2021年3月21日(日)東京ガーデンシアター『K'FESTA.4 Day.1』に出場する、第2代K-1 WORLD GPライト級王者&初代スーパー・フェザー級王者の卜部功也(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が2月12日(金)東京・祐天寺のALONZA Fitness&Kickboxingにて公開練習を行った。
卜部はスーパーファイトのK-1ライト級3分3R・延長1Rで、蓮實光(パラエストラ栃木)と対戦する、。
卜部は2分1Rのパンチのミット打ちを披露。「ずっと追い込んできて、今日は少し疲れが溜まってます」と苦笑いしながらも、K-1屈指のテクニシャンらしく様々な角度とタイミングでパンチを打ち込んだ。
昨年2月に自らの同ジムをオープン。9月のK-1大阪大会における1年2カ月ぶりの復帰戦で篠原悠人に判定勝利を収め、今年は「勝負できる年」と言い切った。
「ジムを作って、一緒に手伝ってくれてるファイターもいて、ジムの内部の環境や仕組み作りをやってきました。自分自身、どういうペースで試合ができるかも分かってきたので、今年は『勝負できる年』と思ってます」
対戦相手の蓮實光については「警戒してます」という。
「蓮實選手はパワーがあって、頑丈ですし。タフで、対戦する相手にとって嫌なんですけど、それを持っている選手なので、警戒してますね。だからこそ『評価される試合』になるかな、と思ってます。前回、蓮實選手は朝久泰央選手と戦っていますし、ライト級の中の自分の位置づけというか。勝ち方次第ではアピールできるんじゃないかなと思ってます」
功也といえば、対戦相手を細部まで分析することで知られるが、すでに蓮實についても「分析は終わってます」と断言した。
「いろんな試合を見ました。それも過去のことなので1つ情報でしかないんですけど、それプラス、相手も対策をして僕の弱いところを攻めてくるのも想定してます。今は自分の隙をどんどん無くして、自分のスタイルを固めている段階ですけど『こうしたら勝てる』という道すじは見えてます。あと、気持ちが充実していて『今、整ったな』という感じがあるんです。だから強気でいられるかな、と思いますね」
蓮實は、今、流行りのカーフキック(膝から下を蹴るローキック)の使い手。それも功也は研究済みだ。
「元々が柔道ベースと聞いてて、足払い的な蹴り方をしてきますね。インパクトで固めてるので痛みは出るかもしれないですけど、振り切ってはいない。あまり僕のスタイル的には貰わないと思うんですけど、逆に蹴ってきてほしいです(ニッコリ)。どんなものか、受けてみたいです」
総合格闘技に始まり、最近では立ち技の試合でも盛んに使われるカーフキックだが、功也は「1つの技にすぎないです」という。
「カーフキックを蹴るのもタイミングが大事。タイミングが合うから効いてしまうので、タイミングをずらしたり、いろんな対処方法はあると思いますよ。ストレートパンチをよけるのと一緒で、カーフキックも1つの技にすぎない。新しい風には見えてますけど、昔からある技だと思うので。僕は特別視はしてないですし、たとえカーフキックを貰っても、1発当てちゃえばいいや、というくらいです」
現在、功也は30歳。すでにK-1で2階級制覇を達成し、プロ50勝を挙げたが「もうひと山、作りたい」という強い思いがある。
「たとえば、5年前の自分は乗りに乗ってましたし、強かったと思うんです。だけど、今の方が引き出しが多く、集中力を増しているので『5年前の自分』と戦って、勝てる自信があるんですよ。昨年復帰して『あの頃の自分』よりも進化して、もっと上に持っていくには、今しかない、と思いました。時間を無駄に使うと、もうあそこよりも進化した場所にいけない、と。今の考えと、体力と、モチベーションと、すべてがいいバランスでいれるのが今だと思ったんで。ここを踏ん張って、頑張ろう、と思いました」
そのために、自分をより厳しい環境に追い込んでいる。
「今、濱田(堅志)トレーナーにもめちゃくちゃ追い込んで貰ってます。若手の時みたいな練習も大事だと思ってるんで。しごかれてます、地獄です(苦笑)。どうしても周りを気持ちいい人で固めてしまうと、楽をしてしまう。後輩は僕に厳しくも言えないですし、だから、あえて先輩、先生にバシバシ言って貰ってます。そういう意味でも、厳しい環境に自分を置くことは出来ているかな、と思います」
2月9日の対戦カード発表会見で「格闘技業界にケンカを売るつもりでいく」と発言したのは、功也の強い決意の表れだった。
「今年は格闘技界全体も盛り上がっていきそうで、その中で強い自分をアピールして『格闘技界には卜部功也がいる』というところを見せたいです。K-1では若手選手がどんどん出てきていますけど、だからといって譲るつもりもないですし。『やってやる!』っていう気持ちで燃えています。ファイター卜部功也として『もうひと山作りたい』という思いはあるんでイケイケでいきます」
すでにターゲットも定めている。
「チャンピオンは目指したいです。階級も、やり残したことがあるなと思うのは2連敗しているライト級ですね。現王者のゴンナパー・ウィラサクレック選手には負けてますし、やり返したいっていうのはずっと思ってますね。前回はトーナメント(2017年2月、初代ライト級王座決定トーナメント)の一回戦で戦って負けたので、次はタイトルマッチでチャレンジしたいですね。そのためにもアピールしないといけないんですけど、その自信はあります。僕は気持ちが乗れば、負けないと思ってるので」
最後に「今年から選手として、もう1回、極められる環境が整ったのでまた強い卜部功也を見せたいと思ってます。期待していてください」と力強く宣言した。