MMA
コラム

【1998年4月の格闘技】体重差200kg以上、巨漢ヤ―ブローが中野龍雄を圧殺

2020/04/18 12:04
 1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去4月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。31回目は1998年4月26日に横浜アリーナで開催された『SHOOT the SHOOTO』より、ひときわ異彩を放っていた一戦にスポット。  シュートボクシングに修斗が協力して横浜アリーナで開催されたビッグマッチ『SHOOT the SHOOTO』で、明らかに異彩を放つ試合があった。それはエマニュエル・ヤ―ブロー(アメリカ)vs中野龍雄(フリー)のバーリトゥード戦だ。シーザー武志シュートボクシング協会会長の「一般のお客さんも楽しめるカードを第一部で行いたい」との意向から組まれた。  ヤ―ブローは300kgを超える超巨漢で、1994年9月に開催された『UFC 3』に出場して話題となった。バックボーンは「相撲」。無差別級トーナメント1回戦でキース・ハックニーと対戦し、1分59秒でTKOに敗れたが、そのユーモラスなルックスから日本でも話題となっていた。1995年にアマチュアの世界相撲選手権大会無差別級で優勝しており、その後も毎年のように出場。中野と戦う前年の大会にも出場していた。  対する中野は1984年にUWFに入門。新弟子の第一期生として同年8月にプロデビューを飾っている。新生UWF、UWFインターナショナルを経てフリーになり、各団体で活躍。総合格闘技で戦うのは今回が初。  体重差は実に200kg以上。ゴングと同時にヤ―ブローは張り手のラッシュから、いきなり上にのしかかっての圧殺作戦。ヤ―ブローは上四方固めの体勢で中野を抑え込む。リングから転落しかけて同じ体勢でリング中に戻されたが、肉の塊でそのまま中野を窒息状態に追い込み、あっという間にタップを奪った。  試合後、中野は「絶対にめげない。大きな相手とスパーリングを重ねて、再戦したい」と語ったが、ヤ―ブローは2015年12月に51歳で他界。永遠に実現は不可能となった。
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