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【RIZIN】死闘を制した荒東“怪獣キラー”英貴「時が来たら、仕事はします」×長谷川賢「“押し切っちまえ”が出来なかった」&「『ファイトする』ということ」

2026/10/06 15:10
 2026年10月3日(土)長崎スタジアムシティHAPPINESS ARENAにて『RIZIN LANDMARK 16 in NAGASAKI』が開催された。 ▼第3試合 RIZINヘビー級(120.0kg)5分3R〇荒東“怪獣キラー”英貴(パンクラス大阪稲垣組)12勝4敗 119.75kg[判定3-0] ※30-25×3×長谷川 賢(フリー)18勝7敗1分 109.00kg  第3試合のヘビー級(120.0kg)では、元GRACHANヘビー級王者の荒東英貴と、元DEEPメガトン級王者でONEミドル級王座挑戦経験を持つ長谷川賢が対戦。  試合は、序盤はサウスポー構えの長谷川がジャブ、外側からの左ストレートをヒットし攻勢になるも、温存した荒東が1R終盤に長谷川のミドルを掴んで右を当ててダウンを奪うと、以降は荒東のラウンドに。動きが落ちた長谷川も詰めてヒジを当てて押し切ろうとするが、凌いだ荒東がテイクダウンからパウンド。判定3-0(30-25×3)で荒東が勝利した。  試合後、勝者はスタンドで指導を受けている吉鷹弘氏から「『あいつパンチ上手いから見えへんぞ』っていうのを言われとったんで、『ほんなら右ストレート返すぞ』」と被弾を覚悟で右を返して中盤以降に勝負をかけたことを明かした。  また、敗者は「やるんだったらもうちょっと期間をかけてやらなきゃいけないし、ミドル級って適正でやれれば一番いいのかなとも思う。また戻ってくるんだったら何かを変えなきゃ、作り直す必要がある」と、ミドル級に戻すことを示唆。また、自身のXでは、盟友アウンラ・ンサンと名将ヘンリー・フーフトのいるキルクリフFCでの出稽古で再起を目指すプランも語った。 荒東 怪獣キラー 英貴「吉鷹先生に『あいつパンチ上手いから見えへんぞ』って言われとったんで、『ほんなら右ストレート返すぞ』って」 「時は来た──それだけだ」 ──はい、ということで。試合後の率直な感想をお伺いしたいのですが、まだ息が上がっていますね。 「いや、上がってないスよ、上がってない。上がってないスよ。いやね、もう、僕がこの尊敬を持ってした破壊王(橋本真也)のオマージュをこう『何してんねん!』ていう声もあったんですけど、そうじゃなくて、ま、これが破壊王やぞっていう試合ができたかなと思って、それは嬉しく思ってます。はい」 ――長谷川賢選手と実際に戦っていかがでしたか。 「もちろんONEで活躍してた頃から見てたんすけど、やっぱパンチが上手くて、パンチは勝てへんなと思いましたけど、色々皆さんの声も聞こえてたし、先生方の言われたことが“あ、なんかいけそうやな”と思って、いい方向に転がりましたね」 ──判定はかなりの大差で勝利しました。実際に1R、2Rともにフィニッシュするんじゃないかっていうようなシーンもあったんですが、その辺りはご自身でどんな思いで戦っていましたか。 「ま、“これが破壊王だ”っていう思いで、ハイ。やってました」 ──はい。ところどころ何かクスッと笑いが起きていますが……。 「皆さんもっと笑っても大丈夫ですよ。ハイ」 ──とにかくそこはもう、その思いでやっていたということですね。2R終わった時に、もう、2人とも試合終わったんじゃないかっていうぐらい大の字で転がっていました。あの時、先に起きたのは荒東選手でした。次、3Rに切り替えたっていうところだったのですか。 「そうですね。まだフィニッシュできてなかったので、1R、2R終わって“あ、今日フィニッシュできん日や”と思って腹くくってたんで、ちょっとフワってなったけど、北方(大地)さんの声も聞こえてたし、怒られるの分かってたんで、サッと、はい。“もう次行くぞ!”って気持ちは作りました」 ――試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えてください。 「そうですね、えっと……まあ、時が来たら……仕事はします。以上です」 ──破壊王の試合ということですが、序盤に攻められながらもそれを耐えて最後に逆転していくのが、その破壊王イズムということですか? 「はい」 ──今回コスチュームも、横の赤ラインなども破壊王を意識して? 「はい。もちろんス」 ──今回この試合に橋本真也さんを全面に出そうと思ったきっかけは? 「橋本真也さんは、北方さんに『よう似てる』って言われてたんですけど、ハセケンさんの名前出されて『僕、喧嘩します』って言ったら、『もうそれは、橋本真也やな』って言われて“あ、そうやな”と思ってもうそのままやったろうと思ってやらしてもらってます」 ──セコンドからのアドバイスだったんですね。序盤は長谷川選手のジャブを荒東選手が喰らうようなシーンもあったと思います。ダメージっていうのはどうでしたか。 「“ハエ止まったんかな”思ったんで、全然、全く問題なかったです」 ──そこは、打たせた? 「打たせてとか、別に触られたけど何も思ってないんで全く、はい。別に下がってもないし、ディフェンスもしてたし。ま、でもやっぱ、ボクシング上手いんで“見えづらいところからは打ってきてんな”と思って。まあ、それだけだったんで。ホンマに顔は何もなってないスね」 ──逆に、大差の判定だからこそフィニッシュを見たかったファンも多かったと思います。 「そうです。僕がもうちょっとフィニッシュに向けて頑張れ……うん。ま、僕は、そうですね。ま『破壊なくして創造なし、KOなし』ですね」 ──そこまで言うんだったら、入場曲も『爆勝宣言』にして欲しかったのですが。 「うん……(黙って空手の十字を切る)」 ──権利の問題ですか? 「すいません。僕の忘れです。すいません。RIZINさん悪くないです、僕です。すいません。ハイ」 ──試合後のマイクで「自分の試合が無料放送」だと。 「はい。無料放送は3枠──」 ──無料放送は、2枠で。 (黙って十字を切る) ──PPVを買った方が観ていました。 「(セコンドから「ちゃんとお礼を」)ありがとうござました、皆さん買っていただいてありがとうございます」 ──対戦相手の長谷川選手が試合前にSNSで結構色々発信して、荒東選手よりも酒井リョウ選手と結構やり合っていました。対戦する立場として正直どのように感じていましたか。 「あ、なんかホザいてんなーと思ったんですけど。なんか長谷川選手、こうよくも悪くもサービス精神あるか知らんけど、長谷川選手の偽アカみたいなヤツも、エラいはしゃいでいて。なんかその、長谷川選手は僕、存じ上げてるから全然そのスタンスで来られてバカにされても腐されても、僕と長谷川選手の喧嘩なんで、試合だから別良かったんですけど、そいつも腐してきて、“ああなんかそれはダルいな”と思って、僕はそこをもう一歩引いたんですよね。僕のファンの方知ってる、僕の近くにJってやつがおるんですけど、なんかそいつも色々言うてきたんですけど、それ全然いいんですけど、“なんかこのやり取り乗ってもしゃあないな”と思って僕はあんまSNSはもうXは参加せんとこうと思いました。見てて」 ──一線を引いて。 「別に宣伝はするけど、もうそこのやり取りはキャッチボールせんでええなと思いましたね」 ──RIZINで言うとこ、なかなかヘビー級の展開が作りにくかったり、選手も少なかったりもありますが、次戦について「時が来たら」と。ご自身としてはどのくらいでその時が来そうだとか、時が来て欲しいと思いますか。 「いやもうね、ピチピチでもないんで。ま、焦ってもないですし、ほんまもう、RIZINさんが欲してくれたらいつでも。備えはもちろん、ずっと備える気なんで、ちょっとダメージ抜いたら、練習しないとかそういうことではないんで。練習していつでも行ける状態にしておこうと思います」 ──今回、長谷川選手は右利きサウスポーなので、ちょっと半身に構えていた気がしたのですけれど、やっぱりちょっと、右の外側からのフックとかストレートとか喰らっているように見えて、さっき「全然効いてなかった」と言っていましたが、そこは想定外だったのか、思ったより、相手が上手かったのでしょうか。 「上手いの知ってたんで、上手いんですけど別に想定内。何もびっくりすることなく、“ま、こんな選手だよな”と思ってやってました、はい」 ──随所に崩しとかブロッキングとか、やっぱりちょっと吉鷹弘さん的な細かいテクニックが見えたのですが、そこは影響されていたり、練習をしていますか? 「そうですね。吉鷹先生に『あいつパンチ上手いから見えへんぞ』っていうのを言われとったんで、『ほんなら右ストレート返すぞ』って言われとったんで、もうそれをしんどい時はそれだけやろうと思ってました」 ──なるほど。三日月蹴りみたいなミドルを狙ってるように見えたのですが、そこはちょっと圧力で不発というか。でもある程度効果的だったと思うんですけども、そこはどう感じていますか? 「そうですね。僕あの左三日月、結構入ってたんで、僕は良かったと思ったんですけど、やっぱ長谷川選手、タフでしたね」 [nextpage] 長谷川賢「僕のスタミナが削れるまで待たれた」「適正のミドル級でやれれば一番いいのかなとも思う」 ――長谷川選手、試合を終えた率直な感想をお聞かせいただけますか。 「いや、もう『情けない』しかないすよね、はい。いや、情けないのと……ああ、そうっスね。結果聞いてすぐ荒東君を讃えないで帰ったのはちょっと僕の悪いところかなと思って、自分にも、自分に負けた試合かな。ああまあ荒東君に負けたんスけど。あそこ何も言わずに出てったのはちょっと自分のあそこが、一番弱さが出たかなって思いました。あと2Rっスね。上取れたところで取り返されたのが。ま、本当ちょっと、『情けねえな、俺』っていうところでしたね」 ――荒東選手と実際に戦ってどんなファイターだったでしょうか。 「うーん、なんか上手くやられたなっていうのが……我慢してましたよね。1Rはずっと。実際2分ぐらいは僕のペース、2分以降はずっと向こうのペース。そこかな。だから、うん“タフだったな、思ったより”ていう感じでしたね」 ──長谷川選手は、RIZINの旗揚げ以来のかなり久しぶりの参戦で、10年ぶりということになりますが、そのRIZINの舞台はいかがでしたか? 「うーん、まあ、落ち着いてはできたんですけど、本当にまあ階級と僕のコンディションと……っていうところがまず今回の試合で一番来て。いつもならもらうはずのないパンチをもらって、アガってたわけではないですし……空気感は良かったし、なんかこの何日か楽しかったなって、で、僕が掴めなかったなって思いましたね」 ――試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えてください。 「いやー、何も考えられないなっていうのとで、やるんだったら、本当になんだろう……うーん、やるんだったらもう一回気合いを入れ直さなきゃいけないって。気合いっていうのは全てに対してのことで……、うーん。たぶんこう、試合見て思っていたかもしれないけど1分、2分は僕のペースだったんじゃないかなって。で、2分以降、もう明らかに相手はガード固めて、僕のスタミナが削れるまで待って、そっからパンチ振ってきて、まんまと作戦に乗って。で、ま、作戦の時点で負けてたのかなってか、体力ないっていうのがそもそもファイターとしてどうなんだろって話じゃないですかね。ねえ、そのスタミナ作る期間がなかったって言ったら普段の生活がおかしいし。うーん……やるんだったらちょっともうちょい期間をかけてもう一回やんなきゃいけないし、ミドル級って適正でやれれば一番いいのかなとも思うんですけれども。それも人数がいないってことで。また戻ってくるんだったら何かを変えなきゃな、変えなきゃなっていうか、作り直す必要がある。  そこで今日のバカ試合してていいのかなっていうのはありました……うん。あんなのだっておかしいじゃないですか、今日の試合なんか。我慢して我慢して、相手が2分以降攻めてきて、たぶん1、まあ、今考えれば(荒東が)1R我慢して2R目から行こうって作戦だったんですけど、途中で分かってたけど“その前に倒しちゃおう”っていう僕の心の弱さとスタミナの無さが露呈した試合だったのかなって。荒東君のことを讃られないでケージ降りてしまったのはちょっと本人に謝りたいなっていうところで、直接行くのもう嫌なんで、ここでちょっと、改めて謝れればなっていうのは思っています。なんで、この声が届いてほしいなと思っています」 ──計量の段階で10kg以上の体重差がありましたが、そこに対して戦いながら感じるところはありましたか? 「あんまりそこは感じてなくて、まあ、別に120(kg)と110(kg)じゃないスか。他の階級だったらなんか400グラムぐらいの差じゃないかなっていう。ま、それはちょっと言いすぎですが、今日の試合で重いとかは感じなかったですね。ただただ僕の普段の練習不足を突かれた、スタミナの無さが思いっきり出た試合なのかなっていうのは思いました。ただ、ヘビーでやるんだったらチューンナップしなきゃなっていうのと。最初の2分と残りの13分の、たぶんその何て言うんだろうな、ペースの違いっていうのがすごく出た試合なのかなって。  めちゃくちゃ長く感じたし、向こうは最初の僕の攻撃をどう耐えるか、たぶん2分っていうか、1Rですよね、作戦は。向こうは、僕の1R・5分耐えて、残りの10分で僕を倒す。で、僕は途中でそれ分かったけど押し切ろうと思った。それがすごい、まあ今言ったら考えたら“バカだな”っていう。本当にもうただ自分のこと大バカ野郎だとしか思わないような感じですよね。あそこでペース落としたらまた違ったかもしれないですけど。で、結局行きすぎて最初左フックもらったんスよね。左フックもらってまた次、右か。で、倒れてしまった。そこから、力んでパンチ打ってどんどん疲れてって、もう墓穴掘ったというか、相手の作戦に乗っちゃったっていうのが、はい。うん」 ──もう少し冷静にプランを立てて行けてたらもっと全然違う試合にはできた? 「ま、そうスね。ていうか冷静に戦える体力が無かったってのが一番バカな話で。うん、そこですよね。“押し切っちまえばいいや”って、よくあるアレですけど、押し切れると思ったんで。パンチ当たってたし。  でも向こう、たぶん試合見返せば分かるけど、(両手を頭に添えて)こうじゃないスよね。もう(左手だけを頭に添えて、右肩を前にディフェンス)こうでしたよね、ディフェンスが。だから打たれてもいいみたいな。急所守って、僕も打つところが無いんでここら辺(頭の上あたり)を打ってたんすけど、もうそれも折り込み済みでやってたのかなって、途中で(気づいた)。  だけど僕はその作戦プラス変更する体力がなかったので、一番安易な“押し切っちまえ”で押し切れなかった。それで一番ダメな根性勝負して“なんとかするしかねえ”なと。でも根性勝負してなんとかする、できる体力もなかったんで。ま、結果がああなったってのは必然かなって。MMA舐めてたなって。舐めてたっていうか時間が足りなかった、うん。どうアレすんのか、今後何をするのかっていうのは一番アレで、ま、スタミナ戻せって話なんですけど」 ──自分に失望しているのが一番大きいですか。 「いや“死ねよ”って思ってます。自分のこと。ああもうなんか“腹切りてえな”ぐらい思ってますね。失望してますし。その……昔だったら途中でプラン変えられる選択肢ってか、選択する体力があったのに、今日は普通に冷静だったら、プラン変えようとか体力あれば。体力あれば冷静にも行けたし、プラン変えようって選択肢があったんですけど今日はもうそれもなくて。てか、倒さなきゃいけないっていうのも頭にあったし、プラン変更して長々やるっていうのも、“やりきれるかな”って不安もあったんでそこで“押し切ってしまえ”っていう一番単純な考え、それが失敗に繋がった。そういう試合だったと思います。だから失望してます」 ──荒東選手のブロッキングとか、コカしとか首相撲がかなり細かく上手くて、結構有効的だったと思いますけれども、それは試合中やっぱり“あ、ちょっと上手いな”とか、そういう、感じてることはありましたか? 「ていうか、ガードが嫌だっていうか、アレですよね。僕のパンチの、そのなんだろう。たぶん、なんか……」 ──軌道を読まれていた? 「軌道を読まれたか、あのもう顎引いて、当たっても、なんだろう。たぶん僕のダメージと体力の削り具合を計算してたと思うんですよ。で、なんだろ、1R……分かんないスよ、聞かないと。ただ1Rは完全に僕のパンチいくら食らっても倒れないように顎引いて、2R目から削りに来たっていう。だからガードも、こう(両手ハイガード)じゃなかったスね。で、ま、いくつか狙われるけど倒れないような感じで、だからダメージと僕のスタミナを天秤にかけて削ってきたのかなって。そのなかで僕は疲れてくるし、えっと……、疲れてくるし倒したいからどんどん近づいてきて。で、正直ですよ、3R、使えんだったら、使って戦えるスタミナがあればジャブ打ってりゃいいのかなって。でもそれもなんか興行的にどうなのかなって思う自分もいちゃって。ずっとジャブ遠くから打ってりゃいいはずなのに“倒しに行こう、倒しに行こう”と思って左もらって。で、疲れたし倒せないしどうしようって。だから実際あのブロックは嫌でしたね。はい」 ──あと、向こうの陣営は三日月蹴りを狙って、体力を削ることが作戦としてあったみたいです。実際どうでしょうか?  「三日月もらいましたっけ」 ──ミドルキック的なものは。 「あんまでも、そこはそんなに……そうですね」 ──どちらかと言うと、相手からのダメージより自分のスタミナ不足で、スタミナが切れた感じですか。 「そうスね。あとなんか足持った時にミドルも食らって足持った時に一発、左か右もらったのがクラッとして、あの、ちょっとヘビー級の手打ちのパンチ、手打ちのパンチだったんですけど甘く見てましたね。あれが最初にクラッとしたかな? あとそうスね、めちゃくちゃなんか右のふくらはぎが肉離れしてますね、たぶん。ちょっとなんか、すげぇ痛い」 [nextpage] 長谷川賢「ファイトする」ということ  試合後、長谷川は自身のXのスペースでライブ配信。あらためてミドル級への減量と、ヘビー級では酒井リョウ戦との再戦を佐伯繁代表にリクエストしたことを明かし、「キルクリフFCに行こうかなって思ってる。ヘンリー・フーフトフコーチが『俺がお前を以前のように戻してやる』って言ってくれて。昔対戦したアウンラ・ンサンも指導員やってるし、フロリダの海を二人で走ってくる」と再起のプランを語った。  また、自身の試合以外にも言及。女子スーパーアトム級で、スプリット判定決着となったNOEL vs.ケイト・ロータスについて、グラップリングの試合を例にあげて「まだ発展途上、この選手たちがどうなっていくかは温かい目で見守って」とし、次のようにジャンルの普及を語った。 長谷川「ジョセフ・チェンがグラップリングの大会を組んだ時に、彼は膠着を良しとしなくて。ルールの枠を使って攻略してポイントを取って逃げるゲームについて、ある選手が実力差があるのに勝負しないで固めて、ちょっと硬い勝ち方をしていた。俺としてはそれは全く無しとは思わなかったんだけど、つまんない試合だなとは思って。でもジョセフはすごく怒っていた。『なんであいつはもっと動かないんだ』って。『動きが無い試合だからグラップリングが批判される。もっとアグレッシブに攻めて、ゲームを動かす必要がある。それが新しい人たちがどんどん入ってくるきっかけになる。“面白い”と思うことが、見る人・やる人を増やす方法だろ? 出来ることがあるのに全力を尽くさないのは、プロじゃないだろう?』っていう、マインドの話をしてくれた。  俺は、プロとして勝負に勝つこともすごく大事だし、見せるのも大事って両方の側面がある中で、やっぱり“自分の能力でできることを全部やる”のが大事だなっていうのは改めてその時思った。それができるのって、練習からそういうことを意識しないとできないわけで。そういうことも考えて練習して試合に勝つ。“動ける”ってことは、試合で勝てる幅も増えるってこと。それも想定して練習しないといけないんじゃないかなっていうのは思ってる。 “勝ちにこだわって(勝負に)動けない”っていうのは、やっぱり技術が足りないから。だってどちらかが有利になった方は動けるからフィニッシュに向かうわけだし。戦いってどっちかが居心地悪くなる話だと思う。どのポジションにいるか。居心地悪い方は居心地良くしなきゃいけないし、相手に居心地悪くさせていい方はどんどんフィニッシュに向かう。戦いは、ファイトはそういうもんだと思ってるから、そこで膠着してるのはやっぱり技術や体力が足りない。強い者同士だったら膠着する部分はあるんだけど、それをどう展開を作るかっていう展開力、展開をどんどん進めていくって力も必要だし。 11月6日のONE『The Inner Circle 37』でクリスチャン・リーはタイ・ルオトロを相手にライト級王座防衛戦に臨む。(C)ONE Championship  それは3分の試合、5分の試合で展開のスピードも違うと思うけど、その『展開力』の差っていうのもかなりあるのかなと俺は思っていて。例えばボクシングの試合とかK-1の試合って早い。次、次、次って。で、MMAは結構遅くなることも多い。でもクリスチャン・リーの試合って超展開早くない?(打撃も組みもシームレスで)早い。彼のすごいところは展開力の速さだと思っていて、ああいうことができる選手がどんどん出てくる。  だからグラップリングもそうだし、女子格闘技でもそういう選手が出てきた方が盛り上がるんじゃないかなって。そういう選手が出てくるのを期待したいし、今いる選手がそうなっていく可能性もある。そういうところもこれから見てくいくべきだと思う。強くなったら展開を進めることが出来る。まだ発展途上なんだろうから、ここからどうするか。この選手たちがどうなってるかっていうのは温かい目で見守ってもらいたいです。  俺はコーチに理想論を聞いて、いつもそれに近づけようと思ってる。できる・できないは別にして。格闘技って多分“どの状態でも、どういうことでもできるような状態にしとかなきゃいけないもの”だと俺は思ってる。“こうなったからこうします”って話じゃなくて“こうなってもどうにでもできる”っていうことが一番なのかなって」。  また、『超RIZIN.5』で朝倉未来に1R 2分39秒、パウンドでTKO負けした青木真也のフィニッシュについて、「本人と相手にしか分からないプレッシャーがあったのかもしれない」と前置きしながらも「青木さんの凄さを知っているだけに、あそこで腕十字に行った青木さんが気になった」と語った。 長谷川「試合前に『青木さんが絶対勝つ』って言ってましたし。なんであそこで十字行ったのか。本当に未だに俺は……青木さんの試合を昔から見てるし、青木さんとも喋ったことあるし、 ONEの青木さんを近くで見てたことがあるから、あそこで腕十字に行く青木真也さんが信じられないんですよ、俺は。だって青木さんってバックついたらラスト40秒ぐらいまで(切り返される)危険がある技はしないじゃないですか。だからあそこで行った青木さんっていうのは本当に信じられなくて。最近の格闘技の一番の謎です、僕は。スタミナとか言われてもあの青木さんですよ。青木さんの凄さは分かってるだけに、あそこであの十字に行くのか? っていう。 (J氏「近代MMAでは胸と胸を合わせるサブミッションが決まり手のほとんどで、身体を投げ出す(スペースが出来る)腕十字は捨て身の攻撃にもなり失敗するとリスクがあることを知った上で冒した」)今までの青木さんだったら多分ラスト30秒くらいまで行かないじゃないですか。今までの青木さんだったらあそこから三角(絞め)に行ってるはずだし、あそこのなんかその打点の低さが凄い気になって僕は。分からないですけどね。本人と相手にしか分からないプレッシャーがあったのかもしれないですけど、青木さんの凄さを知ってるだけに……だってジェームズ・ナカシマから一発で(RNC)極めるんですよ?(リスクを冒しても以前の感覚だったら取れていたと)でもリスクを冒さないのが青木さんだと思ってます、俺は。(ファイトしたかった?)それは……そこは言ったら僕が今回、荒東君に殴り行ったのもそういうことだって言ったら納得はするけど、それでも僕がやるのと青木さんがやるのとでは意味合いが違うと思ってるんで。青木さん本当に極め力が凄いから、何個一本取ってんだ? ってフィニッシュ率も凄いから……」
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