キックボクシング
レポート

【J-NETWORK】ヘビー級王座戦は反則決着で不完全燃焼に、一仁は防衛成功、安達浩平が新王者に

2019/05/06 00:05
2019年5月5日(日)東京・後楽園ホールでJ-NETWORK主催のキックボクシング大会『J-KICK 2019 ~2nd~』が開催された。今大会では3大タイトルマッチが行われた。 ▼第11試合 J-NETWORKヘビー級王座決定戦 3分5R・延長1R〇坂本英則(修実館/同級1位)反則勝ち 4R2分57秒●遊笑(=ゆうや/Y’s grow/同級3位)※坂本が新王座に就く。  ヘビー級王者アレックス・ロバーツが怪我により王座を返上したため、1位・坂本と3位・遊笑が王座を争う。  坂本は2014年のJ-NETWORKヘビー級新人王トーナメントで準優勝し、2017年8月には初のタイトルマッチに挑むもTKO負け。今回2度目の王座獲りに臨む。対する遊笑は空手出身で『サバキ・チャレンジ・スピリット2011』で日本人として初の入賞(+85kg級で銅メダル)を果たした実績を持つ。  両者はこれまで2度対戦しており、過去の対戦成績は1勝1敗。3度目の決着戦がこの王座決定戦となった。  1R序盤から坂本はサウスポーの遊笑に右ミドル、右ロー、右ストレートと右の攻撃を次々と浴びせていく。遊笑はガードをガッチリと固めて蹴りを放っていくが、顔面はもらわずともボディに多くミドルを受けた。  2Rも坂本の右の攻撃が遊笑を捉える。遊笑もこのラウンドからはフックを繰り出していくが、まだガードをがっちり固めてのインローが主体。常に笑みを浮かべているのが何とも不気味だ。  3R、左右フックでラッシュを仕掛けた坂本。遊笑はこれに耐える。遊笑が後ろ廻し蹴りを放つも不発。坂本の右ミドルやローが強烈に決まると、遊笑も徐々に蹴り技で反撃を開始。坂本はラッシュの疲れが見える。  4Rも坂本が右ミドルをクリーンヒットさせるが、遊笑もローとミドルを蹴り返す。遊笑の蹴りが2度ローブローになって2度の中断。蹴りで前に出る遊笑に坂本の右フック、右ミドルが爆音を発して決まる。しかし遊笑のヒザ蹴りがまたもローブローになり、試合は中断。今度は悶絶して仰向けになってしまった坂本が痛みを訴える。  しばらく休憩が与えられたが、坂本は悶絶したまま起き上がることができず、4R残り3秒、レフェリーは試合終了を宣言。ブレイクを命じた後に入ったヒザがローブローになって試合続行不可能になったため坂本の販促勝ちとなった。  ベルトを巻いた坂本は「すいません、メインでやらせてもらってこんな形で終わらせてしまって申し訳ないです。こんな結果では終われないので、遊笑選手とは何度もやっていますがもう一度やらせてください。まだまだ盛り上げていくので応援よろしくお願いします」と、遊笑との完全決着戦を誓った。 ▼第10試合 J-NETWORKフェザー級タイトルマッチ 3分5R〇一仁(真樹ジムAICHI/王者)判定3-0 ※50-47、50-47、50-46●伊仙町典久(BLA‐FREY/J-NETWORKスーパーバンタム級王者・挑戦者)※一仁が防衛に成功。  1R、サウスポーの伊仙町は右ジャブを丁寧に当てていき、右ローを蹴る。一仁は強い左ミドルで応戦し、ローも蹴り返す。  2R、一仁は右ロー&ミドル、右ストレート&ボディと右の攻撃を次々とヒットさせていく。伊仙町はヒジを狙うが、首相撲勝負でも一仁が優勢。時折、打ち合いも見せる伊仙町。  3Rも右の攻撃で前に出る一仁に伊仙町はパンチとヒジで応戦。一仁は首相撲で大きく伊仙町を投げるなど優勢に立ち、強烈な右ミドルで快音を響かせる。  4R、左フックを狙う一仁はパンチから強烈な左ミドルにつなぐ。左ミドルの3連打も繰り出す。伊仙町はジャブ、左ストレートを繰り出すが手数が少なく、首相撲でも一仁の優勢が目立つ。  5R、パンチで勝負に出る伊仙町だが、一仁の右ミドルがカウンターで強烈に決まる。パンチでの打ち合い、首相撲でも一仁が優勢。終盤には右ヒジでカットにも成功する。最後まで抵抗した伊仙町だったが、一仁が相手に1ポイントも与えない完勝で防衛に成功した。  一仁はマイクを持つと「伊仙町選手はスーパーバンタム級のチャンピオンだったので、チャンピオン対決で負けられないって思いで頑張りました。僕がちょっと最近いろいろ悩んでることがあって、減量とか練習とか大変だったんですが自分を奮い立たせて防衛することができました。来年30ですが体力的にも技術的にも今が一番成長しているところだと思います。防衛したので、ワンランク上のKNOCK OUTやWBCムエタイの人たちとやってやりきりたい。残り時間はそんなに長くないと思うんですが、強い選手とやって一生懸命やっていきたいと思います」と、もっと強い相手とやりたいとアピールした。 ▼第9試合 J-NETWORKバンタム級王座決定戦 3分5R・延長1R〇安達浩平(team AKATSUKI/同級1位)KO 延長R1分11秒 ※右ボディブロー●日畑達也(FKD/同級2位)※安達が新王座に就く。本戦の判定は47-49、48-48、48-48  1Rはお互いにローを蹴り合う中、サウスポーの日畑が左のカウンターを当てに行く。安達は構わず右ローを蹴り続け、右ストレートもクリーンヒットさせた。  2R、安達の右インローが強烈に決まり、日畑の足が流れる場面が目立つ。日畑はジャブと左ミドルで応戦し、手数を多く出す。首相撲になると安達がより多くヒザを蹴っていった。  3R、日畑がジャブ、ワンツーで距離をとって左ミドルまでつなぎ、パンチを多く当てていき優勢に。安達は右ローと首相撲に持ち込むが、日畑のアウトボクシングが光った。  4Rも安達の蹴りに日畑はパンチを合わせて連打をまとめる。多く被弾する安達だが、右ローをしつこく蹴っていき右ストレートへつなぐ。さらに首相撲へ持ち込んで日畑を削っていく。  5R、連打をまとめてくる日畑に、安達は右ローを蹴ってしつこく首相撲からのヒザに持ち込む。パンチをリズミカルにヒットさせていく日畑だが、ローを蹴られて身体が泳ぐような場面があり、これがどう判定に響くか。本戦の判定は、ジャッジ1名が日畑を支持したが2名がドローで延長戦へ。  延長でもしつこく首相撲からのヒザ蹴りに持ち込む安達。日畑はパンチを当てに行くが、安達のヒザをもらって明らかなダメージを感じさせてしまう。そこへ安達が一気にラッシュを仕掛け、ロープを背負った日畑に右ボディブローを突き刺す。日畑が崩れ落ち、そのまま立つことができず、安達のKO勝ちとなった。  ベルトを巻いた安達は「キックを始めて8年くらいですが初めてベルトを巻けて嬉しいです。次は他団体の強い選手とやって、代表(良太朗)がベルトを持っているレベルスに行きたいと思います。ベルトを目指します」と、次はレベルスの王座を目指すと宣言した。 ▼第8試合 J-NETWORKライト級王座挑戦者決定戦 3分3R・延長1R〇小磯哲史(TESSAI GYM/同級1位)KO 延長R1分35秒 ※右フック●梅津直輝(エスジム)※小磯が次期挑戦者に決定。本戦の判定は※29-27、28-28、28-28  1R、小磯は右ロー、梅津はジャブを多用。中盤を過ぎると小磯は左ミドル、梅津は右ローも蹴る。  2R、梅津は右ローと右ストレートの波状攻撃で前へ出る。被弾する小磯だが、左右フックを打ち返し、梅津も被弾。お互いのパンチが当たる展開だが、梅津の右が小磯を捉える場面が多かった。  3R、梅津が右ローと右ストレートで前へ出て攻めていき、小磯はボディブローとヒザ蹴りを効かされたか下がる場面が多い。ヒザの連打をもらって絶体絶命の小磯だったが残り45秒、右フックでダウンを奪う。本戦の判定はジャッジ1名が小磯を支持したがドローで延長戦へ。  延長R、梅津のローと右ストレートでグラつく小磯だったが打ち合いになると右のパンチを当てていく。そして梅津が右ローの連打で優勢に立ったと思われたところで小磯が思い切り左右フックを振り回す。その右フックがヒットし、小磯はもんどりうってダウン。レフェリーは即座に小磯のKO勝ちを宣した。 ▼第7試合 フェザー級 3分3R●浜本“キャット”雄大(クロスポイント大泉)判定0-3 ※三者とも27-30〇竹内賢一(Ten Clover Gym)  1R、左右に構えを変えながらミドルで距離をとる竹内に、浜本は踏み込んでの左右フックと左ボディを当てに行く。後半は竹内も右ストレートを伸ばす。  2R、竹内は左右ローを蹴りつつ、蹴りからパンチ、組んでのヒザ蹴りと技をつなげていく。浜本が右フックを打つところに右ヒザを顔面へ突き上げてダウンを奪う。  3R、浜本のパンチにハイキックやヒザを合わせに行く竹内。浜本はヒジでの逆転を狙う。さらにジャブを命中させていく竹内はヒジでのカットに成功。右目の上をカットされた浜本はドクターチェック。再開後、パンチで迫る浜本だが、竹内の蹴りと右ストレートに阻まれ、竹内が大差の判定勝ちを収めた。 ▼第6試合 53kg契約 3分3R●心直(REON Fighting Sports Gym/J-NETWORKフライ級4位)KO 3R1分31秒〇志賀将大(エスジム) ▼第5試合 スーパーバンタム級 3分3R〇MITSURU(WSRフェアテックス三ノ輪) TKO 3R2分42秒 ※右ストレート●リヨン・ウバイ(國土會) ▼第4試合 60kg契約 3分3R ※ヒジ打ち無し△眞斗(キックボクシングジムKIX)ドロー 判定1-1 ※30-29、28-30、29-29△池田洋将(正心会) ▼第3試合 62kg契約 3分3R●雅king(WSRフェアテックス西川口)KO 1R2分46秒 ※右ヒザ蹴り〇佐々木勝海(エスジム) ▼第2試合 ウェルター級 3分3R●滝口幸成(WSRフェアテックス幕張)判定0-2 ※28-30、29-29、28-30〇リヨン・ズバイ(國土會) ▼第1試合 スーパーライト級 3分3R ※ヒジ打ち無し△甲田将大(M-FACTRY)ドロー 判定1-0 ※29-29、30-28、29-29△柴崎“ワンパンマン”亮(team AKATSUKI)
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