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インタビュー

【RIZIN】榊原信行CEO「もう少し世間をバズらせたい。あと3、4試合発表したい」=12月5日(木)14時から那須川天心のカードを発表

2019/12/05 12:12
【RIZIN】榊原信行CEO「もう少し世間をバズらせたい。あと3、4試合発表したい」=12月5日(木)14時から那須川天心のカードを発表

2019年12月29日(日)、31日(火)にさいたまスーパーアリーナにて開催される「BELLATOR JAPAN」(29日)および「RIZIN.20」(31日)の追加対戦カード発表記者会見が、12月4日(水)14時から都内にて行われた。会見後、RIZINの榊原信行CEOは囲み取材で、今回のカード発表の意図、追加カードの展望などを率直に語った。

・那須川天心のカードを発表(※12月5日14時から会見が決定)YouTubeライブ配信
・Bellatorのカードも追加もう1試合
・RIZINでも中継の間で観客を待たせないようにスウィングバウトを計画
・平本蓮のカードを対総合格闘家にした理由
・Bellatorキックとの関係
・将来的に海人対平本も
・朝倉海vsケイプを王座戦に決めた理由
・石井慧の2年8カ月ぶりの起用の意図

──カード発表はあとどれくらいでしょうか。

「那須川天心ふくめ、早ければ明日にでも会見を開きたいと思っています(12月5日午後2時から会見が決定)。あとは、本当に格闘技という魅力を、振れ幅を大きく伝えることでいうと、もう少し世間の人たちにも届くようなものがあってもいいのではないかと思っているんです。ここまではストレート、ストレートで勝負をしている感じが今年の大みそかはあると思いますので、去年のメイウェザー(vs那須川天心)に比べると、非常に格闘技ファンにはたぶんど真ん中、ストレートが入っていると思うんですけど、やはり大みそかに地上波で、NHKの紅白とか、“ガキ使”とかと比較されると、(地上波という)スタートラインに立っている以上は、もう少し世間をバズらせるようなものを、諦めずに最後までプラスアルファとして考えていきたい。格闘技ファンからすると、少し肩の力を抜いてみてもらえるような、そういうものも用意していきたいなと思います。あと、3試合から4試合くらい、最終的にはまとめられたらいいなと考えています」

――Bellatorのカードはこれで出揃いましたでしょうか。

「Bellatorの大会ももう1試合くらいです。Bellatorの全米生中継が12時から始まって午後3時までの試合の中の1試合として、“スタンドバイバウト”といって、スウィングバウトのようなカードを組もうかという話をしています。総集していった場合に、その試合が緩衝材になるような。RIZINの中でも年末に関しては、そういう会場の皆さんを(中継で)いたずらに待たせることを少しでも解消するための方策として、スウィングバウトのような形で試合を組めたら、と考えています。そのあたりも、この一両日中に決まってくるかなと思います」

――平本蓮選手の相手に、MMAの芦田崇宏選手を組んだ意図は?

「平本選手はやはりK-1の中でキックボクサーとして純粋培養されてきた選手なので、せっかくRIZINに来たので、普通にキックボクサーとやるよりは、総合格闘家の引き出しの多さを含めて──平本選手もすでに警戒していると思いますけど──普通のキックボクサーがやってこない、セオリーどおりこない戦いにどう順応できるのかというのを見てみたいし、ましてや今回ケージという、まったくリングと違う空間の中でどんな戦いを見せるのか。当然彼は今まで戦ってきたK-1というところに大きな思いを持っているんだと思いますが、K-1の選手たちが、総合なり、RIZINなり、外の世界に出たときに待ち受けているものがきっとこういうことなんじゃないかなと思うので、そういう意味で、いろいろなメッセージがこの試合から発信できたらいいかなと思っています。苦戦すると思いますけど」

――立ち技選手では、12月4日のシュートボクシングで、海人選手も大みそかに出たいという話がありましたが、どうなりそうでしょうか。

「そうですね。将来的には、海人選手と平本選手というのは、RIZINのキックルールの中での試合というのは見えてくると思いますし、海人選手も、さっきRENA選手の付き添いでこの会場に来ていて話をしたら、ダメージもないということなので、前向きにカード編成の中には加えたいなと思っています」

――この流れは、SBの会場で、シーザー武志SB協会会長から呼びかけられた「立ち技で、年末にチャンピオンばかり集めてやりませんか?」という流れのなかのひとつなのでしょうか。

「そうですね。そういうことに繋がっていけるといいなと思っています。『GROUND ZERO 』という大会もきっと、シーザー会長はそういう思いの中で、いろいろな他団体にも声をかけてやられたのだと思います。キックもいろいろな団体に分かれてしまっているので、だったらその中で“最強は誰なんだ”というのは、はっきり。これ、業界全体でやるべきことだと思うんだよね、本当は。そういう絶対的王者みたいなものをみんなが、いろいろな私利私欲というか、いろいろな思惑があると思うけど、それぞれのチャンピオンを出し合ってやれたら。それがまずは国内からスタートできてもいいと思う。我々もRIZINという部隊では、本当に将来、サッカーのチャンピオンズリーグのような形を目指せるようにしたいと標榜していますので、一緒に足並みをそろえていけたらいいなと思っています」

――先ほど平本選手から、「Bellatorキックのファイターとも戦いたい」という話がありましたが、それはスコット・コーカー代表とも話していますか。

「Bellatorとも2020年のシリーズについて、それぞれいろいろ話をする中で、積極的にやっていこうと。キックってヨーロッパですごく人気があるので、Bellatorもヨーロッパ進出を積極的に来年果たしていく中で、もう少し総合(格闘技)とキックとのバランスでいうと、キックが少し需要が増しそうな状況でもあるので、RIZINで活躍するキックボクシングの選手たちが積極的にBellatorの海外の大会に出ていくということになればいいなと思っています」

――大みそかにマネル・ケイプに期待する点は?

「マネル・ケイプは最初のキャラクターからすると荒っぽくて粗暴な感じでした。会見であったようにああいう挑発をするのは彼の得意技なんですけど、それが全部計算の中で行われているという、非常にスマートで頭のいい、アンゴラ出身の選手だと思います。だから、海とも話をする中で、海がたぶん一番やりたくなかったのはマネル・ケイプなんじゃないかなと。堀口選手が怪我で欠場を受けて、タイトルマッチに挑戦する権利は、そのまま朝倉に残したときの、もう一人対戦相手としては石渡選手とか扇久保選手とか、マネル・ケイプとかであったと思うんですけど、たぶん一番やりにくいと思う相手だと思います。どちらかというと、すでにマネル・ケイプペースなんだと思います。だから、非常に試合の中でもクレバーな戦い方をマネル・ケイプはしてくるし、過去の試合を見ても、身体能力が本当に高い選手なので、戦績の中では勝ったり負けたりしているところはあると思いますが、ここぞというときは侮れない選手、一発を持っている選手。とてもヒリヒリするタイトルマッチになる予感がします」

――この王者決定戦に関して、堀口恭司選手はどのように言っていますか?

「ぎりぎりに決まったので堀口にはまだ伝えていないでしょう。当日は会場に来ます。当然、見届けてもらおうと思っています。怪我の回復状況も含めて、大みそかにはリングサイドで見てもらおうと思います。Bellatorのチャンピオンベルトも返上しているので、29も31も、今回は出場選手ではない形で観戦をしてもらう形を取れればと思っています」

――石渡vs扇久保がタイトルマッチではなくて、海vsケイプをタイトルマッチにした判断は?

「今回は堀口を倒した海を軸に考えました。石渡選手と朝倉海の対戦というのも考えたんですよ。ただ、朝倉海と戦わせて、一番、海とはねるというか弾ける、2人の中の因縁でいうと、前回の試合は、確かに海とケイプの試合って、本当にクロスゲームだったと思うんです。見る人によっては、ケイプが勝ったという人がいてもおかしくない試合だったので、海がそういう遺恨を残したままベルトを巻くということになっても駄目だと思うので、チャンピオンになったときにも後ろ指を指されずに、今日の会見のようにぐちゃぐちゃ言われずに済ませるためには、ここでタイトルに挑ませると。これできれいに取れれば……、堀口の偉業って、マネル・ケイプと朝倉海が戦うだけでタイトルホルダーというのはちょっとおこがましいと思うので。だから、ここでチャンピオンになった上で、かつ、石渡vs扇久保の勝った方と勝てれば、本当の押しも押されもせぬRIZINのバンタム級チャンピオンと言えるのかなということで、この4人をトーナメントにして、その日にこのベルトを賭けてという形も考えたのですが。1試合目の勝負のあやによっては、かなりハンディキャップがついてしまう。それがトーナメントの面白さではあるのですが、ゲーム性はこのタイトルには必要ないかなということで、結論を出しました」

――石井慧選手の2年8カ月ぶりの起用の意図は?

「いいんじゃないですか。このRIZINでのヒース・ヒーリング戦の、どんな試合だったかもたぶん思い出せないくらい、すごく印象に薄い試合だったんですけど(苦笑)。ただ、一番駄目なのはファンの人たちからブーイングも飛ばないくらい客がドン引きしちゃったこと。これはもうはっきりそういう試合でした。でも、そういう試合の後でも、石井選手は、海外でクロアチア国籍を取得したり、PFLやKSWでも活躍している。これだけ世界のヘビー級で戦えている日本人選手って実はいないんです。シビサイが会見ではああ言いましたが、キャリアでいったら石井慧に敵わない。だから、本当に彼がゴールドメダリストというだけじゃなくて、総合格闘家として、この2年半で精進したものを、もう1回僕は日本のファンの前で証明してほしいな、見せてほしいなと強く思っています。そういう意味では、対戦相手のジェイク・ヒューンは強くてキャラクターもある。これまでのファイトスタイルも含めて、RIZINの中でもすでにおなじみの選手。彼と105kg契約でどこまで慧が見せてくれるのか。本当に魅せる試合、色気のある試合を期待したいです」

――CBダラウェイとイリー・プロハースカも意外な好カードですが、石井選手との再戦は考えませんでしたか。

「イリーとの再戦というのも考えたんですけど、今回、イリーをタイトルマッチにしたかったので、93キロには慧は落とさない。あの身長体重だったら、本当はライトヘビーが適正だと思うのですが、常にヘビー級にこだわり続けているので、今回イリーのタイトルショットには考えはなかったです」

――ライト級のリザーブマッチというのは?

「ライト級のリザーブマッチは予定はしていないです。トーナメントルールに従って行います」

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