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【RIZIN】朝倉未来と大舌戦の平本蓮が、日本で練習再開。米国修行の成果、盟友ペティスの堀口戦のセコンド、今後を語る

2021/12/21 20:12
 日本に一時帰国中の平本蓮(ルーファスポーツ)が、隔離期間を経て、GENスポーツパレスでの練習を再開。「この3カ月の努力で想像以上に自分が強くなっていた! どんどん極めて世界一強くなるぞー」と進化を報告した。  2021年12月21日、東京・大久保のGENスポーツパレスで練習した平本。壁レスリングのシチュエーションスパーリングなどをpandagym代表の山田崇太郎と行った。  その山田は、「久々に平本蓮さん、今日は一緒に壁レスのシチュエーション練習をやりました。練習での強さに言及するのはアレですが、めちゃくちゃ強くなってました。ナイス海外武者修行。今後に期待しかない。平本さんから打撃のアドバイスも貰いました」とツイート。 平本も米国ウィスコンシン州ミルウォーキーのルーファスポーツでの練習の成果を肌で感じたようだ。  自身のYouTubeで、3カ月間の北米修行について、「ただ単に闇雲に練習していたわけじゃなくて、練習しながらセルジオ(ペティス)がこの3カ月間、みっちりすごく教えてくれて、その代わり、僕も堀口恭司選手を研究して、いまこんな感じなんじゃないのかなっていうので、結構一緒にアドバイスしてきて、俺も堀口恭司スタイルでスパーリングしてきて、今回のチームに参加してきました」と、Bellator世界バンタム級王座を防衛したペティスとの日々を語る。  Bellatorの事前ドキュメンタリーでも公開されていた、ペティスと平本の練習。それは試合後にペティスが明かした通り、堀口に対して「巧みに圧力をかける」作戦だった。遠い距離は追い過ぎず、相手の出入りの際の防御に集中して、じわりじわりと圧力をかけていく。  平本は仮想・堀口として、ペティスとともにその動きを試合前からシミュレーションしてきたという。 「セルジオの試合前に、一緒に練習していた(同門の)エマニュエル・サンチェスの試合があって、みんなセコンドに行って俺しか残ってなくて、試合前の大事なアップもセルジオと一緒にやって。  堀口選手の動き──基本、頭の重さを使って早く入って、パンチは巻き気味なんで、想像以上に頭を振って入ってくる。去年の朝倉海戦は正直、参考にならないなって思って。ステップを踏んで来るのか、どうしてくるのか、いろんなパターンで練習してきたんですよ」と、堀口の出入りとステップ、距離について様々なパターンを想定してきた。  それでも試合中盤までは、ニータップでのテイクダウンをことごとく決めた堀口のペースだった。 「堀口選手がほんとうにレスリングが強くて、でもセルジオも柔術がすごく強いんで極められることはないだろうなと思っていて。苦しい展開が続いて、堀口選手も1Rにセルジオのカウンターが入って結構顔を腫らしていたんで、焦らずにいけばセルジオが絶対勝つだろうなと信じるしかなかった。最初キツい展開が多かったけど、途中、堀口選手が漬けている瞬間、会場でブーイングが起きたんですよ。堀口選手が立って、なんかスゲー、カッコ良かったなって、相手ながらすごくそう思いましたね」  4R、ファイターにとって苦しいラウンドに詰めに行ったペティス。近い距離で立ち合い、テイクダウンを奪った堀口。ブーイングが上がるなか“面白い試合をしないとなって思って”上体を上げてスタンドに戻した後、近距離のなかで、フィニッシュは起きた。  ペティスはその瞬間を「自分が(堀口の左を)かわしたことで(近づいて右ハイキックを)彼が避けることに繋がり、それでスピニングバックフィストを当てられたんだ」と振り返っている。  練習していたコンビネーションのKO劇。それを現実のものとしたのは、ペティスの近距離のハイキックを堀口がダッキングでかわしてしまう反応の良さを持っていたこと、そして、離れ際にガードが下がる癖を見抜いていたペティス陣営の読みがあった。  平本は、「自分たちが練習してきたことが正しかったと証明された。作戦に自信はあったんで迷いはなかったけど、緊張というよりセルジオの常にリラックスして落ち着いていた姿、諦めない姿が自分が目指すべきだなって」と、後半にチャンスをモノにした王者から感銘を受けたことを語る。 [nextpage] ここで合わないやつは世界で戦えない、言い訳にしてアメリカに来ないだけなんじゃないか  ミルウォーキーでの濃密な3カ月が、ファイターとして、人としてタフにさせてくれたという。 「3カ月、と言われるけど、大切な濃かった日々が3カ月続いて、信頼されてセコンドまでお願いされて。俺もこれでセルジオが変な形で負けちゃったらどうしようとか思いながらも、そんなこと考えるのも俺っぽくないし、セルジオを信じながら一緒に対策をしてきて、ルーファスポーツに来て、最初から付きっ切りで日曜とかも休みなしで毎日修行して、でもほんとうに楽しくて毎日が。セルジオが俺を強くしてくれて、その代わり、俺もセルジオの試合に向けて全力でやれることはやろうと思って、今回こういう形でコーナーに、セコンドにつきました」  実際に米国に来てやってみないと分からないことがあるという。バックボーンがストライカーでもレスラーでも、ヘッドギアをつけたスパーリングでは、バチバチに殴り合うこともあり、自身のMMAの距離感を掴んできた。 「この3カ月で辛かったときはほんとうにあったんですけど、受け容れられるのか、受け容れられないのか、噛み合う・合わないがあって、合わないやつは世界で戦えないと思います。(国内から出ない選手は)言い訳にしてアメリカに来ないだけなんじゃないかなってほんとうにこっちに来て思いました」と、百聞は一見に如かずだという。 「これがゴールじゃないから。たぶんまだこれから物語は続くし、楽しいこともいっぱいあると思うけど、ほんとうにこの3カ月間、最初は寂しい時間とかもあったけれど、たぶん忘れられないです。俺、この3カ月があったからすごく強くなれました。人として逞しくなったと思います。この3カ月間、これだけハードなスパーリングをやってきた結果は、次の試合に絶対現れるだろうなって自信にもなりました」  平本が大晦日の試合を回避したのは、オミクロン株の影響でコーナー勢が入国出来なかったことが大きい。いまや、ルーファスポーツの一員となった平本は、デューク・ルーファスやセルジオ・ペティスらとともにチームとして戦うことを望んでいる。 「チームへの信頼感が生まれて、次の試合はセルジオとかもたぶん来てくれると思うので、そこはすごく心強いですね。完全にアメリカでやって行こうかなと思っています。生活の拠点をアメリカに移そうと決めました。ルーファスポーツでずっとやって行こうと。ほんとう、ファミリーという感じです」 「試合はRIZINで?」と問われた平本は、「そうですね、そっちの方が楽しいんじゃないかと思うんですけどね」と答えている。  大晦日を超えて、2022年のRIZINは、ナンバーシリーズに加え、LANDMARK、TRIGGERと大会数を増やし、LANDMARKでも金網で試合を行う可能性があることを、榊原信行CEOは語っている。  元K-1ファイターとして、リングスポーツに長けており、大規模な大晦日ナンバーシリーズでの起用が予定されていたが、ケージでの練習が主流になってきている平本にとって、ネットとの親和性も高いPPVシリーズでの活躍も注目される。  同日、大晦日の公開練習を行った朝倉未来は、平本蓮について問われ、「頑張ってくれ、という感じです。『大晦日の試合の評論を楽しみにしているよ』って」とメッセージを送り、SNSでは「俺との試合逃げといてよくのうのうと煽れるな」(朝倉)、「一度もお前から逃げてねーわ、いつでもやってやるよ」(平本)と、両者ともに舌戦を繰り広げている。 「これから物語は続く」と語った平本のMMA2戦目は、どの舞台になるか、そこでどんな進化を見せるか、注目だ。
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