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インタビュー

【ONE】世界の頂きへ──箕輪ひろば「ブルックスは弱点がないのが弱点」×ジャレッド・ブルックス「ラップは30分で作った。ミノワのTikTokもチェック済みさ」=1月28日(金)決戦

2022/01/27 21:01
 2022年1月28日(金)にシンガポール・インドアスタジアムで開催される『ONE: ONLY THE BRAVE』のストロー級で、同級4位の箕輪ひろば(総合格闘技道場STF川越)と、同級3位のジャレッド・ブルックス(米国)が対戦する。26日、両者が別室にて同時にオンラインインタビューを受けた。  PANCRASE、UFCで活躍したブルックスは、最初から自信に溢れた言葉を投げかけた。  箕輪を「昔の自分に似ている」というブルックスは、自身が11月に2R、肩固めで極めたアディワンに、箕輪がスプリットの判定で苦戦したことを引き合いに出し、「ミノワはアディワンにキムラで極められそうになった」と、差があるとした。  対する箕輪は「ご忠告ありがとうございます。僕は別にあの関節技が極められる状況からでも逃げられますし、そういうのを見せたかった試合でもあります。やるだけが強いのではなく、やられるのを回避することができるのも強さだと思うし、格闘家としての評価だと思います。極め切れるように頑張ってください」と、ブルックスの“口撃”を回避。  さらに、「僕が3Rかけて戦ったのは、アディワンがまだ敗北していない時。データが無いところを研究して、3Rかけて勝ちに徹した結果であって、データがあれば、もっと違った展開になったので、別にそこは気にしていない」と、ブルックスの勝利も自身の試合があったからこそ攻略できたと指摘した。  23歳の箕輪と28歳のブルックスによる、20代対決になるが、箕輪は「年齢ってまあ、数字なんですけど。年齢は“どれだけ長く生きたか”というのを教えてくれるだけであって、“どのように生きたか”というのは教えてくれない。だから、年齢は試合には関係無いと思います」と、 ジュニア修斗、アマチュア修斗、プロ修斗で10年積み上げた経験に自信。  ブルックスは、「箕輪は若い。アディワン戦で見せた動きは素晴らしかったし、ぜひそれを今回の試合でも出して欲しいね」と余裕を見せると、箕輪も「過去の僕のデータで研究してもらっているとするならば、すごいありがたい。彼の言葉を借りるとすると僕は若いので、多分、僕の進化はほかのどの選手よりも速いと思ってます。いろんな引き出しの数が増えていると思うんで、楽しみに待っててください」と、前戦とは別人とした。  実はブルックスは試合決定時から、箕輪を評価している。 「ミノワは組んで投げたいとき、ストレートパンチを繰り出す。悪いボクサーじゃない。ちょっとアゴが上がり気味だけど。グラウンドでは、素晴らしい。素早いテイクダウンで、非常に効率的で、ディフェンスもしっかりしている。自分と同様、グラップラーとして、ファイターとしての多くの素晴らしい資質を持っている。彼は十分に評価されていない」と、過小評価されていると語る。 「みんなミノワを軽視している。ミノワはタフな奴だ。自分はこのまま、彼を避けて『どうだ、ジョシュア(パシオ)、やろうぜ』なんて言うつもりはないさ。ミノワは(1位コンテンダーの)ボカン(マスンヤネ)を除けば、おそらくこのストロー級のトップだ。だから、今は王者のジョシュアよりも彼に注目している」と、警戒心を怠らない。  ブルックスの弱点について問われた箕輪は「弱点がないのが弱点じゃないですか。まあ何言ってんだって思うかもしれないですけど。まあ、要は何て言うんですかね、良いレスラーだと思いますし、良い打撃をすると思いますし、基本的にはフィジカルも強いと思うんで、特に穴がないと思うんですけど、それが故に弱い部分っていうのもあると思うんで、まあ試合までに一つそこを考えておいてください」と、オールラウンダーゆえにどの局面でも勝負するブルックスが際の部分で弱い部分があるということなのか、謎かけのようにブルックスの弱点を示唆した。  一方のブルックスは、「ミノワは1R様子見しながら相手を観察し、2、3Rで勝負をしていく選手だろう」と分析。しかし、「それは事前に完璧なゲームプランがないことを意味している」と指摘。  すると、箕輪は「ゲームプランはいつでもあるんで、そこは別に心配してもらわなくて大丈夫です。まあそれだけ過剰に自分のことを強いと思ってもらってるっていう。僕がそれを汲み取って僕の方が強いということをきちんと証明したいと思います」と、笑顔で切り返した。  また、試合前に、ブルックスがこの試合に向けて自作のラップを披露したことについて聞かれた箕輪は、「英語で何を言っているか分からないですし、そんなラップなんて作っている暇があったら練習した方が良いですよ」とコメント。対してブルックスは、「練習は言われなくてもやっているし、あの程度のラップは30分でできるものだから心配はいらない」と反論している。  理想的な試合展開について、ブルックスは「KOか一本を狙う戦いをし、フィニッシュできなくても、勝利は掴む」と回答。「それに、ミノワの技の“隠し球”は全て、ミノワのTikTokでチェック済みさ」と、対戦相手のTikTokまで注視して丸裸にしていると、最後の最後まで舌戦を仕掛けると、箕輪は「それだけですか、もっと言って欲しかった」と笑みを見せ、「僕のTikTokを見ている時間があったら、練習したほうがいい。あれは別にネタなので、TikTokで見せた以上に“必殺技”はあると(ブルックスに)伝えて欲しい。今回の試合、おそらくあのブルックス選手が僕を一本で極めるかKOしない限り、僕には勝てないと思う」と、これまでのプロ15戦でKO・一本負けが無い箕輪は、競り合いに自信を見せた。  総合格闘技道場STFに加え、トライフォース赤坂での出稽古で朝倉兄弟らとも練習してきたことを明かしている箕輪。STFトレーナーで東洋大時代に東日本学生選手権準優勝の岡迫大誠のツテから、レスリングのインカレ出場選手とも練習を積んで来た。  世界中から唯一、ストロー級のトップ選手を集めているONEで箕輪は、強豪ブルックスを降し、パシオが持つ王座挑戦に辿り着けるか。試合の模様は、1月28日の午後7時30分(日本時間)より、ABEMA 格闘チャンネルおよびONE公式アプリにて、ライブ配信される。
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