デビュー以来無傷の8戦全勝、HIROYAが育てた超新星・龍聖が格闘技界の主役の座を目指す 撮影/安村発
2021年8月22日(日)東京・新宿FACE『SACRED FORCE presents KNOCK OUT-EX vol.4 ~BLACK FIGHT~』のメインイベントで、INNOVATIONフェザー級4位・井上竜太(Hard Worker)を1R2分でTKOに仕留めた龍聖(TRY HARD GYM)。これで戦績を8勝(7KO)無敗とした。
試合後、「ちょっとまだまだかな。新しいことをやり始めたばかりなので簡単にはいかないのかな。ちょっとはやれた。リラックスして、いつもは堅くリキんでいたので。連続KOしてKOを狙っていたのもあるけれど堅くなっていました。足の動き方にも課題がたくさんあったけれど今日は少しは出た。相手はもっと打たれ強いと思っていたけれど リキまずスコーンといけたので」と、堅さがとれたと試合を振り返る龍聖。
「今モチベーションが高くて前の自分とは違うので、満足していないので今日の試合は過程に過ぎない。まずはKNOCK OUTのタイトルをしっかり獲って、RIZIN出場というのもあるし、K-1の選手ともやれる場があるんだったらやりたいと思う。タイトルはしっかり獲るというか、僕しかいないと思うので当然かなと思います」と、KNOCK OUTのタイトルを獲ったら大舞台に乗り込みたいとする。
モチベーションが高くなった理由を聞くと「石井館長は低迷していた日本の格闘技界の人気を取り戻した凄い人。目の付け所はピカイチだと思う。そういう人に“おまえは行ける”と言ってもらって」と、K-1創始者である石井和義・正道会館館長から直々に期待の言葉をかけられたという。
「そう言ってもらって自分の才能が間違っていない自信があります。あとは俺の努力次第。今までは学生でやっていて格闘技の他にも選択肢が多かったけれど、今の俺は格闘家なのでこれに全て懸けているし、負けたら終わりだし、居場所がなくなると思っているところが大きいですね。那須川天心選手はボクシングに行くし、武尊選手は年齢的なこともあって『次は誰なの?』って時に俺の他はいない。
それにTRY HARDっていうジムにおいても大雅さんがいなくなって、看板選手で一番隊長で引っ張ってきた人がいないので、その位置を俺が奪ってやる気持ちがあるし、子供の頃からTRY HARDにいる俺が引っ張っていかないといけない。自分だけじゃなく周りの未来も背負っているのが大きいです」と、自分がこれからの格闘技界を背負っていくとの自覚が芽生えたと説明した。
石井館長は2020年12月の『REBELS』(KNOCK OUTと統合された)でLIVE配信のゲスト解説を務めた際、最も印象に残った選手に龍聖の名をあげ、「あの子は経験を積めば。潜在的な力、体幹も含めて全て持っています。オーラも出ているし。本人も引っ張っていくと自覚しているし、楽しみですね。素質はありますね。ハートも強いし、生意気だし(笑)。魔裟斗、HIROYA、そして彼という流れが来ています。そういうストーリーがありますね。魔裟斗が『いい選手がいますよ』と言って連れてきたのがHIROYAだったし。選手は伸びる環境においてあげないと伸びない。HIROYAはその辺で苦労したから、逆に言えばいいジムの会長になるんじゃないかなと思いますね。龍聖君もそういう環境の中で、これからREBELSで経験を積んで世界に羽ばたく選手になるんじゃないかな。まだ若いですしね」と、ニュースターになると太鼓判を押していた。
また、龍聖が7月に大阪に行った際には正道会館総本部に寄り、石井館長からの指導も受けている。
同じKNOCK OUTで活躍するKNOCK OUT-BLACK スーパーライト級王者・鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)とKNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者・ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)が9月19日(日)さいたまスーパーアリーナ『Yogibo presents RIZIN.30』の出場が決まり、KNOCK OUTからRIZINとのルートが出来たことにより、龍聖がRIZINのリングに上がる可能性も出てきた。
KNOCK OUTのタイトルを獲ったら大晦日のRIZIN出場も狙うかと聞かれた龍聖は、「大晦日のRIZINでHIROYAさんが引退試合をやるなら、HIROYAさんに憧れて始めたので最初で最後の同じ日に試合がしたい。それがストーリーだし、運命なのかなと思います」と、HIROYAのラストマッチがあるのならば同じリングで試合がしたいと語った。