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インタビュー

【K-1】沈黙破ったMIOが語る今までとこれから「まずは一発目でしっかり進化したところを見せる」

2020/06/05 03:06
2020年6月1日(月)、女子ファイターのMIOが2019年8月以来となるSNSを更新し、約10カ月の沈黙を破った。  MIOは元シュートボクシング日本女子ミニマム級王者で、シュートボクシング女子軽量級のエースとして活躍したが、2019年7月に突如シュートボクシングからの引退を発表。同年8月24日にはエディオンアリーナ大阪にて開催された『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~日本vs世界・5対5&スペシャル・スーパーファイト in 大阪~』のリング上に現れ、「K-1ファンの皆さん始めまして。この度、K-1への参戦が決定しましたMIOです」とK-1電撃参戦を表明。  その後、表舞台から姿を消していたが、6月1日のSNS投稿でK-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTに所属して練習していることを明かした。この活動再開を受け、さっそくMIOを直撃した。 どうせ辞めるんだったら最後に爪痕を残したい ――お久しぶりですね。6月1日に突然SNSを再開されたので、さっそく取材にお伺いしました。現在はK-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTに所属して練習されているそうですね。 「はい。今はKRESTで練習漬けの毎日を過ごしています」 ――なぜ再出発の地としてKRESTを選ばれたんですか? 「凄く強い選手がいっぱいいるジムじゃないですか。ここなら絶対に強くなれると思いました」 ――今日に至るまでのお話をお聞きしていきたいと思います。話はさかのぼりまして、昨年のK-1大阪大会で電撃参戦を発表しましたね。そこまでに至る経緯を教えてください。 「昨年の夏前くらいに、そろそろ選手を続けるのがキツいなって感じていたんです。練習を頑張れていない、目標もないというような状態で。ジムでこういう人が一緒に練習をしていたら、周りにも迷惑をかけるなって。それでもう辞めようと思ったんです。そろそろ親にも引退を報告しようかなと思っていた時に、どうせ辞めるんだったら最後に爪痕を残したいという想いが湧いてきて、K-1に参戦したいと考えるようになりました」 ――それはモチベーションの低下ですか? 「この先、どこまで行けるんだろうと考えた時に、もうここでは輝けないだろうなって思ってしまったんですね。同じ場所にいたら一生今の位置だし、一生このままだなって行き詰ってしまって。そこで歯を食いしばって頑張れよって思う方もいると思いますし、自分の弱いところだなとも思いますが、環境を変えてみて変われればいいなって思いました」 ――前のジムを辞めてからの行動は早かったんですか? 「いえ、一度大阪の実家に帰りました。練習をやらない時期もありましたね」 ――新たな目標としてK-1のリングに上がるというのは何かきっかけがあったんですか? 「凄く輝いている団体じゃないですか。SNSを見ても盛り上がっていたし。いろいろ妄想した時に、自分がK-1に行ったらどうなるんだろうって考えて。もう自分には需要がないと感じて競技生活を終えようとしていた身なので何とも言えませんが、何か崖っぷちにぶら下がっているところを引き上げてもらえたような気持ちです」 ――K-1にはどのようにしてコンタクトをとったんですか? 「知人を通じてお話をさせていただきました。決断してから動くまでは早かったですね」 ――昨年8月、K-1大阪大会にてリング上で挨拶しましたね。どのような気持ちでしたか? 「試合より緊張しました(笑)。リングに上がる時に『めっちゃ手が震えていたね』と言われましたね。K-1と交わるなんて考えたこともなかったので、なんで私ここにいるんだろうって不思議な感覚になりました」 ――その後、リングから遠ざかっていた時期が続きましたが、どのような気持ちで過ごしていたのですか? 「一度はもう辞めようと思っていたので、凄くいい充電期間になったと思います。もどかしい気持ちはいっぱいありましたが、その時間にいろいろなことを考えました。いろいろな人に感謝しないといけないなとか。一度リセットしたことで練習も凄く楽しくなりました。環境が変わって考える時間になったのでよかったと思っています」 ――早く試合がしたいとは思わなかった? 「大会を見ている内にそういう気持ちが湧くようになりましたね。最近はそういう気持ちも忘れていたくらいで、“また試合か…”と思ってしまっていたくらいで。あのままの気持ちで続けていたら負け始めて、結局ダメになっていたと思うのでリセットしてよかったです」 ――再始動するまでに自主練は続けていたんですか? 「ランニングは常にしていましたが、それだけですね。本格的に練習を再開したのは、東京へ戻ってきてKRESTへ練習に行かせてもらえるようになったくらいからです。気持ちが切り替わってジムを辞める前よりも全然頑張れています」 ――KRESTで練習をしてみてどうですか? 「まず、人数が多いことにビックリしています。クラブ活動みたいな感じで楽しいですね」 ――男子選手ともスパーリングを? 「ガッツリなスパーリングはやっていませんが、マスはやらせてもらっています」 ――スタイル的にいいなと思う選手は? 「私は小さいので武尊選手とか、テクニック的には野杁正明選手ですね。2人を足して割ったようなスタイルで上手くできたらいいなって思っています。テクニックもありつつ、詰めるところはしっかり詰めてというような。K-1には今までと違って組みがないので、近い距離になった時にどこまで攻撃で距離を保ちながらいい攻防が出来るか。自分のスタイルがどう変わるんだろうってワクワクしています。以前はすぐに組んでドロドロの試合をしてしまうタイプだったので(苦笑)。逆にK-1ルールの方がいい試合が出来るんじゃないかな、とも感じています」 [nextpage] 試合は「いつでも大丈夫」、目標は「K-1のベルトを巻きたい」 ――スタイルチェンジは出来つつありますか? 「そうですね。組みが全くないので…と言いつつも、時々癖で蹴り足のキャッチとかやってしまうんですけれど。今までは組んでいた距離でパンチと蹴りをまとめられるかもしれないし、逆に私が倒されるかもしれないし。どうなるのか自分でも楽しみです」 ――K-1ルールにアジャストできる自信は? 「どうなんですかね。私、投げで勝ってきましたからね(笑)。よくいろいろな人にも言われるんです。投げがなくなって大丈夫? って。でもアマチュア時代はK-1ルールに近いルールでやっていたので、そんなに意識することはないかなと思っています。こればかりはやってみないと分からないですけれどね」 ――階級はどうしますか? 「ちょうど48kg(ミニマム級)があるので、今まで通り48kgで行きたいと思います」 ――意識する選手はK-1、Krush内にいますか? 「Krush女子アトム級のベルトを持っている高梨knuckle美穂選手だったり、K-1女子フライ級チャンピオンのKANA選手だったり。特にKANA選手は女子を引っ張っていってくれているので意識はしています」 ――将来的にKANA選手の52kgでやる可能性も? 「いつか筋肉がめっちゃ付いて体重が重くなったら面白いですよね。めっちゃ強いので戦ってみたいとは思います。あれだけ強いと試合を見ていても燃えます。でも現実問題として体重差は厳しいかも」 ――まだミニマム級が本格的にスタートしていないので、どの選手がライバルになるかは分かりませんが、初代王者になる自信はありますか? 「みんな強いですけれど…勝つ自信はもちろんあります。長年やっているので(笑)。しっかりそこは差を見せたいなと思って試合を見ています。でも私が入ることによって、そこまでずば抜けているわけでもないので“MIOなら倒せるわ”って子たちが集まって来てくれればいいなって思います。そうなったらミニマム級が盛り上がって来るんじゃないですかね。実力的にちょうどいいくらいなので(笑)。頑張れば倒せそうじゃないですか。もちろん、私ももっと頑張るので、みんなで盛り上げていけたらなと思います」 ――キャリアでいえば最年長になるんですね(2011年にプロデビューして42戦)。 「私、めちゃめちゃ戦ってますよね。最初はこんなにやるはずじゃなかったんですけれど(笑)」 ――リングネームはどうするんですか? 「MIOのままでいくと思います。でも漢字で『澪』にしようかな…ちょっと考えます」 ――新天地ということで不安よりもワクワク感の方が強い? 「めちゃめちゃワクワク感あります。一発目が大事なので、いろいろちゃんとしないといけませんね」 ――試合に関してはいつでも行けるような状態になっているんですか? 「はい。ずっと練習をしてきたのでいつでも大丈夫だと思います」 ――新しく生まれ変わったMIOを見せられそうですか? 「見せられると思います。見せないといけないですね。本当に、強くなっている気がしています。戦ってみないと分かりませんけれどね。パーソナルにも通って、身体作りもしていこうと思っています」 ――当面の目標は? 「まずは初戦で“魅せる”ということに懸けます。常に試合で魅せることを意識してきたので、まずは一発目でしっかり進化したところを見せて、その先のことはそこから考えます。もちろんベルトしか見てないので欲しいですね。KANA選手のトーナメントを見たんですが、めちゃめちゃカッコ良くて。私もあんなトーナメントを制してK-1のベルトを巻きたいですね」 ――最後に、お待たせしているファンへ向けて一言お願いします。 「多分、いろいろな方が心配してくださっていると思いますが、次にお会いできる時は進化した姿を見せられると思うので、今まで以上に期待していただければと思います」
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