MMA
インタビュー

【UFC】石原夜叉坊、日本で過ごした5カ月間と米国での日々「アメリカでの2年間は遠回りとも近道とも思ってない。必死でやってきたから今がある」=2月10日(日)『UFC234』でカン・ギョンホと対戦

2019/02/07 02:02
【UFC】石原夜叉坊、日本で過ごした5カ月間と米国での日々「アメリカでの2年間は遠回りとも近道とも思ってない。必死でやってきたから今がある」=2月10日(日)『UFC234』でカン・ギョンホと対戦

(C)WOWOW/GettyImages

2月10日(日)豪州メルボルンのロッド・レーバー アリーナで開催される『UFC234』で、石原夜叉坊が韓国のカン・ギョンホと対戦する。

2015年にUFCと正式契約後、2連続KO勝利で最高の滑り出しを見せた夜叉坊だが、ここ5試合は1勝4敗と黒星が先行。現在2連敗中と苦しい立場に立たされている。

2018年6月のピョートル・ヤン戦以降は、5カ月に渡り日本に残り、格闘技から離れていたという。なぜ夜叉坊は日本での活動を中心とするようになったのか。そして、いかに再びオクタゴンに戻る決意をしたのか。

フィジカルが強く、「世界のアベレージ」だと評価するカン・ギョンホを相手に、夜叉坊はどのように自身の強味を出していくか。負けられない一戦を前に意気込みを聞くと、「負けたら引退すると決めている」という覚悟の言葉が飛び出した。その理由とは?

――『UFC234』のカン・ギョンホ戦まで2週間を切りましたが、コンディションはいかがですか?

「最高ですね。この2年、苦しい思いもしてきて、自分の強い部分も弱い部分もあらためて知りましたし、どこで自分が勝負できるかもわかりました。いい練習もできていますよ」

――石原選手は2年半前から米国に拠点を移しユライア・フェイバー率いる「チーム・アルファメール」で練習してきましたよね。それが今回、日本でトレーニングキャンプを張ろうと決めた理由はなんでしょうか?

「アメリカに一人渡ってやっているときは、『俺がやらなアカン』と思いすぎて、視野が狭くなっていたんです。それが知らないうちにストレスになっていって、いっぱいいっぱいになっていたこともありました。

それが、日本に帰ってきたら、僕のことを昔からよくわかってくれてる仲間が、練習中に日本語で『力抜けよ』『一呼吸置けよ』って言ってくるんです。そのひと言ひと言が、自分の心に大きな余裕を作ってくれました。何より、自分の育った国の言葉で追い込めて、コミュニケーションも取れているので、身体より心のケアができているんです。そのおかけで今はすごく調子がいいですね」

――仲間たちが、試合に向けた心を作ってくれているわけですか。

「はい。みんなが仕上げに協力してくれてます。だから今の僕、強いですよ、ホントに」

――では、昨年6月にピョートル・ヤンに敗れて以降、取り組んできたことは、技術的なことよりメンタル中心ですか?

「ほとんどメンタルですね。心のケアとモチベーションバック。実際、心が充実してきたら、これまでできなかったことが、できたりするようにもなりました。やっぱり、心技体ですね。心に豊かさがないと、自分の可能性すら止めてしまう。今は心がケアできたからこそ、闘いにも戻ってこれたと思ってます」

――ピョートル・ヤン戦のあとは、「自分を信じきれなかった」というコメントもありました。

「信じきれなかったですし、自分と向き合えてもなかったですね。一生懸命やってきたんですが、ただ一生懸命やってた“だけ”という感じで……。アメリカに行って、すごくいい環境で、毎日全力を出しきるっていう練習ができていたけれど、心のどこかでストレス感じてて、自分の世界が小さくなってた。

だから前回、初めてKO負けしたあと、思い切って5カ月間、格闘技から離れたんですよ。その間、必死で遊びまくりました。そうしたら心に余裕ができて、見えなかったものも見えてきた。連敗したあとに遊んでる僕を見て、『夜叉坊、なにやっとんねん。あいつ終わったな』と思った人もいるかも知れないですが、僕はなりたい自分になるために、必要な過程だったと思っています」

――遊びまくることで自分を取り戻した。ただ、現在連敗中ということで後がない立場でもあります。

「自分は後がないとは思ってなくて。そういうネガティブな気持ちは一切ないんですよ。自分の感覚は、みんなには見えないから伝わらないかもしれないですが、すべてがベストの状態なので」

――負けることを考えてないから、崖っぷちとも思っていない、と。

「次はいまUFCと結んでいる契約の最後の試合で、負ければもう次の契約はないでしょうし。そういう状況であることは、もちろんわかっているんですよ。だから、負けたら僕は引退するって決めていますから」

――負けたら引退ですか。

「でも、それは追い込まれて言ってるわけではなくて、それぐらい今回は自信があるし、世界と闘えると思えているので。カン・ギョンホの倒し方次第で再契約もあるでしょうし、やっとその準備ができた感じです。この2年間アメリカに出て、一人で踏ん張って苦しいことしてきましたし、それが今の自分に繋がってると実感しています。だからアメリカでの2年間は、遠回りとも近道とも思ってはないですが、必死でやってきたから、今があると思っています」

――対戦相手のカン・ギョンホについてはどんな印象がありますか?

「ホントに世界のアベレージですよね。世界のトップで闘ってる選手の中で、ちょうど真ん中ぐらい。この選手をいい形で倒せれば、間違いなく世界で闘っていける。でも、これに負けているようなら、もうやらないでいいですし、世界のトップに行けるわけがない。倒しますよ」

――近年、UFCでは日本人選手がなかなか結果を残せておらず、日本人UFCファイターもかなり少なくなってしまいましたが、そういう状況についてどう感じていますか?

「それは日本人が自分らしい闘い方をできていなかったからだと思うんです。でも日本人って、強いですから!(語気を強めて)。そこに自信を持ててないだけで、僕らには僕らのトレーニングの方法があるし、僕らには僕らの闘い方がある。バッチリ、ハメ込めば勝てますよ。それを僕が証明したいし、そこまでたどり着いてると思っています」

――いま、世界に多くのMMAプロモーションがあって、UFC以外を目指す日本人選手も増えてきています。その中で石原選手がUFCにこだわる理由はなんですか?

「だって、UFCが世界一じゃないですか。僕はUFCという舞台に上がって連勝したり、KOしたりして、大金もらって世界が変わった瞬間も見ています。日本では味わえないことも向こうで味わってきた。あれを味わってしまったら、もう抜けられないですよ。だからUFCトップファイターの生活ぶりや遊び方なんかも含めて、日本では見られないことを僕が日本に持って帰ろうと思ってます。そうしたら独壇場ですよね、僕しかいないですから」

――自分が夢を見せると。

「誰もできなかったことをやれるところにいるんですから。僕、こんなに真剣に何かに取り組んだことって、これまでなくて。すごくもがいて、悔しい思いもして、やっと自信を持って、『今の俺がいちばん強い』って言えるようになった。次の試合では、これをぶつけたい。これで無理だったら、先のことなんか考えれないし、それぐらいの自信がありますから。負けたら辞める、それだけ。だから今、生き切ります」

――期待しています。オーストラリアは先日、大坂なおみ選手がテニスの全豪オープンで優勝したばかりですし。

「ぜったい良いエナジーがありますよね。日本人として、大坂なおみさんに続かないと」

――『UFC234』の会場は、大坂選手が優勝した時と同じ、ロッド・レーバー アリーナですからね。

「えっ! 本当ですか!? 今、すごい鳥肌が立ちました。そうしたらKOで勝って、ファイトボーナスをもらって、インタビューで大坂さんに感謝の言葉をいいますよ。『ええ空気作ってくれて、ありがとう!』って。そして大坂さんをデートに誘いたいですね(笑)」(提供=WOWOW、取材/文=堀江ガンツ)

◆WOWOW『UFC-究極格闘技-』放送スケジュール
『生中継! UFC‐究極格闘技‐UFC234 in メルボルン ミドル級王者ウィテカー初防衛なるか!? 2年ぶりのアンデウソン・シウバ復帰戦』
2月10日(日)午後0:00[WOWOWプライム]生中継
WOWOWメンバーズオンデマンドにて同時配信
ゲスト:宇野薫

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.316
2021年9月22日発売
表紙は10.2「RIZIN LANDMARK」で対戦する朝倉未来×萩原京平。創刊35周年企画として「王者たちが選ぶ、魂が震えた名勝負」を78選手が語る! また「コロナ禍のJ-MMA」では各団体代表が登場。
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント

関連する記事