(C)ゴング格闘技
2020年9月20日(日)東京・大田区産業プラザPIOで開催される『GRACHAN45』の記者会見が7日(月)都内にて行われた。
2019年12月の「GRACHAN42×GLADIATOR 011」で、48歳にしてルクク・ダリを破り戴冠したGRANDウェルター級王者・桜井隆多(R-BLOOD)が、練習中に靭帯を損傷したため、9月20日の大田区大会を欠場。桜井の王座に挑戦予定だった長岡弘樹(総合格闘技道場DOBUITA)が暫定王者に認定された。
規定では、王者の防衛戦期限は1年。しかし、今回、暫定王座に就いた長岡が、桜井との対戦を強く希望したことを受け、2021年の6月に暫定王者・長岡と、正規王者・桜井による王座統一戦が行われることとなった。
桜井は、「この度は自身の怪我により、試合を楽しみにして下さっていた方々、対戦相手の長岡選手、また大会関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。本来は1年以内に防衛戦をしなければベルトを返上する契約ですが、暫定王者になる長岡選手からの要望によりGRACHAN実行委員会で協議いただき、契約を6月大会まで延ばして頂きました。長岡選手、GRACHAN実行委員会の皆様、感謝致します、有難うございます。8日に手術し、しっかりと治してまたベルトを懸けて最高な状態で長岡選手と闘いたいと思います。何卒宜しくお願い致します」と書面にて欠場と手術を報告。
さらに9日には「無事です。有難う御座います。そしてごめんなさい。回復します」と手術の成功と、復活を誓うツイートを投稿している。
また、対する長岡も「昨年次期挑戦権決定戦に勝ち、それからは、この試合に向けて全てかけて準備してきたので、本当に残念です。ただ選手の怪我は誰にでもあることなので、仕方ないと思っています。桜井選手にはしっかり治してもらい、お互いに万全の状態で戦いたいと思います。また今回暫定王者に認定していただき光栄です。岩崎代表に感謝致します。来年統一戦と言う形になりました。自分の全てを賭けて、この試合に挑み必ず桜井選手に勝って正規王者になりたいと思います」と、来年6月の統一戦への意気込みを記している。
阪本洋平「手術を含めて検討。しっかり準備をして、強い選手と対戦したい」
また、同日の会見で、GRACHANフェザー級王者の阪本洋平(T-BLOOD)が王座を返上。GRACHANライト級王者の山本琢也(パラエストラ千葉)が二階級制覇を目指すことが発表された。
2009年5月から11勝1分と11年間無敗の阪本は、2016年5月に宇良健吾を1R KOで破り、GRACHAN初代ライト級王者に。その後、階級を下げて2017年5月に大澤茂樹が持つGRACHANフェザー級王座に挑戦し、2R KO勝利で二階級制覇を果たした。同年9月の原井徹戦も1R TKO勝ちでフェザー級王座初防衛に成功している。
2019年1月には、山本健斗デリカットに1R KO勝利し、修斗初陣も飾っているが、以降、怪我が続き、試合から遠ざかっている。
会見では、岩崎ヒロユキGRACHAN代表が、「契約選手」としての阪本への想い入れを語ると、「阪本選手は怪我で、まだ回復が見込めません。新しい選手も発掘してベルトを回さないといけないので、阪本選手と話をして一度返上してもらうことになりました」と、王座返上の経緯を説明。
阪本は「前回の修斗参戦の直前から手に痺れが出てしまって、それが回復していません。リハビリ、手術を含めて検討しています。引退するわけではないので、しっかり努力してまた準備をして、強い選手と対戦したい気持ちがあるので、これから頑張っていきます。岩崎代表のマネージメントも受けてほんとうに良くして頂いているので、またいろんな面で頑張っていきたいです」と、復帰への想いを語った。
日本のフェザー級戦線では、各王者たちのRIZIN参戦も話題となっているが、RIZINで活躍する朝倉未来(トライフォース赤坂)との試合について問われた阪本は、「対戦した時のことを想定したことはそんなに無いですけど、遠い距離での間合いの駆け引きや、近い距離でも遠い距離の駆け引きを活かす戦術をしっかり持っているので、自分としては近い距離の勝負に持っていかないといけない。強い選手だと思います。しっかり準備して自分をベストな状態に持っていければ、面白い試合になると思います」と自信をのぞかせた。
岩崎代表は「ファンからも『阪本選手(の次戦は)どうですか?』と結構聞かれるので、あまり期待を持たせてもいけないので、(怪我を)公開したんですけど、ただ、本人はやりたいし、お話もいただいているんですけど、出来ないもどかしさがある。そこで手術も検討しているというのが、いまの阪本君の現状です」と、怪我の回復を待つとした。
山本琢也「憧れの阪本選手が返上したベルトは、自分が獲らなきゃいけない」
阪本のフェザー級王座返上を受けて、2つ目の王座を狙うと名乗りを挙げたのが、ライト級王者の山本琢也だ。
山本は2013年の全日本アマチュア修斗選手権優勝者。16名参加のウェルター級トーナメント決勝では、仲山貴志(総合格闘技津田沼道場)を2R、腕十字に極め、優勝を果たしている。
翌2014年にGRACHANでプロデビュー。4戦目で林完にグラウンド状態での反則のヒザ蹴りを当ててしまい敗れるも、2018年9月には岸本泰昭とライト級王座決定戦を戦い、判定勝ちで王座に就いた。2019年12月の前戦「GRACHAN 42 x GLADIATOR 011」では、植田豊をリアネイキドチョークで極めるなど、目下5連勝中だ。
山本は会見で「僕は、阪本選手の冷静に一発で倒せるところに憧れていて、今回、その阪本選手がフェザー級のベルトを返上するということで、そのベルトは自分が獲らなきゃいけないなと思い、僕がフェザー級に落として獲りに行こうと思います」と二階級制覇の意図を語る。
現在は78kgで、フェザー級の65kgに落としたことはまだ無いが、「今は練習できる環境に変わってすごく動けているので、このまま調子を維持してベルトを獲りに行こうかと思っています」と手応えを掴んでいる。
好調の理由は「職場の環境が変わり、いままで試合前の1カ月弱は週に1度のみの練習での準備だったのが、今は週に5日か6日出来るようになったこと。月曜日に津田沼道場、火曜日は津田沼道場の宮崎(直人)さんと練習させてもらって、水曜日はパレストラ千葉、木曜日はT-BLOOD、金曜日がパラエストラ千葉、土曜日はパラエストラ松戸のプロ練習に出ています」と充実の練習環境を明かすと、さらに「阪本選手にも練習を見てもらっているので、自信が凄くあります」と明かした。
12月の植田とのタイトルマッチ前から、山本の練習を見るようになった阪本は、一階級上の王者について「(技術を)教えてもらったことがそんなに無かったのかなと。改善する点が多かった」と、粗削りなまま白星を積み重ねていったと指摘。さらに「試合での勝負強さは持っている。それプラス、格闘技というものを覚えていくとかなりいいと思います」と、伸びしろを語った。
「僕自身が結構、力でやっているように思われるんですけど、自分の中では技術を細かくやっていて、山本君が同じようなタイプなので、基礎からどんどん覚えてくれていると思います」と、阪本は山本の成長に期待を寄せる。
山本も「阪本選手の影響を受けて、自分も大きな舞台で強い選手とやっていきたいという気持ちがすごく出てきました」と、さらなる強豪との対戦を望む。
岩崎代表は、フェザー級王座決定戦を12月大会で予定しているといい、その1人をライト級王者・山本で決定。対戦相手について、「9月大会で発表するつもりです。他団体で連勝している選手で、複数試合契約をかわしています」と、大物の参戦を示唆している。
伊藤空也と獅庵はともに「何が何でもベルト獲る」
9月20日(日)大田区大会では「GRACHANバンタム級王座決定戦」として、伊藤空也(BRAVE)と獅庵(パラエストラ大阪)が対戦する。
GRACHANに参戦して3年目で「念願のタイトルマッチ」にこぎつけたという伊藤は、「何が何でもベルトを獲りにいきます。宮田(和幸)先生には1年半のBRAVE内弟子生活でお世話になっているので、その集大成を試合で出したい」と意気込みを語った。
一方、会見を欠席した獅庵は、コメントを発表。「今回、コロナで大変な時期に大会を開いてくださり、岩崎代表はじめ関係の皆様ありがとうございます。今回、タイトルマッチをやらせてもらうことになり、大変光栄です。必ずベルトを巻いて、GRACHANを盛り上げていけるよう頑張ります。対戦相手の伊藤選手はパンチも蹴りも勢いがあり、組みでも凄くアグレッシブでいい選手です。バチバチの殴り合いで激しい試合になると思います。泥臭くても何でもいいので勝ちにこだわりチャンピオンになります。当日は楽しみにしててください」と、激闘を越えての戴冠を予告している。
GRACHAN45
2020年9月20日(日)大田区産業プラザPIO
開場12:30 開始13:00
▼GRACHANライト級 5分2R
植田 豊(リバーサルジム新宿 MeWe)
小谷直之(ロデオスタイル)
▼GRACHANバンタム級王座決定戦 5分3R
伊藤空也(BRAVE)
獅庵(パラエストラ大阪)
▼GRACHANライト級 5分2R
鈴木一史(リバーサルジム新宿 MeWe/第3代WARDOGライト級王者)
岸本篤史(BRAVE)
▼GRACHANフェザー級 5分2R
拓MAX(TEAM HAMBOLT/第3代WARDOGフェザー級王者)
小島勝志(STYLE PLUS GYM)
▼GRACHANウェルター級 5分2R
竹川光一郎(和術慧舟會トイカツ道場)
川中孝浩(BRAVE)
▼GRACHAN バンタム級 5分2R
高橋謙斗(BRAVE)
今村 豊(宇留野道場)
▼GRACHANフライ級 5分2R
石綱テツオ(ISHITUNA MMA GYM)
宮内拓海(TMC道場)
▼GRACHANライト級 5分2R
阿仁鬼(ススキノマルス)
藤村健悟(フリー)
※下記は本戦終了後開始
▼第9試合 GRACHANウェルター級 Aクラス 3分2R
西村刀(西村道場)
望月貴史(T-BLOOD)
▼第8試合 GRACHANライト級 Aクラス 3分2R
和田健太郎(ストライプル新百合ヶ丘)
為房虎太郎(総合格闘技道場コブラ会)
▼第7試合 GRACHANバンタム級 Aクラス 3分2R
青木一輝(T-BLOOD)
三好真大(BRAVE)
▼第6試合 GRACHANバンタム級 Aクラス 3分2R
椎名渉(総合格闘技津田沼道場)
HARU(キングクラフト宇都宮)
▼第5試合 GRACHANフライ級 Aクラス 3分2R
佐々木 洋(マルワジム横浜)
北 竜也(TEAM TMT)
▼第4試合 GRACHANライト級 Aクラス 3分2R
倉持尚哉(Kizunabasegym)
小貫光慶(T-BLOOD)
▼第3試合 GRACHANバンタム級 Bクラス 3分2R
田中佑樹(teamTMT)
奥野真利(宇留野道場)
▼第2試合 GRACHANライト級 Bクラス 3分2R
中村京一郎(STYLE PLUS GYM)
田中大渡(T-BLOOD)
▼第1試合 GRACHANフェザー級 Bクラス 3分2R
梅原規祥(reversalジム武蔵小杉所プラス)
平田光星(T-BLOOD)
【会見出席者プロフィール】
◆山本琢也
所属:パラエストラ千葉
生年月日:1994年3月8日
出身地:千葉県
身長170cm 体重(通常:85kg 試合時:70.3kg)
タイプ:オーソドックス
得意技:テイクダウン、パウンド
◆阪本洋平
T-BLOOD
生年月日:1986年9月20日
出身地:大阪府大阪狭山市
身長174cm 体重(通常:75kg 試合時:65kg)
タイプ:オーソドックス
得意技:パンチ
◆伊藤空也
所属:禅道会→BRAVE
生年月日:1996年10月7日
出身地:長野県
身長164cm 体重(通常:71kg 試合時:65kg)
タイプ:ストライカー
得意技:ヒジ、フック