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コラム

【1995年5月の格闘技】ピーター・アーツとアーネスト・ホースト宿命の対決、アーツが3度目で初勝利

2020/05/08 13:05
 1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去5月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。16回目は1995年5月4日、東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された『K-1 GRAND PRIX~20万ドル争奪格闘技世界最強トーナメント~』より、トーナメント準決勝で対戦したピーター・アーツ(オランダ)vsアーネスト・ホースト(オランダ)宿命の対決。  2年前、第1回K-1 GRAND PRIXの1回戦ではホーストが優勝候補だったアーツを判定に破る番狂わせを起こした。いや、番狂わせだと思ったのは当時ホーストが日本ではほぼ無名で、アーツは何度か来日を重ねて試合をしていたからであり、両者はK-1以前にオランダで対戦してその時もホーストが勝っていた。  ホーストの連勝で迎えた3度目の対戦。アーツが1994年K-1王者、ホーストが1993年K-2王者という形での戦いとなった。2年前のK-1でブランコ・シカティックの右ストレートに決勝で敗れたホーストは、体重を93kgにアップして出場。だが、アーツはさらにアップして101kgで今回のトーナメントに臨んでいた。  開始から積極的に仕掛けていったのは、やはり何としても雪辱したいアーツだ。左右のストレートはグングン伸び、右ハイも威力満点。「距離を取って戦ったつもりだが、2R以降はアーツの勢いを止めることができなかった」と試合後にホーストは語っている。  得意のカウンターも思うように決まらず、右ハイ、左フックもホーストにいつもの切れ味は感じられない。アーツはとにかく下がらず前へ出て攻めていく。試合はハイレベルな好勝負となったが、勢いとパワーでアーツ有利は動かない。3分3Rは瞬く間に過ぎていき、本戦は三者三様のドローとなった。  延長R、アーツの進撃をかわしての右ハイに勝負を懸けるホーストだったが、アーツはパワーの差を見せつけるかのように倒れるどころかさらに勢いを増していった。今度はジャッジ三者ともにアーツの積極性を評価し、判定3-0でアーツが勝利。ついにホーストから初勝利をもぎ取り、トーナメント決勝へ勝ち上がった。  なお、ホーストは大会前に右足のスネを負傷していたことが試合後に判明し、また3Rには眉間をカットして流血するアクシデントもあった。敗れたりとはいえ、その実力は改めて評価されるものだった。
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