2020年2月22日(土)静岡・浜松アリーナにて『RIZIN.21』が開催され、第9試合のセミファイナルで、ビクター・ヘンリー(米国)が、金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)に、2R 4分45秒 TKO勝ちした。
試合前に「いまの自分の立ち位置が分かる」と語っていた金原は、試合後に引退を表明。その直前に、ビクターは「厳しい試合を何度も乗り越えてきたような選手だ。これからも乗り越えてくるだろう」とエールを送っていた。
群雄割拠のバンタム級戦線で、ビクターはいかに強豪・金原を下したのか。さらに試合後のリング上で希望したタイトルマッチについても聞いた。
──金原正徳選手との試合を終えた率直な感想からお願いします。
「いまこの瞬間はもちろんすごいハッピーだよ。カネハラという、素晴らしい戦績を残してきた、多くの素晴らしい日本人選手のなかでもナンバーワンのファイターと言われる格闘家と戦い、その試合で自分自身がいいパフォーマンスをしたと思える展開ができたことを光栄に思ってる。これから戻ったらコーチたちと試合の分析をして、自分の向上に繋げていかなくてはいけない」
──試合をしてみて対戦相手の印象は変わりましたか。
「いいや。タフな選手であろうとは分かっていて、その通りだったんだけど、手を動かし続けていって、それを当てにいって最終的に自分の距離を見極めていけば、仕留められる力が自分にある、ということも分かっていたので、的確にそれを実行していったんだ」
──作戦の肝はレンジにあった?
ジョシュ (セコンドとして来日)カネハラを惑わすことだ。リズムとタイミング。相手のリズムを崩すために距離も含め、様々なことを仕掛けていくことだった。
──フィニッシュとなった右のダブルは狙っていた動きでしたか。
「左ボディキックから右を打った後に、すぐに次も行けると思って踏み込んで同じ右を打った。ボクシングコーチのジャマール・アップトゥに感謝したいね」
──ファイターとして、実戦の試合勘というのは簡単にはもどらないものでしょうか。
「イエスでもありノーでもある。カネハラはMMAでは少し間隔があいたけど、KNOCKOUTもQUINTETもやっていたし、それ以上に経験がある。厳しい試合を何度も乗り越えてきたような選手だ。これからも乗り越えてくるだろう(※この後、金原が引退を表明)」
──試合後に望んだタイトル戦はマネル・ケイプとやりたいですか。
「マネル・ケイプに限らず、RIZINに出ているすべてのバンタム級ファイターをチェックしているよ。俺はタイトルが欲しいのであって、それを持ってる奴が誰であるかじゃない。ケイプだろうがジョシュ・バーネットだろうが、自分のママであろうともね。その時ベルトを持ってる人間となら誰とでも対戦するよ。まあ、でもママとやったら、やられちゃうけどさ(笑)」
──今後の展望は?
「いま? 俺の未来? 俺の未来っていうのは、まずニクを食べること。“ヤキニクイチバン”的なところで。そして朝になったら美味しい駅前のデリフランスのパンが食べたい。ほんとはGOGOカレーが好きなんだけど、遠いから諦めるよ」
──ジョシュは前戦を欠場しましたが、また日本で試合を見る機会もありますか。
ジョシュ いつでも。日本は僕のホームだ。常に戦いたいと思っているよ。