辛い時期でした。そんななかアメリカントップチームがサポートしてくれたからここに戻ってきました。これからも試合をしていけます。ありがとうございます」と周囲に感謝の言葉で、オクタゴンを降りた。 [nextpage] 【アーリープレリム】(※後ほど詳報追加) ▼フェザー級 5分3R〇ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)146lbs/66.22kg ※14戦無敗(UFC2連勝)[1R 3分15秒 リアネイキドチョーク]×ブライアン・ケレハー(米国)145lbs/65.77kg  1R、ともにオーソドックス構えから。サウスポー構えにするウマルは右前蹴り。さらに押し出す前蹴りも。ケラハーは右インロー。しかしウマルは右前足のスナップを利かせた蹴りも見せる。右で差したウマルは両脇を差して金網に押し込み、ヒザを突く。金網背に左で小手に巻くケラハー。シングルレッグから右前足を掴み、右でで腰を抱き、テイクダウンするウマル。立ち上がるケラハーに、ダブルレッグから、左で足首を掴み、右で腰を抱き、脇を潜り、バックに回ると、左足をかけてから左腕をのどもとに差し込むと、右足もかけてリアネイキドチョークへ。ケラハーがタップした。  驚異の14戦無敗を記録したウマルは、「こんなタフな相手に勝てて幸せです。145と135のどちらか? バンタム級で戦いたい。今回は相手に合わせたけど、すぐにでも戦いたい。チームだったりダゲスタンだったり、すべての人に感謝します」と語った。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R〇ティム・エリオット(米国)126lbs/57.15kg[判定3-0] ※29-28, 29-28, 29-28×タギル・ウランベコフ(ロシア)125.5lbs/56.93kg [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇ルドビト・クライン(スロヴァキア)156lbs/70.76kg[判定2-1] ※28-29, 29-28, 30-27×デボンテ・スミス(米国)156lbs/70.76kg [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3R〇ダスティン・ジャコビー(米国)205.5lbs/93.21kg[判定3-0] ※29-28, 29-28, 29-28×ミハル・オレクシェイチュク(ポーランド)206lbs/93.44kg
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