ゴンナパー(左)が約10カ月ぶりの復帰戦で2度目の防衛戦、挑戦者は横山
2020年1月25日(土)東京・後楽園ホール『Krush.110』の対戦カード第一弾が、12月6日(金)都内で行われた記者会見で発表された。
Krushライト級タイトルマッチとして、王者ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ)が横山巧(リーブルロア)の挑戦を受けて2度目の防衛戦に臨む。
ゴンナパーはタイで100戦以上のキャリアを積み、2010年から日本を主戦場に。日本人キラーとして名を馳せ、2016年9月からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2018年4月に佐々木大蔵を下して第5代王座に就き、同年9月には大沢文也の挑戦を退けて初防衛に成功。同年12月のK-1ライト級世界最強決定トーナメントでは1回戦でまさかのKO負けを喫したが、今年3月にリュウ・ウェイを破って復活勝利を挙げた。戦績は105勝(22KO)29敗3分。
その後、父親が亡くなったことからタイへ帰り、家族を支えての生活をしていたが、夏にK-1 JAPAN GROUPに試合ができる状況になったとの連絡があったという。王座防衛期限は9月30日だったが、「他の階級のタイトルマッチがすでに決まっていた部分もあって、ゴンナパーにふさわしい挑戦者を選ぶ中でその選手は他の試合が決まっていたり、防衛戦が組めない状況があったために期限を超えてしまった」と、中村拓己K-1プロデューサーは説明。そのため、ゴンナパーは約10カ月ぶりの試合となる。
挑戦者の横山は空手からキックボクシングに転向し、高校1年生でプロデビュー。スーパー・フェザー級から今年ライト級に階級を上げ、東本央貴と里見柚己に連続KO勝利。今回の挑戦権を手にした。戦績は9勝(6KO)3敗。
会見に出席した横山は「このチャンスをくださった関係者の皆さんありがとうございます。ゴンナパー選手、わざわざ来日してくださってありがとうございます。やっとタイトルマッチが決まって凄く気合いが入っています。1月、一番初めのKrushで僕がチャンピオンになって最高の1年にしたい」と挨拶。
ゴンナパーの印象は「数々の強豪をなぎ倒していますよね。スーパー・ライト級時代に初めて見た時から強かった。特に山崎秀晃選手を倒した時、強いと思いました。ライト級に下げてきて自分も上げて一緒になって、その時はもう王者だったので絶対に戦ってみたい相手でした」と以前から意識していたと言い、「ゴンナパーは強打ですが蹴りも強い。自分はテクニックとスピード、一撃で倒せるパワーと全てを注ぎたい」と、総力戦で挑むとした。
一方、迎え撃つゴンナパーは「私が長い期間リングに上がれなかったことをお詫びしたいと思います。これから一生懸命リング上で戦っていくのでよろしくお願いします」と復帰の挨拶。
この期間は「引退は考えませんでしたが、父が亡くなったので家族の面倒を見ないといけなかった。特に母を元気づけないといけなかったので地元で暮らしていました。でも状況が変わったので全力でいきたいと思います。今後はWSRで、日本で練習をしていきます」という。
実家にいる間は「ランニングしかできなかった」と言うが、「WSRに帰って来てから練習を再開して、いい状態になっています。今後も練習を積んでベルトを守ります」とすでに練習を再開。横山の試合は「見たことがありますが、そこまでしっかりは見ていません。彼が自分と戦いたいと思っていたと聞いて嬉しく思います。確かにスピードはありますが、練習を積んで自分の役割を果たすだけだと考えています」と、横山のスピードは認めるが余裕の笑みを浮かべる。
最後に横山は「ゴンナパー選手は身内に不幸があってやりづらい状況ですが、自分の目標があるのでチャンピオンになって皆さんに恩返しがしたいです」と王座奪取を誓い、ゴンナパーは「皆さん、ぜひ私に応援の声をお送りください。試合までの1カ月しっかり練習して、自分の役割を果たしたい。ファンの皆さんには以前よりもいい戦いを見せたいと思っています」と語った。
なお、今年4月から『Krush』は『K-1 KRUSH FIGHT』、『KHAOS』は『K-1 KHAOS NIGHT』の名称で開催されてきたが、2020年1月より名称を元に戻すことが発表された。これは「各イベントの個性が薄くなる、K-1の下に位置するイベントというイメージをもたれ、選手もK-1へのステップとして捉えるなどのデメリットが生じた」(中村K-1プロデューサー)ためで、ファンからも同じ意見があったという。
「2020年1月から原点に立ち返った形で、新たにブランディングしてイベントを行っていきます。KrushとKHAOSはK-1の下にあるイベントではなく並ぶイベント、違う世界観を作ってファンが喜ぶイベントを目指します。特にKrushはタイトルもある。歴史と重みもある。チャンピオンにはそれを背負って欲しいし、プライドを持って戦っていってもらいたい。K-1の下ではなく並ぶイベントとして独自に展開していきます」と、K-1の下部イベントではなく独立したイベントであることを打ち出していくと説明がされた。
<決定対戦カード>
▼Krushライト級タイトルマッチ 3分3R・延長1R
ゴンナパー・ウィラサクレック(王者/タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)
横山 巧(挑戦者/日本/リーブルロア)
※王者・ゴンナパーは2度目の防衛戦※
▼Krushライト級 3分3R・延長1R
里見柚己(K-1 GYM横浜infinity)
金子大輝(K-1ジム大宮チームレオン)
▼Krushスーパー・フェザー級 3分3R・延長1R
三輪裕樹(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
川口拓真(K-1ジム総本部チームペガサス)
▼Krushスーパー・フェザー級 3分3R
目黒翔大(優弥道場)
鈴木一晴(キックボクシングアカデミーROOTS)
▼Krushスーパー・バンタム級 3分3R
片岡祐嘉(K-1ジム五反田チームキングス)
“狂拳”迅(WIZARDキックボクシングジム)