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【UFC】ポイエーがマクレガーにTKO勝ちで3度目対決で勝ち越し、バーンズがトンプソン下し再起、トゥイバサが勝利のシューズ祝杯。オマリーは“グリーンヘッドゾンビ”をTKO=『UFC 264』

2021/07/11 10:07
 2021年7月10日(日本時間11日)、米国ネバダ州ラスベガスのT-モバイルアリーナにて1万6760人の有観客のなか『UFC 264: Poirier vs. McGregor 3』が開催された。  前日計量では、メインイベントのライト級(5分5R)のコナー・マクレガー(アイルランド)が先に登場。ダナ代表とがっちり握手をかわしてからスケールに乗ると、156ポンド(70.76kg)のコールに、肩甲骨を寄せて大きなガッツポーズ。隆起した上半身を披露し、「ウワーーッ」と咆哮した。  対するダスティン・ポイエー(米国)は156ポンド(70.76kg)でパス。スケールの上で歯をむき出しにしてガッツポーズを見せた。  フェイスオフでは前日の会見で、マクレガーがポイエーの足に蹴りを放ったことも踏まえ、中央のダナ・ホワイト代表含め、3人のオフィシャルが構える厳戒態勢のなか、マクレガーはダナ代表の手を払うように左手を高く掲げて見せた。  ジョー・ローガンのインタビューにマクレガーは、「ジョー、俺は、人の厚意を無にする敬意のない人間に、16時間後に報いを受けてもらわなくちゃいけない。だから俺はこの男に命を代償にしてもらう。つまり、こいつはオクタゴンに散る」と完全決着を予告。  余裕の笑みを見せるポイエーは、ローガンから「君は明日の試合フェイバリット(※ポイエーが-125/1.80倍、マクレガーが+105/2.05倍)で、対戦相手は前戦でKOで倒した相手だ。こういった言葉が何を意味する?」と問われ、「何も意味しないね。ただのノイズだ。明日の試合に集中する。応援もブーイングも、すべての歓声に感謝するよ。みんな愛してる。俺は、ルイジアナのラファイエット出身のリアル・ファイターとして、会場にいる若者にエールを送りたいんだ」と呼びかけた。  続けて、最後に「ペイトン・マーフィー、頑張って戦い続けるんだ、君こそ真のファイターだよ、ブラザー」と、ラファイエットで癌に苦しむ少年にエールを送り、ステージを降りた。  前々日会見では、ポイエー家がつくった「グッドファイト財団」との因縁もあり、「オマエの妻は、オマエの旦那だろ? オマエはオクタゴンの中で犬のようにウロウロと逃げ惑うことになる。負け犬の田舎者だ」などと毒づいたマクレガーに対し、ポイエーは、「弱虫だな。アンタのトラッシュトークは以前はもっと面白かったよな。倒したいヤツが目の前にいて、俺はまた、こいつを倒すだけだ」と、シンプルに語っていた。  両者はこれまで2014年9月と2021年1月の2度対戦し、1勝1敗。今回が決着戦となる。  2014年9月の初戦は、マクレガーが左フックをテンプルに当てて、1RパウンドでTKO勝ち。2021年1月の前戦ではアメリカントップチームの名将マイク・ブラウンが授けたカーフキックをポイエーが効かせて、マクレガーを金網に追い詰め左右ラッシュで2R TKO勝ちしている。  記者から、マイク・ブラウンの功績について問われたポイエーは、「彼が自分を“MMAファイター”にしてくれた」と答え、今回も秘策があることを予告。対するマクレガーは、「今回はカーフキックをちゃんとチェック出来る?」と問われ、「それを知りたきゃ、カネを払って観ろ!」と吐き捨て、試合への期待感を煽っている。互いのチームが戦略を練るなか、ポイエーとマクレガーはどんな戦い方を見せるか。  試合速報は以下の通り。 [nextpage] 「UFC 264: Poirier vs. McGregor 3」速報 現地時間2021年7月10日(土)、日本時間11日(日)米国ネバダ州ラスベガス/T-Mobileアリーナ 1万6760人 【メインイベント】 ▼ライト級 5分5R〇ダスティン・ポイエー(米国)156lbs/70.76kg[1R 5分00秒 TKO] ※ドクターストップ×コナー・マクレガー(アイルランド)156lbs/70.76kg  1R、タッチグローブは無し。ともにサウスポー構えから。いきなり左の後ろ蹴りを放つマクレガー。かわすポイエー。さらにマクレガーは後ろ蹴り。左の関節蹴り、ロー。しかし、ポイエーも左カーフキックを当てる!  すぐにスイッチするマクレガー。サウスポーに変えるが、左の打ち合いで勝るのはポイエー! さらにシングルレッグから押し込んで足を変えて右足にシングルレッグ。そこにギロチンチョークはマクレガーも、対角に身体を飛ばして防ぐポイエー!  首を抜いて正対するとマクレガーを寝かせてパウンド&ヒジ。マクレガーも腰に足をつけて下からヒジ! インサイドガードに入れると、ポイエーはパウンド連打! 足を解くマクレガー。ポイエーは左ヒジ連打! マクレガーは蹴り上げからギロチンを狙うも浅い。  立ち上がれないマクレガーは、下からグローブを掴んで打撃。それを嫌ったポイエーが左グローブを引き抜いたところでスタンドに。残り15秒、  身体を放したポイエーはスタンド勝負。左ストレートが交錯すると、マクレガーは着地した左足首を内側を捻り、ダウン! そこにポイエーはパウンドラッシュ! ブザーまでレフェリーは見たが、マクレガーは座り込んだまま左足を指して、立ち上がれないことをアピール。  続行不可能で試合は終わったが、マクレガーは「ドクターストップだよな?」と確認。ポイエーが3度目の戦いでTKO勝ち。直接対決を2勝1敗と勝ち越した。  試合後、ケージに座り込んでわめくマクレガーを見て、ジョー・ローガンのインタビューでポイエーは「何か言っているから聞いてあげたら?」と余裕の表情。  ケージの中で「こいつはクズ野郎だ」と吐き捨てると、ローガンから「アクシデントで試合が終わったが?」と問われ、「最初に足を痛めて骨折したんだろう。僕がチェック(蹴りを防御)したときにそう感じたよ」と、マクレガーが足を捻る前からダメージがあったと指摘。  続けて、「トラッシュトークは無し。『殺す』とか言われたけど、僕は常に変わらない。人としてどうかと思うよ。家族に対してもとんでもないことを言われた。僕の家族は美しい」と、試合前のマクレガーの暴言に苦言を呈した。 「いいパンチも当たって、少し効いたけど、テイクダウンもできた。コナーは蹴り上げのときに僕のグローブに指を入れてきたんだ。(ブーイングに)いいよ、しろよ。オレのケツにキスしろ」と語ると、最後に「ジャスティン・レンやマニー・パッキャオと共同してやっているけど、住まいを必要とする人たちにも協力を。戦っている人たちは真のファイターだ」と、恵まれない人々への募金を呼び掛け、最後はマイク・ブラウンらATT勢と勝利の写真に収まった。  一方、金網に座り込んだまま左足をギプスで巻かれ、ローガンのインタビューに応じたマクレガーは、「この試合はまだ終わっていない」と豪語。  続けてローガンから、ポイエーがダウン前に蹴りをチェック(防御)したときにマクレガーが足にダメージを負ったと指摘したことについて問われ、「チェックじゃねえよ! そんなことあるわけがない! 悔しかったら殴りかかってこい。オマエなんか、こんな形で勝ちを盗みやがって」と最後まで強がって見せた。  また、ライト級王者のシャーウス・オリヴェイラがケージサイドでインタビューを受け、「こんな風にマクレガーが負けるとは想像していなかった。ダスティンおめでとう」とポイエーを祝福すると「こんな結末は見たくないだろうけど、これがMMAだ。どんなことが起きてもおかしくない」と語り、ポイエーとの戦いについて「そうなると思っていた。やるよ。戦争になるだろう」と次期王座戦を見据えた。 【続報】コナー・マクレガーの手術が成功「6週間の松葉杖生活を経て、次のステップに進む」、リアルなライト級戦線とは? [nextpage] 【セミメインイベント】 ▼ウェルター級 5分3R〇ギルバート・バーンズ(ブラジル)170.5lbs/77.34kg[判定3-0] ※29-28×3×スティーブン・トンプソン(米国)170.5lbs/77.34kg  1R、オーソドックス構え。ともにワイドスタンス。圧力をかけ、バーンズが左ミドル。左前手を伸ばすトンプソンの前足にシングルレッグから押し込み、右で差してアゴ下に頭を置き、トンプソンの右手を掴む。  シングルレッグから回してテイクダウンはバーンズ! ハーフガードのトンプソンの左足を4の字に巻き、左で脇差し。右で小手に巻き立ち上がろうとするトンプソンに、右手でパウンドするバーンズ。  立ち上がったトンプソンは突き放し横へ。追うバーンズはスリップすると、そこに右ハイはトンプソン。バーンズもブロックする。ブザー。  2R、長いコンパスから右カーフキックを1発当てるトンプソン。スイッチ。バーンスの右ハイは空振り。トンプソンのサイドキックをバーンスもバックステップでかわす。  サウスポー構えになるトンプソンは左の蹴り、右のサイドキックをブロック上に当てる。オーソから歩いてスイッチして左の蹴りはトンプソン。廻し蹴りもそこにバーンズは右を振り前に。しかしバックステップのトンプソンはジャブを入れる。  右カーフキックはトンプソン! さらにスイッチしてサイドキック。かわすバーンズはトンプソンの左をかわしてシングルレッグも汗で滑り横に抜ける。  前足にシングルレッグから右踵を掴みテイクダウンはバーンズ! 片手を着いて座るトンプソンに、右で差して押し込み左手でパウンドするバーンズに、トンプソンも右手で対抗。金網際で座りながらさながら高山善廣vs.ドン・フライ状態となる。  3R、右のサイドキックで前に出るトンプソン。右で飛び込み、左ハイをブロック上に。カウンターも狙う。右ストレート! 右の後ろ廻し蹴りをヒットさせるトンプソン! バランスを崩したバーンズはシングルレッグから左で差して前に。  金網に押し込みボディロックから外がけで後方に回して自らのヒザ上に乗せてテイクダウン! サイドを奪い背中を着かせるバーンズは細かいパウンド。右手着いたトンプソンの手を手繰り寝かせるバーンズは左手で細かいパウンド3連打!  上体を金網で立てるトンプソンにギロチンチョークも狙うバーンズ。寝て防ぐトンプソンの再びの立ち上がり際に後頭部から背中にかけて鉄槌を連打してブザー。  判定は3-0(29-28×3)でバーンズが勝利。トンプソンは2連勝からの敗北。バーンズは、カマル・ウスマンとの同門対決での敗北から再起を飾り、「ごめんね、なかなかフィニッシュできなくて。みんな盛り上がって。ブーイングでもいいよ」と大観衆に語った。  続けて、サンフォードMMAでキック出身のBellatorファイターのレイモンド・ダニエルズとの練習に触れ、「ダニエルズのおかげでもあるよ。みんなが自分をプッシュしてくれた」と感謝の言葉。さらに、今後の相手について問われ、「誰でもいいよ。マスヴィダルでもネイトでもいい。やろうぜ」と語った。 ◆バーンズ「エドワーズ、ディアス、マスヴィダルの誰かと試合がしたい」 「前戦で敗北している分、今回の勝利はスペシャルなものになったと思う。ゲームプラン通りの試合をすることができたから嬉しいよ。自分の感情に左右されず試合ができればしっかり勝つことができる。作戦通りにリラックスして試合をすれば俺を超えられるウェルター級ファイターはいないはずだ。  キャンプの段階でも準備はバッチリできていたし、試合でもテイクダウンさえ奪えれば試合を制することができると思っていた。今日のような試合はすごく自信に繋がるし、今の俺と試合したいヤツは数少ないはずだ。コルビーも俺との試合を恐れているし、エドワーズも俺と戦いたくない。だったらあとはタイトル戦しかないだろう。次のタイトル戦はコルビーであるべきだ、そこはリスペクトできる。エドワーズ、ディアス、またはマスヴィダルの誰かと試合がしたい」 [nextpage] 【メインカード】 ▼ヘビー級 5分3R〇タイ・トゥイバサ(豪州)263lbs/119.30kg[1R 1分07秒 KO] ※左フック→パウンド×グレッグ・ハーディ(米国)264.5lbs/119.98kg  メインカードのヘビー級戦では、2連勝中のタイ・トゥイバサ(豪州)と再起戦のグレッグ・ハーディ(米国)が対戦した。  ラグビー出身のトゥイバサは、格闘技ではキックがバックボーンで、11勝のうちKO勝利が10回。UFCデビューから3連勝し4戦目でメインを務めた注目選手。元王者のドスサントスに敗れ、その後も連敗したが、2020年10月にステファン・ストルーフに1R KO勝ちを収めると、2021年3月にはハリー・ハンサッカーも1R TKOで復調している。  対するハーディは元NFLトップスター。2020年はヨーガン・デ・カストロに判定勝ち、モーリス・グリーンを2R TKOに下し連勝も、12月の前戦でマルチン・ティブラにパウンドで2R TKO負けを喫している。  1R、右のカーフキックからオーバーハンドを見せるトゥイバサ。そこに右を返すハーディは前へ。左フックで飛び込むが、そこに下がりながら右を当ててカウンターの左フックはトゥイバサ!  崩れ落ちたハーディにトゥイバサはパウンド連打し、レフェリーを呼び込んだ。トゥイバサはケージに駆け上り、いつもの靴に注ぎ込んだビール&ホットソースと思われる勝利の祝杯を一気飲み。このシューイ(shoey)は、自分や他人の履いていた靴を器にしてお酒を飲む行為で、豪州で人気の儀式だ。  ハーディはマルティン・ティブラ戦に続くTKO負けで2連敗。キックをバックボーンに持ち、12勝のうちKO勝利が11回となったトゥイバサはMMA13勝3敗に。3連勝をマークし、母のルーツであるアボリジニの黒と赤と黄色の旗とマウスピースを披露したトゥイバサは、「ラスヴェーガス!(大歓声)みんな、この観客が恋しかったよ、ハーディは打ち合ってくれたよ。トップ10とやりたい。みんなシューズに酒を入れて乾杯しよう!」と絶叫。  その言葉通り、帰りの花道で観客から差し出された靴と酒を次々とがぶ飲み。2階席からも祝福の酒を浴び、ケージを後にした。 ◆トゥイバサ「UFCであと10年は試合できる」 「これが俺にとってUFCで9試合目になる、俺はまだ28歳。まだ俺はUFCであと10年は試合できると思っている。来年にはタイトル戦に出ていたいと思う。今日はハーディーのことを思いっきり殴るつもりで試合に挑んだ。しっかりその目的を果たすことが出来たと思う。ヤツの一発が入った瞬間、確かに一瞬フラついたかもしれないが、しっかりそこで数歩下がって落ち着きを取り戻すことができた。俺は試合を重ねるごとに成長しているし、それだけ努力を重ねていることを分かってほしい。10月くらいにまた試合したいね。息子の誕生日が12月だからその期間は家にいたい」 [nextpage] ▼女子バンタム級→139.5ポンド契約 5分3R〇アイリーン・アルダナ(メキシコ)139.5lbs/63.28kg ※体重超過[1R 4分35秒 TKO] ※左フック→パウンド×ヤナ・クニツカヤ(ロシア)134.5lbs/61.01kg ※アルダナは規定体重をオーバー。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のクニツカヤに報奨金の30%を支払う。  1R、ともにオーソドックス構え。左ミドル。カカト落とし、さらに廻し蹴りから組み付くクニツカヤ。右で差し返すアルダナに左で小手に巻き、クリンチボクシングで右を突く。  しかし、右でクニツカヤに鼻血を出させ、右ボディブローも当てるアルダナ。クニツカヤの左に、アルダナは前手の左フックでダウンを奪うと、中腰からパウンド&ヒジ! さらに足を払いパウンドも足を戻すクニツカヤ。  スペースはあるが、立ちにいかないアルダナ。足を手繰りにいくが、それを潰したアルダナがパウンド連打! クニツカヤが亀になって頭を抱えたままパウンドを受け、レフェリーが間に入った。  1R 4分35秒 TKOで体重超過のアルダナが勝利。クニツカヤは2連勝でストップ。  2020年10月のホーリー・ホルム戦での判定負けから再起を果たしたアルダナは、「すごい相手でした。私の体重超過に試合を受けてくれた相手に感謝したい。こんなことはこれまでになかったし、これからは無いようにします。  いかなる状況でも倒せるように総合的に練習ができるようなチームでやってきました。今日ではなくても明日にはベルトを巻けるかもしれない。一歩、一歩、やっていきます」と語った。 ◆アルダナ「前戦の負けを引きずっている部分があった。この一勝は本当に大きい」「今日の試合ではしっかりファンや関係者にメッセージを伝えたかった。特に前戦では渋い試合をして負けてしまっているからね。しっかり自分の実力を証明して、タイトル戦に向けてアピールをしたかった。前戦の負けを引きずっている部分があったので、この一勝は本当に大きい。このままアクティブに試合を続けていきたい。特に急ぐ必要はないけれど。ランキングトップ5の選手との試合がいいわ」 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇ショーン・オマリー(米国)135.5lbs/61.46kg[3R 4分33秒 TKO] ※スタンド打撃でのレフェリーストップ×クリス・モウティーニョ(米国)135lbs/61.24kg  メインカードの第1試合では、“マクレガー2世”と呼ばれるショーン・オマリー(米国)が登場。オクタゴンデビューとなるクリス・モウティーニョ(米国)と対戦した。  アイルランド系米国人で26歳のスター候補生オマリーは、2020年8月のマルロン・ヴェラ戦で右足を負傷してのダウンでエルボーを浴びてMMA初黒星。  しかし、2021年3月の前戦ではトーマス・アルメイダに3R、カウンターの左でTKO勝ちし再起を遂げている。  当初はベテランのルイス・スモルカと対戦予定だったが、スモルカがブドウ球菌感染症で欠場となり、11日前にUFC初参戦の28歳、MMA9勝4敗のモウティーニョが対戦相手に抜擢された。  1R、ともにサウスポー構えから。オマリーは左カーフキックを当てると、飛び込んでの右ストレートも。左右スイッチするオマリー。追うモウティーニョにオマリーは左ジャブ、右ハイ、サウスポー構えから右ジャブにアゴが上がるモウティーニョだが、追い足は止めない。  なおも詰めるモウティーニョだが、オマリーは右から左フック、左廻し蹴り、左を上下に突き刺し、サンドバック状態に。  追うモウティーニョに下がりながら左ジャブを突くオマリー。モウティーニョも左ローを返すが、的確な打撃はオマリー。モウティーニョもワンツーから右ローまで繋ぎ、詰めるが右のテンカオはオマリー!  右ストレートのダブルでダウンを奪うとハイエルボーのギロチンチョークもブザー。立ち上がるモウティーニョはフラつく。  1Rに89発の打撃で84%を成功させる記録を作ったオマリー。2Rもサウスポー構えから右ジャブのトリプルを当てると、オーソから右ハイもヒット! 詰めるモウティーニョの右は届かない。オマリーは右ミドル、ワンツーから右! モウティーニョは右フックを届かせるが浅い。  ワンツーの右を当てるオマリー。さらに左フック。しかしモウティーニョは動きを止めない。ケージを背に左右にかわすオマリーを詰めて首相撲も突き放すオマリーだが肩で息をする。  3R、コーナーからタイトルマッチのつもりで戦って来い!」と激を飛ばされるオマリー。サウスポー構えから右前蹴りも、モウティーニョは「グリーンヘッドゾンビ」と飛ばれるタフさで前に。  そこにオマリーは右ハイ! 一瞬足が止まるモウティーニョは飛び込んでの前手の右フック! すぐに距離を取り、右ストレート、右ジャブを的確に当てるオマリー。  ワンツースリー、右前蹴り、右のダブルとまとめて当てるオマリー! しかしモウティーニョは顔を赤く染めながら前に。右ミドル、右ジャブ、左ストレートを当て続けるオマリーだが、モウティーニョの前進に場内は沸く。左右から右アッパーを突き上げるオマリーはフィニッシュへ! 打たれながらも前に出るモウティーニョだが、ハーブ・ディーンレフェリーが間に入った。  対戦相手がルイス・スモルカから直前に変わったオマリーだが、3R 4分33秒 TKOで2連勝。  オクタゴンのなかで“シュガー”オマリーは、「11日前のオファーで出てくれたクリスはほんとクソ強かった。彼はUFCデビュー戦で俺と戦ったんだ。あの勇気を称えたい」と、“グリーンヘッドゾンビ”を賞賛。  続けて「ドリブル、ドリブル、サンズのバスケのように勝ちたかった。(モウティーニョのストップに)頭のダメージはあると思う。止めてくれてよかった」とフィニッシュについて語った。  また、コディ・ガーブランド、ピョートル・ヤン、ドミニク・クルーズ、ロブ・フォントの名前を挙げ、「何をやっているのか、俺とやりたいのか」と挑発した。 ◆オマリー「マクレガー級のスーパースターになりたい」 「いい気分だね。かなり上達できた。もっともっとうまくなる。ファンが戻ってきてくれてエキサイティングだった。エネルギーをものすごく感じたよ。  正直なところ、あいつがあんなにタフだなんて思っていなかった。正直ね。11日前だからね。あれだけ何発も受けるなんてすごいと思うよ。あいつが“疲れてきただろ”って言ってきたから、“まーな、疲れたよ”って言ってやったんだ。とにかく顔面を殴り続けた。言いたいことがあれば好きに言えばいい。それでも俺が倒したんだからな。もし俺がすぐにあいつの光を消せば、同じセリフは口にできなかっただろう。戻ってもう一度見てみたい。そうすれば俺が何を言っているのか分かるさ。  俺には夢がある。有名になりたい。コナー・マクレガーのレベルになりたい。スーパースターになるつもりだし、そのためのペースを保っている。今は26歳だ。あと10年はやれる」 [nextpage] 【プレリム】 ▼ウェルター級 5分3R〇マックス・グリフィン(米国)170.5lbs/77.34kg[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×カーロス・コンディット(米国)171lbs/77.56kg  1R、ともにオーソドックス構えから。コンディットの入りに右のカーフキックを連発して効かせるグリフィン。左ストレートでダウンも奪うが、立たせる。コンディットはヒザを返す。2R、左ジャブを当てるグリフィンにコンディットも打撃を返し、イーブンに。手数はグリフィンだが。  3R、スイッチしながら入るコンディット。グリフィンの左ミドルを掴んで詰めるも離れるグリフィンは自身の距離を保ち、ワンツースリーと連打。詰めるコンディットは左ボディから右フックの対角攻撃。さらにダブルレッグも片足立ちで切るグリフィン。右ストレートを当てて金網まで詰めてダブルレッグテイクダウンはグリフィン! 立ち上がりキムラクラッチで後方に回したコンディットだが、ブザー。  判定は3-0でグリフィンが勝利。UFC3連勝を決めた。 ◆グリフィン「自分の部屋でカーロスの試合を見ていた頃を思い出した」※公式コメント「思い描いたような試合ができた。コーチ陣と試合前に話していた通りの試合ができたと思う。相手のテープは一切見ずに試合に挑んだ。まだ俺がヤツのファンだった時の記憶を辿って準備してきた。10年前くらい、自分の部屋でカーロスの試合を見ていた頃を思い出したよ。俺にとってのDream Come Trueだ。カーロスのようなレジェンド相手に勝てて本当に嬉しいし、ホッとしている。これで3連勝だからな、このまま勝ちを重ねてランキングを上げていきたい」 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇ミシェル・ペレイラ・リマ(ブラジル)170.5lbs/77.34kg[判定3-0] ※29-28×3×ニコ・プライス(米国)169.5lbs/76.88kg ◆ペレイラ「最近のMMAはエンターテインメント性に欠ける」「2Rは制したと分かっていた。3R目はどうだったか分からないけど、いい試合だったのは間違いない。この試合でしっかり実力を証明できたと思うし、これでランキング入りできるはずだ。ニコのタフさには驚かされたよ。試合内容も決して簡単な展開ではなかった。次はネイト・ディアスと戦いたい。それよりも先にランキングに食い込んでいきたいね。最近のMMAはエンターテインメント性に欠けると思う。今夜も俺なりにファンを魅了しようと頑張ったよ。ニコもしっかり準備できていたのは感じたが、最終的に勝利できて嬉しい」 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇イリア・トプリア(ジョージア)145.5lbs/66.00kg[1R 4分47秒 KO] ※パウンド×ライアン・ホール(米国)145lbs/65.77kg ◆トプリア「ライアン以上の黒帯たちとスパーリングをしてきた結果」「最高の試合内容だったね。パンチが当たったときは内心すごく嬉しかったんだ。レフェリーに止められた時は『神様ありがとう』と感謝したよ。ライアン・ホールと同じスタイルの黒帯が30人くらい俺のキャンプにはいるんだ、だからライアンの戦略にも驚くことはなかったね。常にライアン以上の黒帯たちとスパーリングをしてきた結果が現れたと思う。ランキングに食い込んでいくのはもちろん大切だけど、俺の本当の目的はチャンピオンになることだ。1年以内にはタイトル戦に出ていたい。次はまた11月か12月に試合したいね」 [nextpage] ▼ミドル級 5分3R〇ドリカス・デュ・プレシ(南アフリカ)185.5lbs/84.14kg[2R 1分41秒 KO] ※右ストレート×トレヴィン・ジャイルズ(米国)185.5lbs/84.14kg ◆デュ・プレシ「俺をプレリムで戦わせたUFCはミスを犯している」「毎試合、状況が変わるのが楽しいね。デビュー戦は試合1週間前に声がかかって、今日はコナーがでるPPVでの試合だ。ただね、俺は前座で戦う格のファイターじゃない。俺をプレリムで戦わせたUFCはミスをおかしている。プレリムで試合するのはこれが最後だ。今日の試合では俺のパンチ力を証明することができたと思う。実力のあるストライカーを右ストレートで沈めることができた。これでファンも俺の実力を理解してくれるだろう。まだUFC2戦目だが、オクタゴン内でも自分らしく試合できるようになってきた。次はランキング20位以内のファイターと戦いたい」 [nextpage] 【アーリープレリム】 ▼女子フライ級 5分3R〇ジェニファー・マイア(ブラジル)125.5lbs/56.93kg[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×ジェシカ・アイ(米国9125.5lbs/56.93kg ◆マイア「3ラウンドをすべて取るには自分の思いをプッシュしないといけない」 「ワレンチナに負けてから、また勝利街道に戻れてとても嬉しい。私のキャリアにとっては大きな意味がある。今回の試合はノックアウトかサブミッションで締めくくれるかと思っていたけど、ジェシカ・アイはとても経験豊富だし、準備もしっかりしていたけど、最終的には望み通りの結果、勝利を手に入れられた。 (カットは)頭突きのせいだと思っていたから、彼女みたいに頭が切れていないといいなと思っていた。でも、それが彼女にとっては悩みになっていただろうから、それを最大に利用して、今回の試合で成長できたと思う。セコンドの情報からすると、私が試合に勝っていたと感じていた。でも、相手のやりたいようにさせちゃいけない。  3ラウンドをすべて取るには自分の思いをプッシュしないといけなかった。それでも、どのラウンドも自分が取ったと思っていた。負けた後の復帰戦としてはとても良かったと思う。まだまだ自分の力をすべて出し切れたとは思っていないけど、自分のパフォーマンスには満足している。 (次戦の相手は)具体的な名前は思いついていないわ。でも、自分よりも上のランキングにいる人とやりたいし、近いうちにまたタイトルに挑戦するチャンスを手に入れられたらいいなと思う」 [nextpage] ▼ミドル級 5分3R〇ブラッド・タバレス(米国)184.5lbs/83.69kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×オマリ・アフメドフ(ロシア)185.5lbs/84.14kg ◆タバレス「ちゃんと判定してもらえてよかった」 「スプリット判定だと聞いてショックだった。正直、持っていかれるかと思った。ちゃんと判定してもらえてよかった。前回の対戦相手とかなり似ていたけど、レスリングの血筋は向こうの方が上だったね。相手はそれを示したと思う。相手の打撃はほとんどを防げた。これがレスリングの醍醐味だし、すべてを受けるわけにはいかない。諦めずに戦い続けないと。まさにそれを実践したんだ。相手が安心してポジションを確保できるようになんてしない。自分が判定するなら、あれをテイクダウンとは言わない。向こうは一度もテイクダウンを取れなかったけど、オマリはタフなやつだし、戦えてよかった。友達ではないけど、試合が終わった今は仲良くなれると思うよ。3Rでフィニッシュするつもりだったけど、オマリは本当にタフなやつだ。潰しきれなかった。全力で打ち込んだんだけどね」 [nextpage] ▼フライ級 5分3R〇ジャルガス・ジュマグロフ(カザフスタン)125.5lbs/56.93kg[1R 2分02秒 ギロチンチョーク]×ジェローム・リベラ(米国)125.5lbs/56.93kg ◆ジュマグロフ「母国の人たちが、みんな朝早くに起きてくれていたから」 「今回の勝利はものすごく興奮している。長く待っていたからね。母国の人たちが、みんな朝早くに起きてくれていたから、きっとみんな喜んでくれていると思う。嬉しいよ。国のため、みんなのための勝利だ。相手が下がっていくように思ったから、サブミッションを狙った。お気に入りの関節技なんだ。ファイトナイト・グローバルでチャンピオンになってからUFCに来た。UFCに来た理由も同じさ。チャンピオンになりたい」 ▼ミドル級 5分3Rフー・ヤオゾン(中国)185.5lbs/84.14kgアレン・アメドフスキー(マケドニア)186lbs/84.37kg※アメドフスキー陣営が新型コロナウィルスのため中止
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