MMA
インタビュー

【RIZIN】平本蓮「ついに俺が真ん中に立つ日が来た」「UFC王者になれるんじゃないか、というワクワクを見せられる試合になる」=3月6日(日)『LANDMARK vol.2』

2022/03/04 18:03
 2022年3月6日(日)『RIZIN LANDMARK vol.2』のメインイベントのフェザー級(66.0kg)5分3Rで、KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級(65kg)王者でMMA6勝3敗の鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)と対戦する平本蓮(ルーファスポーツ・MMA1敗)が4日、リモートインタビューに応じた。  2020年大晦日の萩原京平戦でのMMAデビュー戦以来、1年3カ月ぶりの試合に臨む平本は、RIZIN2戦目に向け、米国ミルウォーキーでBellator世界バンタム級王者セルジオ・ペティスが所属するルーファスポーツに所属し、北米MMAを体感。昨年末に帰国してからは、GENスポーツでのプロ練習に加え、石渡伸太郎率いるCAVEで練習を積んできた。  大会まであと2日と迫った計量前日がこの日のインタビュー。  1年3カ月ぶりの本格減量に入り、頬がこけている平本だが、「節制していないと簡単に80kgくらいいってしまうのですが、普段から節制しているので、いざ減量になってもすぐ試合が出来るように想定してやってきて、体重的には減量幅はさほど大きくは無く、3月6日に向けて、いい仕上がり具合になっています」と笑顔を見せる。  公開練習でも厚みを増した身体を披露していた通り、「これまでのフェザー級で一番、マックスでデカいというか、マックスでパワーが出せる体重をいろいろ考えてこの1年、身体を作ってきたので、体脂肪率とかは今までで一番少なくて、筋肉量を維持できているので、当日、とんでもないパワーで試合出来るかなと思っています」と、肉体も前戦から進化しているという。  いよいよMMA2戦目。 「やっと近づいてきたなって。早く、というか……この試合が決まってバーッとやってきたわけじゃなくて、この試合が決まる前から1年、いい練習を時間をかけてやってきて、ずっといいトレーニングを維持していました。試合が決まって、その中で練習の強度をちょっと足して、ずっといいコンディションで、3月6日に向けて、一番強い状態を持ってこれるようにやってきたので、試合で今までで一番、いい動きが出せるんじゃないかなと思います」と、コンディションにも自信を見せる。  MMAデビュー戦から15カ月が空いたが、SNSでの発言もあり、注目度が下がることはなく、周囲の期待の高まりも感じてきた。  試合をしていないのになぜ? と問われ、「なんでなんですかね。いまの格闘技界にみんな飽きてきたじゃないけど、すごくつまらないなというか、たぶんみんな俺が活躍しているところを見たいという人が多いのかなって。だからほんとうに去年1年、練習しかしていなかったときも、『俺がほんとうに強くなったら、この世界が変わる』というのを、すごい自分自身も分かっていたので、努力するのがすごく楽しかったですね。ようやく、その時が来たなと」と、満を持しての2戦目に自身も胸を躍らせている。  練習と異なるのが試合だが、試合勘についても「昔から本番に強いので、本番の方が強いでしょ、という考えです。試合だからこそ一番、強い自分で行けるかなと」とすべてを解放する瞬間を楽しみにしている。 [nextpage] どんな相手でも必ずこの状況に陥るな、という自分の戦い方がある  MMAで9戦をこなしている対戦相手の鈴木千裕については、「総合(格闘技)歴は長いと聞いていて、純粋なグラップリング、レスリングは出来るんだろうなあと。まあ、打撃もあんな風に振っているように見えて意外とノーモーションなんで、自分のリズムというか、試合早々、相手と肌を合わせて感じるとこもいろいろあると思うので、肌を合わせるのはすごく楽しみですね」と、イメージを固定しすぎず、立ち会って直に感じたいという。  4日に先に行われたインタビューで鈴木は「後退せずにどんどん攻める」と話し、「1R KO」を宣言しているが、それを聞いた平本も「僕も1Rから倒しに行きます」と、鈴木の打撃を被弾せずに自身が当てて倒すとし、早期決着も視野に入れている。  MMAとしては近い距離で、パンチも蹴りも打てると進化に自信の平本は、近い打ち合いを磨くために、年末には武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と松倉信太郎(team VASILEUS)とも練習を行った。  とくに武尊とのスパーリングは「階級が小っちゃいのに、階級が上の僕とほんとう正面からしっかり打ち合えるパワーを持っていてビックリしました」と刺激になったようで、「自分の得意な部分である打ち合いというのも極めてきた部分なので、試合でもちろん出るんじゃないかなと思います」と、MMAのなかで打ち勝つ自信ものぞかせた。  対戦相手の鈴木千裕について、「思い切りはいいが隙もデカい」と評している平本。しかし、鈴木もここまで異なる内容の2試合を見せており、平本対策として、パラエストラ千葉ネットワークや五味隆典のもとに出稽古で足を運び、組み技も強化してきた。  インタビューでは「後退せずにどんどん攻める」と語る鈴木が、リーチの長さを活かした打撃の中でテイクダウンを混ぜてくることも想定されるが、その組みを差し上げ攻撃に転じる、あるいは倒されてもリングで立ち上がることへの自信を問われた平本は、「そんな逃げ腰じゃないですけどね。テイクダウンを切ってどうのこうではなくて、自分の総合格闘技を見せるという感じなので、(相手の)リーチも長いけど、僕と一緒くらいだと思うし(※ともに身長は173cm)、特にリーチがあるから(脇を)差されるということでもないだろう、普通に試合を見せます」と、MMAとして“普通”の試合を全局面で見せるとした。  その上で、「どんな相手でも必ずこの状況に陥るなという自分の戦い方があるので、想定通り、というか、ほんとうに強い自分で戦おうと思うので、練習通りの自分を出せれば、まず間違いなく誰にも負けるはずがないので、いつも通りの自分を出すだけですね」と、CAVEの漢塾塾長・石渡伸太郎と練った作戦で、勝ちパターンは見えているとした。 ついに俺がほんとうに真ん中に立つ日が来たな  2021年12月には、「Bellator 272: Pettis vs. Horiguchi」で、ルーファスポーツの王者セルジオ・ペティス(米国)のコーナーマンとしてモヒガン・サン・アリーナに帯同した。試合は4Rにセルジオが堀口恭司に左バックフィストをヒットさせてKO勝ち。 「あの試合を間近で見たのは、僕の人生の経験のなかで、間違いなく大事な一日だったし、“俺も早くこうなりたい”と思わせてくれた。あの試合を見て、どんどん試合をすることへの意欲が出来ました。いつか一緒の舞台で試合が出来たらいいなと思いますけど、それは自分が勝ち進んでいくだけなので、もっと面白いものが見せられると思います」と、憧れとせずに、そこに向かうためのことを実行していくだけだという。  セルジオからも『頑張れ』と応援を受けた平本。注目のフェザー級では、王者・牛久絢太郎を頂点とし、クレベル・コイケや朝倉未来、斎藤裕らが鎬を削るGP開催と、Bellatorとの対抗戦など、いくつかのプランが挙がっているが、平本は「どっちでもいですね。自分はこの階級で勝ち進んでいくだけで、“副賞”みたいなものはあとからついてくる。とりあえず全員倒したいですね」と、一つひとつ「『RIZINタワーオブヘル』地獄の塔を登っていく」つもりだ。  どんな試合を見せたいか、と問われた平本は言う。 「ここまでの努力を披露する、というよりは、ついに俺がほんとうに真ん中に立つ日が来たな、と、そういう試合が見せられるかなと思います。俺の試合は面白いから、今後も外れはないと思うし、これからすごい大きな冒険を見せられると思うので、その最初のステップとして、みんなをワクワクさせられる戦いを見せることが出来ると思います」  冒頭で語った「俺が本当に強くなったら、この世界が変わる」という言葉は、いままでに日本人では無いスタイルが見られる、ということなのか。 「そうですね。ほんとうにUFCでチャンピオンになれる日本のスター選手が平本蓮なんじゃないか、というワクワクを見せられる試合になると思います」──目指すは世界の頂き、平本蓮は3月6日、自信と確信を持って、MMA2戦目に向かう。
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