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2021年9月19日(日)さいたまスーパーアリーナで開催される「Yogibo presents RIZIN.30」メインイベントのバンタム級(61kg)トーナメント2回戦(5分3R)で、朝倉海(トライフォース赤坂)と対戦するアラン“ヒロ”ヤマニハ(ボンサイ柔術)が9月17日、試合前インタビューに応じた。
【写真】18日午前の前日計量では、朝倉は60.90kg。ヤマニハは60.75kgでパスした。
6月の1回戦では、レスラー倉本一真とのタフな削り合いを制し、判定勝利したヤマニハ。同じく1回戦で渡部修斗を1R パウンドアウトした朝倉海との対戦に向け、開口一番「早く戦いたい、試合がしたい」と臨戦態勢であることを語った。
ヤマニハは海について「有名、強い選手。気も強い」と評価も、「でも、同じ人間ね。みんな一緒」と臆することなく語り、「両方アグレッシブ。だからいい試合になる」と、激闘を予告した。
来日当初は、ホベルト・サトシ・ソウザやクレベル・コイケと同じように、日系ブラジル人の“デカセギ”としてスズキの工場で働いた。日本に来てクレベルに誘われて柔術を知り、白帯から青帯までボンサイ柔術に所属。その後、仕事でいったん浜松を離れ、三重で東海ブラジリアン柔術、エクストリーム・バルボーザを経て、茶帯で再びブルテリア・ボンサイ所属となった。
現在は名古屋で務めていたセキュリティの仕事はいったん止めて、バンタム級ジャパンGP優勝に向けて集中しているという。
【写真】BELL WOOD GYMでの出稽古にて。鈴木博昭代表とボンサイ柔術勢(C)Hiroaki Suzuki
豊橋では元SB世界スーパーライト級王者の鈴木博昭代表が主宰するBELL WOOD GYMで、サトシ&クレベルらと出稽古も積んできた。鈴木はヤマニハの打撃について、本誌の取材に「獣のよう」と語る。
「ヒロは自分と体型が似ているから、その長所を活かす動きも授けやすい。ヒロや向かい合った時に、ちょっと獣のような打ち方をしてくるんです。サトシやクレベルと比べてもシンプルにパワーが強くて分かりやすい強さを一番持っている。ボンサイ勢ではありますけど、僕はむしろストライカーだと思っていました。『へえ、柔術黒帯なんだ』と後から知ったぐらい(笑)。以前はTSジムというけっこう荒々しい打撃のジムにいたこともあって、ボンサイ勢では一番ストライカーらしいストライカーだと思います」(鈴木)
ヤマニハも鈴木代表の指導を受け、「相手のスピードがちょうど当たるポイントのタイミングを教えてもらいました」と朝倉対策に自信を見せる。
今回の会見では、セコンドとして帯同したサトシ、クレベルがヤマニハをサポート。サトシは通訳も務めた。6月にクレベルが朝倉未来を三角絞めで極め、失神させての一本勝ちを決めたことから、このマッチアップは、「ボンサイチーム」vs.「朝倉兄弟」のライバル関係を背景に組まれたことが見てとれる。
サトシは、ヤマニハについて、「ちょっとパンチが違う。私はたくさんのライト級の選手とスパーリングをやっているけど、それと比べても彼のパンチは重い。試合のときは一回のミスから、ヒロのパンチが当たれば、KOのチャンスができる」と、その強打を持ってすれば元王者をKO出来る、と“ボンサイ柔術第4の男”の背中を押した。
メインイベントに向け、朝倉海は「RIZINでしか出来ない試合、凶暴な試合が出来たら」と語った。
その言葉を聞いた“小さな野獣”は、目を輝かせながら、しかし落ち着いた口調で、「それはモチベーションになる。私も同じです。ファンが面白いと思う試合になります」と、バイオレントな試合を望むところとした。
勝敗決めるポイントは何か?
「私にとってはいろいろなポイントがあります。パンチでもキックでも投げでも極めでも。だけど私の気持ちは極めです。極めで絶対に勝てます」。