MMA
インタビュー

【PANCRASE】摩嶋一整「KID選手は優しかった。『KRAZY BEEの選手と当たらないといいね』と言ってくれて……」=5月26日(日)「PANCRASE 305」で田村一聖と対戦

2019/05/26 14:05
5月26日(日)に東京・新木場のスタジオコーストで開催される「PANCRASE 305」第8試合 フェザー級戦で、現ランキング5位で元UFC&元PANCRASEフェザー級王者の田村一聖(KRAZY BEE)と、現Rebel FCフェザー級王者の摩嶋一整(毛利道場)が対戦する。 11連勝中、山口県出身の摩嶋は柔道がバックボーン。インターハイ出場経験も持つ摩嶋は毛利道場入門後、DEMOLITION、山口フリーファイト一心杯、グラジエイター等でキャリアを積み、2014年のVTJ大阪大会でジャックナイフツネを相手にスプリット判定で唯一の敗北を喫するが、その後は負けなし。2014年にはアマチュア修斗全日本選手権大会に出場、準決勝で松嶋こよみに敗れたものの3位入賞を果たしている。 その後、2015年にプロ修斗新人王決定トーナメント・ライト級で優勝、2016年9月「闘裸男19」で田中半蔵に判定勝ち。2016年12月にはBORDERで現環太平洋王者TOMAにリアネイキドチョーク(RNC)で一本勝ち(※摩嶋は2.2kg体重超過)も収めている。 2017年の修斗で星野勇二を2R右フックでKOに降すと海外にも挑戦。Kunlun Fight豪州大会でルーク・ジョーンズにRNCで一本勝ち、2018年4月に上海で行われたRebel FC 7では、ACBでも白星を挙げている強豪ホドルフォ・マルケスを相手にRNCで一本勝ちをマークしている。 。直近では地元・山口で開催された闘裸男22で体重超過ながら天草ストロンガー四郎にリアネイキドチョークでタップを奪うなど、3連続チョークでの一本勝ちを収めている。 堀江にKO勝ちした田村一聖vs.田中半蔵に勝利した摩嶋一整。一本勝ち率8割越え、UFC参戦を目指す摩嶋にとっては、ONEのパートナーシップが発表されたPANCRASEで、実力者との試合で結果を残しメジャー行きを狙うのか。 対する田村は一期倶楽部での空手の距離と強打、強い組み力をMMAで融合させ、2015年のPANCRASE参戦から5勝2敗。黒星は2017年3月に現PFLファイターのナザレノ・マレガリエに、2018年9月に中島太一相手に喫した2戦のみ。堀江圭功、鈴木琢仁といった上り調子の若手の大きな壁として立ちはだかっており、13勝1敗の摩嶋一整も止めるか。 大会前日、山口から東京入りし、無事計量をクリアした摩嶋に話を聞くと、対戦相手・田村一聖の所属するKRAZY BEEの総帥・山本“KID”徳郁さんへの熱い想いを語り始めた。 ▼第8試合 フェザー級 5分3R田村一聖(65.55kg/KRAZY BEE/5位/第6代フェザー級K.O.P./12勝9敗)摩嶋一整(65.95kg/毛利道場/現Rebel FCフェザー級王者/12勝(10SUB,1KO)1敗) ──山口県周南市の毛利道場から前日計量当日に東京入りとのこと。減量のさなかに移動もあり大変だったかと思いますが、65.95kgで無事、パスしました。 「5時間ちょっとかかりました。向こうを出るときに1kgオーバーで、落ちるのを願ってきました」 ──最後の代謝で……。 「朝6時くらいの新幹線で、あと1kg、間に合わないので新幹線でも着こんで、着いたら代謝で落ちているかなと思って……無事、落ちていてよかったです」 ──MMA13勝1敗で2014年8月以降11連勝中です。もともとは柔道出身で高校ではインターハイに出る選手だったと。 「はい。3歳くらいから高校3年生までやりました。高校ではインターハイとか国体に出ました」 ──柔道時代はどんなスタイルだったのですか。 「もともと寝技が好きで、柔道より柔術とかを見ていました。DREAMの青木(真也)選手の試合や、青木選手の昔の柔道時代の動画も見て、引き込んでの(腕)十字とかも真似して……試合で相手を何人か折ってしまったこともあります」 ──MMAでの試合では引き込むというより四つからの足技も印象的です。あれも柔道時代から得意としていたのですか。 「あれはどちらかというとMMAを始めてから使うようになって、柔道時代は内股とか全然、得意じゃなかったです(苦笑)。MMAをやっているなかで相手の免疫のこともあり、使えるなと思って癖につきました。上を取るのは、やはりいまのMMAで下になるのはリスキーなので、上を取るようにしています」 ──上を取る、そしてパウンドのなかで足を捌き、バックからのチョークを得意としています。そういえば摩嶋選手はリアネイキドチョークで後ろ手を頭の後ろにあまり巻きませんね。パームトゥパームで極めることが多いのは……。 「見られてますね(笑)。あれは、自分としては後ろで組むよりあの形の方がタイトに絞められるのでそうしています」 ──プロで戦ってからアマチュア修斗全日本選手権に出場や、海外でも戦うなど独特のキャリアを積んでいるように感じます。 「元々総合が好きだったので、近くに毛利道場があるのは知っていて、最初は趣味ぐらいのつもりで軽い気持ちで始めて、やっぱりはまって。キャリアはプロデビューはパンクラスでしたし、海外での試合でも特に戦う場所にこだわりを持っているわけではないです」 ──ホドルフォ・マルケスに一本勝ちにも驚かされました。 「ホドルフォ選手がROAD FCとかACBで活躍している選手とは何も知らなくて……それでもいつものように戦うことができました」 ──今回、元フェザー級王者の田村一聖選手と対戦することになりました。 「元UFCファイターで、PANCRASEでもチャンピオンになっている選手と戦えることはとても光栄です。それに僕はKID選手のファンだったので、KRAZY BEEの田村選手のことは知っていました」 ──KID選手のファンでKRAZY BEEのことも知っていた。 「はい。KID選手が大好きで、修斗で試合をした翌日に個展にも行って、絵も手元にあります」 ──「額少年」名義で絵を描いてましたね。 「個展に行ったら『もしかしたら来るかもしれない』と聞いて、待っていたらKID選手が来て、ほんとうに優しくて、修斗の試合のことも話して、30分以上、ずっと話してくれて……それで『KRAZY BEEの選手と当たらないといいね』って言ってくれて……。だから、亡くなったときはほんとうに何も手につかないくらいショックでした」 ──そのKRAZY BEEのKID選手の愛弟子の田村選手との試合になります。 「やっぱり僕も格闘技をやっていくうちに、UFCに憧れて目指してきているので、相手はKID選手と同じUFCに出ていますし、PANCRASEでもチャンピオンになっていて、本当にすごい経歴の選手で、しかもKRAZY BEEという憧れのチームの選手で、ほんとうにいい選手をPANCRASEさんは当てていただいたなと思っています」 ──田村選手には遠い間合いからの飛び込みなどほかの選手にない動きを持っています。 「そうですね。しかもあんなハードパンチャーとはやったことがないかもしれません。でもまあ、そんなに気にせずに自分の試合をしていきたいと思います。自分のペースで戦えれば」 ──となると、組み技の展開になると思いますが、寝技の強い鈴木琢仁選手を完封するなど、そこも強い選手です。 「そうですね。でも僕も柔道をずっとやってきたので、負けたくないです」 ──今後、PANCRASEでどんな目標を? 「目標を持って戦うというより、ただいい選手との話が来たので戦うだけなんです。ベルトを獲ってやろうとかいうわけではなく、UFCに向かうという過程での1戦です。世界で一番のUFCで戦いたい、そのためにいい選手に勝っていきたいです」
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