2019年6月2日(日)兵庫・神戸ワールド記念ホールにて開催される『RIZIN.16』の対戦カード第一弾が、5月1日(水)都内で行われた記者会見で発表された。
RIZIN女子スーパーアトム級トーナメント2017優勝・浅倉カンナ(パラエストラ松戸)と山本美憂(KRAZY BEE/SPIKE 22)の注目の初対決が決定。
浅倉は2017年の「RIZIN女子スーパーアトム級トーナメント」決勝戦でRENAを破り、トーナメント優勝を果たしてRIZIN女子部門のトップに君臨。2018年7月のRENAとの再戦でも返り討ちにして8連勝を飾ったが、昨年大晦日のRIZIN女子スーパーアトム級王座決定戦で浜崎朱加に敗れた。再起戦は今年3月、ホームリングの『DEEP JEWELS』で同団体アトム級王者・前澤智と対戦し、フルマークの判定で完勝を収めている。
山本は女子レスリング世界王者で、リオ五輪出場がかなわなかったことからMMAに転向。42歳にして2016年9月のRIZINでプロデビューしたが、デビュー戦のRENA戦からなかなか勝ち星に恵まれなかった。しかし、グアムのSPIKE22で元PXCバンタム級王者のカイル・アグォンとともにマンツーマンで練習を積むことで、2018年7月の石岡沙織戦からMMAにアジャストし始め、現在3連勝中と波に乗る。2019年4月のQUINTETでは、柔術世界選手権4連覇の湯浅麗歌子に腕十字で敗れたものの、6分18秒におよぶ白熱した展開のなかでグラップリングの進化も見せている。
会見に出席した浅倉は「初の関西でのRIZINに出場できて嬉しく思います。美憂さんはレスリングの頃から(浅倉も幼少時からレスリングを学んでいた)憧れの選手でしたが、遠慮なく倒しに行きます。先日、ジュエルスで勝てたんですが、次はRIZINの舞台で復活できればと思います」と、勇ましく勝利宣言。
「レスリング力とパワーでは美憂さんの方が上だと思っていますが、MMAで戦ったら勝てるんじゃないかと思っています。そこはしっかり作戦を練って挑みます」と、総合力で勝負したいと語り、「タックル取ります。頑張ります」と、レスリングで世界を制した山本にタックルを決めてテイクダウンを奪うと宣言した。
【写真】打撃の成長に加え、強いがぶりとトップコントロールを誇る山本は、同じレスリングベースベースの浅倉にとって危険な相手だ。(C)RIZIN FF
また、会見を欠席した山本からは「再びこの舞台で試合ができることを嬉しく思います。私にとって2019年最初の試合であると同時に新しい元号になって最初の試合になります。新しい時代になりますが、私にはアスリートとして残されている時間はそんなに長くはありません。まだMMAでは新人ですが1試合1試合、意味のある試合をしていきたいと思います。今回の試合は私にとって、とても重要な試合になります。残り1カ月、グアムでしっかりトレーニングして去年以上に進化したパフォーマンスをお見せします」とのコメントが読み上げられた。
浅倉21歳、山本44歳と親子ほど年齢差のある対決だが、MMAでは山本が7戦4勝3敗に対し、浅倉は17戦14勝3敗とキャリアで上回る。同じレスリングをベースに持つ戦いながら、MMAでは組まずに打撃で戦ってもいいし、組んで殴っても、極めてもいい。そして“何でもあり”だからこそ決まるタックルもある。果たして、得意のテイクダウンを決めるのは浅倉か山本か、注目の一戦だ。