2022年2月27日(日)東京体育館『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』にて行われる「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」。その1回戦第2試合で対戦する、第5代Krushバンタム級王者・佐々木洵樹(POWER OF DREAM)と内田晶(チーム・タイガーホーク)のインタビューが主催者を通じて届いた。
佐々木洵樹「玖村くんとやる時は怒りの感情が出るかな」
(C)K-1 佐々木は元プロボクサーで、OPBF東洋太平洋フェザー級13位、日本フェザー級7位になった実績を持つ。2019年2月からKrushに参戦すると、11月には晃貴を判定で破り、僅か3戦目にしてKrushバンタム級王座に就いた。2020年になると王座を返上し、8月のKrushでスーパー・バンタム級転向第一戦を行い龍斗に判定勝ち。12月K-1初参戦では璃明武との無敗対決も制した。2021年5月のラット戦で判定勝ちした後に引退を示唆していたが、今大会で復帰を果たす。戦績は6勝(1KO)無敗。
――第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメントの出場が決まりました。今率直にどんな心境ですか?
「前回の試合から辞める辞めないでかなり悩んだのですが(格闘技を)離れている間に、なぜ格闘技を始めたのかを自分に問いかけて学生の頃の色んな卒業文集とかを見たら、全部にK-1チャンピオンになると書いてあって、こんなに想い入れがあったんだなと改めて思って、この話をいただきました。やり残したことをしっかりやって、練習もしっかり積んで、やることをやるだけです。今まで格闘技をやってきて一番モチベーションが高いです」
――昨年5月のK-1横浜武道館大会の試合後に進退について言及する部分がありました。
「あの時は自分の思った試合もできなかったし、コロナのこともあって今まで応援してくれた人たちにも申し訳なく思ってしまって。変なところで僕の真面目な部分が出て、勝手に自分を追い込んでいた感じでした。でも今はもう吹っ切れて、すごく楽しいです」
――佐々木選手を含む玖村将史・金子晃大・璃明武の4選手がK-1スーパー・バンタム級四天王と扱われることをどう思っていますか?
「悪い気はしないですけど、今までは四天王とか持ち上げられても『いやあ…』とか思っていたんですけど、最近はマインドコントロールが出来て、だったら四天王でやってチャンピオンになって、出来るんだなってなんとなく自分で出来ているんで、僕は悪い気はしないです」
――1回戦で対戦する内田選手にはどんな印象を持っていますか?
「内田選手が相手に決まった時、会長がもうその場で対策を言ってくれました。試合を見ても懐が深くて待ちのスタイルでやってもカウンターを合わせられるし、前にも中盤・終盤から出られるし、弱点というかしっかり対策はしていきたいと思っているんで、そういう感じです」
――準決勝・決勝の勝ち上がりはどう予想していますか?
「予想とは違うんですけど、玖村選手が『他の選手は眼中にない』と言っていて、こんな感情になるのは初めてですけど、玖村くんとやる時は怒りの感情が出るかなって思ってます」
――今まで相手に怒りを抱くことはなかったですか?
「試合に対して“この野郎”みたいのはありましたけど、選手に対して出るっていうのはないですね。会見をやる前は金子くんのことを意識していて、実は帝拳ジム時代に金子くんに会ったことがあって、礼儀もなってないし“いつかやってやろう”っていう気持ちがあったんですよ(苦笑)。今はその気持ちが玖村くんに行ってるのかなと思います」
――ちなみに玖村選手は圧勝での優勝を宣言していますが、佐々木選手の心境としては「何を言ってるんだ?」と。
「そうですね。彼の言ってる通りにはいかないぞというのは思います。そういう熱い気持ちで試合できるのは初めてで、今までになかった熱い気持ちがフツフツと沸いてきて、試合が楽しみですね」
――K-1のベルトにはどんな想いがありますか?
「K-1のベルトには自分にとって凄く想い入れがあるし、獲りたいという気持ちは凄く強いし、元ジムメイトの由樹くんが巻いていたベルトです。自分の後輩でしたが、人として尊敬しているので由樹くんが巻いていたベルトをPODに持って帰りたい気持ちはあります」
――K-1スーパー・バンタム級のベルトは武尊・武居由樹というK-1を代表する選手たちが巻いてきたベルトですが、そこは意識していますか?
「もちろん武尊選手、武居選手は偉大なチャンピオンで、この間練習している時も由樹くんに『武尊、武居、佐々木でお願いします』って言われたんですけど、僕は『なんか弱いっすねえ…』っていう話をしてたんですよ。でもここでベルトを獲って、これから武尊、武居、佐々木になれるように、まだ弱いっすけど頑張ります」
――それでは最後にファンのみなさんにメッセージをお願いします。
「本当に今までやってきたことを全部出そうっていう気持ちと、メンタルの面も最近自分でコントロールできるようになってきました。こんなにメンタルが弱くても勝てるんだよというところをみんなに伝えたいです」
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内田晶「『東北にいてもやれるんだぞ』というところを見せたい」
(C)K-1 内田は2014年12月からKrushに参戦するも引き分けを挟んで4連敗。2021年5月大会で三井大揮を3R3分ちょうど、右ストレートでKOすると、8月・10月に行われた「第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメント」に出場。1回戦で優勝候補の一角と目されていた小倉尚也を判定で破る番狂わせを起こしたが、準決勝で鬼山に判定3-0で敗れた。戦績は3勝(2KO)5敗1分。
――内田選手は今回がK-1初参戦となります。試合が決まった時の心境を聞かせてください。
「僕は4歳から空手を始めて、K-1は夢に見ていた舞台だったので、率直に嬉しく思います」
――空手はどういうきっかけで始めたのですか?
「親戚がやっていて、それに連れられて道場に行って…という流れです。結構スポーツは好きだったので野球、サッカー、卓球もやりながら、習い事として空手を続けていました」
――空手はいつまで続けていたのですか?
「中学3年生までは空手の試合に出ていて、高校生からはほぼキックボクシングです」
――空手をやってきたことはどういう部分に活きていますか?
「空手をやってきたからこそ足腰の土台を作ることができたし、空手時代の“相手の技をもらわずに、自分の技を当てる”スタイルは今の自分にも活きていると思います」
――これまでのKrushの試合でもそうですが、“相手の技をもらわずに、自分の技を当てる”が内田選手のファイトスタイルですか?
「周りからはよくアウトボクサーなんて言われるんですけど、自分はここぞっていう時にはしっかりまとめて、自分から前に行けるように練習しているので、ただのアウトボクシングではないと思います。K-1でもそこを見てもらいたいですね」
――1回戦で対戦する佐々木選手にはどんな印象を持っていますか?
「僕はPOWER OF DREAMの選手とはジュニア時代から結構戦っていて、何かの縁も感じますし、すごく感慨深いものがあります」
――内田選手が思う、POWER OF DREAMの特徴はなんですか?
「練習熱心な選手しかいないない、本当に格闘技に懸けてる人たちしかいない、そういう部分を感じます」
――当時の対POWER OF DREAMの戦績はどうだったんですか?
「勝ったり負けたりですかね。でも、ジュニア時代はジュニア時代で、プロはプロなので全く違うと思います。アマチュア時代の対戦戦績は1回忘れて、気持ちを新たに戦いたいです」
――準決勝・決勝の勝ち上がりはどう予想していますか?
「正直、トーナメントのメンツを見て誰と戦いたいと言える余裕はないんですけど、みなさんも知っている通り僕は璃明武選手に凄い負け方しているので、決勝でやり返せたら凄いストーリーがあっていいと思うんで、璃明武選手とやりたいです」
――玖村将史・金子晃大・佐々木洵樹・璃明武の4選手がK-1スーパー・バンタム級四天王と扱われることをどう思っていますか?
「すごく悔しかったです。でも負けると言われている選手が勝ったほうが絶対に盛り上がるし、自分がそういう役目・ジョーカー的存在だと思っているんで、絶対に勝ちます」
――K-1スーパー・バンタム級のベルトは武尊・武居由樹というK-1を代表する選手たちが巻いてきたベルトですが、そこは意識していますか?
「誰が巻いてたとかそういうのではなく、自分はK-1のベルトに凄く価値を感じているので、そういう想いが強いです」
――それでは最後にファンのみなさんにメッセージをお願いします。
「僕は東北在住で、ずっと『東北にいてK-1に出るのは無理だ』と言われてきましたが、ようやくこの舞台のスタートラインに立つことができました。K-1に出るだけで終わることなく、自分がK-1で結果を出して『東北にいてもやれるんだぞ』というところを見せたいです」