「ヒジありでやろう」とアピールした梅野は、フォトセッションでも皇治にヒジを見舞うポーズ
2022年3月20日(日)丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で開催される「RIZIN.34」の第二弾カード発表会見が3月3日(木)都内にて行われた。
榊原信行RIZIN CEOが送り続けたラブコールに応え、皇治(TEAM ONE)が冬眠から目覚め、因縁の梅野源治(PHOENIX)と対戦することが決定。この試合は大会のセミファイナルで行われる。
皇治は、無類のタフネスと歯に衣着せぬ言動で2019年まで新生K-1の中心選手として活躍。2018年12月にはK-1で武尊と壮絶な殴り合いを繰り広げた。2020年7月、RIZIN参戦を表明して9月に那須川天心と対戦したが判定負け。同年大晦日には五味隆典とパンチのみの特別ルールで対戦したが判定負け。勝負をかけた2021年6月の「RIZIN KICKワンナイトトーナメント」では1回戦の梅野源治戦で偶発性のバッティングによるノーコンテスト、特別措置による決勝戦で白鳥大珠に判定負けとRIZIN移籍後は勝利をあげられていなかったが、11月の沖縄大会で祖根寿麻を判定3-0に破り初白星を得た。しかし、大晦日に新鋭のYA-MANに判定2-0で敗れる。
梅野は2014年11月に日本人初のWBCムエタイ世界(スーパーフェザー級)王者となり、2016年10月にはヨードレックペットを破り外国人として史上6人目のラジャダムナンスタジアム(ライト級)王者となった“日本ムエタイ界の至宝”。2019年は得意の首相撲とヒジ打ちを封印して『RISE』の世界トーナメントに出場し、決勝へ進出するも白鳥大珠にKO負け。その後はムエタイに復帰して2勝1敗。2021年6月には『RIZIN』のKICKワンナイトトーナメントに出場し、1回戦で皇治と対戦したが、1Rわずか43秒、偶発的なバッティングでノーコンテストとなった。9月には『BOM』でロンペットとドロー。その後、肺の手術のためリングを離れていたが、今回が復帰戦となる。
両者は2021年6月27日、同じ丸善インテックアリーナ大阪にて開催された『RIZIN.29』の「RIZIN KICKワンナイトトーナメント」1回戦で対戦。1R開始からわずか43秒、皇治のバッティングにより梅野は鼻を2カ所骨折してドクターストップ。両者とも不完全燃焼のノーコンテストとなった。
梅野は「6月に皇治選手とやって1Rでああいう形で終わってしまって悔しい想いをしている中で、今回RIZINで決着を付けられるいい機会が来たので試合をすることが決まりました。試合が決まったのは数日前、ルールも体重も決まらない。皇治選手が出るか分からないで先延ばしにされて、ルールが違うので練習をどうするかとか体重がどうなるのかとか、試合が組まれるのかとイライラしていたんですが、なかなか決まらなくて今週になって昨日やっと体重も決まって。去年61kgでトーナメントやったので、前回と同じ条件でキックルール。これで2人で男としてケリを付けたいとの想いでRIZINのリングに上がります。皆さん、期待していてください」と、なかなか決まらないことにイライラしていたと怒気を含んだコメント。
一方の皇治はひょっとこのお面(皇治は梅野のことをひょっとこムエタイと呼んでいる)を被ったまま、「冬眠していたんですが隣の騒音おじさんに無理やり叩き起こされました。去年大阪大会で悔しくて不甲斐なく、偉大なムエタイ王者の顔に傷を作ってしまい僕は凄く反省をいたしました。それで皆さんの支えのおかげで11月に戦うことが出来ましたが12月にまた負けてしまい、冬眠していたんですが起こされました。非常に困惑しております。僕がセミファイナルとかそんなのは、アレなので僕はオープニングで大丈夫です」と、セミファイナルではなくオープニングファイトでいいとした。
冬眠中は何をしていたのかと聞かれた皇治は「冬眠中は6月に反則をしてしまったということで、教習所に通って違反者講習を受けていました。今も教習に通っています。あとこの仮面の意味は非常に困惑しており、世間の皆様に顔を出すのは恥ずかしいと思いこういう状態になっております」と、煙にまくような答え。
因縁の試合ということでどういう決着をお互い望むか。梅野は「決着はKOでも判定でもいい。こだわりはない。前回はあれ(バッティング)はわざとじゃないので事故だし、お互いが悪い。ああいったことがお互いないように気を付けて、しっかり白黒をつけたいという思いです」と、どういう形でも勝敗をつけたいとする。
皇治は「トレーナーには出場することを全反対されています。冬眠中にしっかり改善するところは改善して出ようと思っていたのですが、まだ改善できていないところもあるので懸命に気を付けて戦おうと思うんですけれど、あの偉大なムエタイ王者はすぐ痛い痛いアピールをするので、これを着けて試合をしてください」とキャッチャー用のマスクを梅野に手渡した。
これに怒った梅野が「これ着けなくていいからヒジありでやろう。ヒジありだったらバッティングありでも体重何kgでもいいから。昨日まで体重も決まらずずっと来ているので、体重も全部合わせてあげるからルールを多少はゆずってヒジありでやろうよ」と、ヒジ打ちありのルールでやろうと要求。皇治は「じゃあ、僕はそっちを被ります」とヒジありならキャッチャーマスクを被ると返す。
これに榊原信行CEOは「一旦決まったルールなのでこのまま進めたいと思います」と、ヒジありルールは却下した。
梅野は「決まった以上はいい試合を見せてぶっ倒してやろうかなとの想いでいます」と、当初決まっていたムエタイのタイトルマッチを断って皇治の対応を待っていたということで怒りが募ったと話す。
これに皇治は「急遽と言い訳されていますが、僕が一番急遽で。梅野選手は練習されていると思いますが、僕は教習所で車を運転していたので。先ほど体重も全て昨年と一緒のルールでやろうと気張ってはったのに、いきなりヒジありとかよく分からないことを言ってるので当分お面を被っておきます」と、自分も急遽だったと答え、梅野のヒジありルールの要求をやんわりと拒否した。
また、皇治はファンもアンチも含めて話題になっていることについて「今回試合をしようと思ったのはファンがいてくれて、応援してくれる人たちがいるからなので感謝しかない。アンチがいるのは自分は幸せやと思っていまして。女にモテるのも挑戦できるのもお金持ってチャラチャラできるのも幸せだと思っています。なので大いに騒いで、大いに悪口言って、ストレス発散してください。以上でございます」と、アンチも楽しんで欲しいと語った。