MMA
インタビュー

【UFC】“黄金のバンタム”の王者ピョートル・ヤン「スターリングは自分の戦い方について来れないだろう」=『UFC 259』三大王座戦

2021/03/05 19:03
 2021年3月6日(日本時間3月7日)、米国ネバダ州ラスベガスの「UFC APEX」にて『UFC 259』が開催される。  UFC世界ライトヘビー級、バンタム級、女子フェザー級の豪華3大タイトルマッチが組まれた今大会の最大の注目は“黄金のバンタム級”で、王者ピョートル・ヤン(ロシア)が、アルジャメイン・スターリング(米国)の挑戦を受け、初防衛戦に臨む。  ロシア連邦のクラスノヤルスク地方ドゥディンカで、中国系ロシア人の父親とロシア人の母親との間に生まれたピョートル・ヤン。小学6年でテコンドーを始め、13歳の時に兄の影響でボクシングにも取り組み、64kg級でスポーツマスターの称号を授与された打撃系アスリートだ。  20歳でMMAトレーニングを始め、タイに移住して2014年からタイガームエタイでムエタイも学び、強い首相撲、ヒジ&ヒザ、こかしも組み合わせた独自のMMAで、ACBバンタム級世界王者に輝いた。  2018年6月の石原夜叉坊戦でオクタゴンデビュー。2020年7月の「UFC 251」でヘンリー・セフードが返上した王座を、かつての練習仲間ジョゼ・アルドと争い、5R TKO勝ちでベルトを獲得した。UFC7連勝中(MMA10連勝中)で今回が初防衛戦となる。  今回、5連勝中で恐るべき極めの強さを誇る挑戦者アルジャメイン・スターリングとの戦いを前に、名門アメリカントップチームに移籍。よりトータルファイターとして磨きをかけてきた。  ファイターになる前はパートタイムで警備の仕事をしていたヤンは、マイク・タイソン、コンスタンチン・チュー、モハメド・アリを尊敬するという。“非情な拳”を持つ王者は、囲み取材で、言葉少なく「自分がより優れていることを見せつけられるだろう」と、自信を語った。 ヤン「彼は組み技をベースとしているけど、こちらもだいぶやってきている」 ──普段の趣味は? 「家族や友人と時間を過ごすのが好きで、外でスポーツをしたりして活発に休暇をとることを好んでいる。冬のスポーツではスキーが好きだね。アジアでは様々なスポーツでたくさんのファンがいて、特に格闘技は人気がある。自分はスポーツ中心のライフスタイルを送っていると言っていいね」 ──2020年7月の前戦では「UFC世界バンタム級王座決定戦」として、かつてノヴァウニオンで共に練習したジョゼ・アルドと対戦し、ベルトを巻きました。どのような感情を抱きましたか。 「2016年にアルドとトレーニングした時、彼のパワーと経験を感じたよ。だけど自分はトレーニングを通して成長し続け、その後、彼を倒すことができた。一緒にトレーニングをした選手と対戦するのはベストではないけど、多くの選手がタイトル戦を待ち望んでいて、自分も目標を持っていたから、それを達成することに集中していたよ」 ──ハビブ・ヌルマゴメドフに続いて、ロシア人として、UFC世界王者となったことにどんな感慨がありますか。 「凄いことだし、UFC王者であることは大きなことだ。ロシア人として王者になったのは厳しいトレーニングの結果だ」 ──王座戦前の舌戦をどう感じていましたか。 「試合前の舌戦は興行の一部で、観客に興味を持ってもらうために大事だ。面白くてファンが気に入れば何も悪いことはないよ」 ──今回のスターリング戦を前にアメリカントップチームに移籍したようですね。 「チームを変えるのは簡単ではないけど、この仕事ではつきものだ。いつどんな状況でも試合に臨む準備をする必要があるからね」(※下の写真はATT。後方に堀口恭司の写真が見える) ──今回の試合が初防衛戦であることについては? 「今はその試合に集中しているし、いつも通り試合の全ての部分に関して準備を進めてきたよ。勝つために健康面など全てのことに注意を払っている。ドミニク・クルーズの記録を破るのが目標なんだ」 ──アルジャメイン・スターリングという相手については? 「彼は組み技をベースとしているけど、こちらもだいぶやってきている。どんな試合になろうとも準備はできているし、防御もカウンターも出来る。だから組み技にも自信を持っているよ。試合中、自分がより優れていることを見せつけられるだろう。プレッシャーをかけ、試合のペースを握る。彼は自分の戦い方について来れないだろう」 ──将来のタイトル防衛については? 「バンタム級は面白いことになっているし強敵ばかりだ。だけど今はタイトルを防衛することだけに集中している。将来のことは試合後に明かすようにするよ」 ──最後にメッセージを。 「試合まであと数日だから何も話す必要はない。ケージに入って勝利を掴みたい」
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