MMA
インタビュー

【RIZIN】朝倉未来「海はここで終わる男じゃない」「夜叉坊とは俺は全然、別にいつでもやってもいい」

2020/01/03 14:01
2019年12月31日(火)さいたまスーパーアリーナにて『RIZIN.20』が開催された。 第12試合では「Bellator×RIZIN 対抗戦 大将戦」として、朝倉未来(トライフォース赤坂)が、Bellatorファイターのジョン・テイシェイラ・マカパ(ブラジル)と対戦。未来はマカパの強打をかわし、グラウンドへの引き込みも防ぐと、サウスポー構えから左のカウンター攻撃を当てて、判定勝利を収めた。 試合後のリング上では、2万人の「未来」コールに、「結構いいのを入れたと思ったんですけど相手は頑丈でした。勝ててよかったです。今年(2019年)全勝で勝てて、今日も歓声がすごかったんで日本の格闘技を盛り上げられてよかったです。テレビで見てくれている皆さん。大晦日に格闘技を見てくれてありがとうございます。いろいろあると思いますけど、いっしょに盛り上げましょう。あと、YouTube、登録してください(笑)」と笑顔で話した未来。 試合後の個別インタビューでは、「まあ、完勝だったかなって感じです」と、マカパ戦を振り返った未来だが、「マジで打たれ強かったですね。普通の人なら3回か4回、いく(倒れる)ところ、30戦で1回くらいしかKOされてないというのが分かるくらい打たれ強かった」と、マカパのタフさを称えた。 作戦は、「相手が柔術黒帯だったのでテイクダウンは全部防いで、打撃なら僕の方がスピードがある」と、得意の打撃で攻めることだったといい、カウンターの精度についても「かなり手ごたえあったんですけど、目が死んでなかったので、打たれ強いなあと」とあらためて、Bellator6勝3敗の強豪との対戦を評しながらも、「普通に打撃とかも全然遅いと思ってましたね、試合中。全部見えるな、と。30戦の中で4敗しかしていなくて負けた相手はトップ選手。その5人目に入れたので、世界のフェザー級と戦っていけるという確信に繋がりました」と、世界と戦う手応えも語っている。 試合前には、かつて無免許運転等により16歳から18歳までの1年4カ月を過ごした少年院(※未来がいた瀬戸少年院とは別の豊ヶ丘学園)を訪れ、在院者の前で講演を行った未来。 基本的に「24時間、私語禁止」という少年院のなかで、「再犯率の高さ」「夢を持つこと」などについて語り合った未来は、今回、特別に許された大晦日RIZINのテレビを視聴した在院者に向けて、「試合で分かるんじゃないかなって思って言わなかったんですけど、僕の夢だった格闘家の姿を見せれたと思うので、それで気づいたことを自分たちの今後の人生に生かしてもらえたらと思います」と、メッセージを送った。 今後の展望については、「今日みたいに格闘技を盛り上げたいんで、面白い相手を用意してもらえれば、どんどん……どんどんっていうか、試合はしていきたいと思います」と、連戦については慎重ながらも、ファイターの面を見せた未来。 お正月の過ごし方を問われ、「酒が飲みたいですね、早く。水抜きしているときにAMAZONでウィスキーを3本買ってしまいました。ストレートで飲みます」と語っていたが、実際に大晦日から一夜明けた元旦は“解禁日”に。その様子をインスタライブで紹介し、試合のこぼれ話と視聴者からの質問にも答えている。 「記者会見やった前日に家にあったウイスキーを飲み干して、そこからずっと止めてたんで、酒がマジうまい」と、11月14日のカード発表会見以降、断酒していたという未来は、試合で披露したちょんまげ姿について、「俺もマジ、ダサイと思ったけど(笑)、髪が長いので勝つことを一番に気合を入れたってことです。ギリギリに決めた。ミット打ちしているときに『髪、邪魔だな』って」と、試合直前にちょんまげ姿にしたことを明かすと、試合のダメージについても「俺、試合したとは思えん顔してるな。唇ちょっと切れたくらい。怪我は無いですね。ちょっと足が痛いくらい。相手のローキックは全然、効いてないです」と、ほぼノーダメージで勝利したことを語っている。 また弟の朝倉海が、未来がセコンドについた試合で初めて負けたことについて、「僕が予想していた最悪の展開になっちゃったなと。ここ2戦はうまくいきすぎていた。堀口戦はカウンターに合わせる手法、こちらから倒したわけじゃないのですが、佐々木憂流迦選手と比べてもマネル・ケイプは目がいいので、向かい合ったときに反応の良さで力んじゃうと思ったので、力まないように言ったのですが、力が入ってしまって相手の攻撃が見えていなかった。自分の攻撃に意識が向いていて、セコンドの声も聞こえていなくて、今日は、悪かったですね、動きが」と、ケイプの反応の良さに力んで攻撃中心になったことだと分析。 また、TKO負けした海の状況については、「さすがに落ち込んでるとは思うけど、そこで終わる男じゃないから」と、復活を信じていることを語った。 2020年について、「オリンピックには興味がない。オリンピックより格闘技を見て。俺は格闘家だから格闘技を広めたい」と語った未来。大晦日の試合後には、高田延彦から「フェザー級を盛り上げる件は?」と問われ、「ああ、全然、連れてきてください」と、強豪との対戦を望むところとしている。 年末にはRIZINの煽りビデオを担当している佐藤大輔氏が、石原夜叉坊(バンタム級)のRIZIN参戦と今春の未来戦を示唆しているが、ファンにその可能性を問われた未来は、「夜叉坊……俺は全然、別にいつでもやってもいい。いま酔っているとか無しに、たぶん、楽勝で勝てると思っている。レベル違うと思っているし、やるならやるし」と、受けて立ち、勝利する自信を語った。 【写真】2019年大晦日の「RIZIN.20」前に中村優作の会見に付き添った夜叉坊 2020年は、2月22日に『RIZIN.21』が静岡・浜松アリーナで開催されることが決定しており、、RIZINの榊原信行CEOは、「軸になる選手がいることが大切。ライト級GPは素晴らしい試合でしたが、日本人選手が軸を担うことができなかったのはどうしてもプロモーションとしても後塵を拝してしまいます。フェザー級か、もう一度バンタム級か。“未来さん”はYouTubeが忙しいので(笑)。今日はご機嫌だったので『浜松に出ろよ』と言いましたが、『カーフキックのダメージで足が痛い』と言いながらもまんざらでもなさそうだったので、新年早々口説きにいこうと思っています」と、浜松から近い豊橋市出身の未来の開幕戦出場を打診済みであることを語っている。 未来はインスタライブで、「もしかしたら試合出るかもしれんけど。出んかったら2月に(オフ会)をやってもいい。500人くらい来るかな」と、試合が無ければオフ会を行うと煙に巻いた。 また、大晦日前には、榊原CEOがUFC史上初の二階級同時王者のコナー・マクレガーとコンタクトを取っていることを明かし、マクレガーがらみの選手の登場も検討されたなか、かねてから対戦したい選手として名前を挙げていた未来は、マクレガーを支持する理由を、「マクレガーはスーパースターでしょ。19歳くらいのときに国から支援を受けてたくらい貧乏だったのに(貧困労働者階級の家庭に生まれ配管工見習いに。2013年4月のUFCデビュー直前まで毎週役場に並んで生活保護を受け取る生活を続けていた)、スポーツ業界で稼いだランキングト10に入ってるから」と説明。 続けて「結局、俺は世界一強い男より、世界一稼いだ男の方が威力的だと思っていて、金を稼ぐやつってすごいと思う。なぜなら自由は金で買えるから。俺は自由を求めてるから金を稼ぐやつは凄いと思っている」と持論を語った。 2月には、初めての本『強者の流儀』~“路上の伝説”が語る成功哲学とは~の出版が決定しているという未来。試合に臨む心境、対人関係のメンタリティーなどについて書かれているという著作の通り、自由を得るための戦いに、未来は勝利することができるか。ファイターとして“世界一稼いだ男”は、“世界一強い男”にもなっていることを知る未来の、ファイターとしての2020年にも注目だ。
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