キックボクシング
インタビュー

【ONE】元王者ペッダムに挑むMOMOTARO「今年中にはロッタンの持つタイトル戦に辿り着きたい」

2020/01/30 14:01
【ONE】元王者ペッダムに挑むMOMOTARO「今年中にはロッタンの持つタイトル戦に辿り着きたい」

前回のシントンノーイ戦に続き番狂わせを狙うMOMOTARO 

2020年1月31日(金・現地時間)フィリピン・マニラのモールオブアジアアリーナで開催されるONE Championship『ONE:FIRE&FURY』。

 同大会で元ONEキックボクシング・フライ級王者ペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ)と対戦するMOMOTARO(OGUNI-GYM)がインタビューに答えた。

 元WBCムエタイ・インターナショナル・フェザー級王者のMOMOTAROは、3月のONE初参戦でケニー・ズィー(中国)に判定勝ちも、4月に元ルンピニー3階級王者ルーシラー・プーケットトップチーム(タイ)に判定負け。しかし、9月のシントンノーイ・ポーティラックン(タイ)との試合では、41秒KO勝ちの番狂わせを起こした。11月にはホームリングのNJKFで琢磨に3R判定勝ちを収めており、連勝中だ。

 ペッダムは元ONEキックボクシング・フライ級王者。ジョシュ・トナー(豪州)、工藤政英(新宿レフティージム)をKOし、2019年5月にはエリアス・マムーディにテクニカル判定で勝利。ONEキックの同級王座を獲得したが、8月のイリアス・エナッシ(オランダ)との初防衛戦で3R左フックでKO負けし王座陥落している。今回は、ムエタイルールでの試合となり、ボクシンググローブではなく、オープンフィンガーグローブでの戦いとなる。

■自分にはOFGを使う方が合っている

――昨年は5戦して4勝(1KO)1敗でしたが、ご自身にとってどういう1年でした?

「ONEで1敗(4月12日、vsシースラー・パタヤトップチーム)したので全く満足していません。今回今年初戦であり、相手は元ONEのチャンピオンで注目されている試合なので、ここで勝てば名前が広がるチャンスです。絶対に落とせない、絶対に勝ちたい気持ちが強いです」

――試合が近づいてますが、調整はいかがですか?

「練習はしっかりできているので、あとは試合で相手にぶつけるだけですね」


シントンノーイをヒジで追い込むMOMOTARO (C)ONE

――練習ではどういうところを強化してきたのでしょう。

「ペッダムは左の攻撃が凄く強烈な印象があるので、それに対しての対策としてミット打ちでもやってきました。相手はサウスポーですが、自分もサウスポーですし特に苦手意識はないですね。左ミドルをかなり蹴ってくる選手ですが、サウスポー対決でもそれをやってくるかどうか。恐らく蹴ってくると思うので、練習でやってきたことを出せたらいいのかなと思います。練習はOGUNI-GYM以外にも、池袋のBLUE DOG GYMで友尊選手とスパーをしたり、ジムにも来ていただいたりしました」

――今回ONE4戦目で元ONEキックボクシング・フライ級王者ペッダム選手という強豪が当てられるとは予想外でした。

「そうですね。ペッダムは単純に強く、気持ちも強いです。あのロッタンと1勝1敗の戦績がありますし、ONEでの試合では結構倒している試合も多いですよね」

――主催者はどういう意図があってこういうマッチメイクにしたと思いますか?

「ここで勝てばさらに先が広まるマッチメイクだと思うので、僕は何か試されているんでしょうね。この選手にどこまでできるかを思っていただけているのかなと。ペッダムが勝つんじゃないかと思っている人が多いと思いますが、熱いファイトを見せて、そこをひっくり返して勝ちたいですね」


(C)ONE

――ONEでの前戦、9月のシントンノーイ・ポーティラックン戦の見事なKO勝ちは強烈なインパクトでした。

「ベテラン選手に勝つことができましたが、今回のペッダムは現役バリバリですし、元王者なので、僕に対しても主催者は少しは期待しているんじゃないかなと思っています」

――タイ人選手との試合が続くことでやりやすいですか?

「シントンノーイとペッダムは全くタイプの違う選手です。シントンノーイはベテランのうまさ、強さがありますし、ペッダムは若さの勢いもありますよね」

■ONEはまさに鬼ヶ島。リアル桃太郎になって鬼退治

――今回ONE特有のケージでの試合になります。

「僕はリングでもケージでも戦う上でそこまで違いはありませんが、ケージは独特な雰囲気があって最初は怖さがありましたね。ケージだとコーナーがないので詰められることもなく、自分も足を使うスタイルなのでケージの方が動きやすいかなと思います。逆に自分が詰めた時に逃げられるかもしれませんが、気にしたことはありません」

――オープンフィンガーブローブ(以下OFG)を着用しての試合になりますが、通常のボクシンググローブと比べてどうでしょう。

「タイのうまい選手とやるには、OFGを使った方が一発を当てて流れを変えて倒すチャンスが広がるので自分はずっとOFGでやりたいです」


――逆にOFGだと被弾するリスクもあります。

「そうですね。交わし方、防御の仕方も変えないといけない選手も出てくると思いますが、自分の戦い方はガードを固めるタイプではなく、頭を振って足を使って戦うタイプなので自分にはOFGを使う方が合っているのかなと。今までのボクシンググローブを使用しての戦い方と変えるものはありませんでした。あと、自分はポイント制の寸止め空手を幼稚園の頃からやっていて、攻撃をもらわない戦い方がONEでも活きているとも感じますね。僕はムエタイスタイルではなく、変則的なスタイルなのでムエタイ選手と対戦する時には自分に分があると思います」

――ONEに定期的に参戦している健太選手にお話をお伺いしたところ、「首相撲の攻防になった時にタイ人は素手に近いOFGだと相手をコントロールする力が上がってしまうので、タイ人に有利なグローブ」と言われていました。そこを感じたことは?

「3月のONE初戦(vsケニー・ズィー)はキックルールで組みの展開ではブレークが早かったですし、2戦目のシースラー戦は通常のグローブでの試合でした。3戦目のシントンノーイ戦では、相手がそこまで首相撲の展開がなかったので、今回自分の首相撲がどこまで通用するかを楽しみにしてます」

――MOMOTARO選手は国内だと5R制の試合が多いですが、ONEでの3分3R制では戦い方に違いは?

「3R制と5R制では全く戦い方が違ってきます。1R目から見合うことはなく、最初から攻めてしっかりポイントを取らないといけません。後半のラウンドで流すのをうまいのがタイ人なので、自分も最初から攻めて3Rまでしっかり力を出し切れるように戦いたいと思います」


――ペッダム戦をクリアーしてどういう1年にしたいですか?

「この舞台に上がっているからには打倒ロッタンを目指して頑張りたいですね。今年中にはロッタンの持つタイトル戦に辿り着きたいと思います」

――ONEの同階級では、2017年RISEのDOAトーナメント決勝戦で対戦している内藤大樹選手が活躍しています(MOMOTAROが4RTKO負け)。そこは意識してますか?

「ONEで二連勝していているので自分も負けていられないなと。そういう気持ちでお互いに刺激し合って切磋琢磨できたらいいですね。内藤選手よりも自分が先にONEに出ているので、僕が先にタイトルに挑戦します」

――最後に応援してくれるファンにメッセージを。

「今回一発目の相手がかなりの強豪ですが、アップセットを起こして日本の皆さんだけでなく、世界の皆さんを驚かせます。日本のMOMOTAROをせひ覚えてもらいたいですね。ONEは強豪揃いでまさに鬼ヶ島。リアル桃太郎になって鬼退治していきます!」

写真/文=安村発

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