2021年6月27日、丸善インテックアリーナにて開催される「RIZIN.29」の第8試合(71.0kg 5分3R ※ヒジあり)で矢地祐介(フリー)と対戦する川名“TENCHO”雄生(北海しゃぶしゃぶ湘南藤沢店)が25日、リモート共同インタビューに応じた。
言っちゃえば、ちょっと浅はかだとは、思いますね
──試合を2日後に控えた現在の心境はいかがでしょうか。
「結構リラックスしていて、緊張するのは試合直前ぐらいなんですよね。やっぱり10年くらい格闘技やてって、それなりに試合前の気持ちの作り方っていうのは、だいぶ慣れてきたかなっていうのは思いますね」
──対戦相手の矢地祐介選手の印象を教えてください。
「そうですね、“崖の下のお祭り男”ということで(笑)、はい、崖の下から這い上がってくるのを自分がまたさらに突き落としてやろうかなと思っていますね。まあ、対戦相手としては……うーん、今回周りの人たちからかなりいいアドバイスをもらっているみたいで、それを今回の試合にどういう風に活かしてくるかなっていうのを、自分もワクワクしている部分もありますね」
──どんな試合展開を予想していますか。
「1Rめの序盤がかなりキーかなと思っていますね。そこでペースを掴んだ人が、ラウンド全般的にペースを握れることができるんじゃないかと思っているので、序盤がかなり鍵かと思っています」
──ところで日本での試合は、2009年5月の「DREAMミドル級王座決定戦」以来となりますが、コンディションはいかがですか。
「……ホナウド・ジャカレイじゃねえよ!」
──東京ドーム大会でホベルト・サトシ・ソウザ選手がライト級王者になりました。どのように見ましたか。
「やっぱりRIZINに参戦している以上、ベルトは目指しているんですけれども、まず前回負けてるんで、今回、しっかり矢地選手に勝って、次、たぶんですけど、久米選手とかチャンピオン対決になったりするのかと、勝手に予想していますけど、それで連勝。今回入れて2、3勝はしないと、(サトシ戦に)たどり着けないかなとは思っていますね。やっぱりチャンピオンらしく、サトシ選手には今後も防衛していてほしいとは思いますよね。自分がそこをおいしく頂こうと思います」
──今回の試合、「1R目序盤がキーになる」と。相手の矢地選手にとって「ペースを掴む」のはどういう状況と考えますか。
「そうですね、自分がやっぱりパンチ主体でスタンド攻めるのは相手も当然研究してくるので、やっぱり距離をおいて戦いたいんじゃないかとは思うんですよね、そこでやっぱり、ジークンドーで培ってきたたあの蹴り技を活かしてくるんじゃないかと思うので、その蹴り技でペースを掴まれると自分が戦いづらいですし、自分が逆に蹴り技を潰して距離を詰めれば自分のペースになりますし、そこは距離のせめぎ合いはあるのかなと思っていますね」
──矢地選手は「別人になった」と言っています。「ブランニューヤッチくん」が見られることにわくわくしていますか。
「そうですね、まあ、あの新しい矢地がどの程度のモンなんのかというわくわく感はありますけども。まー、言うても人間そんな変わらないですからね。こんな、数カ月程度じゃ。すぐボロが出るんじゃないかと読んでますけどね」
──北米PFLでの試合経験もある川名選手ですが、海外から日本、北米と日本での戦い方は変えているのでしょうか。
「全然変えてますね。アメリカ行くまでの戦い方っていうのは、どちらかというと、もうすでに自分が不利な状況からそれを打開していうくという形で、どんどんどんどん自分から、自分のやりたいこと押し付ける形でずっと行っていたんですけど、やっぱり向こうではそれが通用しない。まあアメリカに行ってやっぱり通用しなくなって、このまま一直線に攻めていくだけじゃダメだなという風に思って、次の試合から戦術だったり、組み立て方、試合中の頭の使い方とか駆け引きを、すごい覚えて、練習から駆け引きを意識するような練習に変更しましたね」
──矢地選手は「今まではノリで戦っていたのを戦略的に変えた」と言っていました。
「考えてやっていくんだっていうのを意識し始めてから、たぶん練習やってると思うんですけど、考えるようにしてから試合に最初に挑んだ時とか、やっぱりなかなか難しいのはありますよね。場数踏んで行って試合中どういう風に組み立てていくかとか、試合中に頭の回転させるクセづけとか、やってみないとわからないところがあります。自分もアメリカから帰ってきての初戦とかはやっぱり思った以上に頭が動かなくて、イメージした通りに動けなかったとかありますし、1回や2回、試合でやったくらいじゃ難しいかなとは思いますね。しかも、矢地選手も10年くらい格闘技をずっと同じような感じでやってきて、いきなり考え方変えて、それが試合に出るのかっていうとアヤしいな、とは思いますね。言っちゃえば、ちょっと浅はかだとは、思いますね」
──「序盤が鍵」という中で「距離の勝負」というのは、矢地選手に考えさせないペースで戦うことになりますか?
「序盤に展開をなるべくテンポ良くどんどんどんどん切り替えていくことによって相手もなかなか、イメージ通りには、というか、頭の回転が追いつかないぐらいにはかき乱してやろうかと思っていますね。一回リズム狂ったところから、頭でたてなおすのは相当普段のクセづけっていいますか、やっていないと不可能なので、逆に考えすぎちゃって体動かないよ、という、そういう場面を起こさせてやろうかと思いますね」
──「ブランニューヤッチくん」をお客さんは見られない?
「『矢地あんまり変わってねーんじゃねーか』と言われるような試合を目指すような感じですね」