フェザー級で堀江、弥益を指名した理由は
RIZIN初のケージで、金網を使った攻防、スリリングな打撃戦を昇侍と繰り広げた萩原は、「思っていた通り男らしい、本当に気持ちいい打ち合いが出来たので、男の真っ向勝負が出来たと思っているので、印象通りいい選手でした」と対戦相手を讃えた。
地元大会のメインをフィニッシュ決着で締めてことを「最高ですね。その一言に尽きます。メインでメインらしい試合が出来たかなと。1R目が終わった時にお客さんが凄い盛り上がっとったのが分かったので、自分もテンション上がりましたね」と笑顔を見せた。
対する昇侍も「悔しいですけど、本当に自分が目指していたメインイベントとしての激しい戦い、会場が沸くような戦いができたことは、すごく良かったかなと思っています」と激闘を振り返ると、「落ち込んでても仕方ないですし、勝とうが負けようが前を向いて自分はリングで戦うこと、観ているファンのために命を賭けてリングに戦うことが使命だと思っているので、前を向いて、これからもリングで戦い続けたいと思います」と、ケージも含めて戦いの場としてリングと表現して、前を向いた。
PANCRASE時代には、後のUFC世界フェザー級王者ジョゼ・アルドとも68kgで戦い判定まで持ち込んでいる昇侍だが、近年はバンタム級(61kg)で戦ってきたのも事実だ。今回の試合が66.0kg契約だったことが、際の部分で影響しなかったと問うと、侍をリングネームに持つ男は一切の言い訳を口にしなかった。
「適正──バンタムでやると、減量のキツさだったり、そこで練習の質が落ちたりするマイナス面もあって、フェザー級になると相手は大きくなりますけど、コンディションとか練習の内容は濃くなったりするので、一概には(言えない)。バンタムは体格だけでもなくて、コンディション的にあまり無理して減量するよりは、自分は戦い続けることを目標にしているので、また大きな相手に挑んでいくという姿勢を見せたいと思っていますし、どんどんフェザー級でもバンダム級でも強い相手と戦っていきたいなと思ってます」
勝者はケージの中で、「今回、大きな怪我無く終われたし、年末ちょっと暇しているんで、全然試合をしたいんで大晦日も待ってます。ホンマは堀江(圭功)選手と試合をしたかったけど、今日、試合をして年末出て出てこないと思うので(※右手を負傷)……ドミネーター選手、大晦日、会社休みでしょう。暇してるんだったら、試合でもして盛り上げましょうよ。オファー待ってます」とかねてから対戦を希望している弥益ドミネーター聡志に対戦を要求した。
そのことについて萩原は、本誌の取材に「やっぱり堀江選手は強いストライカーやし、UFC帰りって肩書きもあるので、試合したかったですね。でも怪我しているみたいなので、楽しみはもうちょっと先に置いておこうかなと思います。それで狙いをサラリーマン(弥益ドミネーター聡志)に変えました。元々、朝倉戦以前からドミネーター選手とやりたかったので、振り出しにじゃないですけれどそこに戻ってまた積み重ねていってやろうかなという意味で。ドミネーター選手が前からやりたいと言っていたので、指名させてもらいました」と語っている。
フェザー級で多くの選手が対戦を嫌うが、元UFCの肩書も持つ堀江、そしてオールラウンダーなドミネーターを指名したところに、MMAファイターとしての萩原の志が見える。その先に見据えるのは、リング上で「必ずやり返す」と誓った朝倉未来へのリヴェンジだ。
「大晦日に出て、年明けも怪我が無かったら出て、とりあえずは朝倉未来選手にリベンジしてベルトを獲りたいと思っています」──萩原はコロナ禍の上半期を取り戻すかのように3カ月で3試合の連戦に向かう。