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【UFC】ミドル級3位のキャノニアがガステラムに5R判定勝ち、豪州&NZ渡航制限のなか「アデサニヤやウィテカーを待てない。一文無しだから戦わないと」

2021/08/22 22:08
【UFC】ミドル級3位のキャノニアがガステラムに5R判定勝ち、豪州&NZ渡航制限のなか「アデサニヤやウィテカーを待てない。一文無しだから戦わないと」

(C)Zuffa LLC

 2021年8月21日(日本時間22日)、米国ネヴァダ州ラスベガスの「UFC APEX」にて、「UFC Fight Night: Cannonier vs. Gastelum」が開催された。

 メインイベントのミドル級戦では、3位のキャノニアと、9位のガステラムが対戦した。

 FAA(米国連邦航空局)の職員として働いていたキャノニアは37歳。アラスカでヘビー級タイトルを獲得し、2015年からUFCに参戦。ヘビー級とライトヘビー級で戦い、ヤン・ブラホビッチ、ドミニク・レイエスに敗れるもミドル級に落として3連勝(デヴィッド・ブランチ、アンデウソン・シウバ、ジャック・ハーマンソン)。しかし2020年10月の前戦で、ミドル級1位のロバート・ウィテカーにダウンを奪われての判定負け。今回が再起戦となる。ジョン・クラウチ率いるMMA Lab所属。

 対するガステラムは、レスリングベースの29歳。保釈保証業者として働きながら2010年12月にプロMMAデビュー。TUF 17ミドル級トーナメントで史上最年少(21歳)で優勝。

 2019年4月にUFC世界ミドル級暫定王座決定戦でイスラエル・アデサニヤに5R判定負けで戴冠ならず。以降、1勝4敗と負けが込んでいる。2021年4月の前戦では、パウロ・コスタの代役としてスクランブル出場で1位のロバート・ウィテカーと対戦も5R判定負けとなっている。10th PLANET柔術の紫帯でハファエル・コルデイロ率いるキングスMMAでトレーニングする。

▼ミドル級 5分5R
〇ジャレッド・キャノニア(米国)14勝5敗(UFC7勝5敗)
[判定3-0] ※48-47×3
×ケルヴィン・ガステラム(米国)16勝8敗(UFC11勝8敗)

 1R、サウスポー構えのガステラムに、オーソドックス構えのキャノニアは右ロー。右回りのガステラムは外足を取って右ジャブ、左インロー。

 キャノニアもサウスポー構えにスイッチし、前足で右ハイ。さらにボディストレート、右ハイと上下に散らす。キャノニアの右ハイをブロックしたガステラムは左インローを当て、左右で飛び込み。ともに蹴り合いから遠目の距離でパワーハンドを振る。キャノニアの蹴り足を取ったガステラムがシングルレッグで崩したところでブザー。

 2R、ステップを踏んで右ジャブを突くガステラム。チェンジレベルからシングルレッグに行こうとするが5R戦で深追いせず。キャノニアは右ジャブを出会い頭に当てる。さらに踏み込んで左インローまで繋ぐ。

 左ストレートで飛び込み、さらに左を当てるガステラム! 大崩れはしないキャノニアもサウスポー構えになり左ストレート! キャノニアの右ハイはガステラムがスウェイでかわす。

 3R、右ジャブ、左ボディストレートを狙うガステラム。しかしキャノニアが右にステップしての右フックでダウンを奪取! さらにダブルレッグから金網までドライブ。正対したキャノニアは離れる。互いにブロッキングしたガードの上から叩くと、ガステラムは再びテイクダウンアテンプト。ここも切るキャノニアから詰め、サウスポー構えのガステラムの左をかわして右を狙う。

 4R、左ミドルを突くキャノニア。さらに左で詰めるが、両脇を差して金網に押し込むガステラム。突き放すキャノニアはオーソから右ミドル、右ハイ。ガステラムが顔を空けてワンツーの入りに右ジャブを当てるキャノニア! 尻餅を着いたガステラム。すぐに立ち上がるとキャノニアの蹴りの打ち終わりに左右の蹴りを返す。

 5R、左インローはガステラム。キャノニアはアウトボクシングから、ワンツーの右をヒジで突く。ガステラムはダブルレッグテイクダウン! しかし力を使ったガステラムにすぐに立ち上がるキャノニアが正対し離れる。

 サウスポー構えのガステラムはワンツー右ロー。サークリングするキャノニアを追い、入って来たところにカウンターのダブルレッグもテイクダウンには至らず。左で差して組むが、離れるキャノニアが右ヒザのテンカオを突き刺したところでブザー。

 判定は、3Rに右フックでダウンを奪ったキャノニアが3-0(48-47×3)で勝利。直近5試合中4試合で勝利しているキャノニアは、試合後の会見でタイトルショットに繋がる試合を希望した。

「ケルビンのようなレベルの高い選手と5R戦って勝利するのは、いつも素晴らしいこと。でも、フィニッシュを決められなかったことはあまり嬉しくない」と試合を振り返ったキャノニア。

 2020年10月に元王者ウィテカーに敗れて以来、10カ月間試合から遠ざかっていたこともあり、再びフィイトマネーを得ること、早くタイトルショットに辿り着きたいと話したが、王者アデサニヤと次期王座挑戦者ウィテカーは、新型コロナウイルスにより渡航制限が強化されているとニュージーランドと豪州に滞在しており、UFCのタイトル戦線はやや混沌としている。

 豪州では、デルタ変異株の流行で新規感染者数が1年前に記録したピークを超えており、「感染者ゼロ」を目指していたニュージーランドでもデルタ株の感染拡大が続いており、ロックダウンを延長中だ。

 キャノニアは「本当はパウロ・コスタと対戦予定だったけど、そうはならなかった。一文無しだから、本当に戦わなければならない。アデサニヤやウィテカーが来年まで戦うことはないと思う。ということは、3、4カ月、もしくは半年となるけど、自分はそんなに長くは待てない。願わくば、タイトルショットを獲得したいけど、誰か適当な名前があれば、イエスと言うかもしれない」と語った。

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