2021年4月3日(土・現地時間)タイ南部でムエタイの国際大会『THAI FIGHT:NAN』が開催され、メインイベントでセンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)が驚異の59連勝をマークした。
センチャイはムエタイの殿堂ルンピニースタジアムでスーパーフライ級、バンタム級、スーパーフェザー級、ライト級の4階級を制覇したほか、WMC世界ライト級、WBCムエタイ世界スーパーライト級(ブアカーオと共に最上級のダイヤモンド王座に認定)王座など数多くのタイトルを獲得。ムエマラソンと呼ばれるトーナメントでも多数優勝。ボクシングでも5戦5勝の戦績を収めている。
強すぎるがゆえに同じ階級では対戦相手がおらず、常にハンディマッチ(体重差を付ける)で試合を行い続けており、“ムエタイの神”“ムエタイの生ける伝説”“近代ムエタイの最高傑作”などと呼ばれる。日本には2006年以降10回来日して全勝。
戦績は319勝49敗2敗で現在40歳だが、2014年10月にペットモラコット・ウォー・サンプラパイ(現ONEフェザー級ムエタイ世界王者)にラジャダムナンスタジアムで判定負けを喫して以来、約7年間無敗。
今回、メインイベントで対戦したセス・グランデ(アメリカ)は30歳で44勝5敗2分の戦績。契約体重は68kgで、センチャイ163cm、グランデ167cmだが、体格差はそれ以上に見える。
(写真)飛び二段蹴りを顔面にヒットさせるセンチャイ(THAI FIGHTより) 1R、いきなり左の足払いで転倒させまくるセンチャイ。相手をまるで合気道の達人のように触れた瞬間に崩すのはセンチャイの得意技だ。二段蹴りを顔面にヒットさせ、グランデの返しのパンチは軽々とスウェーでかわす。パンチを寸前でかわしての蹴りを見舞い、その後もコカしまくる。終盤には左ヒジのクリーンヒットでグラつかせ、足払いでコカし、反撃のフックはかわす。
2Rも相手の攻撃は被弾せず、自分のパンチと蹴りを当て、左の足払いでコカしていくセンチャイ。顔面前蹴りからの左ストレートでグラつかせ、ジャブ、右ミドル、そして代名詞である片手倒立してのハイキック=センチャイキックを繰り出す。クリンチしてきた相手にキスをする余裕を見せたかと思うと、左ヒジの連打で顔面を血まみれにしてしまった。
誰の目から見ても勝敗は明らか。判定3-0でセンチャイが勝利し、59連勝目を飾った。2021年4月3日「THAI FIGHT」センチャイの試合は2:13:30辺りから